第33回 JSCRS学術総会発表;3焦点眼内レンズ ファインビジョンの混濁症例

今日は東京国際フォーラムで行われた、
33 JSCRS総会で発表を行いました。

Japanese Society of Cataract and Refractive Surgery
日本白内障屈折矯正手術学会の略です。

今回の発表は日本では未認可の多焦点眼内レンズである、FINE VISION ファインビジョン(PhysIOL;ベルギー)がカルシウム沈着により眼内で濁ってしまい、交換した症例の発表を行いました。

 FINE VISIONは特殊な構造で、遠・中・近の3か所にピントを分ける(3焦点)のレンズです。(各々がすごくよく見えるわけではなくて、一つ一つの能力はそれなりに低下しますが、多少のボヤケは気にしないから、メガネなしで生活をしたい。という人のためのレンズです。)

他院様で白内障手術を受けた後、約4年で、上二つの写真のようにレンズが混濁してしまい、当院にて摘出し、右下は新しいレンズを入れた翌日の写真です。
今回はキレイに回復しましたが、レンズ交換はそれなりにリスクをともなうものであり、基本的にはレンズの混濁は望ましいことではありません。
FINE VISION ファインビジョンは親水性の眼内レンズで、摘出したレンズは分析の結果、カルシウム沈着という状態に陥っていることが判明しました。

実は2000年頃にハイドロビューという親水性の眼内レンズに、カルシウム沈着が起こり、日本を含めて世界中でかなりの数のレンズが摘出さることとなった事件がありました。
それ以来、現在日本では疎水性に分類されるレンズしか認可されたものがありません。ただし、世界中では親水性レンズを発売している会社もあり、そのいくつかは、同様にカルシウム沈着の報告が散見されています。
ちょっとあげるだけでも、

oculentis社のLentis:ドイツ製の乱視につよい多焦点、日本ではオーダーメイドのように広告されることが多い。
Bausch Lomb社のAkreos:近年、日本でも話題のEDOFに分類される多焦点レンズ
Rayner社の570H:イギリス製のマルチフォーカル
などがありますが、特に Lentis(レンティス)は、複数のカルシウム沈着の報告から、昨年の9月に世界的に自主回収の通達がありました。
ここで驚くのは、レンティス・Lentisは日本では未認可のレンズであり、僕が調べた限り、日本語でのアナウンスは行われていないようです。
今回のFINE VISION ファインビジョンも日本では未認可のレンズですが、医師の責任のもとで個人輸入されていますので、販売者への分析依頼なども困難でした。
ちなみに僕はもう一例、別にFINE VISION ファインビジョンにカルシウム沈着を起こしている人を担当しています。

親水性レンズに対するカルシウム沈着は、全員が発症するわけではありませんが、糖尿病や腎機能障害、高脂血症、硝子体など他の内眼手術がリスクとなります。
今は糖尿病ではなくても、多くの方は一生を同じ眼内レンズで過ごします。みなさんは、一生涯、10年後、20年後も高脂血症や糖尿病にならないと自信がありますか?
眼内レンズの交換は、最悪、網膜剥離などを起こしうるリスクの高い手術です。親水性レンズはそういうリスクを負ってしまう可能性が否定できません。

未認可のレンズを最先端のように広告される医院が散見されますが、僕はやはり、日本国の高次機関で安全を検証された(認可された)レンズの方が安心だと考えます。(日本で認可されたレンズだから、確実に安全だとも言い切れませんが、個人的な意見としては比較すれば。)

高額な手術費を設定すれば、未認可のレンズはクリニックの経営には有利かもしれません。しかし、未認可の医療器具の使用は、個人輸入した医師の自己責任のもとで行うこととなっています。眼科医の先生方も万が一の場合は、全ての責任を負う覚悟が必要です。
型番が違ってもレンティスや、ファインビジョンを入れた患者さんがいたら、一度は呼び出して確認したり、海外では自主回収があったので、今後も定期的な検診をうけるように。と伝えるべきなのではないでしょうか?

患者さんも患者さんで、安易な広告に飛びつかずに、どういうリスクがあるのか?不具合が起きた場合には誰が責任を持つのか?海外の会社との交渉を医院が手伝ってくれるのか?担当の先生によく説明を求めるべきです。僕は白内障などの簡単な手術では遠方の患者様は極力お断りする主義ですが、インターネット広告で遠方からも手術を勧誘している医院で手術をして、その後の管理に不安はありませんか?

