老眼(ろうがん)? 調節力

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・眼瞼内反症 1件(加齢性のさかさまつ毛)
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術 2件(茎離断1件、増殖1件)
(裂孔原性網膜剥離1件、増殖糖尿病網膜症1件)
無事に終わりましたが、午後の外来に遅刻しないかヒヤヒヤでした。スタッフが協力してくれるので、つい無理をしてしまいますが、お昼休みに硝子体2件は無謀かな。ちょっと考えないと。


網膜剥離の紹介は、残念ながら4日前から中心部が見えなかったとのことで、黄斑まで剥がれてしまっています。1.0への回復は難しいかと思われますが、少しでも回復してくれればと思います。


こちらは、2週間前に紹介頂いた糖尿病網膜症です。白内障が邪魔をしていて、眼底の診察が少し曖昧だったのですが、手術をしてみたら、思ったより重症で・・・。

カサブタ(増殖膜)だらけ。失明は防げたと思いますが、視力の大きな回復は難しいです。
網膜の病気は、できれば見えなくなる前、もし見えにくくなったらすぐに。受診頂けるといいのですが、なかなか難しいようです。

よく外来で質問を受ける、老眼についても書き始めてみようかと思います。
老眼? 調節力(ちょうせつりょく)
老眼とは、遠くのものを見ている状態から、近くのものを見るために、ピントを近づけるための、調節力という力が衰える事です。
人間の目の構造は、遠くを見る時がリラックスした状態で、近くを見る時が力をいれた、無理をした状態です。目の中の筋肉に力をいれて、水晶体というレンズを厚くすることで、焦点(ピント)を近づけるのです。


遠くから目の中に入ってくる平行線の光が、リラックスした筋肉、薄い水晶体の状態で、網膜にちょうどピントを結ぶ状態・よく見える状態である目があるとします。


同じ人の目で、同じくリラックスした筋肉、薄い水晶体で、近くのものを見ようとしたときの光の進路はどうなるかと言うと、リラックス状態では、近くからの光の焦点は網膜よりも後ろ側にズレてしまい、ボヤけた見え方になってしまいます。


そこで、人間は下のイメージ図のように、赤矢印の筋肉(毛様体筋)に力をいれて、水晶体を厚く変形させ、焦点を網膜上に移動させようとします。

この、毛様体筋に力を入れて、水晶体を厚く変形させて、ピント(焦点)を近くに移動させる働きのことを調節(ちょうせつ)、その力のことを調節力といいます。

けっこう遅くなってしまいました。
明日も仕事がいっぱいなので、今日はこれでおしまい。
お読み頂きありがとうございました。

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