H25年6月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

今日は知り合いの病院で、緑内障の手術に伺いました。
ぶどう膜炎による緑内障ですが、某大学病院で360°トラベクロトミーという術式を受けたようですが、眼圧が下がらなかったようです。ぶどう膜炎後の術式としてはトラベクレクトミーが一般的な標準治療ですが、変わった術式をチャレンジして、結膜を痛めるのはどうしたものかと・・・。上手くいく症例ばかりならいいかと思いますが・・・。

当院での6月の手術数を集計しました。今月は硝子体手術や硝子体注射など、網膜の病気の治療が多い月でした。網膜の病気は緊急性の高いものが多いので、結構忙しく大変でした。
H25年6月の手術実績
手術合計 151件
内訳

・白内障手術 109件

・網膜硝子体手術 27件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・眼瞼(まぶた)の手術 7件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・その他の手術 8件(結膜・眼窩・角膜の手術など)

レーザー手術合計 20眼
内訳
・網膜光凝固 6眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 13眼(後発白内障に対するレーザー)
・SLTレーザー 1件(緑内障に対するレーザー)

*手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。

抗VEGF薬 硝子体注射 60件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・アイリー・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 31件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、約4ヶ月半待ち、11月中旬からの予約となります。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

眼瞼腫瘍(まぶたのしゅよう) ? 悪性と良性

今日は以下の手術がありました。
・白内障手術 14件
・網膜硝子体手術(茎離断)4件
(黄斑前膜2件、糖尿病網膜症1件、原因不明?で紹介の増殖性黄斑浮腫1件)
難症例はなく定時に終わることができました。
ただ、明日も若年性の古い網膜全剥離(アトピー)があったり、最近は大きな病院様からの転院など、とにかく重症例が増えています。スタッフの皆さん、少し忙しい日々ですが、いつも協力してくれて本当にありがとう。「ここで治療が受けられてよかったですね。」なんてスタッフ全員が堂々と言えるように。患者さんに「ここに来てよかった。」と思ってもらえる病院になれるように、これからもよろしくお願いたします。

この数週の外来は網膜だらけなので、ブログでは別のことを。
眼瞼腫瘍(まぶたのできもの)?
悪性と良性

先日、まぶたのできものである、霰粒腫の手術について記載しました。
通常の外来では「まぶたにしこりが・・・」という患者さんがいらした場合、霰粒腫であることが一番多いようです。ただし、もちろんそれ以外の出来物も沢山あります。
バイ菌が感染してウミが溜まっている。なんていう場合を除き、まぶた(がんけん)に出来物があれば、それは眼瞼腫瘍(がんけんしゅよう)と呼ばれます。
眼瞼腫瘍は、細かく分ければ数え切れないほどの病気が含まれますが、基本的には大きく2つに分けられます。悪性腫瘍良性腫瘍です。

悪性腫瘍
できもののうち、大きくなるスピードが比較的早く、他の臓器にも転移し、最終的に命を脅かす可能性の高いもの。手術切除を含めて、出来る限り早期の治療が望まれます。

良性腫瘍
悪性腫瘍に比べて、多くの場合で大きくなるスピードが遅く、その場所では大きくなったとしても、遠隔転移など他の臓器に転移することはなく、命を脅かすことは考えにくいタイプ。イボやホクロなども良性腫瘍の一種です。
治療を急ぐ必要はありませんが、あまりに大きくなって見栄えが悪いなどを理由に切除することもあります。また、視界をさえぎる場合や、眼球を圧迫するほど大きくなった場合にも切除が必要になります。

