裂孔原性網膜剥離? 原因

今日の午後は小美玉市医療センターで井上先生と白内障手術でした。
夜は、県内の病院様に重症の網膜硝子体手術のお手伝いに呼んで頂きました。

さて、今日も網膜剥離についてです。

裂孔原性網膜剥離 原因


図のように、光を感じるフィルムが内側に剥がれてしまうと網膜剥離と呼ばれます。裂孔原性網膜剥離は、網膜の一部が断裂、穴が開いて、それを原因として網膜が剥がれる病気です。

網膜剥離というとボクシングが有名なのですが、聞いたことがありますでしょうか?以前は、網膜剥離後の選手は引退を決められていたようです。
ボクシングなどの外傷で、眼球のボールが凹んで、歪んでしまった場合に、網膜が断裂してしまうのです。
なので、患者さんに網膜剥離と伝えると、「ぶつけた覚えはない」なんて、おっしゃることが多くあります。

実は、網膜剥離の患者さんが100名いたとして、ボクシングや交通事故など、外傷が原因となる場合は5名弱といった具合で、決して多くはありません。
では、外傷もないのに、どうして網膜が断裂してしまうのかというと・・・。


これは、30歳くらいまでの眼球の断面図です。
実は水晶体の後方、網膜の前の部分には、硝子体(しょうしたい)と呼ばれる透明なゼリーが入っています。図では青色が硝子体を示しています。硝子体は子供の時には、眼球の成長に役立ったり、その他には、紫外線を吸収したり、ぶつけたときにクッションの役割をしたりします。
30歳くらいまでの硝子体は、目の中いっぱいに広がり、パンパンとなっています。

30歳とか、40歳とかになると、この硝子体が干からびて、小さくなり、前の方に収縮していくことが分かっています。

図でみると、こんな感じ。

通常は硝子体が収縮しても、網膜には影響を与えずに、硝子体のみが小さくなっていきます。

これは、問題なく硝子体が収縮した例で、通常の人は60歳とか70歳とかになると、こんな形になっていきます。

ところが、生まれ持った体質などで、網膜と硝子体のくっつき(癒着)が強い部分があったりすると、硝子体の収縮に伴って、網膜が破れてしまい、内側に剥がれてきてしまうのです。

これが網膜剥離のイメージ図ですが、オレンジ色の部分が網膜と、硝子体の癒着が強かった部分です。硝子体が収縮するときに、網膜を内側に引っ張って、網膜が断裂しています。


硝子体が収縮した部分には、お水が占拠するようになるのですが、一度、網膜が断裂して、内側に剥がれだすと、その断裂(穴)から、お水が網膜の後ろ側にどんどん回ってしまい、時間とともに網膜剥離が大きくなっていきます。

裂孔原性網膜剥離は以上のような形式で発症することがほとんどです。
ですので、原因はなにか?というと、
?生まれ持った性質(網膜が薄い、硝子体と網膜の癒着が強い)
?加齢

という事になります。
ですので、網膜剥離になったからといって、お酒を飲んだから?とか、煙草をすったから?とか、なにか原因として後悔するようなものはなく、なる人はなってしまう。という、やや仕方のない病気です。(外傷性を除いて)

?に関しては、
例えば、強度近視の方は目が大きく、網膜が薄いので、近視の強い方は網膜剥離が起こりやすいと言えます。(以前のブログ:2011.07.19 Tuesday)
他には、アトピーの人なども網膜が薄く、網膜剥離になることが多いようです。(皮膚と網膜の発生期限が似ているために、皮膚が弱いという人は目も弱いという説と、アトピーの人は、よく目をこすっているからという説があります。)
稀ですが、家族性(遺伝的)に、網膜や硝子体の性状が病的な家系があったり、お体の病気が原因で網膜剥離になりやすいといったものもあります。

今日も読んで頂きありがとうございました[:嬉しい:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

眼内レンズ交換

新米の季節ですね[:食事:]
風評被害など、いろいろと農業関係の皆様も大変と思います。
今日、茨城の新米を食べましたが、とってもおいしかったです[:グッド:]

今日の昼休みは、以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
・眼内レンズ交換 1件
無事に終わっています。

今日の手術から一つ話題を。
眼内レンズの交換
白内障手術後の眼内レンズのお話です。
以前にレンズがズレてしまって(脱臼)、整復するといったブログを書いたことがあります。2011.09.13 Tuesday
今回は、ズレてはいないのですが、レンズが濁ってしまったり、遠視・近視などの度数が予定外にズレてしまった場合の手術です。

