ぶどう膜炎? ぶどう膜って?

今日のお昼は、白内障手術 8件、緑内障手術(流出路再建)2件を行いました。無事にできました。

さて、昨日の続きです。

ぶどう膜炎? ぶどう膜
まず、普通の目の写真ですが、

この茶目の部分をみて、何に似ていると思いますか??
賛否両論あると思いますが、これの茶目(虹彩)が、ブドウの皮の色に似ていると思われたことで、ぶどう膜っていう名前が付けられたようです。
この茶色の組織ですが、実は、写真のように肉眼で見える部位のみではなく、目の中の内側全面に広がっているのです。

赤矢印が肉眼でも見える虹彩(こうさい)、そこから後ろに続き、緑矢印の部分を毛様体(もうようたい)、さらに眼球の後方に伸びて、後ろの方の青矢印の部分は脈絡膜(みゃくらくまく)と呼ばれます。

この虹彩・毛様体・脈絡膜の、茶色状の組織、三つを合わせて、ぶどう膜と呼びます。ぶどう膜の特徴として、メラノサイトという日焼けやホクロの原因となる色素成分が豊富であることや、血管が多く、血流が豊富な事が挙げられます。(免疫の主役は、血液中の白血球であると昨日書きましたが、ぶどう膜は血液が豊富な組織であるため、免疫反応が強く起こるのです。)

三つのぶどう膜には、それぞれ以下のような働きがあります。
?虹彩
虹彩のない、黒目の中心部を瞳孔と呼びます。虹彩・瞳孔の役割は、明るい場所や暗い場所で、瞳孔の大きさを変え、目の中に入る光の量を加減する働きがあります。(暗い所で瞳孔が開き、明るい所では小さくなります。)
?毛様体
血管が豊富で、血液から必要な栄養分を含んだお水を濾過して、目の中に流しこみます。(房水の産生機能)
?脈絡膜
脈絡膜の内側は光を感じるフィルムである網膜、外側は白目(強膜)です。
脈絡膜は豊富な血液を使用して、網膜に栄養分を与えたり、色素を利用して、白目側からの光が目の中に入らないようにする暗室効果(眼内を暗くする)などがあります。

分かりやすく書きたいと思いつつ、難しい文章に近づいているなと・・・。
ぶどう膜炎は、「濁っているから手術で取ってしまおう。」といった外科的な病気と異なり、診断で頭をかなり使ったり、治療は手術ではなく、薬が中心で、眼科の中では、かなり内科的な病気になります。
細かいことを書いても分かりにくいかもしれないので、次回は写真などを多用して、炎症の所見について書いてみようかなと思います。

ぶどう膜炎? 自己免疫性疾患

昨日の超重症の糖尿病の方たちも、思ったよりキレイで安心しました。
ところが、「うつ伏せはしてないよ。」なんて自己申告の患者様が・・・。
失明するかどうかと何度も言っているのに・・・。またグチを言ってしまいそう。悲しい・・・。
そんなブログばかりではいけないので、
きちんと病気のことも。

ぶどう膜炎? 自己免疫性疾患
ぶどう膜とは、眼球内の重要な組織にあたりますが、今日はぶどう膜の説明の前に、病気の基本となる免疫や炎症という概念について書いてみたいと思います。

免疫・炎症とは?
例えば、風邪のウィルスが喉につくと、体は免疫という反応を起こし、喉の血流が増えて赤くなったり(充血)、腫れたり、熱を持ったり・分泌物が増えたり・痛みが出たりします。
このような現象を炎症と呼び、炎症を起こす働きが、免疫反応・免疫力(抵抗力)になります。、
本来、免疫力は体に侵入してきた細菌やウィルスなどの外敵から体を守るための正常な防衛反応で、なくてはならないものです。
細菌などの感染症以外でも、体は異物が入ると排除しようとするのですが、花粉に対して過度に免疫力が働いた場合がアレルギー(花粉症)になります。
また、何かの病気で臓器の移植をした場合で、拒絶反応という言葉を聞いたことがあるでしょうか?自分以外の臓器が入ってきたと体が認識してしまうと、免疫力が炎症を起こして、移植した臓器を排除しようとしてしまいます。骨髄移植を行うときに、HLAという遺伝子の検査などを行うのは、自分に対しては炎症・免疫が起こらないため、出来るだけの自分と似ている遺伝子の人を探して、拒絶反応が起こりにくくするためです。

