色覚異常? 錐体と光の波長(色)

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 9件
・緑内障手術 1件(ぶどう膜炎後の隅角癒着解離)
・斜視手術 1件(外斜視+上下斜視、前後転+移動)
・網膜硝子体手術 3件(茎離断2件・増殖1件)
(黄斑円孔1件、硝子体混濁+黄斑前膜1件、増殖糖尿病網膜症1件)

無事に終わりましたが、硝子体手術では外来の診察では分からなかった、予想外の重症例があったりして、結構今日はヒヤヒヤしました。日帰りで硝子体を行う事が増えていますが、自宅でうつ伏せをするのは大変なので、日帰りは簡単な症例だけの方がいいのかなぁ・・・。
しかし、コンステレーションはすごい。急な難症例でも、以前の器械と比べて安心感が違います。専門的ですが、もし穴が開いても、剥がれてこないのですよね。器械がいいだけですが、なんとなく自分が上手くなった気分で、なかなか[:グッド:]

色覚異常? 錐体を光の波長(色)
人間の網膜には、光を感じ取る「視細胞」という細胞が、片方の目だけでも1億個以上あります。
視細胞は大きく2種類に分けられ、強い光を色まで細かく判別可能な「錐体細胞;すいたいさいぼう」と、明るい・暗いしか分かりませんが、弱い光でもしっかりと反応する「捍体細胞;かんたいさいぼう」になります。
網膜の中心部である黄斑には、錐体細胞が密に存在し、細かいものを判別したり、色を判別したりする事に長けています。黄斑から離れるほど、錐体細胞は少なくなりますが、網膜全体では600万個程度の細胞があると推測されています。
捍体細胞は黄斑以外の部分に、錐体細胞に比べるとまばらになりますが、網膜の全域に広く存在し、網膜全体では約1億個もの細胞があるようです。

ここで話が変わりますが、
人間に見える光は、可視光線といって、波長が370nm位から780nm位までの間の光になります。それよりも、波長が短い光が紫外線、長い光が赤外線になりますが、
可視光線の中では、長いものから、短くなるにつれ、
長い赤外線::短い紫外線
という、色として人間に認識されています。

ここで、視細胞・錐体細胞の話に戻りますが、人間の錐体細胞は、光の3原色である赤・緑・青の光を、それぞれ最もよく吸収する細胞に分かれていて、それぞれ、?L-錐体、?M-錐体、?S-錐体と呼ばれています。
?L-錐体
主に560nm程度(Long:赤い光)によく反応する視細胞です。
?M-錐体
主に530nm程度(medium:緑の光)によく反応する視細胞です。
?S-錐体
主に430nm程度(short:青い光)によく反応する視細胞です。

3種類の錐体細胞のうち、例えばL-錐体に異常があると、赤の光が分かりにくくなるのですが、そのあたりはまた次回。

今日もお読み頂きありがとうございました。

“色覚異常? 錐体と光の波長(色)” への2件の返信

  1. 眼科医師です。
    大変参考になり、いつも勉強させて頂いております。
    バルベルトの記述の予定はありますか?
    お忙しいと思いますが、楽しみにしています。

  2. ご連絡ありがとうございます。遅くなってすみません。
    先日のインプラントの患者様は、手術後は元の医院で観察となっております。眼圧は外来では9mmHgと安定しているようですが、経過の写真などもまとめて載せたいので、後日当院でのfollowもあるので、それ以降に頑張りたいと思います。

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