錐体ジストロフィー

金曜日の午後は特殊外来です。視野検査や蛍光造影検査以外に以下のような治療を行いました。

・鼻涙管閉塞症(涙目)に対するNS-チューブ 1件
・網膜光凝固術(レーザー治療)5件
 (糖尿病網膜症4件、網膜中心動脈分枝閉塞症1件) 
・後発白内障手術(YAGレーザー)1件
・トリアムシノロン注射 1件(静脈閉塞の黄斑浮腫)
・アバスチン注射 2件(糖尿病黄斑症)
・ルセンティス注射 2件(加齢黄斑変性症)

錐体ジストロフィー(すいたいじすとろふぃー)
昨日、網膜色素変性症(杆体錐体ジストロフィー)について記載したのですが、本日、さらに稀な錐体ジストロフィーの診断をしました。僕は珍しい疾患や重度な疾患を担当することが比較的多い方だと思いますが、錐体ジストロフィーを診断するのは、年に2?3名程度です。

網膜の視細胞には、明るさや周辺視野を担当する杆体(かんたい)、中心視野や視力、色覚などを担当する錐体(すいたい)があります。
網膜色素変性症では杆体から障害されることが多いのですが、錐体ジストロフィーでは逆に錐体を中心に機能が低下します。中心部の視野・視力・色覚が失われていきますので、自覚症状も非常に強く、日常生活での不自由がとても大きな疾患です。やはり、治療法は確立されておらず、経過観察やロービジョンケアでの対応となります。

本日の患者様は50代男性の患者様です。
中心部の障害が強いため、視力は眼鏡をかけても両眼0.1程度と不良です。
石原式色覚検査(昔、学校の検診で良く使われたやつです。みたことあるでしょうか?)では、全てのページが解読不可能でした。


昨日の写真では、周辺部の網膜に変化が強かったですが、本日は黄斑(写真の中心よりやや右下の部分;物をみる中心の網膜です)付近の網膜に異常があります。まだらで、ざらざらとした印象が分かるでしょうか?


造影検査での写真では、弱くなった部位が白くうつりますが、やはり中心部の網膜に異常を認めます。


視野検査です。中心部の視野が欠損したり見えにくくなっています。網膜色素変性症では、中心視野が最後まで残りやすく、運転免許証更新の問題は末期になるまでないのですが、錐体ジストロフィーでは中心部から見えにくくなり、視力が低下するために、免許証の更新がかなり早期から難しくなります。


網膜電図(ERG)です。bright flashといって杆体の機能を強く表す検査の方法です。網膜色素変性症ではこの検査がまっ平らになるのが特徴です。今回は杆体の機能はそれなりにあります。(波形あり)


同じくERGです。30Hz flickerと言って、錐体の機能を強く表す測定法ですが、今回の錐体ジストロフィーでは波形が平らになってしまっています。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

“錐体ジストロフィー” への28件の返信

  1. ご連絡ありがとうございます。
    大変申し訳ありませんが、網膜のジストロフィー(先天的な変性)は、現在の医学では病気を治したり、進行を遅らせたりする治療法はありません。
    遺伝子の問題であり、遺伝子治療と呼ばれる方法が盛んに研究されておりますが、現時点では現実的な成果を上げて、確立された治療法として認められるまでは至っておりません。
    私は研究の能力に乏しく臨床ばかりなのですが、頭脳明晰な基礎研究の先生方が、少しづつ治療法の確立に向けて頑張っておられるので、将来的に治療法ができればいいな。と、個人的には思っていますが、無責任な発言でしたら申し訳ありません。
    僕にも子供がいますので、7歳と聞くと胸が痛みますし、金子様の心情は測りかねないものと思いますが、現在の医学ではどうしようもありません。研究が進むことを祈りつつも、今後の視機能の予想をよく担当の先生にお聞きになられて、目が見えにくい場合、さらに見えにくくなっていく場合に、どのようにお育てになっていくか。考えなくてはいけないのかもしれません。診断を聞いたばかりでは、それどころではないのだと思いますし、私がこのような発言をしていいのかも悩みますが、一人の眼科医師としてです。すみません。

    錐体ジストロフィーといった病名は、機能からみた一つの概念的な分類であり、様々な疾患が含まれています。各疾患で、原因となる遺伝子や(原因遺伝子がみつかっていない物も多いですが)、眼底所見、進行の予測、遺伝の有無などもかなり異なりるので、一概に説明できないのですが。
    男のお子さんでしょうか?両眼性かなどは如何でしょう?7歳で確定診断ですと、卵黄状黄斑ジストロフィーなどでしょうか?