他に、免疫反応以外でも、体にケガをしたり、ぶつけたりした場合に、ケガを治そう・回復しようとして血流が増え、赤くなったり、腫れたりする場合も炎症が起こります。

免疫の働きの多くは、血液の中の白血球という細胞が担当しています。
(血液の中には、大きく赤血球という酸素を運ぶ赤い粒と、白血球というバイキンをやっつけ、免疫を担当する白い粒、出血をした時に血を止める、血小板などがあります。)

自己免疫疾患とは?
自己免疫性疾患とは、なんらかの原因(ストレスや、遺伝、疲労など、多くは原因不明)をもとに、免疫力がウィルスなどの外敵ではなく、自分自身の組織を標的に攻撃をして、炎症が起こる病気で、よく難病と呼ばれます。

自己免疫性疾患として、有名な病気としては、リウマチがあります。
リウマチは、関節が腫れたり、痛んだりして、曲がっていってしまう病気ですが、決して関節にバイ菌が感染したわけでもなく、ケガでぶつけて腫れているわけでもありません。体の免疫力が何かの間違いで、関節を外敵と認識して、炎症を起こしてしまう病気です。明確な原因は分かっていません。
・関節を中心に炎症が起こる病気⇒リウマチ
・皮膚を中心に炎症が起こる病気⇒膠原病
・甲状腺(喉)を中心に炎症が起こる病気⇒バセドウ病
  
などとなり、どこに、炎症が起こるか、間違った免疫が働くかで、病状・病名が変わりますが、基本的には自分の組織に免疫力が働いてしまう病気で、体の様々な場所に起こりえます。

眼科では、
?ぶどう膜を中心に炎症が起こる病気⇒ぶどう膜炎
?黒目(角膜)を中心に炎症が起こる病気⇒角膜炎
?白目(白目)を中心に炎症が起こる病気⇒強膜炎
?視神経を中心に炎症が起こる病気⇒視神経炎

などの病気があります。

グチ

今日は手術日ではないのですが、少し急がないといけない人が多くて。
・白内障手術 2件
・網膜硝子体手術 4件(茎離断2件、増殖2件)
 (増殖糖尿病網膜症3件、硝子体出血1件)
無事に終わったと言えば終わったのですが、増殖網膜症のかたはカサブタだらけでの人ばかりで。
お一人はもともと網膜が全て剥がれて、他の病院で手術は不可能(意味がない)と言われ、そこからさらに何ヶ月も経っているとのこと。今回は、結局反対の目も見えなくなってしまい、生活が出来ないから。と今朝当院に。
確かに、大きな改善は望めず、手術に大きな意味はなさそうですが、少しでも明かりを残したいとのことで手術をお引き受けしました。あまりにひどい症例で、シリコンオイルを入れて、失明はなんとか防げると思いますが、やはり光が分かる程度しか保てないのかな。反対の目の、今回見えなくなった方はまずまずみえるようになりそうですが。

1月4日のブログで書いた人も、出血やカサブタはキレイに取れて、手術は成功と思いますが、広範囲に血管がつまっていて、今後、回復しても0.1くらいの視力にしかならなそう。

仕事が忙しくても、よくなる人ばかりだと、心が楽。というか疲れないのですが、手術が上手くいっても、あまりよくならないようなケースが続くと、ちょっと疲れます。

糖尿病。
どうしようもなくなってからしか、病院に来てくれない人が多いです。古い病気や、カサブタだらけで、網膜が剥がれているような人は、どうやっても回復しないのですが。
何と書いていいのか。うーん。糖尿病。頭がいたい。

今日手術のS様。ご紹介頂いた先生もブログをよく見て下さっているみたいですが、こちらはBRVO後の硝子体出血2ヶ月。適切な時期に紹介頂き、簡単に15分くらいの手術で終わりました。おそらく問題なく、すぐにお戻りになると思います。以後よろしくお願い致します。

山王台病院(本院) 改装工事?

