色覚異常?

今日は以下の手術を行いました。
・加齢性眼瞼内反症(さかさまつ毛・眼輪筋縫縮)2件
・白内障手術 6件
・眼内レンズ縫着術(無水晶体眼)1件
・網膜硝子体手術 4件(茎離断3件・切除1件)
 (黄斑浮腫1件、黄斑前膜2件、硝子体混濁1件)
無事に終わりました。

Q&Aで、色覚異常についての質問があり、少し書き始めてみますね。
色覚異常(しきかくいじょう)
目がいい。目が悪い。というと、病気ではない多くの人は、1.0とか0.2とか、視力検査の数値を頭に思い浮かべるかと思います。
このような一般的な視力検査は、形態覚と言って物の形を判断する能力の評価になります。他に、見え方の評価としては、緑内障などで問題となる視野(見える範囲)も必要ですし、そして、色覚(色がきちんと認識する能力)も考える必要があります。
視力の数値が1.0あって、広い正常な視野があっても、色が白黒の世界では生活が不便ですよね?

色覚異常は、この色を判別する能力に何らかの異常をきたした状態です。
まず、大きく、先天性(生まれつき)と、後天性(生まれた後に病気が原因で)の二つに分けられます。

後天性の色覚異常は、
例えば、白内障で水晶体が濁ることで、青や黄色の色合いに変化を感じるようになったりするのも、色覚異常に該当します。(逆に手術で治すと、もともとの正常な見え方に近づくため、色がキレイに見えるようになったと喜んでもらったりします。)
他に、重度なものとしては、色を感知することを得意とする錐体という視細胞が障害されるような、錐体ジストロフィーや、錐体が多く集まる黄斑部の病気(黄斑変性症や、糖尿病黄斑浮腫など)でも、視力の数値も低下しますが、色の判別が難しくなったり、重症例では白黒の判別しかできなくなることもあります。

上記のような後天性の色覚異常で、ある程度の年齢で、他の病気を原因として色覚が障害された場合は、患者様自身も「色が見えにくい。」と自覚することができますが、先天性(生まれつき)に色が分かりにくい場合には、初めから、そういう世界で育っていくために、自分が病気であるということを認識できません。
先天性の色覚異常は、本人が自覚しにくく、また、周囲の人間も色覚異常のかたの見え方を実感できるだけではないので、お互いに理解しあうことが難しいようです。

とっても難しい分野なのですが、今後、先天性の色覚異常について、少しづつ記載を続けていきたいと思います。

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