加齢黄斑変性症? 滲出型と萎縮型

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・眼瞼内反症手術 2件
・眼瞼下垂症手術 1件
・白内障手術 6件
・緑内障手術(エクスプレスシャント)2件
手術は問題なく終わっていますが、
外来で術後経過の思わしくない方がいらして、再手術に・・・。
再手術は申し訳なく思いますが、また全力で頑張りたいと。

加齢黄斑変性症? 滲出型と萎縮型 その1
加齢によって、網膜の中心部である黄斑の性状に、病的なレベルで変化が起こることを、加齢黄斑変性症と呼ぶことを少し前に説明しました。
ある程度の年齢になれば、誰にでも多少の変化は起こります。どの程度の変化からを病的とするのかは、医師によって判断が異なったり、また、病気の分類の方法にも様々な分け方があるのですが、僕なりに、一般の人に分かりやすいと思う表現にして記載していきます。
(専門的な意味、狭義の萎縮型AMDや、正確な分類とは異なります。)

実際の外来では、黄斑変性症は大きく2つに分けられます。それは、
?悪性:治療が必要なもの(滲出型) と、
?良性:治療を必要としないもの(非滲出型・萎縮型) です。
(?は治療法がないもの。という表現される場合もあります。)

・滲出(しんしゅつ)とは、
病変に出血が生じたり、水分が貯留したりして、網膜が膨張している状態です。
濡れている(Wet)・グチャグチャした・水っぽい・腫れている、といったイメージの病変です。
滲出型黄斑変視症は、簡単に言うと悪性で、進行が早く、短期間で失明まで進行することもありうる病態です。

・非滲出型・萎縮型(いしゅく)とは、
病変に水分が少なく、出血や水分の貯留がない状態で、細胞などが減少し、網膜が薄くなった状態です。
乾いている(Dry)・カサカサしている、といったイメージの病変です。
滲出型・萎縮型黄斑変性症は、進行が比較的ゆっくりで、失明に至ることはあまり心配ありません。人によっては、自覚症状・不自由がないまま余命を全うすることもあります。

現在の医学では、
滲出性の病変、つまり出血や水分の貯留により、網膜が厚くなっって、急速に視力低下が進行する、悪性の病態を落ち着かせるための治療が可能になってきています。
萎縮性の病変、つまり細胞が死んでしまったりして、網膜が薄くなって、見えにくくなってしまった状態を、元通りに戻す(回復させる)治療法はまだ見つかっていません。

実際に、黄斑変性症と診断された時には、
・滲出型黄斑変性⇒出血や水分の貯留を落ち着かせるための治療を行う。
・非滲出型・萎縮型黄斑変性症⇒経過観察

というように考えていきます。

“加齢黄斑変性症? 滲出型と萎縮型” への2件の返信

  1. こんばんは。いつもお世話になります。
    今回 再発という事で、覚悟はできていたつもりでしたが…

    残念な感じが否めないなと…。

    また 全力で治療 宜しくお願いします。

  2. 本当に申し訳ありません。
    出来る限りの手術をしたつもりでしたが、若い方の多発裂孔の網膜剥離は、難しいことが多いのです。
    新しい場所に穴が開いて、端っこにちょっとだけ網膜剥離がでてきているのですが、非常に小さな穴なので、進行はゆっくりかと思います。ただし、もしも手術日までに、あきらかに自覚症状が悪化していく場合には、病院に電話を下さい。
    ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

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