今日の午後は特殊外来の患者様のみで、ちょっとのんびりです。

先月から、山王台病院(本院)の旧館部分の改装工事が始まっています。
騒音なども少なからずあり、ご迷惑をおかけする患者様もいらっしゃるかと思いますが、どうかご容赦ください。
旧館と言っても、まだ13年。僕が知っている一般的な病院の中では、かなりキレイなほうだと思っていましたが、今回、よりキレイに快適に。患者様に喜んでもらえたら。ということで、思い切った改修を行う事になりました。

病院をお休みにするわけにはいかず、少しづつ改装が行われている最中です。さっき、ところどころ覗いてみたのですが、終わった場所はとってもいい感じだったので、一部ご紹介いたします。


これは何だと思います??
本院のエントランス、正面受付の吹き抜けの天井に、待ち時間の患者様が少しでも気持ちよく過ごせるように。と設置された飾りつけです[:リース:]
今回はかわいいクマの飾りつけですが、シーズンごとに変更していく予定とのことで、今後も楽しみです!
医療行為とは直接は関係がありませんが、病気の時に少しでも心が穏やかになればいいですよね。


これは外来のトイレの入り口です。いかにもトイレ。とならないように、少しスペースを空けて矢印の部分で内扉になっています。センサーの自動ドアで、重いドアを開ける必要はありません。病院は不本意ながら、患者様同士でバイキンを移し合ってしまうリスクがある施設ですが、出来るだけ自動にして手で直接触れる部分を減らすことで、感染を予防する効果もあります。


女子トイレには入れないので、男子トイレのみ撮影してみました。(女性の方は色とか違うかも?)
うーん、キレイ[:よつばのクローバー:]インテリアデザイナー?設計士?だれかは分かりませんが、いいセンスです。病院というよりはシティーホテルのようです。
注)これは眼科クリニックではありませんよ。

個人的な意見ですが、自分が通院する病院の水周りが汚いと、ちょっと清潔感が・・・。と不安に思ってしまい、トイレなどがキレイだと安心します。。(潔癖なのか??)

眼科・内科クリニックは、築3,4年でとってもキレイだと思ってはいるのですが、ちょっと本院をうらやましく思う今日この頃です。

今日は眼科の先生の新年会に誘って頂きました。いろいろ情報交換・勉強をしてきたいと思いますが、明日も外来と午後は準緊急の手術なので、二日酔いに気をつけなくては(笑)

隅角解離 隅角後退症

今日は外傷の患者様の一例です。

隅角解離(ぐうかくかいり)
隅角後退症(ぐうかくこうたいしょう)

緑内障のブログでちょっと書いたのですが、目の中には房水という水が循環しており、房水によって栄養分を循環させたり、眼球のボールが膨らむようになっています。

茶目(虹彩)の後ろ側にある毛様体と呼ばれる組織から、房水は産生され(オレンジ矢印)、赤矢印の隅角と呼ばれる出口から排出されていきます。
この赤矢印の部分、隅角は、前側が黒目(角膜)と、後ろ側が茶目(虹彩)によって作られる角の部分になります。


少し分かりにくいので、一応、別のイラストも。赤が隅角、オレンジが毛様体、緑が水曜体、青は水晶体を支えるチン氏帯と呼ばれる糸状の組織です。

黒目に特殊なレンズをくっつけて、隅角を診察することができるのですが、

当院の事務、生井沢君の隅角です。写真やや右上の白くうつる部分が角膜、茶色い部分が虹彩、赤い矢印の白と茶色の間(境界)が隅角と呼ばれる構造です。問題ない隅角です。

今回は、10代の男の子で、野球ボールが当たってしまったとのことです。

茶目の左下の部分、緑の矢印のところで、虹彩が断裂していることが分かります(虹彩離断)。


ちょっと拡大してみると、緑の矢印の先には、水晶体が見えます。とっても細いので分かりにくいですが、青い線を2本引いてみましたが、それと平行に、うすーい白い糸が水晶体を支えるように張っているのが分かるでしょうか?チン氏帯と呼ばれる組織です。ケガでチン氏帯が切れてしまうと、水晶体がずれたり、白内障手術が難しくなったりします。(本来は虹彩が邪魔をするので、チン氏帯は見ることが出来ない組織です。)


断裂した部分の隅角の写真です。青矢印の分だけ、隅角が断裂しています(隅角解離)。断裂の隙間から、本来見ることのできない、毛様体という房水を作る組織がみえます(ピンク矢印)。


