緑内障? 治療の目的は維持:眼圧を下げる

今日の午後は小美玉で手術を。
夕方?夜は移動して、知り合いの開業医さんで手術のお手伝いに。
開業医さんですが、なんと午後だけで15名も手術があり、硝子体手術もあって。茨城の眼科医は忙しい人が多いようです[:びっくり:]

さて、今日は少し時間があるので、緑内障の続きを。
(とはいっても、23時ですが・・・。)
緑内障? 
治療は維持:眼圧を下げる

緑内障とは、眼圧に関連して視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。
残念ながら、今の医学では、緑内障で一度欠けた視野は一生涯戻りません。
よく、「緑内障って治らないんでしょ?」と患者様に質問を受けますが、まさにその通りです。
緑内障の治療で、現在の医学で明確に分かっていることは、眼圧を下げることで進行を抑えることができる。ということだけです。
(他には、目の奥の血流を改善させる方法や、人工の網膜など、様々な研究が行われてはいますが、まだまだ、きちんとした治療とは言えないレベルです。)

眼球の中を流れて、眼球と言うボールを膨らませている房水の圧力(眼圧)によって、視神経が押しつぶされてしまう病気なので、その圧力(眼圧)を減らして、それ以上、視神経が押しつぶされないようにしよう。というのが治療法になります。
決して、押しつぶされて、死んでしまった神経をよみがえらせたり、失明したり、視野が欠けてしまったことをもとに戻すことはできません。

治療の目標は
・生きている間に失明させないこと
・視機能を出来るだけ温存し、生活に不自由がでないようにすること

になります。

実際に眼圧を下げる方法には、
?点眼薬
?レーザー治療
?手術
などがありますが、今後ゆっくりと書いて行きたいと思います。

白内障で手術をすると、だいたい皆さんに喜ばれます。
結膜炎で、点眼薬を処方し、メヤニが止まっても喜ばれます。
では緑内障はどうか?というと、
ほとんどの場合、緑内障の治療を行っても全く喜んで頂けません
緑内障の治療は、上記の、どの治療法を選んでも、ある程度はツライ・面倒なもので、しかもお金もかかります。
例えば、ほとんどの緑内障の目薬は、他のドライアイなどの目薬に比べて高額です。また、目薬には多かれ少なかれ副作用があります(しみる、充血、まぶたのくろずみ、メヤニ、ドライアイの悪化、全身的な負担など)。
お金を払って、しみる目薬をつけて、充血して。なのに、目が良くなるわけでもなく、現状維持が精一杯。みなさんが治療が嫌になってしまう気持ちも分かります。
それでも、失明は避けなくてはいけません。眼科医としては、喜んで頂けないのは仕方ありませんが、維持するために治療を受けて頂く以外ないのです。

もっともっと医療が進んで、緑内障が本当に治ってしまう日が来るといいのですが。

“緑内障? 治療の目的は維持:眼圧を下げる” への2件の返信

  1. 先ほどはありがとうございました。
    例の「砂嵐チェック」ですが、製薬会社のサイト名を間違えてしまいました。
    F社です。

    Fァイザー
    ★ttp://www.ntg40.jp/check/index.html

    S眼科
    ★ttp://www.shibata-ganka.or.jp/cgi-bin/shibata-ganka/siteup.cgi?category=1&page=1

    この他に、視野検査のソフトをダウンロードして利用しています
    ★ttp://www.ne.jp/asahi/photo/takeno/program/ryoku/ryoku.html

    パソコン好きなのも、ドライアイにはよくないとは知りつつ・・

  2. こんばんは!
    ご連絡ありがとうございます。
    とてもいいサイトをご紹介頂き、助かりました。
    今後、有効に利用させて頂きたいと思います!

    上○様も、診察上はNFLDと呼ばれる、神経の薄い部分があり、OCT検査でも明らかに異常値を示しており、また今の年齢であと数十年と考えると、今後、緑内障の治療が必要になる可能性が、どちらかと言えば高いと思います。
    ただし、現時点では明らかな視野異常がなく、緑内障の診断が付くか付かないかといった程度です。
    年に1回程度の視野検査や診察などで、悪化傾向を認め、治療をするべき時期に来た時には、治療をお願いすることになると思いますが、現在はあまり心配になさらずに、どうかお任せ頂ければと思います。
    定期健診は来て下さいね!
    では。

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