  2. 父がこの病気と診断され、そろそろ10年が経過します。

    だましだましやって来ましたが、昨日運転免許の更新が出来ずに失効してしまいました。

    上の方の7歳と言う年齢を見た後ですと、父の56歳ならば仕方ないのかなとも思いはしますが、田舎暮らしの為、自動車の運転が出来ないという事だけで致命的です。

    この様な場所で、こんな事を言っても何も解決はしませんが、日常生活に差し障りがあるのにも関らず、障害者認定を受けられないとは、なんと厄介な病気でしょうね。

  3. こんにちは。
    手術や治療でどうこうできる分野ではなく、お力になれることはないのですが・・・。すみません。
    視覚障害の基準は、法律で決まっており、僕たちもおかしいな?と思う事が多々あります。例えば、心臓ペースメーカーを入れた人はもれなく1級ですが、両眼の視力を足しても0.05しか見えない、文字も見えず、1人で生活するのも困難な人は3級です。こういった基準がどうにかならないかと思いつつ、僕は特には行動も出来ていないのですが・・・。
    再生医療の分野が進んでおり、将来的には網膜のシートを移植するなどの話もありますが、現在はまだ夢の話です。そういう医学の発展を望むしかありません。

    ローヴィジョンといって、見えにくい人が、残った機能を上手に生かしていこう。という物がありますが、今後、そういう分野のブログを更新していきたいと思います。1年後くらいにはもう少しちゃんとしたブログになっているかと思いますので、またのぞいて頂けると幸いです。

  4. 十年前に左目に光の点滅の様な物が見え病院で診察していただきました、その時は眼球の中のゼリー状の物と眼球の間にある膜のような物が剥がれかかってるのでわと言う診断でした、それからは光の点滅のような物が見えたり見えなかったりと年数を過ごしました、6年過ぎたころ左目の視野が少し狭くなってきた事にきずきました、それと同時ぐらいに左目の中心部が見えにくくなり、視力検査で中心部が欠けるため大型自動車免許を失いました、幸いなのか普通自動車免許は残りましたが、このころに岩国国立病院で両目網膜硝子体ジストロフィーの疑いがあると診断されました、治らない病気で進行を遅らせれるか分からないけど目薬出しとくと目薬をいただきました、それから少しずつ左目の視野が狭くなり、一年ぐらい前から右目の方も視野が狭くなり始めました、右目は視野が狭まるだけで中心部は普通にみえます、ここ最近きずいたのですが両目ともに視野は狭くなってきてるのですが、視野の後方がわは見えてるようなのです、感じで言うと視野の中に黒い輪っかが入ってるって感じです、症状はこのような感じなのですが診断はこの病名で間違いないでしょうか?中国地方とか九州地方でこのような病気をみていただける所はないでしょうか?やっぱりこのまま失明まで行くしかないのでしょうか?

  5. お話からは輪状暗点があるのでしょうか?左目の視力は現在いくつくらいですか?
    診察をしないと分かりませんが、ご連絡の内容からは、網膜の杆体錐体ジストロフィー・網膜色素変性症のようにも思えます。
    様々な病形があり、完全な失明(全く見えない)にまでいたる症例は多くはありませんが、やはり、半年に1回でも眼科で検査を行う事で、進行傾向や、生涯で失明にまで至りそうかなど、様々なことを把握できるのではないかと思います、
    お住まいの地域から通える大学病院や、ある程度の総合びょ院であれば、診断可能かと思いますが、眼科は総合病院よりも一般の小さい病院の方が設備が整っている地域もあるので、なんとも言えません。ただし、自分の医院で確定が困難な場合には、高度な医院に紹介をすることが基本ですので、もう一度きちんと眼科を受診頂き、将来の見通しなどを相談してみるのがいいかと思います。

