瞳孔?  瞳孔の異常 その2

今日は以下の手術を行いました。見学の先生にもいらっしゃって頂きました。
・眼瞼下垂症手術(眉毛下皮膚切除術)1件
・眼窩腫瘍切除 2件
・白内障手術 9件
・網膜硝子体手術(茎離断)4件
 (黄斑円孔1件、黄斑前膜2件、糖尿病網膜症2件)
みなさん無事に終わりました。

今日も瞳孔の続きを書いてみます。
前回は、瞳孔・虹彩の形態的な異常に関して書きましたが、今日は、瞳孔の機能としての異常について書いてみます。

?瞳孔の機能的な異常
瞳孔の大きさは、脳の活動によりコントロールされているのですが、
・交感神経という神経から刺激が伝わると、瞳孔が大きく(散瞳)なり、
・副交感神経という神経から刺激が伝わると、瞳孔が小さく(縮瞳)なります。

寝ているか起きているかなど、脳の興奮状態により、瞳孔の大きさが変わったり、他にも、睡眠薬や安定剤の内服も瞳孔の大きさに影響します。麻薬やコカインなどで脳がおかしな状態になっている時も、瞳孔をみるとバレちゃうのですよ!

他に、明るい・暗いでも、瞳孔の大きさは変動します。
・明るい所で、目に光が入り、脳に眩しさが伝わると、副交感神経が働き、瞳孔が小さくなります(縮瞳)。
・暗い所で、目に入る光が足りないと脳が判断すると、交感神経が働き、瞳孔が大きくなります(散瞳)。

このような、明るさによる瞳孔の大きさの反応を、対光反応と呼びます。

面白いのは、例えば、右目にライトで光をあてると、もちろん右目の瞳孔は小さくなるのですが(直接対光反射)、同時に左目の瞳孔も小さくなるのです(間接対光反射)。
右目に眩しい光をあてると、正常な脳であれば、脳の反応は両眼に等しく起こるように出来ているのです。

なので、正常な人間であれば瞳孔の大きさは、右と左で同じになります。
瞳孔の診察では、左右差をみることが重要で、左右の瞳孔の大きさが、直径1mm以上差がある場合には、なんらかの異常がある可能性があると考えて精密検査を考える必要があります。


これは先日治療した視神経炎という病気の患者様の写真です。
上が暗い状態、下が明るい状態での写真ですが、向かって左側の方が、右に比べて瞳孔が大きくなっているのが分かりますか?視神経炎では瞳孔が大きくなっている方が悪い状態になります。光を当てても、光が脳にしっかりと届かないので「瞳孔を小さくしよう。」という副交感神経が働かないのです。

対光反応は、
・目が光を感じ取る
・光を感じ取った脳が、活動する
・脳からの刺激が、交感神経や副交感神経から虹彩に伝わる
などが、全て問題なく働くことで起こる反応です。

右目・左目・右脳・左脳、どこが悪くても反応に異常が起こったり、瞳孔の大きさに左右差が出たりします。

診察室で、僕が患者さんの両目に交互に光をあて、目をじっと覗き込んでいる場合があります。右・左・右・左と、ライトを交互に当て続けるため、とっても眩しくて患者様には不評だと思いますが、視力が悪いのは、右の眼が悪いのか?目のどこが悪いのか?それとも、左の脳が悪いのか?などを推測するために重要な検査なのです。やられる人は頑張ってくださいね。

少し専門的になってしまいましたが、瞳孔の話はこれでお終いです。
今日もお読みいただきありがとうございました。

“瞳孔?  瞳孔の異常 その2” への2件の返信

  1. 私の母が白内障、黒目のにごり、視神経萎縮で視力失いました。
    手術して、どうにか出来ないか医師に聞いたら対抗反応がないから手術は無理と言われました…本当に何も出来なる術はないんですか?

  2. 遅くなってすみません。
    視神経萎縮が本当に萎縮病態であり不可逆性の状態あれば、現在の医学ではどうにもできませんが、診察をしないとわかりません。すみません。

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