白内障手術:小瞳孔の例

今日は今年の手術初めの日です。
・眼瞼下垂手術 1件
・白内障手術 12件
・網膜硝子体手術(茎離断)2件
 (黄斑円孔 1例・中心静脈閉塞後の増殖網膜症 1例)
みなさん無事に終わりました。
初日ですが、今日もいろいろな症例があり、手術医としてはやりがいがあり、楽しい1日でした[:グッド:]


70代の女性です。5年前から全く見えていないようで、手術を勧められていたとのことですが、決心がつかなかったようで。カサブタだらけでしたが、30分ちょっとで、かなりキレイにとれたので、うつ伏せにならずにすみました。


80代の男性。成熟白内障で光が分かるだけです。コンステレーションのおかげで、10分もかからずに終了です。
(眼科の先生に器械どう?と質問されるのですが、硝子体もいいですが、おもったより白内障がいいです。インフィニティーの安全性に、流量が多く、アキュラスのスピード感が加わったという感じです。)

さて、今日の手術から一つ。
白内障手術:小瞳孔(しょうどうこう)
白内障手術は、多くの場合、数分でかなり安全に終わるようになりました。ただし、上記の人のようにあまりに進行してしまうと、手術は少し大変になります。
今日はそういう症例の一つで、小瞳孔の症例についてです。

瞳孔とは、茶目(虹彩)で形成される、内側の黒目の部分になります。瞳孔は明るい場所では、小さくなって、目の中に入る光を少なくして、眩しさを軽減します。逆に暗い場所では、大きくなって、より多くの光を取り入れようとします。
瞳孔の大きさは自分の意思で変動させるのではなく、自律神経といって、脳ミソが勝手に担当してくれています。糖尿病などで自律神経の働きが悪くなると、瞳孔の働きも悪くなったり、加齢でも自律神経や、瞳孔の筋肉自体が衰えて、動きが悪くなったりします。(一般的に子供の瞳孔は大きめ、高齢者の瞳孔は小さめです。)

手術では上の成熟白内障の例のように、目薬で瞳孔を広げて(散瞳)、濁った水晶体をよく観察できるようにしてから、濁りを取り除いて行くのですが、何かしらの原因で瞳孔が広がりにくい場合には追加の処置が必要になったり、手術の安全性が低下したりします。

今日の70代男性の患者様です。(白内障のみでなく、この後に引き続いて黄斑円孔という手術を行っています。)

緑の矢印が角膜(茶目)の長さに相当しますが、日本人の角膜はだいたい横幅が11mm程度の長さです。瞳孔の大きさ(ピンク)は3mmくらいしかありません。これだと、器械を入れにくかったり、水晶体がよく見えないので、手術の安全性が低下してしまいます。

そこで、

ちょっと乱暴ですが、ハサミでチョキチョキと、茶目(虹彩)に切り込みを入れて、瞳孔を広げてしまうのです。


これで、ちょうと茶目の1/3くらい、4mm程度まで瞳孔が広がりました。


広げた瞳孔から、水晶体の濁りを取り出しています。コンステレーションはこのような症例でも、目の中の安定がよく、切開を含めても白内障の部分は10分もかかりませんでした(黄斑円孔を含めると30分ちょっと)。

瞳孔をあまり大きく切ってしまうと、手術後にまぶしさを感じることがあります。僕は4mmあればまず切ったりしないで、そのままで手術をしますが、3mm以下の場合には安全のために切開をするようにしています。

小瞳孔の原因としては、
?加齢(個人差があります)
?糖尿病
?PE症候群(目の中にフケ状の物が溜まる疾患:組織が弱い)
?ぶどう膜炎の既往がある人
?前立腺肥大の薬を飲んでいる人
?緑内障でサンピロという薬を使っていた人

などがあります。
(今日の人は?でした。最近はサンピロを使う先生は少ないのですが、何年も前から使っていたようで。)

小瞳孔であるだけならば、普通は少し時間がかかるだけで、問題なく終わりますが、他にも手術を難しくする要因があると、リスクが積み重なり、白内障手術と言えど、難しくなる場合もあります。
手術を難しくする因子として小瞳孔以外に、例えば、
奥目の方(器械を目の中に入れにくい)、成熟白内障、緑内障(狭隅角)、チン氏帯脆弱(目の組織が弱い)、角膜混濁(黒目が濁って眼内が見にくい)、顔や体がふるえる、硝子体出血、認知症などがあります。

どれか一つならまず問題ありませんが、
奥目で、小瞳孔で、緑内障があって、末期の成熟白内障で、しかも、顔がゆらゆら動いてしまう。なんていう人の手術は大変です。

上記のようなリスクに1つ、または2つくらい該当する人には、将来3つ目が合併してから手術を考えるよりは、少し早めに手術をするほうが安全です。そのような場合にはこちらから、「早めの方がいいかも知れません。」とお勧めするので、ご検討下さい。