    以前にQ&Aで記載した内容のコピーですが、

    海外では、類似疾患のレーバー先天黒内障に対する遺伝子治療が行われ出していますし、国内でも、神経栄養因子PEDFを遺伝子導入する治療の計画があります。
    最近の文献では、緑内障の点眼薬であるレスキュラ(イソプロピルウノプロストン)の成分を高濃度に投与することで、進行が抑えられた。とか、痙攣の薬であるバルプロ酸の内服で進行が抑えられた。なんていう報告を目にしました。

    医学は日進月歩です。
    どんな病気も将来的に対応が可能になる可能性があります。治療が可能になった時に、早く、そして安全に治療を行うことができるように、現時点での評価からきちんと行っておくのが、得策なのかも知れません。
    まずは、お近くの眼科で、もう一度精査・診断をして頂くのがいいのかなと思います。

  6. 59才・女性です。9/5白内障の手術を致しましたが視力低下が回復しませんでした。主治医は理由が分からないと言い、10/10大学病院での精密検査の結果「錐体ジストロフィー」との診断でした。治療法が無いのはショックでしたが病名が分かった事で安心致しました。
    事務の仕事をしていますが矯正視力0.2眩しさが強く辛いです。来月に眼鏡外来に行きます。眼鏡では視力が出ないことは伺っていますが遮光レンズやカラーレンズを希望しています。
    他に補助具の利用も考えなければなりません。ロービジョン外来も予約できそうですが眼鏡店でも大丈夫でしょうか。

    福祉の恩恵は何もなく健常者として底辺の位置にいますが今ある能力で精一杯生きて行きたいと考えています。
    先生のホームページを拝見し心強いです。
    今後も新しい情報を教えていただきたいと思っています

  7. まき子様

    通常の錐体ジストロフィーですと、手術前の診察所見だけでも分かることが多いので、
    occult macular dystrophyと呼ばれる、眼底の診察では、一見正常に見えるタイプなのかもしれませんね。多局所ERGという網膜の電気信号を測定する検査などで確定します。
    この場合は極度の視力低下となることはなく、現状の視力程度は温存されることがほとんどですので、さらに進行するということは、あまり心配しなくてもいいのかもしれません。

    視覚障害などは通らないかと思いますが、慣れや訓練、補助具の使用により、少しでも生活がしやすくなっていくといいですね。
    もちろん再生医療などで、回復可能な時代がくるのが一番ですが。

  8. 返信ありがとうございます。
    白内障の状態が軽い割りに視力低下が大きいことに主治医が疑問を抱きMRI検査を致しましたが異常が見つかりませんでした。最後まで首を傾げながら手術に踏み切りました。視力が回復しない現実に主治医は「白内障が原因ではなかった」と言いました。
    結局、4件目の病院の検査で病気が確定いたしました。
    術前に出来る限りの検査を提案して頂きたかった思います。

    今後は情報を集め補助具を使い不自由を軽減できる様に頑張ってみます。
    本当にありがとうございました

  9. はじめまして。錐体ジストロフィーと診断されて10年以上経過します。10年前はネットで検索してもまったく情報が得られませんでしたが、最近は少しずつ情報が増えて嬉しく思います。
    今は42才ですが、8年前に免許が失効し、数年前から本を読む事もできなくなりました。何とか医学の進歩で治療できないかと願っています。

    最近山中教授がノーベル賞を受賞し、加齢黄斑変性症の臨床実験が始まったとニュースで報道されていますが、錐体ジストロフィーも黄斑変性症のひとつなのでしょうか?

    今回の臨床実験は錐体ジストロフィーの完治に近づく実験なのでしょうか?