 

明日は石岡市医師会の総会があって講演を依頼されていますが、なんとまだスライド(資料)の準備が全くできていません。60分の講演。今晩は絶対に徹夜ですね・・・。

 

 

第53回 日本網膜硝子体学会総会

硝子体学会も無事に終わり、帰路についています。今日は新幹線「のぞみ」からブログを書いてみます。電車オタクではありませんが、新幹線「はやぶさ」にも乗ってみたいな。(不在にて数件の緊急診療をお断りしてしまいましたが、申し訳ありませんでした。)

53回 日本網膜硝子体学会総会
今回は「YAGレーザーによる術前処置を施した硝子体手術時の前嚢収縮の切除効率と安全性」という演題で発表をさせて頂きました。(⇒昨日のブログ参照
昨日、前嚢収縮によって、視力の低下、眼内レンズの性能の低下などを生じることを記載しましたが、実は前嚢収縮は患者さん側の症状・問題だけでなく、医師側にも問題を起こすことがあります。それは、患者さんの眼底(目の奥)が見えにくくなることです。
眼底検査をするときには、瞳孔を大きく広げる目薬を使用します。瞳孔が小さいと視界が狭く目の中を覗き込む時に邪魔だからです。同じように、前嚢収縮でもレンズの前面を覆ったリング状の混濁が邪魔をして、眼底が見えにくくなってしまいます。
特に糖尿病の方の白内障手術では前嚢収縮が起こりやすいのですが、糖尿病の方は白内障手術が終わっても一生涯、眼底検査での糖尿病網膜症(眼底出血)の評価を続ける必要があります。この時に、前嚢収縮があると眼底の隅っこが見えなくなってしまったり、診察が困難になってしまうので、YAGレーザーによる切開をしておくことが重要なのです。
しかし、実際には治療されずに前嚢収縮が進行し、将来的に糖尿病網膜症が悪化して硝子体手術(目の奥の手術)を受ける場合に、僕たちが手術中に目の中を覗くのに邪魔になってしまうことがあります。
本来、白内障術後に前嚢収縮が起こり始めた場合に、予防的にYAGレーザーで切開をしておけば、このような処置も不要なのですけどね・・・。なぜだか日本では治療をしない先生だらけなのです・・・。

硝子体手術をする場合に、眼底が見えにくいことは手術の安全性・成績に不利なるので、多くの講演や教科書では手術中に剪刃(ハサミ)を使って、混濁・収縮した前嚢を切除してから手術をすることが勧められていましたが、やってみるとレンズがずれてしまうリスクがあったりと、ハサミで処置をするのは結構難しい処置です。
ハサミで切開は難しい
ところが、手術前にYAGレーザーで切開を入れておくと、ものすごーく簡単に除去できちゃうことがわかりました。レンズの動揺もなく、チン氏帯にとても優しく手術できます。

前嚢収縮が広がると、手術中の眼底が見えやすくなります。

左が治療前、右が治療後
ワイドビューイングシステムでは、ある程度の前嚢収縮は関係なく手術できますが、術後診療含めて、視認性が改善するのは良いことですよね。
専門的ですが、混濁部を攝子で引っ張って除去しますが、治療後によく観察すると、多くの場合で前嚢組織は残ったままで、混濁した組織(筋線維芽細胞様化した水晶体上皮細胞)のみが除去できているようです。このためにチン氏帯への負担が少なくなるようです。
本当にものすごーく簡単に除去できるので、眼内レンズ眼に硝子体手術をする時には是非やってみてほしいのですが、写真では伝わりにくいので、動画をYOU TUBEにUPしておきます。
⇒手術動画はクリックしてください。

治療のサンプル写真です。
左:治療前、中央:YAGレーザー後、右:手術後
症例1

症例2

やっぱりキレイな方が診察も気持ちいいです。

学会では、相変わらず抗VEGF薬(ルセンティス・アイリーア・アバスチン)の治療成績の発表が多く、この数年同じ発表ばかり。「いい加減あきあきです・・・。」という部分もありましたが、個人的には、スペインからいらしたJeroni Nadal先生の講演はとても面白かったです。特殊な腫瘍性病変に対して、網膜に針糸を通して栄養血管を縫合して閉塞させてしまう。というものでした。網膜を縫うなんて、思いもよらないアイデアです。こういうアイデアから始まって次世代の治療へとつながっていくのでしょうね。

前嚢収縮(ぜんのうしゅうしゅく)

11月28日から30日に、大阪で学会が開かれています。2週前に神戸の学会で発表したばかりですが、本日再び関西へ。
僕は、「YAGレーザーによる術前処置を施した硝子体手術時の前嚢収縮の切除効率と安全性」という演題での発表となります。

硝子体学会なのですが、前嚢収縮という病態自体は、白内障手術に関連するものです。今日は、まず前嚢収縮についての記載をしてみたいと思います。
前嚢収縮(ぜんのうしゅうしゅく)
近年の白内障手術では、濁った水晶体・レンズを丸々交換するのではなく、濁りを包んでいる透明な袋(水晶体嚢)の前面に丸い穴をあけ(CCC)、内部の濁りのみを取り出して、残った袋に人工のレンズを入れる。ということが行われています。(⇒白内障手術の詳細は以前のブログを参照
手術中は、濁りをできる限り残さずにキレイに掃除するのですが、残念ながら細胞レベルではある程度の濁りは残ってしまいます。多くの方では、濁りの細胞が少しくらい残っても問題なく経過するのですが、一部の患者様で濁りの細胞が分裂・増殖し、形を変えてレンズの周囲で広がってしまうことがあります。
レンズの後面に濁りが広がった場合は、後発白内障と呼ばれます。後発白内障は視力低下に直結するため、YAGレーザーというレーザー光線によって濁りを除去する簡単な治療が行われます。(⇒後発白内障は以前のブログを参照
逆に、レンズの前面、水晶体を包んでいた袋(水晶体嚢)に開けた穴(CCC)の周囲で、濁りの細胞が増殖し、穴が閉じてきてしまうような病態を、前嚢収縮と呼びます。