断裂していない部分の隅角ですが、打撲によって、虹彩が後ろ方向にずれたため、ちょっと細い矢印ですが、緑の分だけ隅角が後ろに下がり、隅角の構造が正常に比べて広がっている状態です(隅角後退)。
写真のちょうど真ん中のあたりには、隅角に赤い出血が見えます。打撲で無理に隅角が引っ張られた時の出血でしょう。

隅角解離は以下の主に問題を引き起こす場合があります。
?低眼圧黄斑症 
目の中を循環する房水の排出量が多くなりすぎて、眼球がしっかりと膨らんでいる事が出来ずに、やわらかくペコペコになってしまい、低眼圧黄斑症といって、網膜に浮腫みがでたり、シワがよったりして視力が下がってしまう事があります。主に外傷直後から、遅くても数ヶ月以内に問題になります。
?緑内障
逆に、房水の流れ方によっては房水の排出が悪くなるなり、目の中に房水がパンパンに増えて、眼圧が上がってしまう事があります。ケガをした直後だけでなく、数年数十年たってから緑内障を発症することもあり、問題ないと思っても、稀には定期検査を受けていただく必要があります。
?まぶしさ(羞明;シュウメイ)
瞳孔・茶目には、目の中に入ってくる光の量を加減する働きがあります。断裂部から光が余分に入ってくると、まぶしさを感じることがあります。
?復視(フクシ)
断裂部から入る光が網膜に映像を結ぶ場合には、瞳孔の中心をとおる正常な映像と、異なる映像として認識されるため、物が2重に見えたりすることがあります。

治療法
根本的な治療法は、手術で断裂部を針と糸で縫い合わせることです。
手術以外では、眩しさや復視を軽減するために、特殊なコンタクトレンズで断裂部を隠すようにしたり、緑内障を発症した場合には、緑内障の目薬をつかったりする場合もあります。
この患者様は、10代の学生なので、できれば上記の合併症が起こらずに、手術が必要にならないといいのですが・・・。

白内障手術:小瞳孔の例

今日は今年の手術初めの日です。
・眼瞼下垂手術 1件
・白内障手術 12件
・網膜硝子体手術(茎離断)2件
 (黄斑円孔 1例・中心静脈閉塞後の増殖網膜症 1例)
みなさん無事に終わりました。
初日ですが、今日もいろいろな症例があり、手術医としてはやりがいがあり、楽しい1日でした[:グッド:]


70代の女性です。5年前から全く見えていないようで、手術を勧められていたとのことですが、決心がつかなかったようで。カサブタだらけでしたが、30分ちょっとで、かなりキレイにとれたので、うつ伏せにならずにすみました。


80代の男性。成熟白内障で光が分かるだけです。コンステレーションのおかげで、10分もかからずに終了です。
(眼科の先生に器械どう?と質問されるのですが、硝子体もいいですが、おもったより白内障がいいです。インフィニティーの安全性に、流量が多く、アキュラスのスピード感が加わったという感じです。)

さて、今日の手術から一つ。
白内障手術:小瞳孔(しょうどうこう)
白内障手術は、多くの場合、数分でかなり安全に終わるようになりました。ただし、上記の人のようにあまりに進行してしまうと、手術は少し大変になります。
今日はそういう症例の一つで、小瞳孔の症例についてです。

瞳孔とは、茶目(虹彩)で形成される、内側の黒目の部分になります。瞳孔は明るい場所では、小さくなって、目の中に入る光を少なくして、眩しさを軽減します。逆に暗い場所では、大きくなって、より多くの光を取り入れようとします。
瞳孔の大きさは自分の意思で変動させるのではなく、自律神経といって、脳ミソが勝手に担当してくれています。糖尿病などで自律神経の働きが悪くなると、瞳孔の働きも悪くなったり、加齢でも自律神経や、瞳孔の筋肉自体が衰えて、動きが悪くなったりします。(一般的に子供の瞳孔は大きめ、高齢者の瞳孔は小さめです。)

手術では上の成熟白内障の例のように、目薬で瞳孔を広げて(散瞳)、濁った水晶体をよく観察できるようにしてから、濁りを取り除いて行くのですが、何かしらの原因で瞳孔が広がりにくい場合には追加の処置が必要になったり、手術の安全性が低下したりします。