  10. こんにちは。
    ・錐体ジストロフィーは遺伝子の異常により、視細胞である錐体が障害される疾患です。
    ・網膜や脈絡膜への後天的なダメージにより(一部、発症しやすい遺伝子も見つかってきていはいますが)、新生血管が発生するなどして、黄斑部の網膜に障害をきたす疾患です。
    基本的には、全く異なる疾患です。

    今回の実験は、加齢黄斑変性症に関するものですが、テレビなどで放送されているほど、治療効果としての期待をしているものではないように思います。
    ipsに関連する細胞を眼内に入れても、癌にならないかどうか?など、ips細胞を治療に利用する安全性を観察する。ということが実験の一番の目的なのかもしれません。
    ips細胞がもしも癌化しても、目の中なら、癌をレーザーで焼いたり、手術で眼球を摘出したり、他の臓器に比べて、命を脅かすリスクが少ないと考えられています。
    もちろん、思った以上の治療効果が観察されれば嬉しいですが。

    今回の実験が上手くいき、ips細胞による再生医療の研究が進んでいくことで、10年後や20年後など、将来的には様々な臓器の再生が可能になっていくといいですね。

  11. はじめまして。29歳女性です。
    私は、錐体ジストロフィーと診断を受けています。
    今回は仕事と将来のことで少しお話をお聞きしたく投稿しました。

    今思えば、中学生くらいから中心が見えない症状があり、高校生のときに矯正視力が1.0にならいことから様々な検査をしましたが、なかなか診断が付かず、「黄斑ジストロフィー」と診断がついたのが大学生のときでした。
    その後、数年前に、当時の担当医から「黄斑ジストロフィーには、2種類あるようだから、もう一度調べてみては?」と勧められ、検査した結果、「錐体ジストロフィー」と言われました。

    年々、視力も落ち、中心暗点の範囲も広がり、現在は両目ともにコンタクトを入れても0.1くらいです。 レスキュラを使用していますが、目からくる頭痛や肩こりが年々ひどくなっています。

    職業は看護師です。今年で7年目になります。
    今まで、目のことは周りには気づかれないように、普通の人と同じように働いてきていましたが、最近限界を感じます。とくに電子カルテ。
    救命センターやICU、脳神経外科病棟などで働いてきて、まだまだこれからも救急の分野で経験を積んで成長していきたいと思っているのが本音です。
    しかし、目はもう限界かもしれない、、、とも感じています。
    今年結婚した旦那さんには、目に負担をかけるべきではないとも言われていて、クリニックでもいいだろうと言われますが、まだまだ7年目の看護師の私には、どうしても諦めがつきません。
    やはり電子カルテなどで目を酷使することは病気の進行を早めますか?
    錐体ジストロフィーと診断されたときに、今の視力だと身障者の申請をできるレベルとすでに言われていますが、そんな申請をしたら、看護師資格も剥奪され、もちろん看護師として働くこともできなくなるのでしていません。
    看護師としてやれるだけやりたいと思いつつ、今以上に視力も視野も低下して普通に生活できなくなるのも怖い。もうどうしたらいいかわかりません。。

    また、結婚し、年齢のこともあるので、子どももほしいと思いますが、私のこの病気が遺伝したらどうしよう、、、という不安しかないです。この病気は遺伝子異常と聞いていますが、自分の子どもにも遺伝する可能性が高いのでしょうか?
    遺伝するかもしれないとわかっていて、もし子どもに遺伝してしまったら、その子は私と同じ思いをして生きていかないといけないのかと思うと、、、子どもを生んでいいのかとまで思ってしまいます。

    「子どもは早く生んだ方がいいよ。」とか、「看護師はいいね。どこにいても、いくつになっても働けるから。」とか「何で運転免許とってないの?今のうちに取りなよ。」とか、、いろんな人にいわれることもストレスでしかないです。。
    ただの愚痴のような書き込みになってしまい申し訳ありません。
    長々と失礼しました。

