また網膜剥離・・・。

先ほど、つくば市の病院様からの紹介で、またまた網膜剥離の患者様がいらっしゃいました。
地震と関係はないとは思いますが、最近異常に多いです。
今日は土曜日で、午後から休診の予定でしたが、緊急で手術です。
スタッフは大変だと思いますが、網膜剥離ははやく治したほうが成績がよいので、当院では基本的に全員の患者様で診断当日に、入院・手術しています。

もうすぐ手術です。頑張るぞ!!

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

糖尿病網膜症

近隣ではガソリンの供給が進んで、あまり待たずに入れられるようになりました。ただし、今日からは水がまったく売ってません。昨日の汚染のニュースの影響でしょうが・・・。当方は買占めはやらないぞ!っと。

山王台病院では被災地域の患者様の透析などを受け入れています。
人工透析の原因として、糖尿病腎症がもっとも多いのですが、このような患者様は目の合併症も起こしていることが多くあります。

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)
糖尿病があると、血液がドロドロになったり、血管に炎症が起こったりして、とにかく血管が詰まります。
末期では脳梗塞とか心筋梗塞とかになりますが、その前に細い血管だらけの組織、目や腎臓などの障害が始まります。

目の中の網膜と呼ばれる組織(カメラでいうとフィルムの役割)には、たくさんの血管がありますが、網膜の血管が高度に詰まってくると、網膜が血液(酸素)をほしがって、新しい血管が出現します。(新生血管)
新生血管により、血流が回復すればいいことなのですが、そう上手くはいかず、残念ながら新生血管は出来損ないが多く、非常にもろい血管で、すぐに破れる等して大出血にいたります。(硝子体出血)
出血が重度で長引いた場合には、目の中にカサブタ(増殖膜)を形成しますが、このカサブタが引きつれを起こすと、網膜がグシャグシャになって失明していきます。
糖尿病網膜症によって、残念ながら年間数千人の方が失明し、日本の失明の原因の第1位または2位となっています。

上の写真は本日こられた、被災地域の52歳男性の患者様です。
両眼ともに視力は0.01で、写真のように目の中は血みどろといった具合です。出血の奥にはカサブタ(増殖膜)が覆いつくしており、早急に手術が必要です。
下の写真は、数日前にこられた38歳男性の写真です。こちらはまだカサブタにはなっていませんが、次回の診察で出血が減らないようであれば、早めに手術を行い、運転免許を残したいと思います。
当院は6月まで手術予定がいっぱいですが、このような手術は何ヶ月も待つわけには行きませんので、週末を利用して治療を行いたいと思います。

糖尿病網膜症は、早期からのきちんとした通院、定期検査を行い、必要に応じてレーザー治療などを受ければ、現代の医学では失明するといったことは殆ど起こりません。
「まだ見えてるから検査はいい。」ではなくて、見えなくなる前からの通院がとても重要になります。


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黄斑前膜?

今日は午前中が外来で約50名の患者様がいらっしゃいました。
本日、水曜の午後13時30分からは手術を行います。
本日は8名の患者様に以下の手術を行いました。(白内障はすべて両眼同時)
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術 3件
・眼瞼下垂症手術 1件
・結膜弛緩症手術 1件

今日も全く問題なく手術を終えることができました。
手術自体は17時半に終わったのですが、スタッフはその後に手術室の掃除なども行います。保育園や学校のバスが再開していないとのことで、急いで帰っていくのをみると、まだまだ震災の余波は大きいなと。余震も続きますしね・・・。

本日の網膜硝子体手術は糖尿病黄斑症、黄斑前膜、網膜中心静脈閉塞症の3例でした。このうち、黄斑前膜について書いてみようと思います。
(一般の患者様がわかりやすい言葉を使用して書きます。)

黄斑前膜(おうはんぜんまく)
まず、眼球内の網膜と呼ばれる組織に光が当たると物が見え、網膜はよくカメラでいうフィルムにたとえられます。
網膜の中心部、物をみる真ん中の部分を黄斑と呼びます。
黄斑前膜はこの黄斑に、かさぶたがはってしまう病気です。
原因は糖尿病や、外傷、レーザー治療や眼科手術後など様々ですが、特に原因がない特発性(加齢)によるものが多いです。やや高齢の女性に多く見られます。
かさぶたが引きつれを起こすと、網膜(フィルム)にしわがよります。
初期には物がゆがんでみえたり、重度になると視力が下がっていきます。
治療法は基本的に手術でかさぶたを剥がすことです。
すべての患者様に手術が必要なわけではなく、悪化傾向やリスクなど、担当の医師とよく相談することが重要です。
最近は15分?20分前後での手術が可能になっています。

