翼状片手術? 術後の見た目

今日の午後は以下の手術を行いました。見学の先生も一名いらしました。
・眼瞼腫瘍切除 1件
・翼状片切除 1件(遊離弁移植)
・眼瞼下垂症 2件(CO2レーザー・ミュラー筋タッキング)
・白内障手術 6件
・眼内レンズ2次移植(毛様溝縫着術) 1件
・網膜硝子体手術 2件(切除1件、茎離断1件)
今日は、いろいろな手術があって楽しかったです。
無事に終わって何よりです。

翼状片手術? 術後の見た目
翼状片手術の最も重要な手術目的は、視機能を維持することです。
ただし、特に女性の患者様などでは、術後の見た目を気にされるかたも多数いらっしゃいます。出来る限りキレイにしたいと思ってやっていますが、実は、頑張ってもどうにもならないものもあります。

一昨日手術を行って、ブログに術式を乗せた患者様の写真です。左が手術前、右が手術翌日です。白目が赤いのは、手術中の出血のあとで、徐々にキレイになっていきます。問題は、黒目(角膜)の濁りが残っていることです。時間とともに、もう少しはキレイになりますが、完全に消えることはありません。
この結果をみると、翼状片を取り切れなかったのでは?と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、そうではありません。実は、翼状片が長い間、黒目(角膜)にべったりとくっついていると、角膜自体が濁ってしまうのです。

イメージ図ですが、赤が翼状片、青が角膜の濁りです。翼状片をキレイに切除しても、角膜自体の濁りは取ることができません。
また、このような角膜の濁りは、表面が凸凹した状態となり、不正乱視という、メガネで視力を矯正出来ない乱視を残してしまう原因となります。

なので、もし手術をする場合は、角膜自体が濁る前に手術をした方がいいのですが、手術は100%安全というわけではありませんので、判断を迷う場合もあります。いつ手術をするべきか、手術をしなくても大丈夫なのかは、担当の医師とよく相談しましょう。当院の考え方は、後日、別のブログで書いてみたいと思います。

参考に、当院(山王台)で今年行った翼状片の術前後の写真をupしてみます。
(たぶん、これで全部かと。手術リストをパラパラ見ての結果なので、漏れがあったらすみません。私のがない。UPして!などがあれば教えてください。)
当院では、ほとんどの場合で、術翌日、術後1週、術後1ヶ月に来院頂いています。翌日や1週後の写真で、白目が赤く見えるのは、出血が残っているためで、徐々にキレイになります。(問題がないと、写真を撮らないことも多いので、術直後の写真のみになってしまう方がいます。小美玉でfollow中のかたも手元に写真がありません。)
手術後、数か月とか半年とか立つと、傷跡はさらに分かりにくくなります。

術後1週
術後1週







角膜が白いですね・・・。
今年一番の濁り残存。
この方の反対の目を本日手術しました。
今日手術をした左目は軽症で、濁りは残らないと思います。

術後1週
術後1週
これも濁りが・・・。




術翌日
術後1週

キレイになると、僕はとっても嬉しいのですが、濁りが残ると少し凹みます。
濁りが残るかどうかは手術前から分かるので、キレイになりそうな症例だけ手術をしたいところ。
ところが、濁りが残りそうな症例はもともと重症例で、手術を引き受けないと、将来見えなくなってしまうリスクの高い方です。それって、手術しないわけにはいかないですよね・・・。

ブログを参照頂いた方へ。
ご家族の黒目の内側に、白い出来物が出来ていたら、早めに眼科を受診するようにお伝えくださいね。

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