  12. こんばんは。
    詳しい情報をありがとうございます。大変ですよね。何かよい治療法ができるといいですよね。何も力になれず、すみません。

    錐体ジストロフィーは大まかな診断で、実際にはいろいろな病態があり、孤発例や遺伝するもの、遺伝形式も様々です。ですので、遺伝するか?という問いの答えは難しいです。親類に同じような病気の方がいらっしゃる場合は、家系図を教えて頂ければ、ある程度の推測が可能です。
    親類で全く耳にしない場合は、お子さんへの影響はあまり心配ない可能性が高くなります。

    錐体がほぼ機能しない患者様たちもみていますが、0.1?0.3程度の視力を保っています。純粋な錐体ジストロフィーであれば、色彩などは厳しいですが、視力の数値のみとしては今後も低下し続けるというよりは、そろそろ安定すると考えてよいかと思います。
    視野検査で、中心暗点の大きさを見守るのがよいかと思います。

    >まだまだ7年目の看護師の私には、どうしても諦めがつきません。

    すごいと思います。そういう人にどうして。と思います。
    半年ほど前に、5年目の眼科の先生と話す機会がったのですが、「患者さんの診察が面倒くさい。病院に来ないでほしい。」と言う子で、なぜ医師をしているのだろう?と思う人に会ったのですが、つい思い出してしまいました。
    病気って、理不尽なものも多いですよね。

  13. 返信ありがとうございます。
    私が把握している限りでは、親族に同じ病気の人はいません。父方のほうはよくわからないので、なんとも言えませんが。
    弟が、生まれつき視力が悪く、3歳くらいからすでに眼鏡を必要としていたというのはありますが、とくに何か診断されているわけではないです。
    遺伝するかしないかは、可能性の話になってしまうので、家族で話し合って、もし子どもを作ると決意したら、たとえ遺伝してもそれを受け入れて、子どもを守っていくと覚悟して産みます。

    仕事に関しては…、看護師という仕事が好きだから、諦めきれないんだと思います。それに、同じ世代の看護師の友人が、自分の極めたい分野などを見つけて頑張っている姿をみると、なんで、私も同じように頑張りたいのに諦めないといけないの..と思ってしまうんです。
    看護師の仕事といっても、ほんとに様々な領域があるのはわかっていて、内容によっては、今の視力でもできる仕事はあると思いますが、そこにやりがいを感じれるかどうかを求めてしまうところが自分のネックだと思います。

    結局、自分の病気を受け入れることができていないんだなと自分でも思います。
    患者さんには、自分の病気を受け入れてもらえるように援助していく立場の人間が。。情けないです。

    でも、視力の低下は徐々に安定していく可能性があるというお言葉を聞いて、少し心が楽になりました。ありがとうございます。
    不便を感じながらもなんとか日常生活は送れているので、せめてこの状態が続いてくれればと思うばかりです。それだけでも十分幸せと思うべきなのかもしれませんね。

  14. はじめまして。興味深く読ませていただきました。
    私は20代後半の女性なのですが、自分がこの病気ではないかと疑っています。そこでお聞きしたいのですが、

    1.網膜電図検査を受ければ、最初期の網膜変性症でも発見することは可能でしょうか。
    2.他の検査で異常が見られない、自覚症状があまりない場合でも網膜電図検査は受けられますか。

    お忙しいところ恐縮ですが、何らかのアドバイスをいただけると幸いです。

    <詳細>
    2か月ほど前、右目上部に見えていない部分があるような気がして、総合病院の眼科外来で検査をしてもらいました。検査結果としては、
    視力…右1.2、左1.2?1.5(どちらも矯正視力)
    眼圧…両眼ともに15前後
    散瞳眼底検査…やや血管が細いが正常な範囲
    OCT検査…両眼ともに正常範囲
    ハンフリーおよびゴールドマン視野検査…欠損なし
    と出て、先生からは「盲点と間違えた可能性がある」「左目の視野が普通より少し広いようなので、そのせいで右目に欠損があるように感じたのではないか」と言われました。

    しかし検査を待つ間、視野が欠ける「網膜色素変性症」や「錐体ジストロフィ」という病気があることを知り、さらにこの病気が発見しにくい病気であることから「自分もこの病気なのではないか」とすっかり不安になってしまいました。