濁り
以前に記載した、「後発白内障 2011.06.27 Monday」とは別で、レンズが交換になる濁りは、レンズ自身が濁ってしまう場合です。
眼内レンズが濁ってしまうというのは、難しい問題で、最近のレンズは数十年とか、一般的な余命の間はまず濁らない。ということで使用されているのですが、この何年持つというデータは、耐久試験のような形で、試験管のなかなどで過酷な状況に置いて、推測し、発売元の企業などや発表したり、研究者たちが各レンズを比べたりして発表するするデータです。
実際に人間の目の中で、50年とかのデータを取っているわけではなく、残念ながら、10年20年前に手術をした人で、挿入した人工のレンズが白っぽく濁ってしまう患者様がおられることが分かってきました。
全員が濁るわけではありませんが、相性などの問題もあって、レンズが濁ってしまうことがあるようです。

度数エラー
最近の白内障手術は、目にピッタリとあったレンズと交換することで、ど近眼の人が裸眼で運転が出来るようになったり、遠視の方が裸眼で新聞が読めるようになったり、遠視や近視の度数を、かなりの精度でコントロールすることが可能になりました。
この2年くらいは、乱視まで和らげる技術も進歩し、僕はこの度数に異常に??こだわっています。
病院ホームページ
(どんな難症例でも乱視用レンズを使用するせいか、よく、眼科医仲間からも、やり過ぎだと言われます。でも、なんだか裸眼での視力にこだわってしまって。少しでもよく見えるようになったらいいなと。)

手術前の検査でピッタリのレンズを選ぶのですが、残念ながら、測定に誤差があったりして、思ったより遠視になってしまったり、近視になってしまうことがあり得るのです。
最近は、専門的なっていまうのですが、±0.5Dという近視や遠視の誤差の範囲で手術ができることがほとんどです。それが、もしも、±1.0D以上ずれた場合には、予想していた見え方とかなり異なる結果となってしまいます。
(一応当院では、±1.0D以上のズレがあって、希望がある場合には無料で交換するとしているのですが、開院後の1年半では交換が必要になった症例いらっしゃいません。)

では、本日の患者様です。右目の白内障手術を2?3年ほど前に、どこかの病院様で手術を受けたとのことです。
手術後からピントが合いにくいとのことでしたが、メガネが嫌いで我慢していると。測定してみると、+3Dという遠視で、たしかに、メガネがないと0.1位しか見えていないようです。

手術開始時の写真です。

レンズの度数はズレテいますが、特に曇ってはおらず、レンズ自体はキレイです。


もともと入っているレンズは、目の中の組織と癒着をしてしまっていますが、ゼリー状の薬をいれつつ、針などを使って、できるだけキレイに剥がします。。


レンズは6mm程度の大きさがありますが、取り出すためとはいえ、黒目を6mmも切ると、かなり大きなキズになってしまいます。黒目(角膜)を3mm程度切開し、そこから、ハサミをいれて、古いレンズを目の中で真っ二つに切ってしまいます。


レンズが上下に真っ二つに切れているのが分かりますか?こうすることで、半分の3mmのキズから取り出すことができます。
(以前、1/4とか切って、回しながら取り出す。なんて手法を見たことがありますが、できるだけ正確に半分に切れば、ハサミで1回二つにきるだけで、3mmのキズ口で手術は十分可能です。)


キズ口から、半分に切ったレンズを引っ張り出します。やや黄色いレンズが分かりますか?もともと他院様での手術ですが、着色レンズと呼ばれる、新型のレンズを入れて頂いていたようです。


ここは専門的なのですが、白内障手術後の、あまり時間がたっていない時には、レンズの癒着が少なく、簡単にキレイに取れてしまいます。ただし、レンズの混濁の場合など、手術後に数年たっているような場合には、レンズと目の中の組織の癒着がかなり強くなってしまいます。この癒着を全て取ろうとすると、時間がかかったり、無駄に眼内の組織を傷つけてしまうことがあり、僕は、癒着が強いなと思ったら、癒着の強いレンズの支えの部分(足)は切って、目の中に残してしまいます(緑矢印)


癒着の強い足を切ってしまったところです(矢印が残った足)。
この部分は目の中に残しても、全く問題ありません。

残りのレンズも取り出してしまって、

遠視・近視の度数を変更した、新しいレンズを目の中に挿入します。
小さく折りたたんで、目の中にいれてから、中で開きます。


最終的にはこんな感じ。レンズを入れるより、取り出す方が大変で、
今日は全部で12分くらいかかりました。
乱視も補正するために、黒目の横(右側)から手術をしたので、少しやりにくい症例でしたが、その方が裸眼の視力が良くなりますので。