赤矢印の先、白いリング状の濁りが前嚢収縮です。濁っている部分は光がとおらないため、視界が狭くなります。

前嚢収縮によって起こる症状
・コントラスト感度の低下
  (白と黒は判別しやすくても、白と灰色は判別しにくいなど)
・グレア
  (夜間のライトのまぶしさなど)
・眼内レンズの偏心・変位・傾斜
  (袋のヒキツレによって、中のレンズがずれる)
・視野の狭窄、視力低下
  (収縮・混濁が中心近くに及んだ場合に発生)
・眼内レンズ落下
  (中等度?重度の場合に起こりえます)
とくに、近年使用頻度が増えている、非球面レンズ、乱視用トーリックレンズ、多焦点レンズなどの高性能レンズは偏心・変位・傾斜によって、本来の性能を発揮できなかったり、逆に通常のレンズよりも見えにくくなってしまうことがあり、術後の診察で前嚢収縮を見た場合には、きちんと治療をする必要があるのですが、なぜだか日本の先生は、中心視力が低下するほど重度の前嚢収縮になるまで治療をせずに放置をする場合が多いようです。(治療によって、ある程度の偏心は戻りますが、重度のものや乱視の軸が大きくずれてしまった場合は完全には戻せません。)

前嚢収縮を起こしやすいケース
・年齢が若い
  (残った濁りの細胞の細胞分裂能力が高い)
・術後炎症が強い
  (手術が長引いたり、手術後の点眼薬をサボったりする方)
・糖尿病の方
・網膜色素変性症の方
・PE/落屑症候群
  (瞳孔周囲に白いフケ様物質のたまる体質の持ち主)
・他の手術との同時手術
  (硝子体手術や緑内障手術)
通常、強い前嚢収縮は数週間?半年程度で生じ、軽度のものでは、その後も長期間をかけてゆっくりとは進行するものもあります。
当院では標準的には白内障手術後、翌日、1週後、さらに2週後、さらに1ヶ月後、さらに2ヶ月後、さらに4ヶ月後というスケジュールで診察をしています。その後は1年か2年に1回の定期検診をお勧めしています。
稀に、「白内障手術後の検査なんて、1ヶ月もみれば十分」とおっしゃる先生がいますが、そういう先生は球面の単焦点レンズしか使用しないのでしょうか?トーリックレンズをいれて、もし収縮が起こって強く偏心してしまったらどうするのだろう?非球面レンズが逆に視力を低下させてしまったらどうするのだろう?と多々不思議に思います。

治療法
後発白内障と同じく、YAGレーザーというレーザー光線を照射して、その衝撃で前嚢収縮を切開します。切開を入れると張力によって小さくなったCCCが広がり、その後の収縮を抑制してくれます。

上記でで紹介した同じ症例の治療後です。YAGレーザーの切開により、混濁した白いリングが広がり、光が通過する範囲が広がっています。(後発白内障も同時に治療)
教科書的には糖尿病の方など、上述したようなリスクの高い症例では、軽度の前嚢収縮であっても予防的に前嚢の切開をしておくべきとされています。
目薬の麻酔薬を使用して、痛みもない2分程度の治療です。治療直後から洗顔洗髪含めて制限はありませんが、2週間ほど目薬を付ける必要があります。
この治療、保険点数がついていないようで??、当院ではリスクの高い症例などでは無料でYAGレーザーを施行しています。
(後発白内障と同時に治療する場合もあり、その場合は1割負担で1000円強、3割で3000円強の費用がかかります。)

白内障手術:瞳孔拡張リング 手術動画

お久しぶりです。ブログの更新が1ヶ月ほどあいてしました。
最近、「you tubeをみたのだけど」と、面識のない眼科の先生方から電話やメールなど、質問を頂くことが増えています。もらった電話で、僕も新しい知識を頂いたり楽しいものです。
今日は先週の手術の動画をUPしてみます。
眼科の先生方で、何かアドバイスなどあればぜひご連絡ください!

