白内障手術:小瞳孔の例? 瞳孔拡張リング

今日の午後は、他の医院様で手術のお手伝いをして、夕方からは時間が空いてしまい、平日でしたが久しぶりに子供とノンビリお風呂に入れました[:子供:]
明日はものすごく手術が多いので、一部を今日のうちにやってしまいたい。なんて思いますが、皆さんの予定があるのでそうもいかないのですよね。

患者様よりも眼科の先生からの質問が多い事柄から、ブログを書いてみます。
小瞳孔の白内障手術:瞳孔拡張リング
白内障手術では、瞳孔(茶目・虹彩)を開いて手術を行う必要があります。
手術前には、散瞳薬と呼ばれる目薬(ミドリンP)を数回点眼してから手術にのぞむのですが、目薬を付けても瞳孔が開きにくい患者様が一部いらっしゃいます。
(小瞳孔に関しては、以前のブログをご参照ください→小瞳孔?IFISの手術例

以前のブログでも書きましたが、瞳孔を無理に開くと、術後の瞳孔機能が落ちてしまうことがあるので、当院では基本的には4mm程度の瞳孔があれば、できるだけそのままで手術をするようにしています。
ただ、どうしても安全にできない場合や、他の手術を同時に行う場合などでは、瞳孔を無理にでも広げることがあります。

2週前くらいに手術をした70代の糖尿病の患者様です。

糖尿病があると、ぶどう膜炎という病気を起こして、瞳孔が小さいなったまま癒着をしてしまうことがあります。
手術前に瞳孔を広げる目薬を付けても瞳孔は3mm弱しかありません。


ハサミで、茶目・虹彩をチョキチョキ切ると、瞳孔が4mmくらいに広がります。ただの白内障手術のみなら、当院ならこれで十分なのですが、この患者様はこの後で、糖尿病網膜症に対して、目の奥の方の硝子体手術が行う必要があります。
瞳孔が小さいと目の奥・眼底の観察が難しくなってしまうので、安全に観察するためにはもう少し大きい瞳孔の方が助かります。

そこで、


目の中に、青い四角いリングを入れて、6.5mm位まで瞳孔を広げてしまいます。
(専門的ですが、リトラクターよりも眼内で使用するリングの方が、硝子体のコンタクトレンズとの相性がよいと思っています。)


広げると、白内障手術も簡単。


カサブタ(増殖膜)だらけの糖尿病網膜症の手術です。瞳孔が小さいままだと、かなり難しいと思います。(この患者様、こんなに重症ですが眼科での定期検診も受けていたと・・・。)


糖尿病の手術後に、リングを抜いて終わりです。
日帰り手術ですが、経過も良好で、本日の診察で反対目の手術を来週行うことになりました。

眼科の手術って、いろいろあって面白い!

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