眼瞼下垂症 手術

今日は今年のメス納めの日です。(明日以降、緊急の紹介がなければ)
もう年末なので、今日は合併症の心配が少ない手術のみとしました。
・翼状片手術 1件
・他院術後の瞳孔形成術+乱視矯正 2件
・霰粒腫切除術 1件
・眼瞼内反症手術 1件
・結膜弛緩症手術 2件
・斜視手術(前後転) 1件
・眼瞼下垂症手術(ミュラー筋タッキング)2件
うーん。最後にいろいろやったなぁ。

今日は、眼瞼下垂の手術のことでも。
眼瞼下垂症手術(がんけんかすいしょう手術)
病気については、以前のブログを参照下さい。
2011.09.10 Saturday
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=5124

今日の患者様は、70代の男性です。

まぶたが重そうですね。
今日の手術の問題点は、ワーファリンと言って、心臓の病気があり、血液をサラサラにする薬を飲んでいるため、手術中の出血が気になるところです。

まず、仰向けに寝て、消毒をします。
(手術は患者様の頭側に座って行います。写真は上下反対になります。)


次に、余った皮膚を切除するのですが、切除すべき皮膚の範囲に、紫のペンで目印をつけます。その後、麻酔を2?3箇所で注射します。写真の中心部あたりで出血をしているのは、麻酔の針を刺した部位です。


炭酸ガスレーザーメスというメスで、紫の目印の線に沿って皮膚を切開します。レーザーメスは、切開と同時に焼いて止血をすることが可能なので、今回のような出血しやすい患者様には最適です。青矢印の先に、赤い光が見えますか?この部位でレーザー光線が出て焼いています。


皮膚の下もレーザーメスで剥離し、余った皮膚を切り取ってしまいます。


皮下組織もレーザーメスで切り開き、まぶたを上げるための筋肉を露出します。


今回はミュラー筋という筋肉を糸で縛りあげて、短くしてしまう(タッキング)手術を行います。7-0ナイロンという、とても細い糸なのですが、分かりますか??まつ毛よりも、ずっと細い糸です。


筋肉を短く縫いつけた後で、まばたきをしてもらい、パッチリと目が開くか、目を閉じることができるかを確認します。もし、あまり開かなかったり、開き過ぎて目が閉じにくい場合には、筋肉の縫いつけの強さを変更します。今回は一発でで問題ないようです。


最後に、同じ7-0という糸で皮膚を縫い合わせて終了です。


ワーファリンを飲んでいる割には、出血も少なく、キレイにできました!
おめめパッチリです[:びっくり:]

そうはいっても、術後数日はそれなりに腫れますので、一週間くらいは見た目が悪くなる手術です。約1週間後に抜糸を行い、その後は徐々に見た目がすっきりしていきます。

まぶたに注射をする局所麻酔で、両眼で30分、だいたい1割負担の患者様で、両眼で15000円くらいの手術です
(当院は両眼同時に消毒し、両眼の見栄えを比較しながら、右目の皮膚切開⇒左目の皮膚切開⇒右目の筋の短縮⇒左目の筋の短縮⇒右目の皮膚縫合⇒左目の皮膚縫合という形で手術をしています。)

眼瞼下垂の手術方法は、眼瞼挙筋という筋肉を処置するものや、まつ毛の下を切開するものなど、たくさんあります。個々の患者様の目の状態や、年齢、キズあとをどこに作りたいかなどの希望などもあります。担当の先生とよく相談するようにしてください。

知り合いの先生から電話をもらったのですが、今日で仕事納めとのこと。こちらは、あと2日あります。幕内会は頑張っています。
今日もお付き合い頂き、ありがとうございました!

“眼瞼下垂症 手術” への1件の返信

  1. 眼科医です。とてもいいブログで医師の目線でも勉強になっています。
    質問なのですが、経結膜アプローチ眼瞼挙筋腱膜前転というのは教科書などにも載っていませんが、どのように手術をされるのですが?お忙しいところ恐縮ですが、可能であればご指導ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です