小瞳孔の白内障手術:瞳孔拡張リング(手術動画)
今回は動画がメインです。以前に基本的な内容は記載したことがあります。そちらもご参照ください。
白内障手術を安全に行うには、目薬を使用して瞳孔を開く必要があります。
当院では手術の1時間くらい前から、1種類の目薬を2?3回使用しています。多くの患者様では、瞳孔(茶目)が大きく開いて安全に手術が可能ですが、様々な理由によって瞳孔が大きく開かない状態を小瞳孔(しょうどうこう)と呼び、少し手術が長めになったり、難しくになったります。
(小瞳孔に関しては、以前のブログをご参照ください→小瞳孔?IFISの手術例

瞳孔を無理に広げることは、あとで瞳孔機能に障害が起こることもあり、好ましいことではないのですが、あまりに小さい場合に無理な手術をして合併症を生じるもの問題です。当院では概ね直径4mm以下の瞳孔の場合には、切開をしたり、瞳孔拡張リングを使用した手術を行うようにしています。(リングを使用するのは1年に2回くらいです。)


これは手術前の写真です。お若い時にケガか病気によって角膜(黒目)が濁ってしまったようです。瞳孔は中心をずれて、やや右下に針の穴のような隙間があるだけ。瞳孔を開く目薬をつけても3mm以下の瞳孔です。また、外傷後などの症例は他にも何か異常があって手術が難しいことがあるので、きちんと瞳孔を広げて手術をした方が安全そうです。
下の左の四角◇が、瞳孔を広げるリングです。これを使って手術をしました。

手術動画←クリックを

通常の白内障手術は目薬の麻酔しか行いませんが、瞳孔(茶目)に触ると少し痛みがあるので、リングを使用する場合の手術開始時には麻酔の注射が必要です。
手術時間が数分余分にかかりましたが、とてもきれいにできました。

手術翌日の写真です。瞳孔の形もまずまずです。

白内障手術 入院か日帰りか

今日は土曜日で、開業医様で硝子体手術を12件、白内障や翼状片などを十数件担当しました。その後、網膜剥離の緊急手術のため夕方から別の開業医様に移動。黄斑(視界の中心部)がはがれていたので、週明けまで待ってもらうよりよい結果になると思います。土曜日に手術をすると日曜日にも診察が必須です。開業医の先生たちは通常、日曜日に診療をすることは少ないと思いますが、僕の周りには熱心な先生たちが多くて、自分も頑張らなくてはですね。

さて、今日の開業医様では両眼の白内障や硝子体手術を行った患者さんがいましたが、特に硝子体の手術後は麻酔が切れるまでの数時間は見えないので、近くの病院に入院して観察するそうです。
白内障手術は両眼同時でも手術の直後からある程度は見えてしまうので、基本的には外来手術で十分ですが、希望によって入院するかたもおられます。
今日は、外来でよく質問を受ける、「入院か日帰りか?」について書いてみます。

白内障手術 入院?日帰り?

1.基本的には日帰りで十分な手術です。
歯医者さんで虫歯の治療をした時に、入院しよう。とは思わないですよね?
全身麻酔で心臓やおなかを切る手術と異なり、白内障治療は通常は点眼麻酔(目薬の麻酔)で施行します。全身麻酔のようなトラブルもありませんし、意識もなくならず、手術中は僕たちと世間話などをして過ごします。
当院ではほとんどの症例で、両眼を同時に行いますが、眼帯もせずに手術直後からある程度見えるので、付き添いは必要ですが特に問題なくお帰り頂けます。
そもそも欧米では、白内障手術では保険を使って入院することはできないそうです。それくらい簡単で、安全性の高い手術と考えられています。
費用も日帰り手術の方が安価になります。

患者様やご家族様から「入院の方が安全ですか?」という質問が多々あります。
答えはNOです。白内障手術で最も怖い合併症は、眼内炎といってバイ菌の感染によるものですが、入院だからキレイとか、自宅だから汚い。ということは言えません。そもそも病院は無菌ではありません。少しの風邪で内科を受診したら、待合室でインフルエンザをもらってきた。なんて笑い話がありますが、病院は病気の人、咳をする人、弱っている人、メヤニが出る人が密集する場所です。キチンと掃除や換気をすれば、ご自宅の方が細菌が少ないこともあるのです。
報告にもよりますが、中には入院の方が眼内炎の発症率が高いという報告があります。これは、病院が危ないというよりは、もともと体が弱っている人、合併症になりやすい人が入院を選ぶことによって起こった、統計的な偏り(バイアス)と思われますが、どちらにしても入院の方が安全ということはないようです。
ちなみに、僕は白内障手術を十数年間、かなりの患者さんを執刀していますが、今まで感染症を起こしたことがありません。なので、日帰りと入院の成績を比べることはできませんが、あまり起こらない合併症と考えてよいでしょう。
*術後3?4日程度は洗顔ができない。手術後は目薬をきちんとつけるなどは、入院でも日帰りでも守らなくてはいけません。

