予定を変更し、通常の診療をさせていただきます。

海岸部の被害はもちろん、原発問題など、まだまだ東日本大地震は落ち着きそうもありません。
本日よりお休みをいただく予定でしたが、そんなことを言っている場合ではなく、いつもどおりの外来を行わせていただくこととになりました。
予定では代診の先生にお願いしており、予約の数をかなり減らしていたのですが、結局今日も午前中で50名ほどの患者様がいらっしゃいました。
なかでも、急性緑内障発作、網膜剥離という緊急性の高い患者様もおり、今日は本当に休まなくてよかったなと。

急性緑内障発作は、眼球内を流れる水の流れが急激に悪くなり、目の中に水があふれ眼圧が上昇する病気です。高齢の女性や、遠視の方がなりやすく、暗いところでの作業などのあとに起こりやすくなります。眼痛・頭痛・視力低下が起こり、治療が遅れると失明にいたります。治療は極軽症の場合は薬による治療で落ち着かせることができますが、一般的にはそのような例は少なく、レーザー治療や重症例では手術が行われます。本日はレーザー治療で簡単に治すことができました。よかったです。

もう一例は、他の疾患でかかりつけの患者様でしたが、今回は裂孔原性網膜剥離を合併・発症してしまいました。網膜剥離というとボクシングが有名ですが、怪我などが原因となる症例はごく一部で、実はほとんどが加齢による変化で起こります。強度近視の方や、アトピーの方、家族が網膜剥離を起こした方(遺伝)などがなりやすい病気です。病気の詳しい説明はまた後日に行います。
網膜剥離も緊急性の高い疾患で、裂孔が大きい場合などには、たった数日で
失明に近い状態になってしまいます。今回も、余震などのリスクはありましたが、緊急入院していただき、そのまま手術を行いました。

思えば、11日にも網膜剥離の患者様が紹介でこられ、お昼休みに緊急手術を行いました。手術が終わってすぐに地震が始まり、間一髪であったとヒヤヒヤしました。
震災とは関係なく病気はいつでもやってきます。もちろん命が一番大事ですが、眼科医としては目の病気で困っている人がいないか気になります。東北地方・臨海部の方々に十分な医療がとどくとよいなとせつに願います。

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