    先生は「網膜色素変性症であれば特徴的な眼底像や自覚症状が出るので、あなたがこの病気である可能性はまずない」「確かに血管が細いと言ったが、網膜色素変性症ならもっとひどい状態になっている」と仰られましたが、「眼底に症状が出ないタイプなのでは」「症状があるのに自分では気づいていないだけではないか」と疑ってしまいます。

    また、視力の方も気になります。私は去年の健康診断で左目0.9、右目1.0しか矯正視力がありませんでしたが、今年病院で複数回測定してもらうと上記の通りの数値になっていました。この歳で視力が自然回復するなんて考えられないので、これも何かの症状ではないかと不安になっています(ちなみに裸眼視力は左目0.15、右目0.3しかありません)。

    そこで網膜電図検査を受けたいと考えるようになったのですが、最初期の網膜色素変性症でも発見できるのか、「異常なし」と言われているのに患者側から検査を申し出るのは失礼にあたらないか、など色々と悩んでいます。

  15. 検査を受けることは可能と思います。
    ただ、意味のないことと思います。
    色素変性症などでの視野欠損・狭窄は、不可逆性です。
    視野検査で正常範囲内であれば、現状で疑う必要はありません。
    そもそも、網膜色素変性症や緑内障などは自覚症状が乏しいことが特徴です。自分で気が付くようになるのはかなり進行してからです。

    将来的に病状が発生する人に、網膜電図を行うことで、前もって異常が見つかる場合はありえます。ただし、そのような状態で見つかっても、通常は治療もしませんし様子をみるだけです。(緑内障のように、早期発見が有利な疾患ではありません)

    視力検査は、もともと不安定なものです。
    読書後かどうか、午前か午後か、瞬きから何秒たっているか、空調や体調などによる涙液の状態、検査室の明るさ、視力検査表の明るさ、目を細めるかどうか、
    などなど、視力結果に影響する因子はたくさんあります。
    そして、網膜色素変性症の疑いだからといって、視力が不安定になるわけではありません。
    色素変性症で視力が低下するのは末期ですが、もし低下した場合は低下したまま回復しません。
    不安定に低下・改善を繰り替えるのであれば、視神経疾患など、他の疾患を考えるほうが通常です。

    各種検査で、問題ないと言われたのであれば、今はそのままでよいかと思います。症状が悪化する場合に、再度、まずは同じ医院に受診下さい。前の結果と比べることができます。

  16. 丁寧なご返信誠にありがとうございます。

    >視野検査で正常範囲内であれば、現状で疑う必要はありません。
    >各種検査で、問題ないと言われたのであれば、今はそのままでよいかと思います。

    私も自分にそう言い聞かせているのですが、なぜか安心できません。少し物に躓いただけで「視野が狭くなっているのでは」と疑ってしまったり、「何だか文字が薄く見える。中心視野が弱くなっているのでは」と不安になったりしています。
    もし実際に視野が狭くなっていたり、中心視野が衰えていれば、それが視野検査に結果として現れるはず……というのは頭では分かっているのですが。

    眼科ではなく精神科を受けたほうがいいのかもしれません。

  17. 少し気になったのでコメントを残させていただきます。

    現在38歳の4人の子を持つ父親です。
    自分が9歳の時「黄斑ジストロフィー」と診断され現在に至るわけですが、何年か前にネットなどで調べ視野狭窄で95パーセント以上で両眼の視力の和が低ければ障害者認定を受けられるという事でしたので2級の手帳を取得しました。

    それまで健常者同様に仕事に就き働いてきましたが、通勤に不便な土地柄で運転免許が必要な職業という事もあり引け目を感じあまり長続きしません。
    そろそろ限界を感じている今日この頃です。

    それというのも4人の子全てに遺伝している可能性があるからです。
    既に2人は遺伝している事が確定し3級の手帳持ちとなっています。
    下2人はまだ検査が必要な状態でうち一人は発症していないだけのようです。

