眼球破裂

14日から週末まで、お休みを頂きました!
代診の先生に外来をお願いし、患者様にはご迷惑をおかけしましたが、久しぶりに、きちんとした休暇を頂き、リフレッシュできました。また今日から頑張れます[:グー:]

休暇直前に紹介頂きました患者様の経過が気になっていたのですが、本日診察しましたが、良好な経過で安心しました。
6月29日に殴られてしまったようで、そのまま眼球内に出血、どんどん暗くなっていくとのことで、12日に紹介、初診となりました。

目の中に出血を認め、視力は光覚弁(こうかくべん)と呼ばれる光が分かるか分からないかまで低下していました。

眼球内を洗浄して、かなり良く見えるようになるかも!と期待して手術を行ったのですが、なんと、手術時に、眼球破裂と呼ばれる最悪の状態であることが判明しました。
(あとから考えれば、眼圧が低いことや、写真でも白目に出血や茶色に写る部分があり、疑うべきではあったのですが、少し時間がたっていて、まさか。といった感じでした。)

眼球破裂は、強い圧力がかかった場合に、眼球の組織(壁)が破れてしまう外傷です。程度がややひどい場合には、眼球を摘出してしまう事が多くあります。

黒目の左下がどす黒くなっています。写真だと分かりにくいのですが、茶色の成分も混ざっていて、白目(強膜)の内側の組織が出てきてしまっている状態です。


同じ場所を目の内側から見ています。左の下のほうで、やや大きく、白くうつっているものが、強膜とよばれる白目の組織になります。本来はその上(内側)にオレンジ色・茶色にうつる脈膜膜という組織や、網膜があるのですが、破裂のキズから出て、なくなってしまっているようで、白目の組織がむき出しになっています。中心より少し上方の小さな白い点は、レーザー治療といって、網膜を焼き付けた治療のあとです。



網膜の下にも血液がたくさん溜まっており、網膜に穴を開けて洗浄をしています。


本日の写真です。とてもキレイになっています。

上の写真では中心部のやや上方、下の写真では少し右下に白い斑点(レーザー治療)に囲まれた部位が、網膜を洗うために開けた穴です。

眼球破裂は、発症後出来るだけ早く手術を行う事が一般的で、今回はご本人のご都合で手術が遅れてしまったようです。普通の手術では、まずは、ケガによる断裂した部分を縫い合わせることから始まるのですが、今回は手術までの時間が長く開いてしまい、キズが勝手にくっついてしまったようです。
個人的にはこのような症例は経験したことがなく、非常に勉強になる症例でした。

白内障や緑内障など、普通の手術は決まりきったことを、予定通りに安全に行うという印象なのですが、外傷の手術はケガの状態がそれぞれ異なるため、手術中にどうすべきか、適切に冷静に考えなくてはなりません。手術としては、個人の技量が試されるような感じがして燃えます[:グー:]
今回は、今のところ、とてもよい経過のようで嬉しいです。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市

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