高額療養費制度? 制度の説明

当院は眼科の先生方に見学に来て頂く事は多々あり、他には手術室の看護師さんやスタッフの方の見学を引き受けることも数回ありましたが、
今週は、初めて他院のORT(視能訓練士)さんに見学・勉強に来て頂きました。
ORTは、以前にも書きましたが、専門の大学に通って、国家資格を得た眼科検査のスペシャリストです。
当院には20?30代の常勤のORTが4人いて、年齢の割に優秀だなぁとは思っていましたが、いつもまにか人に教えたり、見学に来てもらえるほどにレベルアップしているようです。看護師さんの手術知識も高度ですし、医療は医師一人で行うものではないので、スタッフ全員のレベルアップはとても嬉しく思います。

さて、今日は少しお金の話を。(うまい儲け話ではありませんよ)
高額療養費制度
美容外科など一部の医療を除いて、日本の医療のほとんどが公的保険診療によって行われています。
患者さんが医療機関の窓口で直接支払うお金は年齢や収入などによって、1割?3割が自己負担となり、その他の金額は加入している保険組合(国保や健保、共済など)が負担してくれます。日本が誇る国民皆保険のおかげで、日本の医療費の自己負担は世界的にみても非常に安いものです。
(安すぎて、いらない薬まで不要に欲しがったり、軽い病状で過剰に病院を受診したり、残念な患者さんが多いのも日本の事実です。)
ただし、「1割?3割で安い」とはいっても、大きな手術をしたときなどは、医療費の自己負担も大きくなってしまいます。例えば、急な事故で意識もなく、1ヶ月間集中治療室に入った場合、医療費が1000万円。自己負担は300万円なんていうケースもありえるのです。普通、300万円は払えませんよね??

高額療養費制度は、「1ヶ月間の自己負担額の上限」を定めるもので、医療に支払う自己負担額に上限を決めて、それ以上は支払う必要をなくす制度です。
標準的な家庭を例にすると、
70歳未満の患者様では、1ヶ月に8万円強が医療費の自己負担の上限で、それ以上は支払う必要がありません。
70歳以上の患者様では、1ヶ月に外来治療では12000円、入院治療では44000円が上限となり、これ以上は支払う必要がありません。
(所得によって上限となる金額は異なります。下に別記します。)
(入院時の食事代などは医療費に含まれません。)

大きな病気で、どのくらいの入院になるのか?など、先が明確に見通せない手術を受ける時には、お金はいくらかかるのだろう?という不安も生じるものだと思います。どんなにかかっても44000円で済むんだと思えれば、心の負担が全く違いますよね?高額療養費制度はとてもよい制度だと思います。

療養費制度の利用法などについては、また後日書いてみます。

高額療養費の上限金額
70歳未満
・上位所得者(健保で月収が53万円、国保で年所得が600万円以上)
 150000円+(医療費-500000円)x 1%
・標準所得者
 80100円+(医療費-267000円)x 1%
・住民税非課税者
 35400円

70歳以上
・上位所得者(月収が28万円以上)
  外来 44000円  入院 80100円+α
・標準所得者
  外来 12000円  入院 44000円
・住民税非課税者
  外来 8000円   入院 15000円?24600円

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