病理検査
悪性腫瘍なのか、良性腫瘍なのかは、多くの場合で問診や診察所見のみでも推測が可能です。
例えば、「この半年でどんどん大きくなってきた。」という問診なら悪性を疑いますし、「20年前からあって、ほとんど変わらない。」なんていうのは良性の疑いが強くなります。
診察では色や形、腫瘍に入り込む血管の状態、毛が生えているかどうか(毛が生えているのは殆ど良性)などを観察します。
ただし、悪性なのか良性なのか、なんという名前の腫瘍なのかなどの確定診断をするには、病理検査(病理診断)が必要になります。
病理検査は、実際に腫瘍の一部または全部を切除して、顕微鏡で観察することで、病気の性質や悪性度などを決定する検査です。
僕もたまには顕微鏡で観察したりするのですが、多くの場合で、標本にした病変を病理医という専門の先生にみてもらうことで診断をつけます。

ちょっと眠くなってしまい、続きは次回に。
今日もお読み頂きありがとうございました。

歯科口腔外科

増築工事に向けて、眼科内科クリニックの東側に工事用の仕切りができました。
駐車場に一部制限ができます。ご迷惑をおかけします。

今日のお昼は院内で白内障手術が14件ありました。
秋からの新体制(2診)に向けて、試験的に手術枠の変更をチャレンジしてみましたが、夕方の外来も滞りなく終わり、良い結果だったのではと思います。
新体制になって、手術の順番待ちが減るといいのですが。
と言いながらも、今日も網膜剥離の患者様がいらっしゃいました。両名とも明日手術です。どちらかというと順番待ちは伸びているような・・・。

左のかたは他院様で治療後ですが、矢印のようにかなり大きな裂孔で、ちょっと難しそう。頑張らねば。

歯科口腔外科
眼科の増築はこれからですが、一足先に歯科の工事が終わり、6月1日より山王台病院の本院にて歯科口腔外科が本格始動になったようです!
昼休みにちょっとのぞいた時に、携帯のカメラで簡単に撮影してみたので、upしてみます。(いい写真でなくてすみません。)

明るい渡り廊下から続く待合室。


病院というよりリラクゼーション施設を思わせる受付です。


ユニット?処置台?専門的になんというのかは分かりませんが、治療空間も個室性が高くて、本当に癒されそう。みんな寝ちゃうんじゃないかな?なんて。
歯科口腔外科、新しくてキレイで、いいなー。羨ましい。
眼科もどんな検査室ができるのか、今から3ヶ月後が楽しみです。

新しい先生も増え、審美歯科(歯のホワイトニング)などの分野も始まるようです。僕も時間が取れたら行ってみよう。先生方、よろしくお願い致します!!

霰粒腫? 手術(瞼板切除術)

今日は以下の手術を行いました。
・翼状片切除術(遊離弁移植) 1件
・白内障手術 9件、 眼内レンズ2次挿入 1件
・網膜硝子体手術(茎離断) 3件
 (網膜剥離、増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫-BRVO)
皆さん無事に終わり良かったです。

今日は時間も出来たので久しぶりに病気のブログを。
霰粒腫? 手術治療(瞼板切除術)
霰粒腫の病気の説明に関しては以前のブログを参照下さい。
多くの霰粒腫は、点眼薬や軟膏による治療で治ってしまうのですが、なかには治りにくい霰粒腫もあるようです。薬を使っても治りが悪い場合や、ステロイド剤の副作用が強く出て薬が使えない場合など、数十名に1人ですが、手術が必要になる場合があります。
まぶたの中には、まぶたを形作るために必要な、少し固めの組織があり瞼板(けんばん)と呼ばれますが、霰粒腫のもとになるマイボーム腺はこの瞼板の中に含まれます。
前回、霰粒腫?のブログで書いたような、簡単に潰したり、切開できるような霰粒腫は別として、ある程度しっかりとした霰粒腫を治そうとすると、瞼板の組織を含めて切除することになり、瞼板切除術、または巨大霰粒腫摘出術と呼ばれます。

先月手術をした患者様の例で。
瞼板切除術(けんばんせつじょじゅつ)

