眼瞼下垂症 手術? 上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)

今日のお昼は以下の手術でした。
・翼状片切除 1件
・白内障手術 7件
・緑内障手術 1件 みなさん無事に終わっています。

久しぶりに、まぶたの話でも。
眼瞼下垂症 手術?
上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)

眼瞼下垂症は、主に加齢を原因として、まぶたが下がって目が開きにくくなってしまう病態です。(ハードコンタクトレンズや、外傷、脳神経の異常など様々なことが原因となりえます。)
まぶたの筋肉だけでは、目を開けることができずに、おでこの筋肉を使って、眉毛を含めてまぶたを引き上げようとするため、

こんなふうに、まぶたの縁と眉毛までの距離が長くなったり、おでこにシワがよったりするようになります。
治療法は手術になるのですが、病状や患者さんの希望で様々な術式があり、今日はそのうちの一つを書いてみます。

当院でもっとも多く行っている手術は、炭酸ガスレーザーを使用したミュラー筋タッキングという術式ですが、

まぶたの直上の余った皮膚を切開し、縫い縮めます。皮膚の中に埋まっている筋肉も縫い縮めることができるので、まぶたの開き具合は比較的良好です。傷口が二重のラインに隠れたりするのも、この術式のいいところです。
デメリットは、まぶたが少し厚ぼったくなることです。緑矢印の部位の皮膚に比べて、黄色矢印の皮膚の方が厚みがあるのですが、まぶたの直上で皮膚を切除すると、二重のライン近くに黄色の厚みのある皮膚が下りてくるためです。
ミュラー筋タッキングは皮膚が下りてくるイメージ

上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)は、逆に皮膚が持ち上がるイメージになります。(リフト:持ち上げる)

このように、伸びてしまったまぶたの皮膚を、眉毛のすぐ下で切除する方法です。利点は二重のラインが、生来生まれ持った皮膚で再現されるので、二重という意味では自然な状態に仕上がります。
欠点は、まぶたを開ける筋肉まで伸びてしまっている場合には、少し効果が弱くなったり、筋肉の手術を別に追加する必要があります。また、切開位置を眉毛に近づけて、出来る限り傷口が目立たないようにしますが、傷口を二重に隠せるミュラー筋タッキングに比べて、傷が剥き出しになる感じは否めません。
上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)では、術後に眉を書きたすなどして傷を隠す必要があります(アイブロウ)
上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)は、比較的若い女性で、自然な二重が希望で、眉毛を書くことが苦でない人、まぶたの皮膚が厚ぼったい人にお勧めする場合があります。
(当院では、美容目的の手術は引き受けていません。あくまで、医学的に手術が必要なレベルの方のみ対応します。)

実際の手術ですが、

手術の写真は上下逆さまです。赤矢印の先が眼球、下の端っこに眉毛が見えます。切除するべき余った皮膚にペンで印をつけます。その後、麻酔の注射をします。

ペンでつけた目印通りに、メスで皮膚を切除していきます。通常のメスではここで出血がひどいのですが、炭酸ガスレーザーメスなら、出血はごく少量で済みます。

皮膚を切除した後。殆ど出血がありません。あとはこれを上下に縫い縮めます。

ただ切ったり縫ったりするだけの手術で、だいたい片目15分くらいです。
皮膚にパツパツに緊張がかかり、傷が開くと嫌なので、だいたい2週間程度待って抜糸を予定します。

眼瞼下垂の術式は他にもいろいろありますが、担当の先生とよく話し合って決めていきましょう。

さて、明日も網膜剥離の紹介があるようです。頑張らねば!

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