2.入院が望ましい場合
では、全員が日帰りがよいのかというと、そうではありません。例えば以下のような場合には入院の方がよいかと思います。
・一人暮らし
万が一にも、夜間に具合が悪くなった場合などに、視力が悪くて電話がかけられないなど、病院に連絡が取れない場合は困ってしまいます。 
・送り迎えや通院が困難
基本的にはどんな日帰り手術も、何かあった時に1時間以内に受診ができることが望ましいと考えられています。手術直後は自分での運転が難しいので、送迎や付き添いが困難であったり、遠かったり、交通手段が不便である場合などは、もしもの場合のために入院が望ましいと思います。
*これは、医療サイドの受け入れも同じです。開業医様など入院設備のない医院で手術を受ける場合、ほとんどないとはいえ、ごく稀にでも強い痛みが出たときや、もしも転んで目をぶつけてしまったときなど、緊急時は夜間でも連絡がとれるのか?、どのように処置をしてもらえるのかどうか?などはよく相談して、手術する医院を選びましょう。
・一部の認知症の方
多くの認知症の方は、入院によって環境が変わってしまうと、認知症が一過性に悪化してしまうようです。ですので、日帰りの方が望ましくなります。ただし、認知症の程度や、家族構成(特に一人暮らしなど)によっては、通院の予約が分からなくなってしまったり、手術後の目薬を理解できなくなってしまうケースもありえます。総合的に判断して、入院が望ましい場合もあるでしょう。

このように書くと、多くの方が外来手術ですみそうですが、実はそうではありません。実際には、一人暮らしの高齢者はどんどん増えていますし、茨城県では手術をする眼科医の数が少なく(医療過疎)、当院にも1時間以上かけて受診される方が数えられないほどいらっしゃいます。当院では全体として外来手術の方が多いですが、入院が必要・必須なケースも確実に存在するのです。

さて、H26年4月に診療報酬改定がありました。
20床以上の病院に入院して白内障手術を受ける場合、片目のみの手術で退院する場合は、診療報酬が高くなって病院の利益が大きくなります。逆に、1回の入院で両眼の手術をすると病院が赤字になってしまうという特殊なルールができました。
当たり前ですが、病院も赤字ではやっていけませんので、片目が終わったら1回退院して、あとで再度入院して反対の目。という面倒なことが必要になったのです。
厚労省の狙いは、医療費削減のために、入院を不便・高額にさせて、安くすむ日帰り手術を増やそう。というものだと思いますが、もともと入院を選ぶ人は、それなりに理由があって入院を希望します。もし、入院を希望する患者さんが少なくならなければ、医療費削減どころか医療費が増加してしまうのですが、2年後の診療報酬改定までにはうまくいったのかが判明するのでしょう。

当院は幸い19床のクリニックであり上記のルールに該当しませんでした。当院ではこれまで通り両眼の白内障手術が2泊3日の1回の入院で行えます。時間も費用も非常にお得な医院となってしまったので、患者さんにとってはとてもよい医院なのではないでしょうか?
ただ、自分自身では最高の手術機械と最高のレンズを使用して、そして手術技術を磨くため誰より研鑽しているつもりですが、当院で行う白内障手術よりも、他の20床以上の病院で行う手術の方が、保険点数が高いというのはちょっと寂しく思います。僕の手術よりも、大学病院の研修医の先生の手術の方が点数が高いなんて。
保険診療って公平なはずなのに、医院の規模で差がでるのは少し納得がいかないと思うのは僕だけでしょうか・・・。(医療サイドだけではなく、同じ医療に患者さんが支払う医療費も、施設によって異なります。)

眼内レンズ脱臼(落下) 眼内縫着術 動画

今日から9月ですが、重症例の紹介もなくのんびりとした月初めでした。
先月は網膜剥離や眼内レンズ落下(脱臼)などの準緊急手術が多かったので、9月は少しのんびり出来るのでしょうか?
昨日数えたところ、8月だけで5件の眼内レンズ縫着を行っていました。(山王台3件、他院2件)眼内レンズ落下はそうそうあるものではないのですが、本日退院の患者様がビデオの公開に賛同頂けたので、お言葉に甘えさせて頂きます。

眼内レンズ落下・眼内レンズ縫着術
 ↑ 動画クリック

先日、CTRのブログ(CTR?CTR?CTR?)でも書いてみたのですが、眼内レンズを支える眼球内の構造が弱いと、手術後に眼内レンズがずれたり、目の奥に落下(脱臼)することがあります。
眼内レンズの落下は、レンズがなくなってしまうために、極度の遠視となり分厚いメガネが必要になるだけではなく、目の奥の組織を傷つけて網膜剥離をきたし失明に至るリスクを生じます。

以前に、眼内レンズの亜脱臼(少しズレた)に関するブログを書いたことがあったのですが、8月は亜脱臼ではなく、落下(脱臼)ばかり4名の手術を担当しました。(全員、僕が白内障手術をしたわけではありません。)

