緑内障22 最新手術 エクスプレスシャント トラベクレクトミー?

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・白内障手術 8件
・緑内障手術 2件
・網膜症硝子体手術(茎離断)1件
最後の硝子体は、申し訳ありませんが術後再出血で再手術となった方です。
頑張りましたが、今度は大丈夫かな?と、明日の診察がドキドキです。

緑内障22 最新手術 エクスプレスシャント トラベクレクトミー?
実際の手術の方法を、先週の水曜日に手術となった、70代女性の例で記載してみます。
もともと他院様で長い間、緑内障の点眼薬を使用していたようです。それでも徐々に悪化していると5月に来院。4つの成分の薬を使用していましたが、両眼ともに眼圧は20mmHg前後と高値です。ゴールドマンでの動的視野も残念ながら進行期でした。進行期の緑内障では、眼圧は10以下とかできるだけ低いほどいいのですが、一般的には20を超えるようでは、将来的には失明が危惧されます。

7月25日に両眼の手術を施行させて頂きました。
右眼は少し異なる病態で隅角癒着解離(GSL)を施行し、本日も経過良好です。
左眼にエクスプレスシャントを施行したので、それを記載してみたいと。

白内障を合併しているので同時手術。まずは白内障のレンズを交換してしまいます。

通常のトラベクレクトミーでは、術後の乱視が大きく出るので、難しかったのですが、エクスプレスシャントはキズ口が小さく、術後の乱視変動が少ないので、トーリックレンズを使用が可能です。出来る限り乱視を減らし、裸眼視力の向上を期待できます(赤矢印の先の点々が乱視の軸)。

黒目(角膜)の上側、写真では黒目の下側に糸を縫いつけて(緑矢印)、目が下を向くように(写真では上側)引っ張ると、黒目の上側の結膜や白目(強膜)がよく見えるようになります(青矢印)。

強膜の表面に覆っている結膜に切り込みを入れると、少し出血するので、高圧電流の器械で焼いて止血をします。

この方は、心臓の治療でワーファリンという血液をサラサラにする薬を飲んでいるので、それでも多少は出血します。

強膜に切り込みをいれて、黒目(角膜)側にめくり上げるように切っていきます。これを、強膜フラップと呼ぶのですが、エクスプレスシャントが術後にずれたり、柔らかい結膜を破いたりするのを防ぐために、強膜フラップでエクスプレスを覆うようにします。

通常のトラベクレクトミーで作成するフラップよりも小さなもので大丈夫なので、乱視なども小さくなります。(僕は、将来的なニードリングのしやすさなどを考えて、エクスプレスでは少し厚みが薄めのフラップを作成しています。)

せっかく作った、水の流れ路(バイパス)のキズ口の癒着が進むと、手術の効果が無くなってしまうので、癒着防止効果を持つ抗がん薬を浸して、癒着を防止します。

(今回はマイトマイシンCを2分;症例によって異なります。)

この白目の強膜フラップは、あとで針と糸で縫って、元に戻すのですが、僕はこの時点で縫合の糸をかけてしまいます。

(エクスプレスシャントを刺してからだと、眼圧が低くなり縫いにくいので、先に糸をかけておくと安全です。)
写真でフラップの右下と左下を縫って、細ーい糸があるのですが、見えますか??

本来は、ここで強膜の一部、線維柱帯、虹彩(茶目)の一部を切除して、水の通り道を確保するのですが、エクスプレスシャントでは、これらの手技を全て省いて、ただただエクスプレスを突き刺すだけで終わってしまいます。
切ったり縫ったりの作業が減るので、その分、手術での出血のリスクが下がったり、術後の炎症も少なくなり、手術が安全になります。

実際には、まず針をプスッと刺して、穴を開けます。(25Gの針)

次に、その穴にエクスプレスを挿入します。

小さくてちょっと分かりにくいですが、赤矢印の部分に左のエクスプレスがついています。

挿入完了!

今まで、出血にビクビクしながら行っていた作業が、なんと10秒で終わってしまいます。医学の進歩はすごい[:グッド:]

その後、素早く、先ほど準備していた、強膜フラップの縫いかけの糸を2か所、キュッ、キュッと縛って、強膜フラップでエクスプレスを覆い隠します。

(以前の手術では、糸を縫っている間に、目から水が漏れ出して、一時ペコペコになったりすることが多々ありましたが、今回の術式では、そんなことは一切起こりません。もちろん乱視用トーリックレンズも殆どずれません。)

最後に、一番最初に剥がした、結膜を連続縫合で元に戻して、終了です(10-0ナイロン糸)。

終了時ですが、矢印のあたりが、プックリと膨らんでいるのが分かりますか?

