視神経炎? 検査・診断 その4

今日の午後は以下の手術がありました。
・眼瞼下垂手術 2件(炭酸ガスレーザー使用のミュラー筋短縮)
・白内障手術 9件
・網膜硝子体手術(茎離断)4件
 (増殖糖尿病網膜症2件、糖尿病黄斑症・前膜1件、BRVO後の前膜1件)
どうにか定時で、皆さん無事に終わることができました。

個人的に、今週は喉の痛みと咳、首のヘルニアの悪化で、かなりツライ状態です・・・。説明が聞こえにくいのではないかと思いますが、ご了承ください。

視神経炎? 検査・診断 その4

MRI
目の表面の病気(まぶたや角膜など)や、目の内部の病気(白内障や網膜硝子体の病気)など、僕たち眼科医が目の中をのぞき込むことで、発見できる病気と違って、視神経炎などの、眼球より後方、脳に近い部分の病気は直接のぞき込むことができません。
視力検査や対光反射、視野検査などを行う事で、「視神経に病気があるに違いない。」とか、「脳のこのあたりに病気があるのかも。」なんていう、推測から診断をしなくていはいけないのですが、やはり推測ではなく、明らかにココが病気です。と確定できた方が良いに決まっています。
のぞき込めない体の中を、評価する方法としては、レントゲンとか、CT、エコーなどなど、いろいろとありますが、磁力を使った安全な検査としてMRIがあり、MRIで視神経炎を診断することができるのです。

撮影の条件や解析の仕方によって異なりますが、以下のMRI画像では炎症がある場所が白っぽく写っています。


頭の上方から撮影した画像です。赤矢印が病気の右眼。緑矢印が正常な左眼です。明らかに右眼の視神経の方が白く写っているかと思います。


これは、横方向から撮影した画像です。やはり、赤矢印が病気の右眼。緑矢印が正常な左眼です。


これは、正面方向からの撮影画像です。赤矢印の右眼の視神経の周囲に炎症が起こって、水が溜まり、白くリング状に写っています。

脳(多発性硬化症)や脊髄(視神経脊髄炎)にも炎症が合併するタイプでは、脳や脊髄にも病変が現れます。

MRI検査は、視神経に炎症が起こっていることを直接確かめることができる、視神経炎ではもっとも重要な検査の一つです。

実は以前は、細い視神経の小さな病変をMRIで発見することは、とても難しいことでした。「MRIを撮ったものの、病変は写らない。でも、視野検査などの結果からは視神経炎があやしいので、治療をしてみようか?」という事が多々あったものです。
1年半前に当院に導入された3テスラのMRIは、非常に精密に病変を抽出することが可能で、これになってからは視神経の炎症を評価することが、とても簡単で正確に行えるようになり助かっています。
(機械だけではく、撮影条件など、放射線技師さんの腕も重要です。いつもありがとうございます。)
通常のMRIでは病変が分からない。なんて場合でも、発見可能なものが多々あるかと思います。眼科の先生方で、困ることがあったら是非、同等機種などでも試してみてください。

当院の3テスラMRIについて⇒以前のブログ?その?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です