当院で開院後の1年半でレンズを交換した患者様は12名。(全員、もともとは他院様での手術です。)
度数エラーが6名、レンズの濁り(混濁)が6名です。おそらく、今後なにかと増える手術でしょう。
(2013年追記:このブログ記載以降、眼内レンズの交換目的に日本全国から患者様にいらして頂いており、症例数は伸び続けています。)

白内障手術は1回しか出来ないんでしょ?」と、
よく質問されるのですが、そんなことはありません。安全にできれば何回だって出来ます。
手術が出来ないのではなくて、普通はする必要がないのです。
(手術後にしばらくして、見えにくくなったとしたら、それは白内障の再発ではなくて、別の病気が出てきているのです。)
もしも、レンズが濁ってしまったり、度数がズレてしまったら、交換することが可能です。

ただし、レンズの交換は、手術後に時間がたち過ぎて、目の中の癒着が強くなってしまうと、難しくなってしまう場合もあります。
白内障の手術後で、見え方が悪いなと感じたら、是非一度、そして早めに当院を受診してみて下さい。

注?)
レンズの混濁は、交換することが唯一の治療法ですが、度数エラーの場合には、最も成績の良い治療はレーシックや、高齢者ではPRKというレーザー手術です。ただし、レーザー手術は自由診療であり比較的高価です。レンズ交換は保険がきくため、1割負担の方では日帰りで15000円以下で可能です。よく担当医と相談しましょう。

注?)
レンズの交換は比較的安全な手術ですが、目の組織が弱いなど、症例によっては難しい場合もあります。僕自身、交換の手術は多い方だと思いますが、これまでの人生で、1例のみ交換ができずに途中で諦めたことがあります。(当院でではないのですが、小美玉市医療センターで5月に手術のH様。申し訳ありません。)
手術後の見込みなど、担当の先生とよく相談して決めるようにしてください。

長くなってしまいました、最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
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石岡市産業祭

今週末は石岡市観光協会主催の
石岡市産業祭がありました。

昨年に続き、2回目の参加です。
石岡市内の各種工場、飲食店、農家の方、ボランティアグループなどが、お店を出店したり、いろいろな発表をしたりします。
山王台(幕内会)からも、ベーカリー アップルアップルが出店です!

アップルアップルのパンはいつも食べているので、今日はちょっと浮気を。

お昼に食べたのは、水田農園さんのランチプレート500円。

全部、石岡産の材料で作っているんだそうです。
他にも、八郷の蕎麦など、いろいろ頂きました[:ラーメン:]


全部、石岡で作っているお酒です。酒造さんが沢山あるのは知っていましたが、こんなに種類があるなんて。
僕の大好きな「渡舟」もありました[:熱燗:]


獅子もたくさん。

そして、我が子が喜んだのは、

石岡とは関係ありませんが、アンパンマンショーなんかも。

10月なのに、動き回ると、結構暑い1日でしたね。

裂孔原性網膜剥離? 実例:黄斑の剥離

[:楽しい:]昨日お電話で紹介頂いた、網膜剥離の患者様がいらっしゃいました。
朝の8時半に受付をして、検査を行って、9時半には手術室へ。
白内障も一緒に行って、手術が40分くらいで、10時半には病室へ。
いきなりの手術でも、これだけスピーディーに協力してくれるスタッフに、心から感謝です[:ラブ:]

今回は、つくば市の50歳の男性です。
数日前から飛蚊症があり、2日前位から見えにくさを自覚したとのことです。

赤い☆部分が、黄斑といって、物を見る中心部の網膜です。
水色の線を引いてみましたが、線より左上の部分が網膜剥離です。
特に、写真の左上の方は、網膜がシワシワになっている状態が分かるでしょうか?


これは、以前に手術をした患者様ですが、こちらは受診時には、黄斑がすでに剥がれてしまっている症例です。

網膜剥離の手術は、黄斑が剥がれてしまった場合には、手術後に、1.0などの良好な視力を回復することが非常に難しくなります。

今回の患者様は、県内のご開業医様からの紹介ですが、
金曜日の夜に診察をして、黄斑の近くまで網膜が剥がれてしまっていたため、黄斑が剥がれる前に、出来るだけ早く手術をとのことでお電話を頂きました。

今回の患者様は、土曜・日曜だからと、週明けまで待ってしまった場合には、まず間違いなく、黄斑が剥がれてしまっていた症例です。
本日、黄斑(網膜の中心部)まで剥がれる前に手術が出来ましたので、もちろん、術後の管理はこれからですが、おそらく1.0程度の視力を確保できる可能性が高いかと思います。