目の中からエクスプレスシャントを通って流れ出た水が、結膜の下の貯留池(ブレブ)に溜まっている状態です。

白内障手術を含めて、だいたい15分?20分ちょっとの手術です。

気になる結果は、
7月26日 眼圧 6mmHg
7月27日 眼圧 20mmHg⇒レーザースーチャライシスを一糸
7月28日 眼圧 5mmHg
7月29日 眼圧 5mmHg
7月30日 眼圧 6mmHg
(せっかく入院しているので、朝も昼も夜も検査をして、念入りに観察いますが、朝の結果だけupしています。)
ここまでバッチリの経過で明日退院です!

青矢印の先がエクスプレスです。

“緑内障22 最新手術 エクスプレスシャント トラベクレクトミー?” への19件の返信

  1. いきなりコメント欄から失礼します。

    栗原先生、初めまして 
    53歳、女性、緑内障患者です。
    人間ドックで、医療機関で再検査をするよう勧められ、受診の結果、正常眼圧緑内障と診断されました。
    近くの病院に通院を初めて7年になります。
    点眼薬を数回変えながら、3か月に一度のペースで通院しています。(検査は3か月?6か月に一度のペース)
    先週の定期通院(6月20日)の際、主治医の方から突然「手術」という言葉が発せられた時には、呆然としてしまいました。
    視野が少し狭くなっているみたいです。
    手術をしなければいけないということではなく、そういうこともあり得るということで、来週、外部からの先生がいらっしゃった時に、診察をしていただくことになりました。

    数日後、気持ちを奮い立たせて手術のことを調べてみました。
    そんな時に先生のブログを見つけたのです。
    エクスプレスシャント・・・

    後から主治医に手術名を問い合わせたところ、やはり「繊維柱帯切除術」ということで、手術をする場合はその外部の先生が執刀し、エクスプレスはたぶん使用しないだろうとのことでした。
    私は、先生のブログを拝見した後、もし自分が手術するなら「これだ」と思うようになっていましたが、情報があまりにも少なく、周りに専門の知識を持つ人もいなく、とても悩んでいます。
    主治医は、エクスプレスはまだ新しい治療で今後どうなるかわからない・・・というようなことを言っています。(主治医自身は使うこともあるそうですが・・・)

    エクスプレスシャントの利点は先生のブログで本当によくわかりました。
    素晴らしい・・・と思いました。

    エクスプレスシャントのデメリットはありますか?
    見た目には挿入していることはわからないですか?
    違和感はずっとありますか?
    詰まることがあるということをブログで書いている先生もいらっしゃいます。
    緑内障の手術は一度では済まない場合もあると聞きますが(10年後、15年後・・・)、2回目の手術は過去どちらの手術(一般的な手術とエクスプレスシャント)をしていた方がやりやすいのですか?
    エクスプレスを使っている場合、2回目の手術はどうなるのですか?
    (取り出してもう一度挿しなおすことができるのか?2回目の手術は出来ないのか?)
    考えると不安で仕方ありません。家族も心配しています。
    いろいろ教えていただけたらと思います。
    お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。
    乱文にて失礼いたしました。

