緊急手術

今日は、夕方に近くの開業医様の紹介で、緊急の患者様がこられました。
水晶体亜脱臼といって、目の中にあるレンズ(濁った場合を白内障と呼びます。)が、ぶつけたりすることが原因で、グラグラして、本来あるべき場所からずれてしまっています。
本来は、目の中には房水と呼ばれる透明な水が、規則的に流れているのですが、水晶体の場所がずれると、その房水の流れ方に変動が起こってしまいます。水の流れの変動によって、目の中には水が溢れかえるように増えてしまい、眼圧が上がる急性緑内障発作と呼ばれる状態になってしまっていました。放っておけば、どんどん悪化し、最終的には失明してしまいます。

先ほど手術を行い、水晶体を取り除くことで、水の流れをもとに正常化するようにしました。通常の白内障手術と違って、少し大変な手術なので、一般的には入院して頂く事が多いのですが、ベットがない(満床)ので、一度お帰り頂き、明日また診察となりました。
満床って困ります。
出来るだけ、白内障などは日帰りで行っているのですが、なかなか重症のかたも多くて。

ベットをもっと作れば?と思うのですが、僕も詳しくないのですが、
地域の中で全ての病院の合計のベット数というのが決まっているらしく、勝手に作ると怒られちゃうようです。
でも、現場では必要なのに。と思うと、法律や規則って、なかなか厄介です。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

OCT(optical coherence tomography)

予想通り、お盆があけて混みました[:冷や汗:]
午前だけで60人以上。新規の患者様が多く、眼科医1人だと、2時間くらい待つ患者様も出てしまい、すみません。頑張ってはいるのですが。
待ち時間の分、診療では少しでもご満足いただけるように励みたいと思います。

午後は以下の手術を行いました。
・眼瞼内反症手術(逆さまつ毛) 1件
・翼状片手術 1件(結膜弛緩症同時)
・白内障手術 7件
・網膜硝子体手術(黄斑円孔) 1件 
難しい症例はなく、4時過ぎには終わってしまい、午後はのんびり出来ました[:船:]

今日は眼科で使う検査の器械の話です。
OCT(optical coherence tomography)
日本語で言うと光干渉断層計。
眼底カメラの画像はこれまでも掲載ししてきましたが、カメラの写真は平面(2次元)であり、例えば網膜に水が溜まっているか?膨らんでいるか、へこんでいるか?などの3次元での評価は、なかなか困難です。

OCTは、近赤外線を利用して、眼底、網膜の性状を詳しく、3次元、立体的に測定することができる器械です。
網膜疾患、特に黄斑部と呼ばれる、物を見る中心部の網膜の診断が、今までとは比較にならないほど正確に下せるようになりました。

診察で患者様に説明するときに使っている図ですが、このように目の奥の方の網膜(光を感じ取るフィルム)の断面図を撮影することができます。右側のキレイな画像がOCT検査の結果です。


正常な方の測定結果です。網膜の中でも黄斑部(中心部)は、物を見ることだけに特化しており、その他の構造が少なく、少し凹んだ形になっています。


これは、最近テレビCMや新聞広告で有名になった、加齢黄斑変性症という病気の患者様の結果です。眼底カメラでは写真のやや右寄りに赤い出血があるのが分かります。ただし、この出血がどの程度、膨らんでいるかなどは分かりません。OCTで撮影すると、網膜がデコボコしたり、水が溜まって膨らんでいる(黒く抜ける)所見などがよくわかります。

当院のような網膜硝子体手術(網膜剥離・糖尿病網膜症・黄斑円孔・黄斑前膜などに対する手術)を行う病院には、絶対になくてはならない検査器械です。
また、緑内障の患者様で、神経(網膜)の厚みなどを測定することにも役立ちます。

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結膜弛緩症

昨日、暇だとか言ってしまったせいでしょうか・・・。今日は普通に結構混みました。お待たせしてしまった患者様は申し訳ありません。
午後は小美玉で手術です。
白内障手術 5件
やはり、成熟白内障といって、今回は光さえほとんど分からない。という患者様もいらっしゃり、なかなか大変な手術でした。(10分くらい)