夜だから週末だからと、諦めずに紹介、お電話を頂いた、かかりつけの先生に感謝いたします[:楽しい:]

今日の夜は、都内で病院関係の食事会に誘って頂きました。

パパはなかなか忙しいので、子育ては日曜日に頑張るね[:子供:]

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裂孔原性網膜剥離? 病態

今晩は県内でご開業されている先輩の眼科医様に食事をごちそうになりました。初めて、クリニックの中を見学させて頂いたのですが、とても明るく、素敵なクリニックで、ビックリしました[:びっくり:]
最近の新しい眼科は、どこもキレイで、電子カルテなど最新の設備のところが多く、モデルハウスを見に行った時のような気分で、なんだかウキウキします。(当院もかなりキレイですけどね。負けないぞ[:ショック:]なんて。)
いろいろ見学に行くと、どうやったら効率よく仕事ができるか、患者さんの待ち時間を減らせるかなど、勉強になります。

さて、さきほど県南の病院様から電話があり、明日、網膜剥離の患者様が紹介でいらっしゃるそうです。早く手術をしたほうがよさそうな症例のようで、明日のお休みは繰越にしたいと。
網膜剥離は、夜遅くに緊急手術をする事が多く、その後にブログを書くことがなかなか厳しかったのですが、今回は頑張ってみようかな!

裂孔原性網膜剥離(れっこうげんせいもうまくはくり)


眼球の断面図のイラストですが、左側(角膜)から光(黄色)が入ってきて、内部のレンズ(水晶体)などで光が曲がって、イラストでは右側の眼底や網膜と呼ばれる組織(緑色)に、光があたると物が見えます。
眼球はカメラとよく似ていて、レンズとフィルム(網膜・緑色)から出来ているのです。
レンズが濁った場合が白内障と呼ばれる病気で、白内障は、どんなにみえなくなってもレンズを交換する手術を行えば、治ってしまうのです。
ところが、網膜というフィルムの組織は、現在の医学では、交換することも、移植をすることも、薬などで回復させることもできません。網膜が死んでしまうと、回復することはできません。ですので、網膜の障害が原因で失明したような場合には、基本的にはあきらめて頂くことになります。
・眼内の水の圧力で、網膜・神経が押しつぶされる⇒緑内障(失明原因1位)
・糖尿病で、網膜の血管が詰まり、眼底出血⇒糖尿病網膜症(失明原因2位)
といった感じです。

裂孔原性網膜剥離数万人に1人しか発症しません。ですので、年齢によってですが、10名に1人とかがなる緑内障や糖尿病網膜症に比べると、もともとの患者さんの数が少ないので、失明の原因としては数は大きくありません。
ただし、稀に発症した場合には、手術をしなければ、短期間で失明してしまう症例が多く、非常に重篤で、失明率が高い疾患です。
(外来で、よく、網膜剥離でレーザー治療で治った。という方がいらっしゃいますが、これは網膜剥離の前段階で予防の治療をした場合で、厳密な意味での網膜剥離ではありません。手術室で治すような症例が数万人に1人です。)


これが、網膜剥離の状態のイラストです。
眼球の内側に張り付いているべき網膜が、内側に剥がれてきてしまっています。剥がれることが、どうしていけないのかと言うと、網膜はそのさらに外側に存在する組織(色素上皮や脈絡膜などと呼ばれます)から、栄養分をもらっており、外側の壁にくっつていないと生きていけないのです。
内側に剥がれて、周りの壁にくっついていられなくなると、栄養分が届かずに、どんどん死んでいってしまうのです。

網膜が剥がれる原因は、いくつかあり、
・網膜の下に水が溜まってしまう場合⇒浸出性網膜剥離
・網膜のさらに内側に、カサブタなどが張って、そのヒキツレで引っ張られて、剥がれる場合⇒牽引性網膜剥離
・網膜の一部に穴が開いたり、断裂することが原因の場合⇒裂孔原性網膜剥離
となります。

ちょっと今日は遅いので、明日に備えてもう寝ます。お休みなさい。
今日も最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました。

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糖尿病網膜症?  網膜硝子体手術

お久しぶりです。
ちょっと学会などでサボっていましたが再開です。

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 12件
・網膜硝子体手術 3件
 内訳
  黄斑円孔 1件
  網膜中心静脈閉塞症に合併した黄斑浮腫 1件
  白内障手術後合併症(他院様)による黄斑浮腫 1件
みなさん無事に終わっています。