下まぶたに弾力のあるしこりを触れ、まぶた全体に腫れが広がっています。
1ヶ月間、点眼薬と皮膚側には軟膏を使用しましたが、軽快が得られず手術となりました。

まず、霰粒腫を摘出するための切開場所の選択ですが、基本的にはアッカンベーをしたまぶたの裏側・結膜側と、まぶたの表面の皮膚側からの切開があります。

皮膚を切ると少なからず(時間が経てばあまり目立ちませんが)、キズあとができてしまうので、可能な限り、まぶたの裏側・結膜側からの切開を行います(図の青丸は青矢印の方向から摘出)。霰粒腫の位置が図の赤丸のように皮膚側に接していて、裏側からの摘出が困難な場合には赤矢印の皮膚側から切開をします。
今回は裏側からいけそう。


はじめに、まぶたの皮膚側(5秒間)と、裏側(3秒間)の両方に、止血効果を含んだ麻酔薬を注入します。麻酔の注射は結構痛いようです。申し訳ありませんが頑張りましょう。

麻酔が効いたら、まぶたをクリップのような器械でハサミます。これによってまぶたの血流を遮断し手術中の出血を防ぎます。クリップを矢印のようにクルッと返すと、

こんな感じで、まぶたの裏側が見えるようになります。

メスで結膜を切開し、霰粒腫を露出させます。

クリップで挟んでも多少は出血するので、電気凝固で止血をしながら、

矢印の先の霰粒腫をまぶたの組織から剥離して摘出します。

キレイに無くなりました。

最後に、はじめに切開した結膜を糸で縫って、傷を閉じたら終了です。

局所麻酔で10分から15分程度の手術です。
手術自体の費用は3割負担で5000円程度。

他に再診療や投薬代などがかかります。

傷口を縫う糸は、まぶたの裏側のものは勝手に吸収されるので抜糸は不要ですが、皮膚側から縫った場合には、術後1週間ちょっとで抜糸が必要になります。


手術翌日の写真です。裏側からの手術では大きな出血がなければ、翌日から皮膚の見た目はキレイです。まぶたの裏側は傷口のヒキツレがありますが、徐々にキレイになっていきます。皮膚側の切開では抜糸までの1週間程度は、結構腫れることが多くなります。
術後は2?3回程度の診察が必要です。

増築・改装工事

今日の午後は臨時で硝子体手術3件と、その他いろいろ。夜も県内の医院様で硝子体を手術4件。かれこれ4週連続で毎週10件以上の硝子体手術を執刀しています。一番の専門と思っている硝子体手術が増えるのは、やりがいがあって楽しいです。
と、忙しさを理由に、病気のブログは滞っているのですが、
今日は嬉しい報告です。

山王台病院の新館(アネックス)の完成が近づいていますが、
眼科・内科クリニックの増築・改装工事も、
ついに来週から始まることになりました[:ときめき:]

工事後は、
・検査室が大幅に広くなります。
・特殊検査などが一部並列で行う事ができるように。
・診察ブースの増設により、基本的に2診体制になります。
・外来診療時間の増加、手術枠の増設
・外来待ち時間の短縮
・手術の順番待ちの短縮

などが期待されます。

工事は9月いっぱいの予定で、10月より上記目標に向けて頑張ります。
工事期間中は騒音など、入院患者様・外来患者様ともに大変ご迷惑をおかけしますが、お許し下さいませ。

H25年5月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

H25年5月の手術実績
手術合計 117件
内訳

・白内障手術 74件

・網膜硝子体手術 17件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・緑内障手術 3件
・眼瞼(まぶた)の手術 8件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・その他の手術 15件(結膜・涙器・斜視・瞳孔の手術など)

レーザー手術合計 24眼
内訳
・網膜光凝固 10眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 12眼(後発白内障に対するレーザー)
・SLTレーザー 2件(緑内障に対するレーザー)

*手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。

抗VEGF薬 硝子体注射 50件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・アイリー・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 20件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、約4ヶ月待ち、10月からの予約となります。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)