今日は、昨日手術をした結膜弛緩症の手術について書いてみます。
結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)
病気の詳細は、6月22日のブログをご参照ください。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4996
僕を含めて、最近の眼科医は、「見える・見えない・失明」などにばかり、ついつい目がいってしまうのですが、患者様にとっては、痛いとか、うるさい、涙がでる。などの症状もツライことです。
結膜弛緩症は、ある程度高齢になった場合に、非常によく起こる病気で、患者様によっては、とても辛いとおっしゃる事があります。

84歳女性の患者様の、昨日の手術前の写真です。

赤い矢印で囲んだ部分が、結膜がゆるんでシワになっている部分です。
この患者様は、涙目、うるさい。というのがツライようです。


赤矢印が結膜のシワを引き延ばして、白目(強膜)に縫いつけた部分です。
黒矢印は、縫っている最中です。(手術では、患者様の頭の上側に座ります。写真は通常の状態とは上下が反対になっています。)

今度は、黒が縫ってある部分、赤が縫っているところです。
こんな感じで5箇所ほど、シワを伸ばして縫いつけます。

ゆるみが大きい部分は、ハサミで切って、切除してしまいます。

切りとった端と端を縫い合わせて、縫い合わせて終了です。
血液がサラサラの薬を飲んでいて、少し赤く出血していますが、数日でキレイになります。
(出来るだけ出血しないように、血管を避けて切ったり、縫ったりする必要があります。瞳孔を開かないで手術をする先生もいらっしゃいますが、当院では出来るだけ見た目を良くするために、瞳孔を開く薬を使用して出血を少なくするように心がけています。)

今朝こられた時の写真です。

手術前にみられたシワがとれて、キレイになっています。

アッカンベーをすると、まだ少し赤みがありますが、2?3日で治ります。

日帰り手術で5分程度の手術です。
1割負担の患者様だと、片目3000円くらい。
慢性的に涙がでる、うるさい、ゴロゴロするなどの患者様で、目薬で軽快しない場合には、手術をしてしまうのも一つの手かと思います。

涙目の原因となる病気は他にもあります。
また、手術をしなくても目薬の調整だけで、症状が取れてしまう場合も多くあります。
当院での手術をご希望の場合でも、今まで使用した目薬や、検査の結果があると、よい診断につながりますので、現在、かかりつけの眼科様がある場合には、出来る限り紹介状を頂くようにしてください。

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暇です。

今日もお盆なので、かなりすいています。
初診の患者様もお待ちにならずに受診出来ます。
外来を閉じるわけにもいかないので、診察室にいるのですが、
じっとしているのが苦手な性格で、院内をウロウロしてしまいます。
明日も予約が少なめなので、お勧めですよ!
お盆明けは混みそうだなぁ・・・。そっちも怖いなぁ。

お昼の手術は、
・眼瞼下垂症 2件
・結膜弛緩症 1件
・白内障手術 4件
・網膜硝子体手術(糖尿病・硝子体出血) 1件
と、それなりには普通にあるのですが。(みなさん無事に終わりました。)

パセリ

妻が家庭菜園でパセリを作っていたようですが、
今朝、「パセリが大変なことになっている!!」と。

キアゲハという蝶々の青虫のようです。
いつからいるのか不明ですが、10匹以上でパセリを食べつくし、もうエサがなくなる寸前です。
子供に羽化を見せたい!と飼ってみようと思うのですが、ネットで調べると、パセリや山椒の葉など、においのある葉っぱしか食べないようで。
急いでパセリの苗を買いに行ったのですが、近所では今日は見つけることができずに、スーパーで食用の葉を購入しました。
飼育が大変そうですが、羽化を見せてあげられたらいいな[:子供:]


今日は生き物に縁があるようで、ご近所さんにカブトムシを譲っていただきました!
子供たちは、今のところ、こちらのほうが喜んでいます。

霰粒腫(さんりゅうしゅ)?

やっぱりお盆で空いています。午前の外来は35人。
早く終わったので、午後は子供とプールに行ってきました!