この間まで、糖尿病網膜症のレーザー治療について書きましたが、
今日は、もう少し重症例での治療法です。

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)
増殖網膜症・硝子体手術

網膜の血管が詰まって、酸素や血液が足りなくなった場合には、レーザー治療で、網膜の一部を焼いて犠牲にすることで、大出血を防いで、他の網膜を守る。という治療を行います。
ただし、大出血を起こす前には、あまり自覚症状がないことが多く、末期の末期で、ヒドイ状態になってから、はじめて病院に来る人がたくさんいるのが、糖尿病の嫌なところです。

目の中で大出血を起こしてしまったり(硝子体出血)、増殖網膜症といって、目の中がカサブタだらけになってしまうと、増殖網膜症と呼ばれ、レーザー治療ができなくなってしまう方がいます。

増殖網膜症については、以前のブログもご参照ください。
2011.09.26 Monday
糖尿病網膜症? 進行期:増殖網膜症


例えば、こんな感じになってしまうと、レーザーが出来なくなってしまいます。
イラストだとこんな感じ。

レーザー光線は光なので、途中に赤い出血があると、レーザー光線がその場所で遮られてしまい、目の奥の網膜まで届かないのですね。

では、このようになってしまった場合には、どうするかと言うと、
手術でお掃除をします。
この手術を網膜硝子体手術(もうまくしょうしたいしゅじゅつ)と言います。
網膜硝子体手術については、以前のブログも参照下さい。
2011.06.17 Friday
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4995


こんなふうに、目に3か所くらいの穴を開けて、直接器械を入れて出血があれば出血を洗い流します。

この方は9月に手術をした方で、目の中がカサブタだらけで苦労した患者様です。カサブタが出来てしまうと、やはり手術でないと取れません。

では、手術の嫌なことを書いてみます

手術は多くの場合は3日程度の入院で行います。(どうしてもという場合には外来手術も行っています。)
重症例で手術後にうつ伏せになって頂く処置が必要な場合や、50人に一人くらいは再手術が必要になることもあり、最長では1週間も入院が必要になることもあります。

白内障手術などに比べると、少し痛みもあり、通常は目の奥の方に注射の麻酔を行います。手術時間はだいたい30分くらい。カサブタだらけの場合には剥がすのに時間がかかって、1時間を超えることもあります。

手術後の見え方は、出血しただけで(硝子体出血)、洗い流したらキレイ。という場合には、かなり回復することもありますが、
増殖膜というカサブタがたくさんあるような場合や、重度の黄斑浮腫と呼ばれるむくみがある場合などは、手術をしても視力はほとんど回復しません。
手術は回復をさせるためではなく、失明を防ぐために行うのです。

手術を行う事で、網膜剥離という合併症がおこったり、バイキンが入ったり、キズ口の出血が止まらなかったり、50名に一人などでは、再手術が必要になったりします。(どれくらいの重症の患者様を扱っているかで、病院によって多少は成績が変わります。)

そして、手術は費用が高いです。
日本の医療は保険制度によって、手術料金が一律ですが、だいたい40万円?50万円です。実際に負担するのは、その1割とか3割、多くの場合に高額医療費と言って、4万円とか8万円とかで、支払いに上限があるのですが、高いですよね[:冷や汗:]
糖尿病では、両目の手術を一緒に行うかたも多いので、全てが自己負担ではないにしろ、とてつもない金額になるのです。

そして、手術の後は、こまめに、そして長期の診察が必要になります。
レーザー治療をして、数回診察して、落ち着いてしまえば、半年に1回程度の診察で済むのと比べると、手術をした患者様は、外来にくる回数が何倍にもなってしまうのです。

手術をすると言う事自体、糖尿病網膜症では重篤な状態であって、失明を防ぐためには、視力があまり回復しなくても、痛くても、時間やお金がかかっても受けて頂くしかない。という治療なのです。
嫌な話ばっかりで申し訳ありませんが・・・。

糖尿病網膜症では、外来の定期検査をサボってしまう方がたくさんいます。
だいたい、みなさんおっしゃるのが、
「忙しくて。時間がなかったから。症状がないし面倒だったから。」といった理由です。
また、レーザー治療を勧められても、痛そうだし、お金もかかるから。と治療をしないで来なくなってしまう人もいます。

なんども繰り返しになりますが、糖尿病では、自覚症状が出てからでは遅いのです。
治療が遅れれば遅れるほど、あとからかかる、治療費や時間は膨れ上がっていくのです。結果を考えれば、早期発見・早期治療が、もっともお金も時間もかからないのです。

当院は、一般の病院様に比べると、糖尿病の手術の紹介が多く、しょっちゅう手術をしています。出来る限りの視力を残したいと、頑張ってはいますが、やっぱり手術は大変です。手術にならずに、手遅れになる前のレーザー治療で落ち着くのが一番です。

