マイボーム腺梗塞

今日の午後はクリニックで臨時で、少し急がなくてはいけない方々の手術をしました。
・眼瞼腫瘍(悪性疑い)1件
・眼瞼内反症(さかさまつげ) 2件
・白内障手術 5件
・網膜硝子体手術(茎離断) 4件
(裂孔原性網膜剥離1件、糖尿病網膜症による硝子体出血3件)
みなさん予定通りの手術が出来ました。
網膜剥離はつくば市の患者様ですが、紹介先の先生がすぐに紹介して頂けたおかげで、ぎりぎり黄斑が剥がれる前に手術が可能でした。きっと視力1.0が保てると思います。

今日は眼瞼腫瘍の患者様の例を書こうと思っていたのですが、全身状態が悪く寝たきりに近い方で、これまで一回も写真を撮っていないことに気がつきました・・・手術のビデオも撮影不可能。
別のネタを考えなくては。と思っていたら、夜にいらした患者様の目に出来物発見!今日はこれを書こう。
マイボーム腺梗塞
以前にドライアイのブログ(?涙の役割)で記載したことがありますが、涙は水分だけで出来ているわけではなく、まぶたから分泌される油に覆われることで、乾燥を和らげることに役だっています。
まぶたの中に存在する、油を作る器官を、マイボーム腺と呼びますが、正常なマイボーム腺の写真については、以前の霰粒腫のブログをご参照ください。

このマイボーム腺からの油の分泌が悪くなり、出口が詰まって時間がたつと、米粒のような少し硬い芯のようなものが出来る場合があります。
今日の患者様ですが、ゴロゴロ痛みがあると来院されました。

青矢印の先に、米粒のようなしこりが飛び出しています。
霰粒腫など、同じような病態でも、手術室での処置が必要になるものもありますが、小さなマイボーム腺梗塞は簡単な処置で治療可能です。


点眼薬による麻酔をして、通常の診察台(スリットランプ)ピンセットでまぶたをギュッと搾るようにすると、ニュルッと簡単にしこりが出てきでて、治療は終了です。右は治療後。


少し前にいらした患者様も同じような感じ。
簡単に治ってすっきりと気持ち良いので、僕はこの処置が結構好きなのですが、当院では一ヶ月間に1名もいないくらいです。同じようなのが出来たら、是非当院でとらせて下さい(笑)

マイボーム腺が詰まってしまうとドライアイにもなりやすくなります。
マイボーム腺梗塞を繰り返す人は、お風呂や蒸しタオルで、まぶたを温めて、よく洗顔をすると良いかもしれません。(油はあたたかい方が柔らかくなります。食器を洗うのもお水よりもお湯のほうがよく落ちますよね?また、洗顔をするときに、まぶたの縁はよく洗えていないことが多いようです。洗顔をする時には、指を横に動かして、まつ毛をやさしくシャンプーする気持ちで洗ってみましょう。)
それでも繰り返す人もいて、体質もあるのでしょうね。中学生の男の子はどんなに顔を洗ってもニキビが出来たりするのと一緒かな?

明日も網膜剥離の手術があります。最強度近視の下方の網膜剥離で、黄斑も剥がれてしばらく経過した難症例です。頑張らなくちゃ。

“マイボーム腺梗塞” への2件の返信

  1. 栗林さんに一度見てもらったんですが 目のゴロゴロで も一度マイボーム見て絞ってもらえますでしょうか?辛くて困ってます~_~;

  2. 栗原でよいですよね?
    カルテ上、同じ名前の患者様がいらっしゃいますが、最近としては4ヶ月程前に受診して頂いた患者様でよろしいでしょうか?
    かなり期間も開いているので、点眼薬もなくなっているかと思います。
    マイボーム腺マッサージは、とても痛いので、基本的にはしないで済むのが一番です。念入りな洗顔によって、眼瞼縁(まぶたのふち)を清潔に保つことで、マイボーム腺の分泌を改善することが可能です。
    もちろん、点眼薬が有用ですので、受診をお待ちしています。

鈴木 道雄 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です