視神経炎? 治療その1 なにもしない

今日は日曜日ですが、茨城県眼科医会主催の勉強会に参加しました。
糖尿病黄斑浮腫と前眼部OCTの講演でした。
糖尿病黄斑浮腫の講演では、現在当院で行っている医療とほぼ同じ、むしろ当院の方がかなり積極的な医療を行っていることが確認でき、安心できました。
(当院では糖尿病でレーザー治療が予定された段階で、OCTの黄斑マップでほんの僅かでも浮腫があれば、アバスチンとマキュエイド・ケナコルト注射をルーチンで併用して、視力の低下を防ぐ工夫をしています。)
夜は、県内の大先輩の先生にお酒を奢って頂きました。明日は平日なので、体調がちょっと心配です。ブログを書く前にウコンドリンクを飲んでおこう。

さて、視神経炎の続きです。
視神経炎? 治療その1 なにもしない
急に視野が欠けたり、視力が低下してしまう視神経炎。自己免疫性疾患と言われても、難しい内容だし、あまり納得できない患者さんも多いのでは?
少しでも早く、治療を受けたい。元に戻りたい。と思うのがあたり前ですよね?

後日記載しますが、基本的な治療は炎症を抑えるホルモン製剤である、ステロイドという薬を使うことです。
(⇒ステロイドについては、以前のぶどう膜炎のブログを参照
ステロイドには目薬や飲み薬、点滴などの使用方法がありますが、視神経炎の初期治療では、主に
ステロイドパルスと呼ばれる大量の点滴療法が行われます。
ところが、僕たちは視神経炎と診断したからと言って、全員の患者さんを治療するわけではありません。

治療をしても長期成績は変わらない??
現在の医学の基本的な考え方は、エビデンス ベースト メディスンが基本です。(⇒エビデンスの詳細は、以前のブログを
科学的根拠に基づく医療という意味で、たまたま1人に行った医療が上手くいったかではなく、何百・何千といった、多数の治療の結果を統計学的に評価して、
本当に有効であった治療を行っていこうというものです。

視神経炎について、アメリカで発表された多施設調査の結果では、なんと、治療を受けたグループと、無治療で観察したグループとの10年後の長期予後(治療成績)は、あまり差がなかった(治療の意味がなかった)というものでした。

治療をしなくても(無治療でも)、回復する症例は自然に回復するし、
治療をして一度は回復しても、再発を繰り返して、最終的に失明に至る確率は、無治療で失明していく確率と同じくらい。といった具合です。

では、治療は全くの無意味なのか?というと、そうではありません。
10年後の結果は同じでも、回復までの期間を早めたり
残念ながら再発を繰り返し、最終的に失明に近い状態になる運命でも、無治療で早々に見えなくなってしまうよりも、治療によって出来るだけ見える期間をのばすことは可能です。
また、症例によっては、多発性硬化症と呼ばれる、脳に病変が合併する病態
への進行を抑える可能性があると考えられています。

ステロイドには副作用がありますし、治療をした方が良い・しなくても同じ?などさえハッキリしないのですが、今の医学では、ステロイドパルス以外にきちんとした治療法が確立されていないので、申し訳ありませんが、僕たちの説明も少しあいまいなものになってしまいます。(これで治ります!!とは言い切れない。)そもそも難病に指定されている難しい病気なのですよね。

現時点の一般的な考え方としては、
・視力低下や視野欠損の程度が軽く、片眼性で、脳や脊髄への病変を認めない場合⇒無治療で観察
・視力低下や視野欠損が高度、両眼性の病気、脳や脊髄にも病変がある。または脳や脊髄に病変が発症する可能性が高い⇒ステロイドパルス療法+α
となっています。
(+αについては、後日記載)

別件ですが、ステロイドパルス療法(点滴)後に、ステロイドの内服薬を用いることはありますが、初期治療で内服薬を使用することはありません。
初期治療で安易に内服薬を処方した場合には、多発性硬化症という全身的な病気を発症するリスクが高まってしまうとさえいわれており、治療というよりやってはいけないこと。と考えられています。

次回から具体的な治療について記載していきます。

“視神経炎? 治療その1 なにもしない” への1件の返信

  1. はじめまして。よろしくお願いします。右目が視神経炎と診断されて興で3日めのパルス療法をおこないます。目の痛みは楽になってきましたがどんどん見えなくなってきています。パルス療法が効いていないということなんでしょうか?
    アクアポリン4は4日前に血液怨嗟を行いました。まだ結果が出ていないと思います。とても不安です。

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