眼内レンズ縫着術

今日の午後は手術です。(今日は両眼手術の人が少なめでした。)
・抜糸 1件(数年前の斜視の手術の糸が出てきてしまった)
・白内障手術 3件
・眼内レンズ縫着術 1件
・網膜硝子体手術 3件(糖尿病網膜症2件、網膜中心静脈分枝閉塞症1件)
以上は、みなさん無事に終わりました。

ただし、残念ながら・・・。
95歳の女性で、両眼とも高度の白内障が原因で、ほとんど見えていない患者様なのですが、認知症の問題で、手術の準備・消毒などの段階で中断に・・・。
手術でよく見えるようになりそうなのですが。
はじめから、ご家族の方とは相談してあって、認知で手術ができないかもしれないけど、もしできたら、とってもよろこんでもらえる!、もしかしたらできるかも!と、楽しみにしていたのですが、残念です。
視力の回復で認知症が改善するとの報告も多く、どうにかしてあげたいのですが、95歳だと全身麻酔をかけることも難しいですし。局所麻酔では暴れてしまうと危険ですし。困りました・・・。

さて、今日は白内障手術の特殊例のお話でも。
眼内レンズ縫着術(がんないれんずほうちゃくじゅつ)

以前のブログ(2011.09.05 Monday)で、記載しましたが、白内障の手術はレンズをまるまる交換するわけではなく、レンズ(水晶体)を覆っている袋を残して、中の濁りを取り出し、袋のなかに新しい眼内レンズを置いてくる。という手術が一般的に行われています。
ただし、外傷や生まれつきなどで袋の状態が悪かったり、手術で失敗して袋を破いてしまったり(破嚢)、目に合わないレンズを交換する場合の一部などで、レンズを挿入するための袋が使用できない場合があります。
このような場合には、レンズを固定する支えがないので、人工的に手術で、目の中にレンズを縫いつける。という作業が必要になります。

今日の手術は、
以前に紹介した、水晶体落下で紹介、緊急の硝子体手術で、水晶体をまるまる除去してしまった77歳女性の患者様です。(⇒2011.08.26 Fridayのブログ)
外傷なのか、もともとなのかは詳細不明ですが、当院に来た時にはレンズは袋ごとズレてしまい、目の奥の方まで器械を入れて、まるまる切除をしています。
レンズが入っていないと、極度の遠視となってしまうため、牛乳瓶の底みたいな厚いメガネをかけないと、ピントが合いません。
前の手術から2ヶ月がたち、だいぶキズ口も安定してきたために、今日はレンズを縫いつけることにしました!

以前から、この術式をどうやっているのか?と、知り合いの先生、数名から質問を受けていたので、このブログで書いてみます。(ちょっと専門的にな部分は茶色にしてみます。)


まずは、消毒をして、テノン嚢下注射と呼ばれる、目の後方への注射麻酔を行います。


次に白目を覆っている結膜という組織に少し切り込みを入れます。
切り込みは、黒目の少し左下と、対角線上の右上に2か所作ります。


結膜を切ると、強膜と呼ばれる白い、硬い膜が出てきますが、この部位にも切れ込みを入れます。ここは、あとでレンズを縫う糸の結び目が隠れるようにするためのものです。
(クレセントで、縫着予定の部位の少しだけ上方に、強膜に水平にポケットを作ります。予定手術での縫着の場合には眼球への穿孔前にポケットを作ると、眼圧が保たれていて、やりやすいです。穿孔してからだと、低眼圧でベコベコになってしまうので。前もって準備がきちんとできてさえいれば、前房メインテナーは不要です。メインテナーもたまに使いますが、だいたい少しデスメにシワがよって、術後数日視力が下がってしまいます。)

次に、実際にレンズを入れるキズ口を作ります。

この患者様は、黒目(角膜)の上方、写真では下側にキズ口を作りました。
(4mmで三面切開)


写真で黒目の下のキズ口(黄緑)から、新しいレンズに縛り付けてある針と糸をいれ、初めに作った黒目右上のキズ口の近く(水色)から針を出し、縫いつけます。

同じように、黒目の左下のキズ口にも針を通して縫いつけます。
(正確に対角線上、輪部2mmを目指すのに、カウヒッチ法でやっています。迎えは25Gか27Gを使います。)

すると、こんな感じ。

赤やじるしの先の黄色が眼内レンズなのですが、糸も細くて見えないし、ちょっと分かりにくいですかね。イラストで描いてみますと、

黄色がレンズです。丸いレンズには支えになる部分として、水色の足がついているのですが、この足の部分に糸が縛り付けてあります。この糸の先には針がついていて、黒目の下のキズ口から針を目の中に入れて、白目に作ったポケット(黒線)の近くから、針を目の外に出します。