糖尿病の皆様、どうか眼科の定期検査に来て下さいね。
(ほとんどの患者様は年に1回?3回くらいですよ。)

注)
大出血をしたからと言って、全員が全員、手術になるわけではありません。
止血剤を1?2ヶ月飲んで、出血がおさまってしまう場合もありますし、非常に稀ですが、手術後に失明することだってあり得ます。手術が必要かどうかは、病気の状態や、手術のリスクなど、担当医とよく相談しましょう。

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日本臨床眼科学会

10月7日?10月10日まで、日本で一番大きな眼科の学会があります。
7日夕方までの診療後より、学会参加の予定ですので、
大変申し訳ありませんが、診療時間などを一部変更させて頂きます。
新しい知識を吸収して、皆様に還元できるよう頑張ります。
ブログもしばらくお休みです。

糖尿病網膜症?  網膜光凝固術(レーザー治療) その3

今日は以下の手術を行いました。
・外斜視手術 1件
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術 2件(黄斑前膜・糖尿病網膜症)
無事に終わっています。
糖尿病の人かたは30代の男性で、糖尿病のカサブタがまずまず張っており、ちょっと大変でした(水晶体温存・茎離断)。
外斜視も20代の男性ですが、基本的に若い男性は、手術の痛みや緊張感に弱い傾向があります。人の手術はできるのですが、僕も手術を受けることになったら緊張しそうです。だいたい女性の方が痛みに強いようです[:女:]

糖尿病網膜症
網膜光凝固術(レーザー治療)

さて、実際のレーザーの方法です。
?麻酔の目薬をします。
(これは目を固定するレンズをくっつけるため。レーザーの痛みは消えません)
?診察台に顔を乗せて、目が動かないように特殊なレンズを目にくっつけます。

?部屋を暗くして(医師が見やすくするため)、レンズを通して、レーザー光線を発射し、網膜にヤケドを作ります。

(赤矢印がレーザー)
?一つのヤケドが直径0.2mm?0.8mm程度の円形ですが、目の血管の詰まり具合によって、網膜全体で、500?重症例では2000個程度のヤケドを作ります。
レーザーが網膜に当たると、チクッとか、ズキンと痛みがあるようで、患者様には申し訳ありませんが、1日に数百回の痛みを我慢して頂くことになります。皆様ごめんなさい。
1回の治療でヤケドを作り過ぎると、目に負担がかかって、失明は防げるものの、視力が下がってしまうことが多いため、治療は3?4回程度に分けることが普通です。例えば、1日に1600発のレーザーを照射する場合よりも、1日の治療では400発のレーザーを照射し、2週間毎に4回治療を行い、合計1600発としたほうが、多くの場合で良好な視力を残せます。今日は網膜の右上のほう、次回は左下のほうなどと勧めていきます。
治療費がかかるのは最初の1回だけです。)


治療後の写真です。レーザーをうつ目的は、その部位の網膜を多少なりとも殺してしまって、血液を欲しがらなくさせることです。ですので、レーザーでヤケド状になった部分は、ある程度見えにくくなります。赤矢印が物を見る中心の網膜で黄斑(おうはん)と呼ばれます。この部位にレーザーを照射すると、視野の中心部が見えにくくなってしまうため、基本的に絶対に照射してはいけない部分です。丸く囲った部位も、視力・視野として生活上とても重要な部位になるので、これらの部位を避けて、それよりも外側にレーザーを照射します。(黄斑浮腫という状態で、仕方なく中心部に迫ってレーザーをうつこともあります。)
写真の周りの方に、灰色?黒色の丸い斑点が見えるでしょうか?これが一つ一つのレーザーによるヤケドのあとです。この方は一昨日こられた65歳の患者様ですが、治療前はひどい出血の重症例でしたが、半年前に治療して、ヤケドの部分の網膜を犠牲にしたことで、現在は非常に落ち着いた状態で、次回からは半年に1回の検査で済む事になりました。視力は0.9程度と免許証を維持できていますが、焼いた部分の見え方は少し悪くなるため、視野の外側の方は少し暗くなる(視野が狭くなる)という自覚症状は残ります。

以前は蛍光眼底造影検査などで、血流の悪い部位のみにレーザーを行う、巣状光凝固というものが行われる事も多かったようです。ただし、この場合には網膜症の進行を抑える能力が低かったり、将来的に追加のレーザーを必要とする場合も多々あり、欧米ではほとんど行われません。日本でも現在は多くの病院で、網膜を全体的に照射する、汎網膜光凝固というものが行われます。
治療はかなり高価ですので、一度治療をしたら、可能なら一生涯、無理でも出来るだけ長い期間、再治療が必要にならない方がいいですので。