  2. こんばんは。
    分かる範囲で記載してみますね。
    ?デメリットとして、発表されているものは、現時点では見受けられません。眼圧下降効果は同程度、術後早期の合併症や必要とする手技がエクスプレスの方が少ない。というのが主な利点として報告されています。
    ?主に行われる上方からの手術では、見た目には分かりません。(極度に目を大きく開いた状態で、顔をありえないほど近づけて、ものすごーくよく観察すれば、目のいい人は見えるかもしれません。)
    ?レクトミーの手術として、濾過胞(ブレブ)や、手術に使用した糸が、ゴロゴロしたりすることはありますが、エクスプレスは眼内ですから、痛みや違和感は自覚しません。
    ?エクスプレスが詰まったという報告はないようです。メーカーの話では、内腔が詰まったとして摘出されたケースがあったようですが、摘出物を観察したところ閉塞は認めなかったようです。エクスプレスよりも以前のチューブシャントでは閉塞は報告されています。ただし、エクスプレスも閉塞している可能性はありえます。術後に眼圧下降効果が消失した場合でも、エクスプレスを取り出さない場合も多いと思います。この場合、エクスプレスが閉塞したのか、強膜フラップが閉塞したのか、ブレブが閉塞したのかは不明です。
    ?どの手術でも、10年後や20年後は全く予後が予想できません。多くの医院で行われる通常の診療では、治療成績や合併症の発生率など、きちんとデータをとれていないことが殆どです。大規模studyで詳細なデータを集めようとしても、転居・死亡・通院中断・医者の転勤などなど、観察期間が延びるほどデータの集計数が減っていきます。また、昔からあるレクトミーといっても少しづつは術式に変化があり、10年前のものと今のものを比べることはナンセンスです。
    10年後、20年後の心配をされる気持は十分理解できますし、考える必要がないとも言いませんが、その頃の医学は現在と全く異なるものかもしれません。それよりも数ヶ月とか2年とか、そういう期間で、再手術が必要なる人が沢山いる疾患だということも認識してください。
    ?エクスプレスの手術創が癒着した場合、除去して通常のレクトミー創を形成することは可能だと思いますが、眼球の状態や病態により個人差があり、ケースバイケースだと思います。少しずらして、他の場所に創を作る場合は、通常のレクトミーでもエクスプレスでも関係なく同じです。

    どちらの術式でも、担当の先生が慣れているものがよいかと思います。個人的には緑内障の手術では、手術自体の術式よりも、術後の管理の方がよほど重要だと思っています。術後の状態によって、すぐに癒着をコントロールしたり、傷を縫ったり、適切な処置が行える病院だといいですね。

  3. 栗原先生、お忙しいところありがとうございました。
    何回も読み返しました。
    いろいろよく考えたいと思います。
    本当にありがとうございました。

  4. すみません。少し気になったのですが、現在の眼圧はどの程度で、なんという薬をつかっているのですか??

  5. はじめまして、男性28歳の網膜剥離患者です。
    網膜剥離が重症だったということで術後にシリコンオイルを入れて頂きました。
    シリコンオイルを除去後、乳化してきたオイルが前房に出てきて眼圧が上昇しており、将来的には眼圧を下げる手術も検討されています。
    現在点眼でアイファガンとザラカムを併用して眼圧19です。
    インターネットで似たような症例を検索してみたところ

    http://www.atagan.jp/article/page/164
    こちらの「硝子体手術後の続発緑内障はこう治す」という項目に

    >4)長期間留置されていたシリコーンオイルによって隅角が閉塞した場合長期間眼内に留置されると乳化し,シリコーンオイル滴が前房内に入り込むことによって隅角を覆い閉塞することがある.
    >このような場合は前房洗浄を行っても容易には除去できないので,眼圧下降を目的とした手術が必要になる.
    >しかし,どのような術式を選択するかはあまり報告されておらず,術者の経験によって選択されるのではないだろうか.
    >原理的には,シリコーンオイル滴によって覆われるのは上方の線維柱帯であるので,下方の線維柱帯切開術は有効ではないかと思われる.
    >海外では,下方のインプラント手術を薦める論文10)もある

    とありまして、緑内障手術のインプラント手術の情報を探していたところ
    こちらの栗原先生のブログを発見いたしました。
    とても画期的な方法で緑内障の手術をするならば、是非こちらの方法でやってみたいと思いました。
    そこで気になることがあるのですが、上の文章にあるような下方からのインプラント手術というのは上方を手術するのと比べて
    なにかデメリットとかはございますでしょうか?
    栗原先生が行われているエクスプレスシャント手術では上方からのアプローチが多いようで、下方からの場合だとどうなるのだろうと気になっている次第です。
    またバルベルトチューブシャントの方ではプレートが意外に大きめに感じるのですが
    網膜剥離でバックリング手術をしている眼にも行うことが出来るのでしょうか?
    バックリングと干渉して行えないのではないかという危惧があります。
    よろしければお答えいただけると幸いです、宜しくお願い致します。

  6. こんばんは。

    僕は増殖糖尿病網膜症+血管新生緑内障で、シリコンオイル置換し、抜去後に上方からのアプローチで通常のレクトミーをした人が数名いますが、現在まで全員が眼圧は正常化を得られています。(エクスプレスではない)
    上方に創を作った場合、濾過胞にシリコンが多少は出てくるので、オイルによって炎症が惹起されて、濾過胞の癒着が起こる心配はありえますが、これまでは全員大丈夫のようです。(一番最後の症例も1年以上経過)