アクリル製のレンズは、やわらかく、2つに折りたたむ事が出来るので、丸いレンズの部分は直系が6.5mmあるのですが、2つに折りたたむと4mmのキズから目の中に入れることができます。

最終的に、白目から出ていた針と糸を、しっかりと結び付けて(青矢印)、結び目をはじめに作った白目のポケットの中に隠します。(隠さないと、ゴロゴロ痛みの原因になってしまいますので。)

右上の部位でも同じように、白目に糸をしっかりと縫いつけます。


最後に、結膜を覆いかぶせて、熱凝固で、くっつけたらお終いです。
キレイに出来ました。


質問を受けていた、S先生やK先生に。
以前は、MAなどのレンズをインジェクターで挿入後に、ハプティクスを一度出して、糸を縛って・・・。という方法が多かったのですが、確かに2.8とか3mmで、キズが小さいのですが、糸を縛り付けたり、眼内でレンズを回したりが煩雑で、手術時間が30分程度必要でした。
2つ折りの4mmでと思えば、入室前に、糸をIOLに縛り付けるところまでやっておくことで、手術自体の時間、眼球に創がある時間は上記の半分以下で出来るので、感染症などのリスクは大幅に減りますし、操作も簡単で、レンズを回したりで、稀に少量の虹彩出血などがあるかと思いますが、そういった心配もありません。虹彩触ると痛いようですし。
しばらくは、僕はこの術式でいこうかと思っています。

糸はp-c9、レンズはS先生に教えて頂いたのですが、YA-65BBがハプティクスにふくらみがあって、糸がズレたり抜けたりする心配がなくて、いいなと思っています。


レンズへの縛り方は、こんな感じです。p-c9は糸がループ状になっていますが、
?まず普通に一回縛って、しまいます。なるべくキツメに。
?新しくできたループ側をハサミで切ります。
??切ってできた2本の間に、ハプティクスを入れて、縛ります。?でキツク縛っても、やはり緩む事があるので、縛るときに、レンズ側にできた糸のループの間に縫合するほうの断端を1?2回通すと安心です。

眼内レンズ交換

新米の季節ですね[:食事:]
風評被害など、いろいろと農業関係の皆様も大変と思います。
今日、茨城の新米を食べましたが、とってもおいしかったです[:グッド:]

今日の昼休みは、以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
・眼内レンズ交換 1件
無事に終わっています。

今日の手術から一つ話題を。
眼内レンズの交換
白内障手術後の眼内レンズのお話です。
以前にレンズがズレてしまって(脱臼)、整復するといったブログを書いたことがあります。2011.09.13 Tuesday
今回は、ズレてはいないのですが、レンズが濁ってしまったり、遠視・近視などの度数が予定外にズレてしまった場合の手術です。

濁り
以前に記載した、「後発白内障 2011.06.27 Monday」とは別で、レンズが交換になる濁りは、レンズ自身が濁ってしまう場合です。
眼内レンズが濁ってしまうというのは、難しい問題で、最近のレンズは数十年とか、一般的な余命の間はまず濁らない。ということで使用されているのですが、この何年持つというデータは、耐久試験のような形で、試験管のなかなどで過酷な状況に置いて、推測し、発売元の企業などや発表したり、研究者たちが各レンズを比べたりして発表するするデータです。
実際に人間の目の中で、50年とかのデータを取っているわけではなく、残念ながら、10年20年前に手術をした人で、挿入した人工のレンズが白っぽく濁ってしまう患者様がおられることが分かってきました。
全員が濁るわけではありませんが、相性などの問題もあって、レンズが濁ってしまうことがあるようです。

度数エラー
最近の白内障手術は、目にピッタリとあったレンズと交換することで、ど近眼の人が裸眼で運転が出来るようになったり、遠視の方が裸眼で新聞が読めるようになったり、遠視や近視の度数を、かなりの精度でコントロールすることが可能になりました。
この2年くらいは、乱視まで和らげる技術も進歩し、僕はこの度数に異常に??こだわっています。
病院ホームページ
(どんな難症例でも乱視用レンズを使用するせいか、よく、眼科医仲間からも、やり過ぎだと言われます。でも、なんだか裸眼での視力にこだわってしまって。少しでもよく見えるようになったらいいなと。)

手術前の検査でピッタリのレンズを選ぶのですが、残念ながら、測定に誤差があったりして、思ったより遠視になってしまったり、近視になってしまうことがあり得るのです。
最近は、専門的なっていまうのですが、±0.5Dという近視や遠視の誤差の範囲で手術ができることがほとんどです。それが、もしも、±1.0D以上ずれた場合には、予想していた見え方とかなり異なる結果となってしまいます。
(一応当院では、±1.0D以上のズレがあって、希望がある場合には無料で交換するとしているのですが、開院後の1年半では交換が必要になった症例いらっしゃいません。)