これは、糖尿病網膜症と網膜中心静脈閉塞症という病気の合併で、7月29日にレーザーをした60歳女性です。

レーザー後、数日の写真です。沢山の出血があり、黄斑浮腫という病態を伴っているため、視力は0.5まで低下しています。白く映っている丸い斑点がたくさんあります。この淡い、白い丸が、レーザーをしたあとです。ヤケドができてすぐには、このように白くうつります。
(この方の治療はレーザーのみではなく、ステロイド剤やホルモン剤の注射を併用しています。)

これは治療後一ヶ月、右下の方の丸は、まだ白く見えますが、左上の方は、白い丸からやや灰色の丸に、色が変わってきています。浮腫はなくなり、視力は1.0まで戻っています。

これは9月にいらしたときの写真です。レーザーのあとが灰色?黒っぽくなってきています。このような色になると、レーザーの効果が安定して、出血しにくい網膜となります。視力も1.0を維持、出血がほとんど無くなっているのが分かるでしょうか?次回の診察は2ヶ月後、それでも大丈夫なら年に2?3回の診察となっていきます。

たまには宣伝を。
当院でのレーザー治療の特徴です。
?失明を防ぐだけでなく、出来る限り、視力を温存することを目標としています。
黄斑浮腫という病態を伴うと、多くの場合で著しい視力の低下をもたらすことが分かっています。当院では、最高レベルのOCT検査機器を用いて、浮腫の評価を行い、少しでも浮腫がある場合には、ステロイド剤の注射や、アバスチンというホルモン製剤の注射を積極的に併用しています。(アバスチンは無料で行っています。)
それでも、浮腫が残ってしまうばあには、強力な治療法である網膜硝子体手術を行っています。
(黄斑浮腫に関しては、後日、ブログに記載していきます。)

?高い治療効果を期待して、しっかりとしたヤケドを作っています。
レーザーは血流を元に戻す治療ではありません。一部の網膜を犠牲にして、必要とする血液・酸素の量を目減りさせる治療です。視力に影響しにくい、周辺部の網膜(視野の外側の方)に、しっかりとしたヤケドを作って、血液・酸素の必要量をきちんと下げるようにします。まれに、治療後の患者様で、針の穴のように小さいヤケドのあとを見ることがあります。残念ながら、小さいヤケドでは、痛みがあって、費用が高いだけで、まったく治療をした意味をなさない場合もあります。しっかりとした面積のレーザーのヤケドを作ることが重要で、当院では時間をかけても、きちんとしたヤケドを作るようにしています。結果として、長期間の治療効果が期待でき、1年後などに追加をするかたは、ほとんどいらっしゃいません。

?できるかぎり痛みに配慮します。
当院では、最新式のレーザー機器を用いて、出来るだけ痛みや視力に優しい治療を行っています。それでも、痛みが辛い場合には、積極的に麻酔薬の注射を行い、無痛での治療を行っています。(レーザー時の麻酔は無料です。約半数の方が麻酔を希望されています。)
(注射をした場合には、治療後、数時間は視力が大幅に低下します。ご自身のみで帰宅する場合は3時間程度の休憩が必要になります。)

夕飯がまだなのですが、おなかも減ってきたので、今日はこの辺で。
明日も県南の病院様から紹介の患者様がくると電話があったようで、また網膜剥離かな?今日は早めに寝ましょう。

レーザーに関しては、この3回でひとまず終了にします。
今日も、最後まで読んで頂いた方ありがとうございました。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

ゆったり。

今日の午後は小美玉市医療センターに行ってきました。
白内障7件、無事に終わりました。
いつもは、その後に会議があったり、
他院様に呼んでいただいたりするのですが、
今日は暇だったので、

府中誉さんに、日本酒「渡舟」を買いだめに行ったり、
以前のブログ参照⇒2011.04.03 Sunday

夜は、八郷の温泉「ゆりの郷」に行ったり、
以前のブログ⇒2011.04.17 Sunday

のんびりと過ごしてみました[:楽しい:]

そんなこんなで、なかなかの酔っ払いです[:熱燗:]
眼科的なブログは、今日はお休みで!

