眼瞼腫瘍(まぶたのしゅよう) ? 手術その1

今週は緊急入院が0名と、とってものんびりな週でした!
時間もあるので、久しぶりにブログを進めます。

眼瞼腫瘍(まぶたのしゅよう) ? 手術
まぶたに出来る腫瘍は良性から悪性(眼瞼腫瘍?ブログ参照)まで沢山の種類があります。
治療法は、

化膿性肉芽腫(霰粒腫や外傷後のもの)のように、ステロイド剤などの薬による治療を行うものや、

老人性角化症・脂漏性角化症(左)や、イボ・疣贅ゆうぜい(右)のように、冷凍凝固やCO2レーザーで消却してしまうものなどもありますが、
もっともシンプルで数の多い治療は、手術で切除する方法です。

手術切除

「まぶたに黒いできものが。」といらした女性です。見た目も気にしているようですし、一応は切除して病理検査を行い、良性なのか悪性なのかを評価した方がよさそうです。

まぶたの表側と裏側に麻酔の注射を行います。(まぶたの出来物を取る手術で、もっとも辛いのは、この麻酔だと思います。ある程度の痛みはご了承ください。)

次は、数分間、ただただ待ちます。麻酔が効く時間と、一緒に入れた薬品の効果で出血しにくくなるもを待つのです。


そして、まぶたをクリップではさみます。このクリップによりまぶたの血流を遮断して、無駄な出血を回避します。(麻酔が効いていないとちょっと痛い。)

メスで、まぶたに腫瘍成分が残らないように、丁寧に切り取ります。


キレイ!このままクリップをとってしまうと、出血してしまうので、


電気凝固で血管を焼きつぶしてから、クリップを取って、


終了です。
腫瘍の場所や、止血の具合によっては傷口を縫ってから終わります。
基本的に、まつ毛のラインに近い場合には、傷口をopen(縫わない)で終えた方が術後がキレイになります。


術前と術後1週です。けっこうキレイでしょ?
数ヶ月経つと、肉芽が盛り上がり、もう少し凹みが目立たなくなります。ただし、基本的には、まぶたの縁の出来物を取れば、少なからずまつ毛がなくなります。(術後に問題がなければ通院が終わってしまうので、数ヶ月後などの写真は無いのですよね。)

気になる病理の結果は、
基底細胞癌という癌。あまり命を脅かすことはないのですが、一応は悪性腫瘍・ガンでした。
もちろん断端陰性(まぶたに癌細胞は残っていない)です。

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