では、本日の患者様です。右目の白内障手術を2?3年ほど前に、どこかの病院様で手術を受けたとのことです。
手術後からピントが合いにくいとのことでしたが、メガネが嫌いで我慢していると。測定してみると、+3Dという遠視で、たしかに、メガネがないと0.1位しか見えていないようです。

手術開始時の写真です。

レンズの度数はズレテいますが、特に曇ってはおらず、レンズ自体はキレイです。


もともと入っているレンズは、目の中の組織と癒着をしてしまっていますが、ゼリー状の薬をいれつつ、針などを使って、できるだけキレイに剥がします。。


レンズは6mm程度の大きさがありますが、取り出すためとはいえ、黒目を6mmも切ると、かなり大きなキズになってしまいます。黒目(角膜)を3mm程度切開し、そこから、ハサミをいれて、古いレンズを目の中で真っ二つに切ってしまいます。


レンズが上下に真っ二つに切れているのが分かりますか?こうすることで、半分の3mmのキズから取り出すことができます。
(以前、1/4とか切って、回しながら取り出す。なんて手法を見たことがありますが、できるだけ正確に半分に切れば、ハサミで1回二つにきるだけで、3mmのキズ口で手術は十分可能です。)


キズ口から、半分に切ったレンズを引っ張り出します。やや黄色いレンズが分かりますか?もともと他院様での手術ですが、着色レンズと呼ばれる、新型のレンズを入れて頂いていたようです。


ここは専門的なのですが、白内障手術後の、あまり時間がたっていない時には、レンズの癒着が少なく、簡単にキレイに取れてしまいます。ただし、レンズの混濁の場合など、手術後に数年たっているような場合には、レンズと目の中の組織の癒着がかなり強くなってしまいます。この癒着を全て取ろうとすると、時間がかかったり、無駄に眼内の組織を傷つけてしまうことがあり、僕は、癒着が強いなと思ったら、癒着の強いレンズの支えの部分(足)は切って、目の中に残してしまいます(緑矢印)


癒着の強い足を切ってしまったところです(矢印が残った足)。
この部分は目の中に残しても、全く問題ありません。

残りのレンズも取り出してしまって、

遠視・近視の度数を変更した、新しいレンズを目の中に挿入します。
小さく折りたたんで、目の中にいれてから、中で開きます。


最終的にはこんな感じ。レンズを入れるより、取り出す方が大変で、
今日は全部で12分くらいかかりました。
乱視も補正するために、黒目の横(右側)から手術をしたので、少しやりにくい症例でしたが、その方が裸眼の視力が良くなりますので。

当院で開院後の1年半でレンズを交換した患者様は12名。(全員、もともとは他院様での手術です。)
度数エラーが6名、レンズの濁り(混濁)が6名です。おそらく、今後なにかと増える手術でしょう。
(2013年追記:このブログ記載以降、眼内レンズの交換目的に日本全国から患者様にいらして頂いており、症例数は伸び続けています。)

白内障手術は1回しか出来ないんでしょ?」と、
よく質問されるのですが、そんなことはありません。安全にできれば何回だって出来ます。
手術が出来ないのではなくて、普通はする必要がないのです。
(手術後にしばらくして、見えにくくなったとしたら、それは白内障の再発ではなくて、別の病気が出てきているのです。)
もしも、レンズが濁ってしまったり、度数がズレてしまったら、交換することが可能です。

ただし、レンズの交換は、手術後に時間がたち過ぎて、目の中の癒着が強くなってしまうと、難しくなってしまう場合もあります。
白内障の手術後で、見え方が悪いなと感じたら、是非一度、そして早めに当院を受診してみて下さい。

注?)
レンズの混濁は、交換することが唯一の治療法ですが、度数エラーの場合には、最も成績の良い治療はレーシックや、高齢者ではPRKというレーザー手術です。ただし、レーザー手術は自由診療であり比較的高価です。レンズ交換は保険がきくため、1割負担の方では日帰りで15000円以下で可能です。よく担当医と相談しましょう。

注?)
レンズの交換は比較的安全な手術ですが、目の組織が弱いなど、症例によっては難しい場合もあります。僕自身、交換の手術は多い方だと思いますが、これまでの人生で、1例のみ交換ができずに途中で諦めたことがあります。(当院でではないのですが、小美玉市医療センターで5月に手術のH様。申し訳ありません。)
手術後の見込みなど、担当の先生とよく相談して決めるようにしてください。

長くなってしまいました、最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

眼内レンズ偏位・脱臼

今日の午後は開業医様で白内障手術を8件行いました。無事に終わっています。

白内障手術は濁った水晶体と、人工の眼内レンズを交換する手術です。
人工の眼内レンズは、通常は50年とか基本的に一生涯もつので、白内障手術は人生で一回行えば、2度行う事はありません。
ただし、たまには不具合が生じて、再度手術を行う事があります。