糖尿病網膜症? 網膜光凝固術(レーザー治療) その2

今日は午前・夕方で外来が80名ちょっと。
昼休みの手術は以下の手術を行いました。
・白内障手術 6件
・網膜硝子体手術 1件(糖尿病網膜症・硝子体出血)
無事に終わっています。

今日は、昨日の続き、レーザー治療です。
糖尿病網膜症
網膜光凝固術(レーザー治療)

レーザーは、昨日書いたとおりで、決してもとに戻す治療ではありません。一部の網膜を焼いて殺して、犠牲にすることで、全体としての必要な血液の量を減らし、少ない血液で重要な部位のみだけでも生き延びさせようという治療です。

治療は少なからず痛みがあったり、金額が高めだったり、嫌なことばかり。
でも、失明のリスクが高い場合には、仕方ないのです。

では、失明のリスクが高い状態・レーザー治療が必要な状態とはどんな状態でしょう?
新生血管が出来ていたり、大出血を起こしていたり、カサブタが出来ている場合には、もちろん増殖網膜症として、レーザー治療、もしくは手術が必須になるのですが、増殖網膜症になってからの治療では、むしろ遅すぎで、安全に治療を行う場合には、増殖前網膜症の段階でレーザーを行う必要があります。

ちょっと、日本で一般的な考えと海外では考えが一部異なるのですが、
まず、海外で一般的な分類で。
American Academy of Ophthalmologyでの中等症にあたるもの
?4象限の全てで20個以上の網膜出血を認める場合
?2象限以上で、静脈の数珠状拡張を認める場合
?1象限以上で、著名なIRMA(網膜内細小血管異常)を認める場合

となっています。象限というのは、眼底を右上・右下・左上・左下と分けた場合の各部位になります。
海外では、後述の蛍光眼底造影をあまり行わずに、血流が悪い場合に起こってくる出血や、血管の変化から治療の適応などを決めていきます。

次に日本では?というと、多くの施設で、
蛍光眼底造影検査という検査を行って決定します。
造影検査で、無血管野があれば、治療の適応と考えていきます。


点滴で、血管の中に造影剤と呼ばれる薬を流して、特殊な条件で写真を撮ると、血管の中の造影剤が白く光ります。造影剤は血管の枝分かれとともに広がっていきますが、正常の毛細血管にまで流れた部位では、写真の水色矢印のように薄い灰色としてうつります(灰色の部位は正常な血流がある)。
糖尿病で、血管が詰まった部位には血液が流れないので、造影剤がいきわたりません。写真の緑矢印がさす黒くうつる部分には、血流がないことが分かります。この黒くうつる部分を、無血管野(むけっかんや)と呼びます。ピンクの矢印の部分は血流の悪いところで、血管に変化が起こってできた、クネクネした血管で、IRMA(網膜内細小血管異常)と呼ばれる悪性の所見です。

日本の基準では、血管が詰まって血流が悪い部分(無血管野)があるというのが治療の基準になります。ですので、血流が悪くなってから、その後におこる出血や血管の変化をみて治療をする海外の考え方よりも、やや早期に治療が出来る場合が多くなります。

蛍光眼底造影検査は、ごくごく稀ですが、薬に対するアレルギーで、ショックと言って、心臓が止まってしまう合併症が起こることがあり、海外での診断の方が全身的には安全と言えるかもしれません。
ただし、蛍光眼底造影検査を行うと、病気の状態がとてもよくわかるので、出来れば行いたい検査です。
例えば、9月に検査をした症例ですが、こんなこともあります。

写真だけ軽い気持ちで見ると、赤く囲んだ部分、水色の矢印よりも左上の方の血管が少しクネクネして見えますが(静脈の軽い数珠状変化)、全体としては出血や白斑が少なく、重症という雰囲気はありません。
同じ症例の造影検査の結果です。

水色の矢印の部位が同じ血管を指しており、カラー写真よりもやや左上の部位の写真になります。造影検査では写真の左上のほうは黒くうつり、無血管野が広がっています。赤い矢印の先では白い造影剤が血管から漏れ出して強く光っています。これは、血流の悪い部分に生えてきた新生血管(できそこないの血管)から、造影剤が漏れ出している所見です。早急にレーザー治療が必要です。写真中央から少し右にはクネクネ血管のIRMAも見えます。

では、おさらい。
レーザー治療を行うか、どうかには、蛍光眼底造影検査を行うと、とてもよく判断できます。造影検査で、血流がない部分(無血管野)があれば治療をする必要があります。

本日も読んで頂けた方、ありがとうございました。
思ったことを、だらだら書いているだけなので、誤字脱字あったらすみません。レーザーだけでも、何日も書くことがありますね。これを実際の診療では限られた時間で理解頂かないといけないのですが。
次回もレーザーのことが続きます。
糖尿病網膜症は書くこといっぱい。
緑内障なんかも書きたいのですけどね。ゆっくりと頑張ります。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)