今回、ビデオの公開を許可頂けた患者様は、60代の男性です。1年前に眼球穿孔というケガで白内障手術が必要になり、県南の開業医様で手術を受けましたが、外傷後の白内障は難しいもので、少し不安定な形でのレンズ挿入となり、その後に落下のリスクのある症例として当院を紹介となりました。
(決して開業の先生の手術に問題があったわけではありません。外傷後の白内障はもともと難しく、少し不安定でも眼内レンズをいれることができたのは、先生が非常に優秀で上手だったからです。もしも技術のない先生であれば、レンズの挿入どころか、合併症で大変なことになっていた可能性もあります。)

1年前の写真です。分かりにくいですがレンズが左側にずれています。患者さんは、これでもきちんと見えています。
残念ながら、自覚症状が乏しく定期検診にいらっしゃらなくなってしまったのですが、今回、急に見えなくなったと来院されました。

診察すると、レンズが眼底(目の奥の方)に落ちています。

眼内レンズが落下した場合の手術としては大きく2つの種類があります。
A.落下した眼内レンズを再利用し、目の中に縫い付ける。
B. 落下したレンズは取り出し、新しい別のレンズを縫い付ける。

Aの利点は、傷が小さく済むことです。
Bは、落下したもとのレンズが濁っていたり、近視や遠視などの屈折度数が合わない場合に、新しいレンズでよりより視力を期待できることが利点ですが、通常はAに比べて傷が大きめになります。近年多用される1ピースレンズは、Bの手術に向かないなど、眼内レンズの性状によっても向き不向きがあります。
今回は、レンズの特性などからAの手術となりました。

今回は、外傷後なので仕方のない症例ですが、手術後の高齢化や、CTRやその他の手技により、無理にでも眼内レンズを縫わずに終わる先生が増えていますので、今後はどんどんレンズが落下する症例が増えてくるのだと考えています。そのような患者さんたちに少しでも参考になればと思います。
(CTRなどを使用する条件・適応がきちんとしていればいいのですが、残念に思う症例も多々あります)

(眼科医の先生には、縫着刺入部が角膜より過ぎるという意見を頂きそうな動画ですが、術前のレフ値から、わざとやや角膜よりにしています。正視に近づけて、術後2日の時点で裸眼で視力0.7とすることができました。)

追記:術後1週で視力1.2と回復しました。よかったです。

白内障手術 手術費用(当院は両眼同時に治せます)

今週はお盆のせいか、午後の外来が空いています。(そうは言っても1日100名強の来院がありますが。)ちょこちょこ「お盆もやっているの?」と質問があります。僕は筑波大、土浦協同病院、当院でしか就職したことがないのですが、どの病院にもお盆休みというのがなかったので、「普通は休みなの?」と逆にビックリしたり。
「仕事が休めないから、お盆休み中に手術を受けたい。」という患者様も多くて、当院では今週も通常通りの診療体制です。
週末は、友人の先生の医院で16名の手術を担当します。両眼の人も多く、1日の件数では今年最多の手術件数となりそうです。集中力が途切れないよう頑張ります!

さて、先日、高額療養費に関するブログを記載しました。
?療養費の制度?療養費の上手な使い方
今日は眼科の手術で最も多く、質問も多い、白内障手術の費用について記載してみます。
白内障手術 手術費用
*のマークを付けたものは、
標準収入の家庭で、高額療養費を利用した金額になります。

外来手術
・片眼手術
 70歳以上 1割負担 12000円*
 70歳以上 2割負担 12000円*
 70歳未満 3割負担 45000円

・両眼同時手術
 70歳以上 1割負担 12000円*
 70歳以上 2割負担 12000円*
 70歳未満 3割負担 80000円

入院手術(2泊3日)
・片眼手術
 70歳以上 1割負担 20000円
 70歳以上 2割負担 40000円
 70歳未満 3割負担 58000円

・両眼同時手術
 70歳以上 1割負担 33000円
 70歳以上 2割負担 44000円*
 70歳未満 3割負担 81000円*

入院の場合、この他に食事として1560円が加わります。
(食事は高額医療に含まれません。1日目昼?3日目朝;合計6食分)

例えば、手術中に血圧が上がって薬を追加することもありますし、手術で特殊な材料を使用することもありえます。手術費用は、使用する薬剤・機材の量によって個人ごとに多少の増減があります。
また、所得金額によって、高額療養費の上限や、負担する医療費も異なりますので、正式な金額は病院で相談をしてください。
多焦点レンズは自由診療(保険診療外)になります。別途相談ください。

CTR(水晶体嚢拡張リング)? 手術動画

ちょっと体調不良にて、辛い数日を送っていましたが、
持ち前の元気さで無事復活しました。
さっそくビールを片手に、ブログを更新してみます。

難症例の白内障手術:
CTR(水晶体嚢拡張リング)? 手術動画

前回、難症例の白内障手術、CTRについて??を記載してみましたが、眼科の先生より動画の要望(書き込み)を頂きまして、You TubeにUPしてみました。
外傷例などはもともと難しいので、キレイな白内緒のビデオとは違いますし、今後キレイな録画例を待ってもいいのですが、7月1日発売で、眼科の先生には翌日の使用経験というのは珍しいと思いますので、一応そのままUPしてみます。

CTR;手術動画(クリック)

明日は午前がクリニックで外来。午後は県外の医院様で硝子体手術や、難症例ばかりの白内障手術が多数待っています。CTRを使うような症例はあるのかな??
(難症例は大変ですが、僕は難しい手術が好きなようです。)

難症例の白内障手術:CTR(水晶体嚢拡張リング)?

