裂孔原性網膜剥離? うつ伏せ

今日の午後は他院様に手術のお手伝いに伺いました。
非常勤での出張手術は、高速道路を使って車で行く所ばかりなのですが、なかなか昼間に1人で運転をする機会は少ないので、ドライブの気分で気持ちいいんです紫外線を予防するため??ちょっとカッコつけてサングラスをしたりします[:車:]

本日、予定通り網膜剥離の患者様2名の退院です。
手術の最後に、目の中に空気を入れて、うつ伏せになることで浮力を使って治すというのを昨日書きました。
図でみるとこんな感じ。

この空気はだいたい1週間?10日間くらいかけて吸収され、最終的には目が作り出すお水(房水)に入れ替わります。空気がたくさんある間は、特にうつ伏せを頑張って網膜を張り付けて頂くのですが、基本的には食事やトイレなど、必要最低限の場合を除き、24時間うつ伏せになって頂くのです。
仰向けになって天井を見てしまうと、空気が水晶体や、白内障手術をした場合には眼内レンズに触れてしまいます。水晶体の場合は空気がふれると白内障が進んでしまったり、眼内レンズの場合には浮力の関係でレンズの位置がズレてしまう事があるため、空気がなくなるまでの10日間位は、仰向けになることはできません。
(空気ではなく、特殊なガスを目の中に入れる場合には、もっと長い期間のうつ伏せが必要になることがあります。当院では硝子体の切除を念入りに行い、網膜を引っ張る力をできるだけ弱くするため、この1年間では全ての患者様を普通の空気のみで治療することができていますが、非常に稀には3週間程度残るガスを使う事もあります。)

目の事を思えば、とにかくしっかりと、うつ伏せを守って頂きたいので、僕は、たまに病室をこっそり覗きに行きます。
すると、いろいろな人がいて、何回見に行っても、きちんとうつ伏せを守ってくれる人や、なかなか頑張ってくれない人もいます。そんな時には、厳しく注意するべきなのでしょうが、僕は人に強く怒ったり出来ないんですよね・・・[:悲しい:]


昨日のブログで例に出した、10月20日に手術をした66歳女性です。
写真の左上のほうの網膜が剥がれています。

これが本日、退院前の写真です。写真の上方1/4くらいで水平の線が見えますか?これより上が空気、下が房水と呼ばれる液体です。
手術前の視力は黄斑も剥がれていて、メガネをかけても0.03でした。白内障や黄斑前膜の治療も一緒に行い、本日は0.5まで回復しています。まだ手術後間もないので、もう少し改善する見込みです。


イラストを描いてみると、こんな感じです。白丸が空気、赤のXはレーザーのヤケドの意味です。


これは、21日に手術をした39歳の写真です。やはり上方の1/4位には、まだ空気が入っています。こちらの方は水晶体が残っているので、上を向くと白内障が進んでしまいます。もう少し入院した方がいいのかもしれませんが、ご自宅がかなり遠く、お子さんもいるので、おうちで安静にして頂く予定です。
もともと黄斑までは剥がれておらず、手術前から視力は1.0ありましたが、本日の時点でも1.0を維持しており、良好な経過です。

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