と、夕方に急患が。
糖尿病で片目が出血してしまい、まったく見えない状態です。
他院様follow中で、少し出血が引くのを待っていたみたいのですが、もともと反対の目が見えない方なので、このままでは生活ができません。
家に帰っても生活に困るので、緊急入院して頂き、明後日の月曜日に手術をさせて頂くことになりました。
二日間、見えない状態で申し訳ありませんが、頑張って頂きたいと。
(週末にこれを読んだスタッフの方、月曜日は緊急手術です。ご協力お願いします。)

霰粒腫(さんりゅうしゅ)

まぶたに、しこりが出来たり、腫れてしまう病気です。
正常な眼瞼(まぶた)のふちからは、あぶらが分泌されているのですが、あぶらがあるおかげで、まばたきが滑らかになったり、涙が乾きにくくなったりします。
この、あぶら分泌する組織をマイボーム腺と呼ぶのですが、まぶたの、はじからはじまで、一つのまぶたに20個、上下左右で80個程度の腺が存在しています。

当院の事務の生井沢くんのまぶたです。

拡大すると、こんな感じ。矢印で囲んだ丸い部分がマイボーム腺の出口です。

霰粒腫は、このマイボーム腺の出口が何らかの原因で詰まってしまい、慢性的な炎症が起こって、肉芽腫という塊(しこり)ができる病気です。
(つまる以外の原因もありますが、一般の患者様に分かりやすい説明のみで。)
霰粒腫の症状はまぶたの腫れや異物感です。まぶたを手で触るとシコリを触れます。
バイ菌がつくなどして、炎症を伴った場合は急性霰粒腫と呼び、赤く腫れると、麦粒腫(ばくりゅうしゅ:感染症)と似た症状(メヤニや充血、痛み)が出ます。


先日来た女性です。赤い矢印のマイボーム腺が詰まって、少し膨らんでいます。下の黒い矢印の部分にしこりが出来ています。

アッカンベーすると、こんな感じ。

治療法は、ステロイドという炎症を抑える目薬や塗り薬を使います。
感染を起こしている疑いがある場合には抗生物質も加えます。
麦粒腫(まぶたの組織にバイ菌が感染したもの)と同じような薬、治療法になるのですが、しこりがある分、霰粒腫は治るまでに時間がかかることがあるのが特徴です。人によっては数ヶ月以上かかることも。

ステロイドには緑内障という副作用を起こす可能性があるので、
当院では、まず薬を処方し、薬がなくなるまでに治ったしまった場合は終了(来なくていい)としていますが、副作用のチェックとして、2週?1ヶ月程度たっても治らない場合は、一度受診して頂いています。
副作用がなくて、しこりが小さくなっている(薬が効いている)場合には、同じ薬をたくさんだして、治るまで目薬を使っておいてください。としています。(ほとんどの患者様は薬のみで治ってしまいます。)

どんどん悪化する場合、ステロイドの副作用で薬が使えない場合、なかなか治らず、繰り返す場合には、手術を行います。
手術でしこりを摘出してしまうのです。大人の場合には、局所麻酔で10分程度の手術で簡単に治ってしまうため、あまり長引きそうな場合には手術を行ってしまいます。(20?30人に1人くらい。)

この方は、一ヶ月以上、薬を使っても治らないため、この間手術を行いました。
今はとてもキレイに治っています。
(術後も載せたいのですが、経過がよいと、写真を撮るのが面倒で、つい撮り忘れてしまいます。)

ただし、子供の場合には、手術の程度にもよりますが、多くは全身麻酔を必要とするために、なかなか手術に踏み切れず、長々と薬を使って頂くこともあります。

手術ができない場合などで、ケナコルトという強力なステロイド薬をまぶたに注射する治療法なども、たまにですが行う事があります。

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働く (端楽)

毎年この時期になると、「先生はお盆は休みじゃないんですか?」と聞かれます。
これまでの人生で、お盆が休みだったことは一回もなく、そもそも、僕の両親は末っ子同士で、核家族で育ったせいか、お盆という風習があまりよくわかりません。御先祖様の迎え方や、送り方なんかも全く分からず、ちょっと日本人としては・・・。と思うときもあります。
なので、お盆に休み?と聞かれると、なんで???となってしまいます。