今日は先日の話題の続きで、難症例の白内障:CTRの利用について書いてみます。

難症例の白内障手術:CTR(水晶体嚢拡張リング)?
まず、先日記載した白内障の患者様の写真です。

外傷後の昔の治療で、写真の左下のほうは角膜(黒目)が白や黒に濁っているのですが、この部分のチン氏帯(眼内で水晶体を支える糸)が切れてしまい、瞬きをするだけでも水晶体がグラグラと揺れています。
このような症例では、通常の手術をすると手術中に水晶体嚢が縮んでしまったり、水晶体嚢ごと目の奥に落ちてしまって、眼内レンズが入れられなくなってしまうことがあります。

まず目薬の麻酔をしたあとに、簡単な注射の麻酔をして、目をあけっぱなしにする器械を付けます。

手術では上下反対になるのですが、手前側(目の上方)に白内障手術をするためのメインの傷をつけます。(この患者様は、固定内斜視と呼ばれる合併症があり、どんなに頑張っても目が正面を向けないので、少し写真が右上に寄ってしまいます。)
一般的な患者様より瞳孔(黒目)が広がりにくい患者様です。通常では、これくらいで十分手術が可能ですが、難症例の患者様では念には念を入れて、アイリス・瞳孔リトラクターという器材を使用して瞳孔を左上の方まで引っ張って広げ、安全に手術可能な術野を確保します。

CCCと言って、水晶体を包む袋(水晶体嚢)に丸い穴をあけて濁りを吸い出す準備をします。

手術では水晶体がグラグラしていると濁りを吸引しにくくなります。特に写真の右上の方のチン氏帯が弱いため、このまま濁りを吸い出すと、袋が右上から縮んでしまい眼内レンズが入らないかもしれません。

そこで、HOYA社のCTR(水晶体嚢拡張リング)の出番です。

ちょっと分かりにくいですが、上の写真の青く細いリング状の物体がCTRです。

これを水晶体嚢の袋の中に入れるのですが、手前の傷口からゆっくり丁寧に袋の中にいれはじめ、

時計回りにグルグルと袋の中に進めて行きます。

CTRが水晶体嚢の中に入ると、袋を内側から広げて支えてくれるので、水晶体嚢(袋)が全体的に安定します。

濁りを安全に吸引可能できました。


濁りがなくなったら、

レンズを入れて、キレイに手術が終わりました。
CTRがなければ1時間以上かかるような手術で、眼球への負担が大きくなったり合併症のリスクも大きかった症例ですが、20分弱の手術で安全に行うことができました。術後にも喜んで頂けてよかったです。

*CTRはとても有用な手術補助器具ですが、当院では主に外傷例など特殊な症例のみに限って使用しています。外傷例ではチン氏帯が弱っている場所が一部分など限定的(局所的)ですが、チン氏帯が弱る他の原因(加齢に伴うものや、PE症候群に伴うもの)などでは全体的に弱っていることが多いため、手術はどうにか上手くいっても、それ以降の加齢に伴ってCTRごと眼内レンズが目の奥に落ちてしまうことがあるからです(眼内レンズ落下・眼内レンズ脱臼
例えば、95歳であと5年は持つだろうと自信を持てる時はいいのですが、70歳でCTRを使用して、あと20年もつかというと結構厳しいものがあります。もしあとからレンズが落下してしまうと、硝子体手術などのより難しい手術でレンズとCTRを取り出して、新しい眼内レンズを縫い付ける。なんていう複雑な手術が、80代とかより高齢の時期に必要となってしまうリスクがあります。それなら最初の手術でしっかりとレンズを眼内に縫い付けた方が安心なのでは?と思うのです。
当院の白内障手術でCTRを使うのは0.1%程度の症例ですが、世の中には「CTRを沢山使っているが、術後に問題が起こったことがない。」と仰る有名な先生もいます。実際にはそうではありません。白内障手術で急にCTRが必要になった場合には、手術時間が思ったより長かったり、痛みも強めだったりと、「予定と違った」と患者さんの満足度が低かったり、信頼関係が築けていない場合が多くなります。このような患者様が、レンズが落下して急に見えにくくなった場合には、もとの眼科さんではない眼科さんに転院してしまうことも多いのです。
実際に、今までにCTRとレンズが落下して、僕が拾い出したという症例は、もともとは全員他の医院様で手術を受けた症例です。有名な大学病院でCTRを使って、他の医院で修正手術を受けているなんて言うことが思ったより多くあり、そのことを術者の先生は知らないだけだったりするのです。

難症例の白内障手術:CTR(水晶体嚢拡張リング)?

