メガネ・眼鏡処方箋

午前中は小美玉で外来でした。外来にきた女性の相談で、愛犬のパグが獣医さんにかかっていて、失明しそうだと言われていると。僕に診察をしてほしそうな雰囲気でしたが、病院に犬を入れることは僕の判断では・・・。気になりますが・・・。やり過ぎな気もするし・・・迷う。
昨日のブロブに書いた網膜剥離で紹介の患者様には、面識もないまま夜のうちに電話で説明をして、小美玉から帰り次第、挨拶も後回しで、お昼休みに手術をする事が出来ました。少しでも早く網膜をくっつけてあげることができて、こちらは良かったかなと。

メガネ・眼鏡処方箋
今日はメガネに関する微妙な話です。一部の眼科の先生には怒られるかもしれませんが・・・。
昨日も書きましたが、特殊な例を除いて、メガネには病気を治したり予防する効果はありません。メガネをかけることで、かけている間の視力や見え方を、一時的に改善する補助具の役割があるだけです。
このメガネを作るときに、必要だと言われているのが、眼科で発行される眼鏡処方箋です。

この問題は、政治や選挙にまで多少影響するのですが、
少なからず、眼科医vs眼鏡店という対立があるようです。

?眼科医側に多い意見
・メガネ・眼鏡の作成に関しては、すべて眼科医が関わるべきで、眼鏡店で勝手に作ることは違法である。
・眼鏡店で作成するメガネは、どちらかと言うと、過矯正と言われるメガネになる比率が高いと言われ、眼精疲労の元となるリスクが高い。
・眼鏡店でメガネを作成する場合に、メガネをかけても視力の改善が乏しい場合に、眼科への受診を勧めることなく、眼鏡のみ作成し、病気の早期発見・早期治療の機会を奪っている場合がある。
・眼鏡店の眼鏡作成能力は、一定化しておらず、上手く作れていない可能性がある。

?眼眼鏡側に多い意見
・既成事実として、現在も処方箋なしで多数の眼鏡作成が行われている。
・法律上、規制があるのは医業としてのみであり、眼鏡の処方くらいは、たいして医業とはいえず、特に資格は不要である。
・痩せるために、エステにきた人に、肥満だからと病院への通院を促す必要があるのか?目が悪い人がきたら、眼鏡店は眼科への受診を勧めないと罪なのか?

注)上記は、そういった意見があるというだけで、全ての眼科医や眼鏡店に当てはまるわけではありません。あくまで、よく耳にする例としてです。

これを踏まえて、僕個人としての意見を書いてみたいと思います。(あくまで個人の意見です。)
・7?8歳までの小児は、視力・視機能の形成に非常に重要な時期であり、間違った(その子にあわない)メガネをかけることで、弱視という病態に陥ることがあります。弱視とは、将来メガネをかけても視力が悪い。運転免許証などが取れなくなる可能性がある事態で、非常に大きな問題です。また、小児は調節といって、目に変に力が入ったりして、上手く検査ができないことがあり、目薬を使った特殊な検査が必要なることが多々あります。なので、10歳未満の子供に関しては、必ず眼科で検査をして、処方箋に基づいて処方するべきだと思います。
・成人に関してですが、先日も記載しましたが、実はメガネがあわないからといって、病気になったり、近視の度数が進むなどという事態に落ちいるということはありません。(仮性近視や一過性の屈折性近視を除く)
もちろん、過書矯正などの合っていないメガネを書ければ、眼痛・頭痛などの眼精疲労は起こりえます。なので、好ましいことではありませんが、成人の場合には眼精疲労が起こってツライから。と、それから眼科へ受診しても手遅れになることはありません。

もちろん、眼鏡を作る全ての場合で、眼科ですみずみ検査して、処方箋を書くことが、目のためには一番いいに決まっています。ただ、国の財政が厳しかったり、眼科医や医師不足が嘆かわれている現代で、これまで眼鏡店で行ってきたすべての眼鏡処方を眼科医のみが行う事になったら、大変な時間とお金の負担がかかることは間違いありません。眼鏡処方の全てに眼科での検査を義務付けるよりは、少子化対策に税金を割くほうが重要ではないかと、僕は思います。
例えば、1年に一回、強制的に、全ての国民の精密人間ドックを行えば、日本人の平均寿命は延びるかも知れません。でも、それには医師の数も不足していますし、かかる費用も莫大になるので、現実的ではないですよね?
どこまでこだわるかは考え方次第ですが、成人に関しては、自分の考えで、自分が必要と思えば眼科にかかって下さい。というのでも問題ないかと思います。
お金や時間をかければ、一般的にはいいものにめぐりあります。ただ、どこまでお金や時間をかけるのかは、個人の自由ですよ。といった具合です。