    今後のことを考えると、助成や障害年金だけでは暮らしていけないばかりか、4人の子も同じ道を辿るとなると、なんとも言いようがありません。

    視力だけは出来る仕事が限られる世の中を変えたいというのが信念ですが、近年の視覚障害者に対する扱いを考えるとそれも無理なのかなと諦めかけている現状です。
    見えていないものの立場から会社づくりや社会創り、物作りや人づくりができればなと思っています。

  18. コメントありがとうございます。
    僕はというか、眼科医の多くがそうだと思いますが、
    実は、見えなくなってしまった以降の患者さんとの関りというのは、皆さんが思っている以上に少ないのが実情です。
    当院では一応は、ローヴィジョンエイドの処方や、ある程度の相談をしてはいるのですが、専門的な職業訓練や、公的補助などに関して、自信を持って知識がありますとは言えません。
    何かお手伝いをすることができればいいなと思っていますが、相手が社会的な問題となると、どこをどうしていいのやら。という具合で・・・。
    「難しい。」で終わらずに、そこから何かを始められる人というのはスゴイですよね。また、何かあれば教えてください。

  19. はじめまして。よろしくお願いします。54才男性です。
    27年前に錐体杆体ジストロフィーと診断されました。徐々にに視力が落ち仕事の継続が難しいため1年前に会社を退職しました。長男、長女ともに就職し肩の荷が下りたのも決断した理由の1つです。この病気の治療の術がないと説明を受けたため、2度ほど病院に行ったきり病院に行ってません。家族を養うので精一杯でした。
    最近、この病気で悩んでいます。悩み事とは、この病気は子供や孫に遺伝するのか。です。私以外の肉親が辛いおもいをするなんて。
    27年前病院で家系を調べてもらいましたが遺伝の確認はできませんでした。また、今も親族約50名確認しても私と同じ症状は確認できません。
    この病気は遺伝するのでしょうか。遺伝するならどの程度の確率で遺伝するのでしょうか。発病する確率はどの程度でしょうか。また、これらを確認する方法(血液検査など)があれば教えてください。
    よろしくお願いします。

    1. 遅くなりました。
      孤発例(家族間で遺伝:同疾患を認めない)が約50%とされる疾患です。
      遺伝調査のお話からすると、孤発例の可能性が高いと思いますが、
      どのレベルで調査をされたのかも不明であり、正確なお返事は困難です。
      お子さんは、お父さんと同タイプであれば、網膜電図(ERG)で異常が見つかりだす年齢かもしれません。
      色素変性症の原因遺伝子はいくつかは見つかっていますが、標準医学で調査をするレベルでなく、
      ERGが現実的と考えます。

  20. はじめまして。
    父が錐体ジストロフィーと診断されて2年になります。

    60代前半です。矯正後の視力が左目0.08、右目0.8、ここ2年で大きな変化はありません。
    中心視野に欠損あり。診断されて間もなく運転はやめており、またデスクワークや日常生活にも支障が少し出ています。

    ジストロフィーと名前がつく以上、治らないことは父も理解しています。

    今できる対策として、
    ・ルテインサプリや点眼薬、紫外線予防は気を遣って実践しています。
    ・ロービジョン外来で教わった方法や補助具の利用(例えばiPadをルーペ代わりにしたり、文字を白黒反転させる方法など)は、片っ端から試しています。

    そのうえで、
    中年期以降に発症したケースで、
    失明にまで至る割合はどれくらいなのか、生涯にわたって良好な視力を保たれた方はどれくらいなのか、
    統計のようなものを知りたいのです。

    例えは悪いかもしれませんが、癌でいうところの5年生存率のような大まかな数字です。

    発症後の経過に関しては個人差が大きいと医師から説明を受けておりますが、
    インターネットで調べてみましても情報が少なく、実際のところがよくわかりません。
    先生がご担当された患者様や、お聞き及びのお話の範囲でお聞かせいただければ幸いです。