でも、なんとなくこの時期に思い出だすことは、
昔、祖父が言っていた、働く(端楽)という言葉です。

働く、人が動くと書きます。
みんな人それぞれ、働く理由があって、毎日頑張っています。
「働く」は「端楽」
はた(端)にいる人に、らく(楽)をさせること。

僕の一番身近な両端(端:はた)は家族です。
楽にさせたい、幸せにしたい。と人が動く。

お金を稼ぐ仕事だけが、働くではありません。
奥さんたちが、家族が楽にできるように家事をするのだって、働く。
ボランティアで、困っている人を楽にさせるもの働く。

家族や友人が楽になるように。
一緒に仕事をしてくれるスタッフが楽になるように。
そして、患者様が楽になるように。

どうせ人が動くなら、
自分のためだけと思わず、端の人のために、その人に楽をさせたい。
と思って動くと、なんだかやる気が出てきます[:晴れ:]

僕は幸い医療従事者になって、広い両端を持つことができました。
一般的な職種よりは、楽にさせてあげたい人がたくさんいます。
石岡を中心に両端をもう少し広げて、広く地域の患者さんが楽になってくれるといいな。

さいきん、眼科のことが少なくてすみません。

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要塞

お盆だからかな?
午前中の小美玉の外来が、久しぶりにすいていて、ゆっくりと出来ました。
時間がゆっくりあると、患者さんとのんびりと世間話ができます[:ニコニコ:]

今朝の常陽新聞に幕内会の記事が[:見る:]
内容は、山王台病院が震災時に備えて、
?自家発電装置を大幅増設
?井戸水を使用するために掘削

というものです。

3月の震災の前後は、とにかく網膜剥離の紹介が多く、震災の直前まで手術をしたり、直後から自家発電で手術をしたり、水道が止まっているので、貯水庫の水の残量にヒヤヒヤしながら、どうにか眼科は乗り切りました。

ただし、クリニックや病院本院での人工透析は、どうにも水の確保ができず、約2日、透析患者様を停電や断水のなかった、土浦や、千葉の病院まで搬送するといった事態に陥りました。実は人工透析を行うには、莫大な水を必要とするのです。行政とも様々なやり取りがあり、少しでも透析を行うために、何度も給水車がきて、早朝からスタッフ全員が頑張っていたのを覚えています。
透析の患者様が遠距離を移動するのは大変なストレスをかけてしまいますが、透析の中断は命につながるために、どうにかみなさんに協力をお願いしました。

非常電源(自家発電)は通常の病院以上には備わっていたため、幸い眼科の手術などは問題なく出来たのですが、透析以外にも一部稼働できない器械がでたりと、通常の診療に戻るには、どうしても数日かかってしまいました。

石岡市全域が停電・断水し、透析ができる病院はなかったのだから仕方ない。と考える方も多くいらっしゃると思いますが、そこが幕内先生!
なんと、今後の震災に備えて、水道が止まっても、電気が止まっても、とにかく病院を機能させなくては!とのお考えで、今回の記事に至ります。

もちろん震災はこりごりで、起こってほしくありません。でも、この設備が整えば、もしもの時には多くの患者様、地域の皆様にとって、必ず役に立つものになるでしょう[:グッド:]

新聞では自給自足という表現で記載されていましたが、
僕が思った感想は、これはもう「要塞」だな。
お陰様で安心して医療に打ち込めます。

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結膜炎?:細菌性結膜炎

今日は以下の手術を行いました。
・翼状片手術 1件
・内斜視(固定内斜視)手術 1件
・白内障手術 8件
・緑内障手術 1件
・網膜硝子体手術 2件(増殖糖尿病網膜症1件、網膜中心静脈閉塞症1件)
無事に終わっています。

ちょっとサボっていましたが、結膜炎の続きです。
細菌性結膜炎(さいきんせいけつまくえん)
結膜にバイ菌が感染すると、結膜炎がおこります。
バイ菌といっても、先日記載したウィルス(はやり目)や、真菌(カビ)、アメーバなど、いろいろな種類がいるのですが、ケガをした場所が膿んだりする原因として、もっとも多いものが細菌になります。