今日の70代男性の患者様です。(白内障のみでなく、この後に引き続いて黄斑円孔という手術を行っています。)

緑の矢印が角膜(茶目)の長さに相当しますが、日本人の角膜はだいたい横幅が11mm程度の長さです。瞳孔の大きさ(ピンク)は3mmくらいしかありません。これだと、器械を入れにくかったり、水晶体がよく見えないので、手術の安全性が低下してしまいます。

そこで、

ちょっと乱暴ですが、ハサミでチョキチョキと、茶目(虹彩)に切り込みを入れて、瞳孔を広げてしまうのです。


これで、ちょうと茶目の1/3くらい、4mm程度まで瞳孔が広がりました。


広げた瞳孔から、水晶体の濁りを取り出しています。コンステレーションはこのような症例でも、目の中の安定がよく、切開を含めても白内障の部分は10分もかかりませんでした(黄斑円孔を含めると30分ちょっと)。

瞳孔をあまり大きく切ってしまうと、手術後にまぶしさを感じることがあります。僕は4mmあればまず切ったりしないで、そのままで手術をしますが、3mm以下の場合には安全のために切開をするようにしています。

小瞳孔の原因としては、
?加齢(個人差があります)
?糖尿病
?PE症候群(目の中にフケ状の物が溜まる疾患:組織が弱い)
?ぶどう膜炎の既往がある人
?前立腺肥大の薬を飲んでいる人
?緑内障でサンピロという薬を使っていた人

などがあります。
(今日の人は?でした。最近はサンピロを使う先生は少ないのですが、何年も前から使っていたようで。)

小瞳孔であるだけならば、普通は少し時間がかかるだけで、問題なく終わりますが、他にも手術を難しくする要因があると、リスクが積み重なり、白内障手術と言えど、難しくなる場合もあります。
手術を難しくする因子として小瞳孔以外に、例えば、
奥目の方(器械を目の中に入れにくい)、成熟白内障、緑内障(狭隅角)、チン氏帯脆弱(目の組織が弱い)、角膜混濁(黒目が濁って眼内が見にくい)、顔や体がふるえる、硝子体出血、認知症などがあります。

どれか一つならまず問題ありませんが、
奥目で、小瞳孔で、緑内障があって、末期の成熟白内障で、しかも、顔がゆらゆら動いてしまう。なんていう人の手術は大変です。

上記のようなリスクに1つ、または2つくらい該当する人には、将来3つ目が合併してから手術を考えるよりは、少し早めに手術をするほうが安全です。そのような場合にはこちらから、「早めの方がいいかも知れません。」とお勧めするので、ご検討下さい。

新年の改装? スリットランプ

ブログを初めてもうすぐ10ヶ月。
Q&Aなども利用して頂くこともたまにはあり、社会貢献・眼科医療の理解に少しでも役に立っているといいなと思います。
黄斑変性などの質問を頂いたのですが、きちんとブログを書いていれば、Q&Aという形でなくてもいいのか?と思うと、もっとどんどん病気の記載をしなくてはいけないようです。頑張らなくては。
(迷惑メールのような書き込みも多くなってしまったのですが、どう対応していいのか難しい問題です。なにかいい方法があればいいのですが。)

今日もクリニックのお話です。
以前にブログに書いたのですが、眼科で必ず使う、目を拡大して診察する器械で、細隙燈顕微鏡検査(スリットランプ)という物があります。
2011.10.19 Wednesday
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=5107
このスリットランプですが、手術の器械やOCTなどと違って、あまり開発が進まず、実は10年以上前からほとんど変化がありません。(極最近は照明がLEDの物が出来て、少し省エネだったりしますが、診察の能力には変化がありません。)

当院は殆どの設備が最先端のもので取り揃えてあるのですが、実はこのスリットランプだけは、僕がこの医院に来る前から病院にあるもので、10年弱の歴史物らしいです。

パッと見はキレイなのですが、よーく見ると、皆さんがお顔を乗せるピンク矢印のプラスチックの部分に少しキズや黄ばみがあったり、緑矢印の机の部分は薬品をこぼすなどでシミがあったり、水色矢印の台座は、みなさんの靴や荷物があたるせいか黒ずんでいたりします。
もちろん、毎日机も拭いていますし、お顔を乗せる部分は1人診察するごとに消毒薬でふき取り、顎の部分は新しい紙に張り替えていますので、細菌学的には清潔です。
でも、診察を受けるにあたって、スリットランプは眼科の顔ですし、出来るだけキレイな状態でみなさんを迎えたいと、前々から考えてはいました。
一番いいのは、毎年器械を買い替えることでしょうが、器械のレベルによりますが、実はこれ一台で500万円とかそういう代物です。新しい器械で診察能力が向上するのであれば考えますが、最初に書いたとおり、そういうこともありません。
買うべきか、買わざるべきか、どうしたらキレイになるのか?ずっと悩んでいたのですが、今年は思い切って、セルフリペアに挑んでみました!