    エクスプレスシャントを上方に作った場合、シャント内腔がオイルで閉塞する可能性が少なくないと思うので、個人的にはつ状のレクトミーがよいのでは?と思います。

    エクスプレスシャントに限らず、濾過手術全般に言えることですが、下方からのアプローチは、上方からのアプローチに比べて感染症(濾過胞感染)という重篤な合併症の発生率が高くなるとされています。
    当院では、エクスプレスシャントを下方に挿入した例は現時点では1名です。もともと他院で複数回の手術歴があり、当院でも初回は以前の上方の創からのアプローチで手術をしましたが、結膜の癒着が強く、数ヶ月で閉塞し眼圧が60以上に再上昇してしまいました。仕方なく、下方からエクスプレスを使用しましたが、現在は眼圧が6mmHg程度、半年以上経過し、良好な成績です。手技的には、通常のレクトミーよりもエクスプレスの方が簡単ですので、ある程度の術者であれば下方からのアプローチは問題ないと思います。

    バルベルトと、バックリング(シリコンスポンジ)の相性は残念ながら思わしくないと思います。僕は施行経験がありません。スペース的に挿入自体が難しいですし、眼球後方のスペースにも癒着があり、眼圧が下がりにくいと思います。

    硝子体手術は何ゲージで行われたのでしょうか?20Gとかですと、強膜や結膜の創を縫ってある可能性があります。バックリングでも結膜を切ったり、創も縫っているはずです。結膜が全周的に癒着している場合、どの濾過手術も大変だと思います。

    隅角検査をしてみて、隅角の癒着がなく、眼圧上昇の原因が本当に乳化オイルだと思えるのであれば、長く時間をかけても、硝子体手術で出来る限りオイルを抜くのがいいかもしれません。眼内レンズの混濁(前嚢収縮)などが無ければ、時間をかけてもよければ、かなりキレイに洗浄出来ると思います。(強い前嚢収縮などがあると、眼底の把握が困難で、周辺部の洗浄のリスクが上がり困難です。)

  7. ご回答ありがとうございました、大変参考になりました。
    すみません、眼圧上昇に関してですが詳細な症状を書かせて頂きますので栗原先生のご意見等頂けたらありがたいです。
    アトピー性皮膚炎から網膜剥離になり2011年の12月に硝子体手術を行いました。
    ゲージ等はわかりませんが、九州大学病院で硝子体手術して頂きバックリングも同時に行い、
    最後にシリコンオイルを入れて頂きました。
    そこから無理言って1年半くらいシリコンオイルを入れていたのですが、乳化したオイル前房に出てきているということで
    点眼治療を行った後(最後は25くらいまでしか下がりませんでした)今年の4月にシリコンオイルを除去して頂きました。
    除去後は眼圧も下がっていたのですが、シリコンを抜いた事により再剥離してしまい、その後再手術でガスを入れて剥離も治まっていました。
    再手術から1ヶ月後の6月頃から眼圧が上がり、一時期は42まで上昇していました。
    今はアイファガンとザラカムで19まで落ち着いています。
    主治医の先生と話して、隅角検査をして頂きましたが癒着などは無く(癒着などはありませんか?と訊きました)、眼圧があがっている可能性として
    1.乳化したシリコンオイル、2.3度の手術によるゴミによる目詰まり(と表現しておられました)、3.術後の炎症
    を挙げられました。
    1の乳化オイルは隅角を塞いではいるようです。
    3の術後の炎症に関してですが、これも先生に無理行ってシリコンオイル除去手術と剥離の再手術の後にステロイドの点眼を挿さないようにして頂き
    その炎症が今も残っていると仰られていました。
    原因は主治医の先生もはっきりしないとのことです。
    栗原先生は硝子体の手術で出来る限りオイルを抜くのもいいとのご意見ですが、乳化したオイルは取りにくいという話も聞きます。
    最初の剥離の手術と同時に白内障手術も行っており、眼内レンズは挿入されていない状態です。
    シリコンオイルの除去手術の刺激で再剥離したのだろうということでもう乳化オイルの除去手術は怖くて余りやりたくない心境です。
    その旨を伝えたところ、前房洗浄で前房に出ている乳化オイルをとってみるのもひとつの手段だと伝えられました。
    原因も今のところはっきりせずとても不安です。
    こういった場合はどうすればよろしいでしょうか?また先生は原因を何だとお考えになられるでしょうか?
    主治医の先生とはとりあえず点眼して現状維持という話にまとまっています。
    栗原先生のお話ですと緑内障の手術も難しいようで、眼圧上昇の原因を突き止めたいという気持ちが強くなりました。
    結膜の癒着に関してですが申し訳ないのですが分かりかねる次第です。
    なにかアドバイスなど頂けたらありがたいです、宜しくお願い致します。

