眼瞼腫瘍(まぶたのしゅよう) ? 悪性と良性

今日は以下の手術がありました。
・白内障手術 14件
・網膜硝子体手術(茎離断)4件
(黄斑前膜2件、糖尿病網膜症1件、原因不明?で紹介の増殖性黄斑浮腫1件)
難症例はなく定時に終わることができました。
ただ、明日も若年性の古い網膜全剥離(アトピー)があったり、最近は大きな病院様からの転院など、とにかく重症例が増えています。スタッフの皆さん、少し忙しい日々ですが、いつも協力してくれて本当にありがとう。「ここで治療が受けられてよかったですね。」なんてスタッフ全員が堂々と言えるように。患者さんに「ここに来てよかった。」と思ってもらえる病院になれるように、これからもよろしくお願いたします。

この数週の外来は網膜だらけなので、ブログでは別のことを。
眼瞼腫瘍(まぶたのできもの)?
悪性と良性

先日、まぶたのできものである、霰粒腫の手術について記載しました。
通常の外来では「まぶたにしこりが・・・」という患者さんがいらした場合、霰粒腫であることが一番多いようです。ただし、もちろんそれ以外の出来物も沢山あります。
バイ菌が感染してウミが溜まっている。なんていう場合を除き、まぶた(がんけん)に出来物があれば、それは眼瞼腫瘍(がんけんしゅよう)と呼ばれます。
眼瞼腫瘍は、細かく分ければ数え切れないほどの病気が含まれますが、基本的には大きく2つに分けられます。悪性腫瘍良性腫瘍です。

悪性腫瘍
できもののうち、大きくなるスピードが比較的早く、他の臓器にも転移し、最終的に命を脅かす可能性の高いもの。手術切除を含めて、出来る限り早期の治療が望まれます。

良性腫瘍
悪性腫瘍に比べて、多くの場合で大きくなるスピードが遅く、その場所では大きくなったとしても、遠隔転移など他の臓器に転移することはなく、命を脅かすことは考えにくいタイプ。イボやホクロなども良性腫瘍の一種です。
治療を急ぐ必要はありませんが、あまりに大きくなって見栄えが悪いなどを理由に切除することもあります。また、視界をさえぎる場合や、眼球を圧迫するほど大きくなった場合にも切除が必要になります。

病理検査
悪性腫瘍なのか、良性腫瘍なのかは、多くの場合で問診や診察所見のみでも推測が可能です。
例えば、「この半年でどんどん大きくなってきた。」という問診なら悪性を疑いますし、「20年前からあって、ほとんど変わらない。」なんていうのは良性の疑いが強くなります。
診察では色や形、腫瘍に入り込む血管の状態、毛が生えているかどうか(毛が生えているのは殆ど良性)などを観察します。
ただし、悪性なのか良性なのか、なんという名前の腫瘍なのかなどの確定診断をするには、病理検査(病理診断)が必要になります。
病理検査は、実際に腫瘍の一部または全部を切除して、顕微鏡で観察することで、病気の性質や悪性度などを決定する検査です。
僕もたまには顕微鏡で観察したりするのですが、多くの場合で、標本にした病変を病理医という専門の先生にみてもらうことで診断をつけます。

ちょっと眠くなってしまい、続きは次回に。
今日もお読み頂きありがとうございました。

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