眼内レンズ偏位・脱臼(がんないれんずへんい・だっきゅう)
挿入した眼内レンズがズレてしまった状態です。
ズレている程度によって、偏位(ちょっとズレ)、亜脱臼(まずまず)、脱臼(目の奥の方まで落ちる程のズレ)と呼びます。

原因はぶつけてしまったことであったり(外傷)、もともとレンズを支える構造が弱い(加齢や偽落屑症候群)、白内障手術での合併症(破嚢)などが原因になります。

レンズがずれると、急激に視力が低下したり、目の中の水の流れに変化が起こり、眼圧が上がる緑内障と呼ばれる病態が出ることもあります。

8月29日に手術をした89歳の男性です。
以前に他院にて白内障手術を受けたとのことです。

矢印の部位にレンズの上縁が見えますので、レンズが下方にズレているようです。
図で表すと、

通常は上のようであるのが、下図のように下方にズレています。

目の中に入っているのはこんな感じのレンズのようです。


手術の写真は上下反対になります。レンズが上の方に向かってズレテいます。赤の矢印の部分にレンズの足が見えます。


白目から器械を入れて、レンズを前の方に押し上げます。


緑矢印のあたりに1mm程度のキズをつけて、青矢印のようにレンズの足を目の外に出します。


レンズの足の部分に細い糸を縛りつけ、同じ糸を白目の部分に縫いつけるなどします。青矢印は目の中を針で縫っています。同じことをもう片方のレンズの足で行います。


最終的にはこんな感じ。

日帰りで行って、外来はご自宅近くの小美玉市医療センターでのfollowとなったため、まだ術後の写真は撮っていないので、術後の写真が手元にはないのですが。
手術は上手くいったと思うのですが、今回の手術はキズ口が1mm程度と、非常に小さいのが良いことですが、目の中での操作が、けっこう窮屈でやりにくいため、時間は30分ちょっとかかりました。
4mm程度キズ口を作って、古いレンズを取り出して、新しいレンズを縫いつけた方がよほど早く出来るようです。今後はどうしよう。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

白内障手術(水晶体超音波乳化吸引術)

今日はお昼に以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
問題なく終わりました。
外来が午前・午後で88名とやや多く、お待たせした患者様もいらしたと思います。出来る限り待ち時間を減らしていきたいと思います。

今日は白内障の手術のお話です。
白内障手術(はくないしょうしゅじゅつ)
白内障は目の中にある水晶体というレンズが濁る・曇る病気です。
水晶体には若ときには、近くを見たり、遠くを見たりと、ピントを合わせる機能があります。加齢に伴って、この機能が失われると「老眼」と呼ばれる症状がでます。さらに、加齢が進むと、水晶他が濁ったり、曇ったりして「白内障」と呼ばれ、かすみ目や視力低下の原因となります。
現在の医学では白内障は手術以外では治せません。手術で新しい、人工の眼内レンズと交換すると行ったことを行います。
白内障手術は眼科の中で最も多数行われる手術であり、日本中でなんと、1年間に約100万件が行われます。
僕が1年間に行う白内障手術は、他の病院様での非常勤手術などを含めても1000件くらい。日本で行う手術の1000分の1、0.1%にしかなりません。
そこら中の病院で、毎日毎日行われているんです[:びっくり:]

手術では、仰向けに寝て頂き、まずは麻酔の目薬をつけます。
次に、消毒を念入りに行います。

イラストでは水色の部分が白内障の濁りになります。実は、レンズの全体が全て濁って、交換するわけではなく、イラストでいうと赤い袋に包まれた、水色の部分の濁りを、赤い袋を残して、水色の部分を掃除する手術です。

目玉を取り出すの??と良く質問を受けますが、そんなことありません。
仰向けに寝て、まぶたを大きく開く器械をつけ、僕たちが上からのぞきながら手術をします。

まずは、こんな感じで2mm程度のキズを黒目や、白目の部分に作り、目の中に器械などを入れる通り道を作ります。


次に、レンズを包んでいる袋の一部に穴をあけます。


この方は、レンズの濁りを小分けにする方法として、プレチョップという器械を使って、写真では左右に濁りを分割しています。
(僕は手術中のまぶしさを減らすために、あまり強い光を使わないため、写真が暗くなってしまします。見えにくいかもしれませんが、すみません)


濁りをある程度、小分けにしたら、今度は超音波と言って器械の先から振動を出す掃除機を入れます。振動で濁りを粉々に砕きながら、掃除機のように吸い出してしまうのです。


濁りを取り出して、キレイな袋だけの状態になったら、眼内レンズ(矢印)という新しいレンズを、小さく折りたたんで目の中に入れます。目の中でレンズを開いて、袋の中に固定します。(最近は、レンズを小さく折りたたんでいれ、目の中で開くことで、小さな傷口で手術ができるようになりました。)


最後は目の中に入れた薬などを洗い流して、おしまいです。

普通の症例ですと数分で終わってしまいますが、稀には特殊な症例があり、手術の方式を変えるなど、特殊な処置を必要とする患者様もいます。
どのような手術方法を選択するかは、担当の医師とよく相談しましょう。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

