緊急入院:網膜中心動脈閉塞症

土曜日は本来は午前の外来のみなのですが、今日もいっぱい働きました!
お昼休みに、小美玉市医療センターで
・白内障手術 7件
・眼瞼腫瘍 1件
夕方にクリニックに戻って、
・白内障手術 1件
・網膜硝子体手術 2件(硝子体出血:糖尿病と網膜中心静脈分枝閉塞症)
手術は順調に終わりました!

午前の外来で63歳男性が御紹介で初診され、緊急入院となりました。

網膜中心動脈閉塞症(もうまくちゅうしんどうみゃくへいそくしょう)
眼球の奥にある光を感じ取る膜を網膜と呼びます。カメラで言うとフィルムにあたります。網膜中心動脈閉塞症はその名前の通り、網膜を担うもっとも中心となる動脈が詰まってしまう病気です。糖尿病網膜症などがゆっくりと、徐々に詰まっていくのと比べ、ある日突然に全ての血管が詰まるため、発症が急激、そして重篤な疾患です。

脳梗塞や心筋梗塞と同じような病態で、動脈硬化などが原因となります。

本日の患者様の写真です。

上が、正常な右眼です。
下が、血管の詰まってしまった左眼です。血流がないために、血液の色であるオレンジ色が弱くなり、全体として白っぽくなっています。


これは、造影剤という薬を点滴で注入後に写真を撮ったものです。
血管の中の造影剤が白く映ります。
右眼は27秒でほぼ全ての血管に造影剤が流れています。
左眼の写真は42秒なので、普通なら右眼以上に白く映るはずですが、ほとんどすべての血管が黒く抜けてしまっています。血液が流れていないことになります。

とても緊急性の高い疾患で、発症後ただちに治療をしなければいけません。
脳梗塞や心筋梗塞と一緒で、血液が流れていない時間とともに組織が死滅していきます。ですので、救急車を呼ぶべき疾患です。

治療法は、血栓溶解剤の点滴を行います。また、眼球の血流を良くするために、マッサージや、眼内の水を抜いて眼圧を下げるなどの処置を行います。
本日の患者様は、来院後1時間で全ての治療ができ、治療としては上手くいったのではないかと思います。
ただし、急に真っ暗になったのは昨晩とのこと。出来れば昨晩のうちに治療をさせて頂きたかったです[:悲しい:]

急に真っ暗になったら、時間に関係なく眼科に電話をしましょう!
場合によっては救急車を呼びましょう。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

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