ここまで書くと、眼鏡店の意見側に近いのかなとも思いますが、眼鏡店側の意見をお持ちの方に、お願いもあります。
眼科での検査なしで、眼鏡店のみでメガネの処方をする場合に、患者様が歪みを訴えたり、メガネをかけても1.0見えないなど、もしかしたら目の病気の可能性がある場合には、必ず眼科への受診をすすめて頂きたいのです。
当院の近隣を含めて、良心的な眼鏡店は、すでにそうしているかと思いますが、残念がら、稀にはあまりに腹立たしいケースに出会う事もあります。
例えば、メガネをかけない裸眼視力が0.1で、眼鏡店でメガネを購入して矯正視力が0.3まで上昇したが、結局見えにくいから眼科を受診。そして病気が見つかったが、既に手遅れ。といったケースです。
メガネをかけても0.3なんて、重症か軽症化は別として、何らかの病気があるに決まっています。病気が予想できるのに、メガネを売ることが優先されて、眼科への受診を勧めないというのは、罪なるのかはどうかとして、倫理上、人としてどうかと思います。

このような眼科医vs眼鏡店という図式は、あまり良いものではありません。
本来、眼科医と眼鏡店は助け合って協力関係でいるのが望ましいかと思います。

まとめ(僕が個人的に思う眼鏡処方に関しての考えです)
?10歳未満の小児のメガネは眼科で検査をするべき。
?成人のメガネ作成は、眼鏡店を選ぶか、眼科での処方箋を選ぶかは、本人の自由。ただし、作成前の検査で矯正1.0の視力が出ないなど、目の病気や、何らかの異常の可能性があれば、眼科での検査を受けるべき。あきらかに異常が疑われるのに、眼科受診を勧めない眼鏡店が、もしも存在した場合には、罰則を与えるなどの法整備を行うべき。

以上が、眼科医、栗原としての個人的な意見です。

一般的には、無資格者よりも、眼科医や眼鏡士のほうが眼鏡の知識は詳しいと思います。そうはいっても役職に限らず、個人の能力は様々です。
ものすごい勉強をして、眼科医よりもメガネに詳しい無資格者だっているかもしれません。なので、眼科で処方したメガネよりも、無資格者の処方したメガネのほうが相性がいい。なんてことも絶対にないとは言えません(少ないと思いたいですが)。
僕も眼科医としては、自分はメガネの事を勉強している方だと思っているのですが、それよりなにより、当院には優秀なORT(視能訓練士)と、優秀な認定眼鏡士が在籍しています。通常のメガネだけでなく、遮光眼鏡、プリズムメガネ、拡大鏡、ローヴィジョンエイドなど、僕よりも詳しいスタッフが頑張っていくれています。僕は彼らを信頼、尊敬しています。眼鏡処方は特殊枠で月曜日や金曜日に行っているので、ご興味があればお電話にはお問い合わせください。

眼鏡店で処方を受けることは全く問題ありませんが、メガネをかけても見にくい。と言う場合には、一度眼科を受診してみることをお勧めします。

“メガネ・眼鏡処方箋” への3件の返信

  1. 東京眼鏡専門学校理事長の岡本育三です。栗原先生のご意見を拝読させて頂きました。私は現在、眼鏡技術者国家資格推進機構の代表幹事代行してます。このような資格制度推進の動きを始めた理由は現状を放置すると最終的に被害を被るのは生活者であると考えたからです。先生が言われてます様に10歳以下の小児は眼科医の先生方の検査後にメガネは作られるべきで、矯正視力が運転免許試験をクリアーするために必要な0.7以下の人には眼科での検査後に眼科医の先生と相談の上で適切なメガネを提供すべきと考えます。この様な事を強制的に実施して行く為には、業界認定の認定眼鏡士ではなく公的資格にして生活者の期待に応えるべきと考えます。メガネを作る人は毎年約1,700万人います。私が申し上げましたルールをキチンと守ることにより、新たに200万人近くの患者さんが増える可能性がありますが、現在の眼科医、視能訓練士で対処出来る患者増と考えます。眼疾患の早期発見にも寄与でき、生活者にとっても有意義な事と考えます。
    岡本