まず、抗菌のプラスチックボードを裁断機で幅2cmで切断し、お顔を支える部分のプラスチックが少し黄ばんでいるので、交換をしてみました。


次に、診察装置を一度外して、机の上に病院の内装と同じ模様の、抗菌インテリアシートを張り付けます

最後に、台座の部分を重厚感のある黒のペンキで、ローラーを使って縫ってみます。(塗るのに夢中で写真を取り忘れ、しかも、白のワイシャツに黒いペンキが・・・[:悲しい:])


とってもキレイにできました[:!:]
緑の部分はメガネを置くのに、フェルト生地を張ってみました。
病院の雰囲気ともよく合っていると自己満足ですが、いかがでしょう?
今でもよくペンキ塗りはするのですが、昔、引越し屋さんのアルバイトで、壁の借り換えなんかもやったことがあったので、上手に経験を生かせました。なんでも役に立つものです。

清潔感のあるキレイな病院で患者さんをお迎えしたい。
キレイなまま維持していくことが重要ですが、シートもプラスチックも、緑のフェルトも、まだまだたくさんあるので、適宜交換可能です。また、当院は掃除のスタッフの方も、朝から夜まで、毎日毎日頑張ってくれているので、安心です。
ひとまずこれで、今年の改装は納得がいきました。(病気のポスターはおいおい充実させていきます。)

明日から手術も本格的に再開します。
明日からは、病気の話題・説明の分野で少しづつ進めていきたいと思います。

電気性眼炎・雪眼炎

もう一日ゆっくりさせて頂いて、雪山トレッキング?子供をソリにのせて、お散歩です。

今日はちょっと関連のある話で。
電気性眼炎・雪眼炎
光は、その波長が長いか短いかで色が変わるのですが、
紫外線⇒⇒赤外線
左が短く、右が波長の長い光です。
色を変えた部分は可視光線と呼ばれる光で、人間の目で感じる事が出来る光の範囲です。虹の7色ですね。
紫よりも波長が短いのが紫外線、赤よりも長いのが赤外線になります。
紫外線が皮膚に悪影響(日焼け、ヤケド)を起こすのは、よく知られていますが、紫外線は目にとってもあまりいいものではありません
紫外線の影響により、白内障の進行が早くなったり、加齢黄斑変性症などの重大な病気の発症率が上がることも報告されています。
特に紫外線は、眼球には角膜(黒目)から入ってくるのですが、溶接作業や雪の照り返しなどで、短時間に強度の紫外線が角膜にあたると、日焼けで皮膚の表面が剥けてしまうのと一緒で、角膜の表面の細胞に障害がおこり、角膜の表面の細胞(上皮)が剥がれ落ちてしまう病態が起こります。これを溶接が原因であれば電気性眼炎スキー場などで雪が原因であれば雪眼炎と呼びます。

紫外線を浴びてから、すぐに発症するわけではなく、半日程度たって忘れたころに、両眼に強い痛みを感じ、目が開かない、充血、涙が止まらない。などの症状が起こります。ビックリして、初めてなった場合には救急車を呼んで病院にくることも多々あります。眼科医にとっては、昼間に作業を行っているのに、夜に救急外来に受診となり、夜に病院に呼びもどされるという、やや厄介な病気です(笑い)。