今日の午後は以下の手術を無事に終えました。
・翼状片手術 1件、白内障手術12件、網膜硝子体手術 4件
それなりの件数ですが、最近はスタッフと宮井先生の能力がUPしているようで、5時前には終わってしまいました。手術の順番待ちも長いので、「これならあと2人くらい治せたかも?」なんて、つい欲が出てしまいますが、あまり無理するのもよくないでしょうか・・・。
さて、最近は毎週のように都内など遠方から難症例の白内障手術にいらしてくださる患者様がいます。今日も3件の白内障がまずまず難しかったのですが、うち1例は、この半年ほどではチャンピオンと思われる難症例があったので、それをネタにブログを書いてみます。

難症例の白内障手術:CTR(水晶体嚢拡張リング)?
情報化社会が進み、医学知識も簡単に手に入るようになりまいした。「白内障って5分で終わる簡単な手術でしょ?」と、少し勉強をされた患者様から聞かれることが多くなりました。その通りで多くの方では簡単なのですが、実は全員が簡単なのではないのです。1%程度ですが10分を超える難症例もありますし、0.1%程度では30分以上の手術とか、手術が2回以上必要になる症例もあるのです。
手術が難しくなる場合というのは、以前に書いたこともありのですが
小瞳孔、奥目の方、成熟白内障、緑内障(狭隅角)、チン氏帯脆弱、強度近視、強度遠視、角膜混濁、顔や体がふるえる、硝子体出血、難聴、認知症など、いくつか原因が挙げられます。難しい手術を助ける補助器具の開発や、手術技術の向上により、今はどれか一つくらいのリスクでは特に大きな問題は起きないのですが、リスクが2つ、3つと重なっていくと大変です。

今日の患者様は、
・最強度近視(眼軸32mm)
・固定内斜視(目が内下方を見たまま動かない)
・角膜混濁(外傷破裂後の入墨術後)
・角膜内皮減少(1000以下)
・外傷後のチン氏帯脆弱(スリットでグラグラ)
・中等度散瞳
そして高齢で、しかも反対の目もほぼ失明。という悪条件のデパートのような症例でした。

知り合いの先生の紹介でいらした時には、ちょっとだけ「手術を断ってしまいたい・・・。」と逃げてしまいたい気持ちもありましたが、せっかく縁があって当院にいらして頂いたのですし、どこか他に紹介するお勧めもなく、自分で頑張ることに。

まず、以前のブログで白内障手術の復習を(クリック)
通常の白内障手術では、水晶体を包んでいる袋(水晶体嚢)の中身の濁りだけを除去し、残した袋の中に新しい眼内レンズをいれます。

実は水晶体嚢と呼ばれる袋は、無数の細い繊維によって眼球の中に宙づり状態になっていて、この水晶体嚢を支える細い繊維チン氏帯と呼びます(イメージ図の緑)。
加齢や、生まれつきの疾患、遺伝、そして外傷などによって、このチン氏帯が切れたり、チン氏帯の数が少なくなっていると、水晶体嚢を支える力が強くなります。すると、

白内障や眼内レンズが目の奥に落ちてしまったり、

手術時に水晶体嚢(袋)が縮んで、レンズが入れられなくなってしまうことがあり、
これをチン氏帯脆弱と呼びます。

CTR(水晶体嚢拡張リング)は、チン氏帯脆弱例で、水晶体嚢(袋)の中に強度のあるリングを入れ内側から水晶体嚢を支えることで、袋が縮むのを防いだり、袋の眼内での安定性を向上させて、落下を防いだりしてくれる素敵な手術補助具です。

実はCTRは世界中では、10年以上前から当たり前のように使用されています。日本ではなかなか認可が下りずに、今までは医師が海外製品をこっそり輸入して、こっそり患者さんの目に入れる。といった、微妙な使われ方をしていました。
僕はCTRはあまり使わない方で、例えばこの4年でが4例に使用しました。年に約1例、0.1%未満です。自分のポケットマネーでインターネットで個人輸入をして、合計10万円くらいかかったかと思います。お金だけの問題ではなく、正規のルートでない物品をネットで購入して、人の体に埋め込むことがよいことなのか?倫理的にも難しい面がありました。

そして、とうとう日本でも正式に認可が下り、昨日、国内企業であるHOYA社から正式に発売されたのです!万歳!!
7月1日に発売ですが、今日の重症例の患者様に間に合いました。
(手術を申し込んだのは数ヶ月前で、発売も決まっていなかったのでラッキーでした。)

手術はそれでも難しく、20分弱と白内障手術にしては大変な時間がかかりましたが、もしもCTRがなかったら、眼内レンズを目の中に縫い付ける手術で、さらに時間もかかったでしょうし、角膜も悪くなって濁ってしまうリスクもあったかもしれません。HOYA社に本当に感謝です。
手術画像もUPしようと思っていましたが、遅くなってしまったのでまた明日記載します。おやみなさい。