水晶体脱臼(落下)

今日は緊急手術などもなく、落ち着いた日でした。

先週の木曜、今週の火曜日と緊急で手術を行った、水晶体脱臼のお話です。
水晶体脱臼(すいしょうたいだっきゅう)

8月18日、19日のブログにも書きましたが、水晶体と呼ばれる、目の中のレンズが、正規の場所からずれてしまう状態です。
図でみるとこんな感じ。

レンズがズレてしまう原因は、生まれつきレンズの支えが弱い人や、病気、加齢、外傷であったりしますが、白内障手術の失敗などでも同じような状態になります。

レンズが目の奥に落ちてしまうと、光を曲げる(屈折)する力がなくなり、ピントが全く合わないために、ほとんど見えなくなります。また、今回の症例のように、目の中の水の流れに変化を起こして、緑内障という状態を引き起こしたり、目の奥の組織を傷つけて、網膜剥離という重症の病気を起こす事もあります。
ですので、目の奥まで落ちてしまったレンズは、基本的には取り除いて、白内障手術のように、新しいレンズを入れる必要があります。
目薬一回で、ずれた水晶体が溶けてしまうと楽なのですが、そういう医学はありませんので、治療法は手術になります。

手術は大きく2つの方法です。
?目の奥の方で頑張る手術(網膜硝子体手術)

18日の女性はこちらです。眼球後方、網膜や硝子体に起こる病気のための手術で、奥の方まで器械を入れて、落ちてしまったレンズ(水晶体)を取り除きます。特殊な液体をレンズの下にいれて、網膜を傷つけないように行えば、傷口も小さく負担が少ない手術です。

こんな感じで、目の奥まで器械を入れます。

赤矢印でさした白い円形の物が、落下した水晶体です。青矢印が硝子体カッターといって、掃除機のような器械です。本来は硝子体カッターはもっとデリケートなものを吸い出す器械で、水晶体(白内障)を吸い出すのは結構時間がかかります。固い水晶体を吸いづつけると壊れてしまうため、この日はカッターを3本も使用して手術も40分以上かかりました。
ただし、眼球のキズはとても小さくてすむため、日帰りで帰れましたし、翌日には矯正視力0.5まで改善しています。

?レンズを引き上げて、黒目の脇から取り出す手術

レンズがもとの場所からちょっとだけズレた場合には、こちらの手術が優先です。(硝子体や網膜を傷つけるリスクがないため)
23日にレンズを取り出した男性は、目の奥までレンズが落ちていたのですが、水晶体があまりに固くて、途中で硝子体カッターで吸うのを諦めて、黒目の脇から取り出しました。硝子体の中をパーフルオロンと言う液体で満たすと、目の奥に落ちていたレンズが浮き上がってきます。

レンズが瞳孔付近に見えるようになったら、黒目の脇にナイフでレンズを取り出す傷口を作ります(青矢印)
(普通は黒目の上方にキズを作りますが、この方は、19日に緑内障手術をして、上方にはそのキズがあるので、仕方なく横?下方に作っています。)

傷口からレンズを取り出します。

傷口が大きいために、キズを縫います。(抜糸は必要ありません)

最終的にはこんな感じ。硝子体カッターで吸うのは早々に諦めたため、手術自体は30分程度と短時間で済みますが、傷口が大きいため、しばらく乱視が大きくなったり、術後にゴロゴロとした痛みがあります。
特に合併症もなく順調ですが、緑内障の傷口のコントロールも必要であったため、結局1週間入院し、明日退院です。

本来は、白内障手術でもそうですが、レンズ(水晶体)をとる手術では、新しいレンズ(眼内レンズ)を挿入することが必要です。
今回のような患者様は、緊急で手術をするために、前もって正常な状態での検査ができていないため、ピッタリ合うレンズの準備ができません。
ですので、メガネなしで本当によく見えるようにするためには、数ヵ月後に傷口が落ち着いてから、再度手術をしてレンズを入れる必要があります。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

成熟白内障

今日は以下の手術を行いました。
・眼瞼下垂症手術 1件
・白内障手術 6件
・緑内障手術 2件
みなさん無事に終わりました。

が、最後の1名の白内障がとっても手こずりました・・・。

成熟白内障(せいじゅくはくないしょう)
白内障の濁りが極端に強い場合は、専門的には成熟白内障などと呼ばれます。簡単にいうと末期です。
当院ではなぜだか、毎週毎週、成熟白内障の手術があるのですが、先日記載した通り、
8月1日 ブログ「白内障の程度」
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4923

あまりに進んだ白内障は、ちょっぴり手術が大変になります。

今日の最後の方ですが、手術前の視力は手動弁といって、0.01未満です。

通常の症例では使用しないのですが、このような強い白内障の場合は、
手術時に特殊な青い色素で、水晶体嚢と呼ばれる濁りを包む袋状の組織を、青色に染めて手術をやりやすくする必要があります。