ご本人にはとても痛くて、目が開けられない、救急車を呼ぶほどの辛い病気なのですが、実は病気としてはあまり重大な物ではありません。もともと角膜の他の病気がある人などを除き、ほとんどの人が1日、長くても2日程度で勝手に治ってしまいます
ただし、角膜の表面の細胞が脱落して、表面のバリアがない状態なので、バイ菌がつかないようにはするべきです。溶接作業で何回も繰り返している人などは、そのうち病院には来ないで、自分で治るのをまつ。なんている人もいるのですが、眼科に来て頂いた場合には、感染予防に抗生物質、キズを治しやすくしたり痛みを撮るのに、ヒアルロン酸の点眼薬や、眼軟膏を処方したりします。特に眼軟膏は角膜の表面を油の膜で覆ってくれるので、痛みもかなり和らぎます。眼軟膏をいれて、まばたきで角膜がこすれないように眼帯をする。というのが、一番よい治療かもしれません。

あまり重大な病気ではないとはいっても、電気性眼炎を繰り返していると、角膜が濁ってしまったり、乱視が強くなってしまったり、翼状片という病気の原因になってしまう事もありえます。

溶接作業には本来は資格が必要で、防御マスクをしなくてはいけない事になっているのですが、「短時間だから。面倒だから。」と、マスクをしないで作業をしてしまい、発症してしまった。という人が一番多いです。きちんとマスクをつけましょう。
他には、日焼けサロンでなってしまった人も数名いらっしゃいました。
昨日今日は曇りだったので、我が家もサングラスをサボってしまったのですが、本来は、雪山ではサングラスが望ましいでしょう。(反省)

七草粥

今日は1月7日。七草粥の日です。
お正月の暴飲暴食・お酒で弱った胃を休める為とも、一年の無病息災を願うためとも。
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。これを全部、畑や山で集めてきてお粥を作ったら、風流でカッコいいのでしょうが、最近はスーパーで「七草粥セット」を売っているので、作るのは簡単です。

子供と一緒に季節行事を楽しもう!というのが最近のコンセプトですが、残念ながら、今回は全く食べてくれず・・・。「パンが食べたい。」とかで[:冷や汗:]

ちょうど入院患者さんが途切れていないのと、もともと今日は代診の先生にお願いをしている日なので、突然ですが「雪遊びをしよう!」と、栃木まで遠出をすることに[:雪:]

こちらは大喜びです。ただ、突然の思いつきで出かけたため、スタッドレスタイヤの準備ももなく、10年ぶりくらいに、車にチェーンを取り付けてみたりして、どうにか無事に付きましたがドキドキでした[:結晶:]

最近は日記のようなブログばかりですみません。

新年の改装? ポスター

毎日、寒くなってきました[:結晶:]
調べてみると、24節季で今日は「小寒;しょうかん」とのこと。寒さが厳しくなっていく節目のようです。今日からは年賀状でなく寒中見舞いになるそうで。うーん。昔の人はすごいなぁ。
24節季とは、旧暦を使っていた時代に、太陽の軌道ひと周りを24等分して、季節の変化を把握するための物らしいです。
立春や、啓蟄、夏至、冬至、大寒などはよく耳にしますが、いろいろ勉強してみると面白い[:見る:]24節季をさらに3等分して、季節の表現をする72候というのもあるみたい。おいおい勉強して行こう。

さて、まだ完全には正月気分が抜けず、病気の話題はもう少しあとにして、今日も新年の改装を行ってみました。
ブログを見てくれる患者様はいいのですが、当院のような手術ばかりの眼科にくる方は、インターネットには触れない、高齢の方が圧倒的に多いのです。病院の事や病気のこと、知って頂きたいことがあっても、「ネットでみてね!」なんてわけにはいかず。
個別の症状に関しては、診察室でパンフレットを渡したり、待合室に既成の病気のパンフレットを置いたりもしています。
ただ、眼科の一般的なお話や、医院の特徴、治療理念などは、院内の掲示物として見て頂くのがよいかと思っています。

昨年作成したポスターが、汚れたり、ヨレヨレにシワが入っていたり、なんだか情けないので、全て作りなおしてみました。

矢印のあたりです。
古いポスターなどを、とにかくいっぱい張っているのはカッコ悪いし、統一感のないポスターもあまり好みでないので、同じ書式でいろいろ作ってみました。自己満足ですが、キレイに出来たなと。

院内の雰囲気・景観を損なわない程度で、もう少し張れるスペースがあるので、今月中に「白内障について」や、「網膜硝子体手術について」、「緑内障について」なんていうポスターも作成してみます。みなさんの待ち時間が、少しでも有意義なものになればいいなと思います。