細菌は空気中にも、うようよと膨大な数でうごめいています。
通常の状態では、皮膚や粘膜に細菌がついても繁殖・感染することはあまりないのですが、たまたまキズがあったり、免疫力(抵抗力)が弱くなっていたり、あまりに大量の菌がくっついた時などに感染してしまう事があります。

細菌が結膜に感染すると、細菌性結膜炎として、べったりとした汚いメヤニがでます。(その他、結膜炎の症状として、異物感・痛み・なみだがでる・メヤニがでる・かすみ目・まぶたが腫れる・目が赤いなどが起こります。)

細菌はウィルスほど感染力が強くないために、家族同士でうつし合う。なんてことはあまり多くありません。

治療法は抗生物質の点眼薬がとてもよく効くので、多くの細菌は1日3?4回くらいの目薬を、数日間使用すると治ってしまいます。
ただし、菌によっては、非常に重篤なものもあり、例えば淋菌と言って、性病を起こすような菌は、とにかく毒性が強く、なかには失明にまで至ってしまう症例もいます。(若い男の子などで、メヤニがたくさん出る場合などは、性器の症状や、風俗店の利用がないかなどを聞くことがあります。眼科なのに何で?って思う方もいるかもしれませんが、必要な情報なのです。)

他には、耐性菌といって、一般の抗生物質が効かない症例もいます。
先日から当院で治療中の90代の女性です。メヤニがでるので、他院の内科で目薬をもらったけど、全く良くならないと来院されました。
このような場合は、メヤニ(眼脂)を少しとって、培養(ばいよう)という検査を行います。試験管などで菌を繁殖させて、菌の種類や、薬との相性を調べる検査です。

数日すると、こんな結果がでます。
上の方にMRSAと書いてあります。MRSAとはメチシリン耐性ブドウ球菌といって、多くの抗生物質が効かないことで有名な細菌です。
下のほうにズラッと並んでいるのが、抗生物質の種類です。各抗生物質の一番右側に、「R」もしくは「S」とあります。
[R]はresistant;耐性・抵抗、つまり「効かない」という意味です。
[S]はsensitive;感じやすい、つまり「効く」という意味です。
この患者様の菌(MRSA)は、下のほうの3つの種類しか効かないという事になります。

ただし、下の3つの成分からなる点眼薬は、現在の日本にはありません。
このような場合は、点滴に使用するための薬を少し薄めてみたり、薬としては認められていないような消毒薬を薄めたりして、患者様にぴったりの点眼薬を作り出す必要があります。

今回は、表の一番下のバンコマイシンという薬が良く効きそうだというわけですが、実はバンコマイシンは昨年から目薬ではないのですが、眼軟膏とって、目にいれる軟膏のお薬が発売され始めています。まだ一般的な薬ではなく、治験といって、実験段階のような薬ですが、製薬会社などにお願いして、使用することが可能になりました。
現在は2週間までしか使用が許されていないのですが、治ってくれるといいのですが・・・・。

と、ながながと書いてきましたが、実際の診療では、ほとんどの場合は培養の検査は行いません。
細菌性結膜炎が疑われた場合に、原因となる菌が淋菌や耐性菌ということは、非常に稀で、多くの菌は通常よく処方される、一般的な抗生物質の点眼薬で治ってしまいます。また、培養検査をすればお金が余分にかかりますし、1週間後に結果が出るとして、その頃には治ってしまっていることが多いからです。

ですので、培養検査を行う場合は、メヤニの量や性状から、毒性の強い菌が疑われる場合や、高齢者などの抵抗力が弱くて、耐性菌という菌が原因である可能性が強い場合などに限って行われます。

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芝生:全盛期

[:カメラ:]とても暑い日が続きますが、皆さん熱中症には気をつけてくださいね[:晴れ:]

毎朝、出勤の気温が上がる前に、水遣りを行うのですが、芝生が全盛期です。

スパイキング、エアレーション、肥料、芝刈り、頑張ったかいがありました[:拍手:]
よく見ると、生えてきたキノコに混ざって・・・。

小人図鑑で調べなくちゃ!![:見る:]
(さいきん本屋さんに行くと、小人図鑑というものが流行しているようです。知ってますか?)


井上先生に頂いたトマトもとても順調です。最近、カメラを一眼レフに替えたのですが、キレイにとれてビックリです。