    1. 錐体・杆体ジストロフィー(色素変性症)でなく、純粋な錐体ジストロフィーであれば中心視力はなくなり、文字を読む等の行為は不可能になりますが、
      完全な失明・盲目という状態にはなりません。視覚障害1級・2級、社会的失明ということはありえます。
      余命が延びているので、生涯どの程度ということも、また進行も個人差が大きいので正直何とも言えません。
      一番は、眼底写真や、動的視野検査を1年に1回は把握し、進行のスピード比較することで推測がし易くなります。

  21. はじめまして

    「ジストロフィー」を調べていたら、こちらのブログに行き当たり、丁寧な返信内容を拝見し、アドバイスを頂きたく参上しました。

    私は、1年前に飛蚊症・夜盲症(夜間の視野狭窄)・光視症の自覚症状で眼科にかかり、大学病院を紹介されました。

    大学病院(1)では、「黄斑部に異常あり」「色変ではない」「ジストロフィーかも」と言い、ERGをしないで色変ではないと断定できるのか?という不信感で病院を変えました。
    大学病院(2)では、ERG減弱型、自覚症状(夜盲、視野狭窄)、網膜血管狭小、黄斑変性、視野狭窄(求心性)により、「網膜色素変性症(初期)」と確定診断受けました。
    (1)で、色変でないと言われたことを伝えると「ERGしてなかったんでしょ?」「黄斑変性も色変によるもの」と説明を受けました。

    確定診断受けられて良かったと思っていましたが(2)からの診断書が診療内説明と異なる点が多かったので突然不信感が募ってしまい「私は本当に色変なのだろうか」「黄斑変性も本当に色変によるものだろうか」と思う気持ちが強くなってしまいました。

    蛍光造影では、黄斑部に真っ白の輪っかがありました。矯正視力は両眼1.2、中心部のかすみ(時々)、手帳5級(視野障害)です。最近は、光視症状がかなり増えました。
    母方祖父は、疾病不明で中途失明(視力0光覚有)です。母は不明です。

    (1)(2)での医師それぞれ見解が全く違うということも、今になると気になるところです。
    病院を変えてみようかどうしようかと検討している最中ですが、病院を変える意味はあるでしょうか。
    また、ジストロフィーの診断は難しいのでしょうか。色変とジストロフィーの違いを明確にする検査はどのような検査があるのでしょうか。

    お忙しいとは思いますがご返答お待ちしております。宜しくお願いします。

    1. 黄斑変性を加齢黄斑変性と間違っているのでしょうか?もしくは網膜色素変性症の把握の問題でしょうか?
      (一般の方に知識がないと言っているわけではなく、少し勘違いしているかも?という意味です)

      網膜色素変性症を別の言い方で、杆体錐体ジストロフィーと言います。
      黄斑は物をみる中心部の網膜の名称で、視細胞の中でも錐体が多く存在します。
      黄斑ジストロフィーは主に黄斑をメインとしたジストロフィーを指し、錐体ジストロフィーとも言えます。
      錐体のみ障害するもの、錐体メインと思って観察していたが徐々に杆体も侵され、最終的には網膜色素変性症と診断されるものもあります。
      周辺部の視野には錐体は少なく、杆体が多く存在します。現在、周辺部視野の狭窄や、夜盲症状があるのであれば、杆体の障害は明らかです。
      家族歴からすると、網膜色素変性症(杆体錐体ジストロフィー)で間違いなのかと思います。

      多極所ERGといって、網膜の各部位を細かく刺激して測定するERGもあります。
      また、網膜全体のERGが正常で、中心部のみ刺激したERG(フリッカー)のみflatであれば、錐体ジストロフィーと考えられますが、
      それでも後から全体の減弱が始まれば杆体ジストロフィーも含まれることとなりますし、
      基本的には侵される範囲の問題で同じ疾患と考えて問題ありません。原因遺伝子も複数見つかっており、病型は様々です。

      1. 年末にも関わらず早い返信ありがとうございました。

        夜盲が顕著なので、やはり私は網膜色素変性症であると再確認できました。
        どのような症状(異常)が出るかによって少しずつ病名が違うけども、この領域は千差万別ということですね。
        お忙しい中、ご返答ありがとうございました。助かりました。

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