  8. すみませんバックリングではなくエンサークリングだったと思います・・・
    全部巻いてあると主治医の先生が仰られてたので・・・

  9. おそくなってすみません。
    原因は、どれか一つだけというよりも、記載して頂いた要因が全て関係しているのではないでしょうか?炎症に関連する部分は、時間とともに消失します。
    隅角の異常(顕微鏡で把握できないような)に関しては、あまり変動しない要因だと思います。今後も眼圧が上がったり、下がったりする場合は、オイルの影響が大きいかと思います。
    同じような症例で、どうしてかは、あまりよく分からりませんでしたが、縮瞳剤の点眼薬で眼圧が安定した例が2名浮かびます。(たまたま炎症が引いてきた時期だったのかもしれません。)縮瞳薬は眼底検査などが不利になるので、現時点での使用はお勧めできません。

    水晶体嚢はあるのでしょうか?もしなければ、前房洗浄によって比較的簡単にオイルが抜きやすいと思います。

    ただし、現在、2剤の点眼薬で眼圧が正常値なのであれば、そのまま様子をみるのが一番いいかと思います。まだまだ再剥離がありうる時期だとも思います。

  10. お忙しいところ、ご返信ありがとうございました。
    色々とご参考になる情報を提示して頂き、大変参考になり幾ばくか不安も払拭されました。
    まだまだ再剥離の手術から日にちも経っていないので
    現状維持という形で進めて行きたいと思います。

    この度は親身なアドバイス頂きありがとうございました。
    また何か栗原先生に質問させて頂くこともあるかもしれませんが、その時にはどうか宜しくお願い致します、失礼致します。

  11. 栗原先生 初めまして。
    10年前に、強度近視で白内障になり、手術をした54歳女性です。その後緑内障が発覚し、昨年からは主治医から「手術しなくてはダメだ」と言われていますが、従来の手術方法で手術する気になれず、インターネットで調べたら先生のブログを拝見し、これだ!と思いお聞きします。
    出来れば先生の病院で先生に手術していただきたいと思うのですが、私は埼玉県に住んでいるので、茨城まで通うのは かなり大変です。他の患者さんで遠方からいらしてる方はいらっしゃいますか?手術前の診察や手術後の診察はどのくらいの頻度で通院しなければなりませんか? そちらの病院での手術が難しいようであれば、こちらの方でエクスプレスシャント術をされている病院はどのように探せばよいでしょうか?
    私の現在の眼圧は 常に左右17~18 位です。欠けがかなり進んでるので なるべく早く手術した方が良いらしいです。

  12. riko様
    遅くなってしまい、申し訳ありません。
    遠方からいらして頂く患者様も多くなってきていますが、
    本来はお勧め出来るものではありません。
    特に緑内障の手術のうち、線維柱帯切除術(トラべクレクトミー)に関しては、僕は「手術簡単」「術後のケアが何より大事」と思っています。
    眼圧が落ち着くまでの一定の間、毎日ブレブを育てるのに気を使います。日帰りで行う手術が増えている中、当院ではレクトミーだけは、ほぼ全員入院で受けて頂いています。
    (病状によっては朝・昼・晩、それ以上の処置ができるため)
    (全員が細かい処置が必要なわけではありません。特にエクスプレスの場合は、入院だけして、特に処置を行わないまま安定してしまう事もあります。)
    ブレブが安定するのは、個人差があり、1週間以内のこともありますし、2週間程度かかることもあります。ですので、もしも遠方のかたが臨まれる場合、2週間程度の入院を見込んで頂いたほうが良いかと思います。手術前の診察は2回ほどです。
    退院後は、お近くの先生と連携を取りながら、数週間に1回程度の診察が必要です。
    エクスプレスシャントによる手術を受けるだけで、良好な予後が補償されるわけではありません。手技が画一的(均一)になったり、時間が短縮されたり、早期の合併症が少なくなったりはしますが、長期の眼圧下降効果は以前のものと同様です。
    手術の方式がどうかよりも、担当の医師が慣れていて、そして何より術後の処置をしっかりと行うことの方がよほど大切なことだと思います。
    埼玉でというのは分かりませんというか、病状を把握せず、他の病院様を紹介するのも無責任かと。すみません。ただ、全国的にエクスプレスを使う病院はどんどん増えていますので、緑内障手術をそれなりに手掛けている医院であれば、多くは経験があるかと思います。