  2. こんにちわ、はじめまして、
    ブログを読んでとても参考になります。あまりに身近な場所でしたことと、ちょっとセルフイメージ(医師免許について)を変えたくてコメントさせて頂きます。
    私は、某有名眼鏡店に勤務し震災にて職を失い違う道に一端行きました。当時私の憧れは眼科の検査担当者、そこを目指して下積みを何年もやってきました。
    そこへ震災があり憧れは消え去り掛けました。
    暫く違う道に進み、とある二流眼鏡店でopeningスタッフが募集されていて受かりまた1から研修を受け予てより憧れていた検査をやるようになりました。エリアトップまで上りお客さまに喜ばれていました。でも病気やどうにも視力の上がらないお客さまを検眼していて、こんな視力検査のやり方のままではいけないと思い 眼科医師免許のいる眼鏡店で視力検査を学ぼうと更にスキルアップのために転職をしました。少しづつは学べるものの眼科にいる眼科医師免許をもつかたと眼鏡店にいる眼科医師免許をもつかたの違いが見えてしまい落胆しそうです。眼科では目を直す為の医師免許 眼鏡店では、処方するための医師免許、 眼鏡店で研修しているものは見える度数をかけてもらうための視力検査 こうなると眼鏡店でのためにスタッフは、加工もメンテナンスも出来て見えるようになる度数を提供出来ますが…..。眼科での医師免許ある方は病気を直す処方が出来き治しています。眼鏡店にいる眼科医師免許のある方は視力検査と処方のみで検査台回りのみの活動です。眼鏡店でのスタッフは視力検査を憧れの場所として下積みを歯を食い縛ってがんばり目標にしているのですが、眼鏡店にいる医師免許のかたは検査以外なにもできません。結局、眼科医師免許ある方は眼鏡店でいてくれると楽だけど、将来のスタッフにつながりつらいようです。余程近辺にチェーン店があるならよいですが、
    私たちもお客さまのためを思いその時見えるようにお作りはしていますが、眼鏡店で医師免許ある方が、私たちの検査の仕方が気に入らないのか、出来上がり眼鏡を渡すときに、お客さまの潜在意識に私たちの検査では…. と不安感を与え、メガネのお渡しをされます。
    せっかく見えるからと楽しみに眼鏡を取りにきても
    それでは、後々不安感のままお客さまを帰させているだけです。
    医師免許ある敬意はありますが….
    また私たちは、眼科処方はきっちりとこなすように教え込まれているので、眼鏡店で医師免許のある方の権力はつよいです。
    ですので、
    目の病気があるかもしれないと思っていても眼科医師免許のあるかたがいたら病院(眼科)へとは言えず
    宜しくお願いいたしますとその方に委ねるしかないのですが、
    時より『眼科じゃないんだから』と怒鳴られます。
    すいません個人的状況も記載してしまいましたが
    眼科医師免許とは、何をvisionに置いているものでしょうか?
    公に話せるものではないのですが、
    メリットよりデミリットが目だつ医師免許になっていて私自身医師免許ある方への尊敬の年が失われそうで怖いです。
    眼科医師免許とは何をvisionに取得されるものでしょうか?
    長々とした文面で申し訳ございません、免許についての解答を得られたらセルフイメージがかわるかと先生へコメントさせて頂きました。
    読み終えたらコメント削除してください。

  3. すみません。
    眼科医を目指すというより、医師の多くは、医師なってこと自体を目指して、免許取得後にどの科に進むか決定していきます。
    何をvisionにというのは人それぞれで、やりがい、人に役に立ちたい、比較的経済的に裕福、ステータスなど、どれか一つというより全体的な意味で希望する人が多いのだと思います。

    長年、眼科疾患を含めて、眼鏡作成にも携わっておりそれなりに知識があるとは思っていますが、決して僕の処方が世界一などと思っているわけではありません。無資格でもものすごい努力をして、非常に高い能力を持っている人もいるでしょうし、そもそもどの眼鏡がベストかは、患者さんの希望やライフスタイル、性格などによって様々です。
    患者さんの背景をしっかりを把握しようとすることは重要ですが、100%把握することは不可能です。
    眼科医、眼鏡士に限らず「これでなにか不自由ないかな?もっとよい眼鏡はできないかな?」と、決して自己満足をせずに研鑽することで、より多くの確率で満足頂けるようになるのかと思います。
    職種としてどちらが勝っているかではありません。本当に優秀な人は多くの患者さん・お客さんに認められて、担当を希望されて、自分自身も育っていくのだと思います。

    それと、申し訳ありませんが、
    眼鏡店に努める眼科医という職業は、僕の身近には一人もいないので、どういう仕事をなさっているのかよくわかりません。

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