左が染色前、右が青い色素を入れているところです。
(一般的な手術画像よりも、かなり暗い状態で手術をしていますので、写真が暗くて、良く分かりにくいかもしれません。)

その後、超音波という振動を利用して、濁りを砕きながら吸い出します。
成熟白内障では、濁りが硬いので、砕くのにも時間がかかります。
(当院ではプレチョップ法や、傷口の大きさや機械の細さなどは、乱視など個々の症例によって使い分けていますので、みなさん同じ方法ではありません。この写真はこの患者様のための手術法です。)

この方は全体で10分以上かかり、午後の外来に遅れないかヒヤヒヤしました。
ただし、今日は手術にかかった時間と言うよりも、とにかく目が動いてしまって、手術を始めること自体に手こずりました。
手術では、眩しさから目がキョロキョロしてしまう人が多いのですが、
当院では、まぶしさを軽減するために、とても少ない光で手術を行っています。
(専門的にはLumeraT:S88で、光量0.5の最小値、フィルターを利用して中心外は光量なし)
ですので、強いまぶしさをうったる人は皆無で、僕が「青い光を見ましょう」というと、基本的に全員がキチンとまっすぐ前を見ることができます。

今回は、視力があまりに悪いために、青い光を見ることができずに、さらに緊張してしまって、目がキョロキョロ動いてしまったようです。

手術は無事に終わり、入院の患者様なのですが、先ほど診察したところ、「もう両眼ともに手術前より、よっぽど見える!」とのことで、安心しました。手術前がほとんど見えない分、手術後の見え方の満足度が大きいのは成熟白内障の良いところ??(僕たちも喜んで頂けると嬉しいので。)でも、手術が大変なのは嫌なところです。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

白内障の程度

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 6件
・眼瞼腫瘍切除術 1件
みなさん無事に終わっています。

白内障(はくないしょう)
白内障手術の手術の時期に関しては、3月28日のブログをご参照ください。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4923
基本的には、「ご希望があれば手術をしましょう。」という方針です。

ただし、一般的には手術は早目、例えば視力が0.7とかで、運転免許証の更新のために受ける。といった方が手術が簡単です。
最近はほとんどの患者様の手術が数分で出来る時代になりました。
でも、全員が出来るわけではありません。

今日、実際に、当院で手術を申し込んだ患者様の写真です。


こちらの2名は、矯正視力が0.5程度の患者様です。瞳のなかが濁っていますが、水晶体が白から緑がかって濁っています。このような症例では、ほとんどが4分とかで手術が可能です。


こちらは、散瞳をしていない(瞳を開いていない)ので、分かりにくいですが、瞳孔の中心部がかなり白く濁っています。視力は手動弁といって、影の動きが分かるか分からないかです。このような症例は、手術を安全に行うために、水晶体に色を付けるような作業が追加されるため、一般的な症例よりは2分くらいは手術が長くなります。


この方も、0.01程度の視力ですが、水晶体(白内障)がやや茶色みがっており、濁りがとても硬くなっています。硬い濁りを、小さく砕いて手術をする作業に時間がかかり、手術は10分弱かかります。


こちらの方も手動弁とほとんど見えません。しかも反対目も白内障と緑内障で0.1程度・・・。右側の写真は同じ目を少し撮影方法を変えて写真を撮っています。濁りが茶色でとても硬そうです。やはり10分弱かかります。

手術が長くなると、手術後の炎症が強くなったり、手術自体が少し痛みがあったりすることが多くなります。
また、濁りが強くて、視力の悪い症例は、手術前の検査が上手にできなくなったりして、目の中に入れるレンズの度数合わせが難しくなります。(例えば、裸眼で運転免許を目指すなどの良好な視力を目指すのが困難に)

手術はいつでもいい。何歳でもお引き受けします。とは言っているのですが、あまりに遅くなると、手術をする方も、される方も、お互いに大変かもしれません。
両眼ともに0.1以下になって、はじめて「見えにくい。」と来院される方が、ほぼ毎日きます。できれば、高齢の患者様の御家族のかたは、2?3m離れたカレンダーが見えるかどうかチェックしてみて、文字がはっきり読めないようなら一度受診を勧めて頂ければと思います。
なんの病気も早いうちに治した方が楽な場合もありますよね。