  13. はじめまして。栗原先生どうか教えてください。
    私の友人がエクスプレスの手術をしました。一週間くらいで見えるようになるし、安定すると言われたのですがもう3週間経ちますがまだ見えません。手術は成功したと言われたそうなのですが、眼圧が下がりすぎてるそうです。もうこのまま見えないのでしょうか? 手術はまだ早かったのではないのかと本人は後悔の日々を送っています。
    網膜剥離をして、オイルを入れたのですが眼圧が高いからと一年後エクスプレスの手術をしました。見えることはもうないのでしょうか?

  14. ryui様
    遅くなってすみません。
    「まだ見えない。」の程度がどの程度のものなのでしょうか?
    緑内障手術は、眼球に穴をあけたり、糸で眼球を縫ったりする手術ですので、基本的には手術直後には大きな乱視の変動があります。時間がたってもある程度の乱視は残ります。
    眼鏡を調整していない段階の裸眼視力は、現時点では参考になりません。
    また、眼圧が高い状態から、急に低下した場合、多くの症例で一過性の視力低下が起こります。これは数週とか数か月単位で落ち着きます。
    このような変化は、通常のトラベクレクトミーに比べて、エクスプレスシャンとのほうが回復が早いようですが、それでも個人差があり、数日で視力が安定する人から、数か月かかる人まで様々です。

    ただし、過剰濾過によって眼圧がゼロとか、2とか、極端に低下しすぎている場合には、低眼圧黄斑症といわれるような合併症が起こったり、一過性の房水の産生低下から濾過胞(ブレブ)が癒着してしまったりと、手術後の経過が思わしくなくなってしまうケースもあり得ます。経過によっては創部の再縫合なども必要になります。

    手術が早かったということは通常ありません。
    手術を決定したからには、眼圧が高かったのではないでしょうか?高眼圧を放置すれば、基本的にはいつかは失明です。
    現在の「見えない」は真っ暗ですか??
    担当の先生は、回復の見込みはないといっているのですか?

  15. 栗原先生、お返事ありがとうございます。
    本人に確認したところ、白くぼやけてて全く見てないそうです。
    先月の末の金曜に手術してもう三週間くらいですがまだ回復してません。担当医の先生は何も言わないみたいです。様子を見ましょうって言われたそうです。もう、見えなくなるのか不安で、仕事も復帰できず先が不安だそうです。
    このまま、白くぼやけたままなのでしょうか。網膜剥離してから、一年後に緑内障をしたせいでしょうか?お忙しいところ本当にすみません。

  16. 極度の低眼圧や、もしかしたら水疱性角膜症という病態も考えられます。
    すみませんが、一度診察をしないとなんとも言えません。

  17. 栗原先生、はじめまして。
    Express shuntによる合併症に関してご相談をさせて下さい。

    今年の春にExpress shuntの手術を受けました。手術前の眼圧は14程度でしたが、術後一週間位で3以下となり、その状態が1月ほど続いてその間視力が回復せず、低眼圧による黄斑症とのことでした。
    その後、眼圧を上げる目薬を与えられ眼圧は8-10程度となり、眼底の皺は少しずつ伸びてくるはずだと言われながら三カ月が経ち、結局戻っていません。先生からは、眼圧をもう少し上げるにはExpress shuntを取り除く必要があり、除いても皺は元には戻らないかもしれないと言われています。

    そこでご意見を伺いたいのですが、Express shuntを取り除くという手術は、しばしば行われている手術なのでしょうか?結構大きく切開しないと取れない気がしており、とても不安を感じております。
    また、Shuntを抜く以外にも何か良い事例がある様でしたらご紹介頂きたく、何卒お願い致します。

  18. はじめまして
    私自身の事ではないのですが
    いとこが緑内障の手術をしたんですが
    中の器具エクスプレスがズレるそうです
    なので水が溜まり眼圧が上がり目が腫れるそうです
    1日20回ほど
    その原因は何でしょうか?
    ストレスで起こり得ることでしょうか?
    それとも 別な原因でしょうか?

    1. エクスプレスがずれてしまうことがありえますが、ずれたらずれっぱなしと思います。
      動き続けるものではないので、1日20回という表現は理解できかねます。
      まずは主治医の先生に病状をよく説明してもらってください。

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