やっぱり石岡市は重症例が多い[:冷や汗:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

後発白内障

今日は午前の外来が60名、夕方が20名でした。
お昼の手術は、白内障手術 8件でした。
みなさん無事に終わりました。

後発白内障(こうはつはくないしょう)
最近の白内障手術は簡単になった。という認識は、多くの方に広まっていると思います。
白内障手術は、濁った水晶体を取り出して、新しい水晶体を取り出す。ということが行われます。
20年くらい前には、黒目の周りを半周近く切り開いて、濁った水晶体をそのまま取り出し、新しい水晶体を眼内に縫いつける。なんてことが行われていました。
近年の手術は、実は水晶体の全てを取り出すわけではなく、水晶体が包まれている袋を残して、袋に包まれていた中心部の濁りだけを取り出し、袋のなかに新しい水晶体を入れる。という事をします。レンズを縫いつけたりする必要がないため、手術の時間が数分などの非常に短時間で終わるようになりました。

後発白内障は白内障手術の後に、数か月とか数年とか経ってから、レンズを包んでいた袋が濁ってしまう病気です。
手術の時には、出来るだけ濁りを取り除くのですが、細胞レベルでは多少の残存があり、そのような細胞が増殖してしまうと起こってしまいます。
袋が濁ってしまうと、患者様は濁りを通して物を見る必要があり、やはり視力が下がったり、かすむ。という症状が現れます。

治療法は、とても簡単で、YAGレーザーというレーザー光線を濁りにあてて、濁りを弾き飛ばしたり、移動させるような方法をとります。
ほとんど合併症はなく、普通は5分弱の治療で、費用も1500円程度です。

本日、初診となった女性の患者様です。
3年ほど前に、他院様で白内障手術を受けたようです。

左が来院時のものです。中心部がスリガラスのように、やや白っぽく混濁しています。
右が治療後です。中心部の濁りが除去されて、濁りがなくなり黒っぽく写っています。写真ではまだまだ濁りの部位が大きくありますが、写真は散瞳といって、薬を使用して瞳孔を広げてあり、普段の瞳孔はこれほど大きくないので、視界には濁りは入りません。
この方は、目の中のレンズがずれているような状態で、ちょっと慎重に行いましたが、問題なく終了し、きっと今頃良く見えるように回復していると思います。
(眼科医の先生も見ることがあるようなので。一応詳しく解説。専門的には、眼内レンズの下方がon the bag、上方はin、耳側3時にIOL偏位、donesis+の症例です。当院では十字切開と同じく、後嚢を硝子体腔に落とすのでなく、後方に開くように行っていますが、中心部のクラックなど、万が一の安全性を考えて、瞳孔中心には照射せず、中心を避けて6方向に切り取るような照射をしていますので、一般的な切り口とは異なる印象を受けるかもしれません。)

後発白内障は、このようにとても簡単に治るので、
「白内障手術の後、しばらく眼科にかかっていないけど、最近視力が下がったな。」と思うような人は、一度眼科にかかってみましょう。

最近は手術の顕微鏡や、器械の開発が進歩し、手術時に濁りが残存することが減っていたり、新しく移植する眼内レンズの素材や形状の開発もとても進んでおり、後発白内障が起こることが少なくなっています。

後発白内障が起こりやすくなるリスクは、
・若い年齢での手術(アトピー性や先天性で子供のころに手術をする場合には必発です。)
・手術時に散瞳不良など、手術が難しくて、濁りが残りやすい人
手術後に炎症を和らげる点眼薬をきちんと付けない人などがあります。

白内障の手術後は一ヶ月程度は点眼薬が必要です。
時々、「見えるようになったから。いいと思って。」と言って、手術後に全く受診せずに、1年後にメヤニが出るなどの理由で、ひょっこり現れる人がいますが、そういうのはいけません。
勝手に目薬を辞めると、後発白内障だけでなく、ひどい場合には緑内障などの重篤な合併症を起こすこともあります。
僕たちも人間なので、勝手に通院をサボって、その後に悪くなった人の診療には気持ちが入らなくなってしまいますしね・・・。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市

白内障手術

今日は13時半から5名の患者様に手術を行いました。
・白内障手術 7件

白内障手術は眼科のなかで、最も数多く行われている手術です。
眼球内にある水晶体と呼ばれるレンズが濁る病気で、手術では濁ったレンズを取り除き、人工のレンズと交換します。
最近は、目薬の麻酔のみで手術をする施設が多くなり、時間も数分と短く、基本的に濁りがなくなってキレイになるために、視力が良くなります。最近は乱視の矯正もできるようになり、希望に応じて裸眼で運転ができるようになど、細かいご希望にも添えるようになりました。
ですので、ほとんど全員の患者様が喜んでくれます。

糖尿病網膜症や黄斑疾患、緑内障などの手術は、視力が回復する症例もありますが、現状維持を目標にする事が多くありますので、手術後に心から喜ばれるということはあまりありません。みなさんが喜んでくれる白内障手術は、眼科医としては、とっても気分のよい手術になります。
かかりつけの先生に、「白内障の手術をした方がいいですよ!」と言われる患者様が多いのではないかと思います。
それには、こんな理由もあるのですね。医師側も、患者様が喜んでくれると嬉しいし、良くなってほしいと思っていますので。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)