2月16日に手術を行った64歳女性の患者様が、ちょうど本日いらっしゃったので、写真をupさせて頂きました。
1枚目が手術前です。中心部から上方にやや白っぽい膜があります。その下方の網膜にはしわがよっています。術前の視力は0.7?0.8でした。
2枚目が手術後です。膜が取れてきれいになっています。本日の視力は裸眼で1.2と非常に良好な経過です。
この患者様は人間ドックで見つかりました。半年間の経過観察で悪化傾向があり、手術となりました。早期発見・早期治療が非常によい結果をもたらしました。

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本日は午後に出張でした。

火曜日の午後は、他の病院様へ手術に出張に行っています。
今日は白内障の手術と、糖尿病網膜症の手術でした。

クリニックが留守になるため、患者様にはご迷惑をおかけしますが、ご了承ください。
急患はいつでもお引き受けいたしますが、基本的に完全予約制ですので、来院前にお電話での予約をお願い致します。(留守の日時はまずは電話対応となります。)

今日はこれから書類の仕事をやらなければ。子供たちはもう寝ているでしょう・・・残念です m(__)m

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花粉症

震災後1週間です。病院の状況は普段と変わらないレベルまで回復しています。

今年は予報通り、とにかく花粉が多いようで、初めて発症する人、今までもかかっていたが今年は我慢できない人、たくさんのかたが花粉症で来院されています。

花粉症に関しては当院では、?点眼薬、?内服薬、?点鼻薬、?極度の重傷者には注射を行っています。

?点眼薬には、抗アレルギー作用や、抗ヒスタミン作用などをもつ、比較的副作用の少ないものが、まずは使われます。痒いときだけつけるという方もおられますが、きちんと病気をコントロールしたい場合には、基本的にシーズンを通じて使用していくことが望まれます。花粉症が始まる1?2週間前から季節前投与を行うと、シーズン中の症状を軽減する作用があることも知られています。
程度が強い場合には、ステロイド剤を使用します。ステロイドの強度や使う回数にもよりますが、まれに副作用が起こることがあり、常用する場合には眼科での定期検査が望まれます。
(ステロイドは症状が強い時のみ、たまに使うといった場合に1?2本のみ処方しています。アレルギーが高度で、毎日の投与が必要な人は、初回のみ1ヶ月後に副作用のチェックをします。問題がなければ、来シーズンまでの薬を処方しています。)

その他、鼻炎などの症状に合わせて、内服、点鼻薬などで対応しています。
内服や点鼻薬は、希望により90日分まで処方しています。どの程度の薬が欲しいかなど、前もって希望をお伝え頂けると助かります。(90日出しますか?というと、そんなにいらないよ。という患者様も多いので。)

基本的に花粉症は、治療をしないと失明するといった病気ではありませんので、どこまでしっかり治療するかは患者様の考え方でよいと思います。
かゆみや鼻水が嫌な人は、しっかり治療を。少しくらいは気にしないという人は、気になるときだけ薬を使うというかたも数多くいられます。

現在は、多数の薬が開発され、ほとんどの患者様の症状をコントロールすることが可能になっています。現在、治療を行っているのに、症状が残って我慢しているという患者様がおられれば、ぜひ一度受診してみて下さい。

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網膜剥離だらけです。

震災日、昨日と網膜剥離の手術をしました。
当院は大学病院ではありませんので、月に1?2件といったことが多いのですが、なんと本日2名が新たに網膜剥離でした。
もともと休診の予定でしたので、午後は時間があり、このまま本日手術を行います。

実際の写真です。透明?薄い白色の網膜がはがれると、網膜の裏側にあるオレンジ色が薄れて、なんとなく白っぽい写真となります。写真の1枚目、左側が病気がない部分、右側が剥がれている部分です。2枚目の写真は3枚目と同じ患者様のものですが、白くうつる網膜の一部に大きな穴があき、後ろ側のオレンジ色の組織(網膜色素上皮・脈絡膜)が見えています。

中高年以上での網膜剥離の手術は、目の中に器械を入れて、内側から治すようにします。手術後は空気などの浮力を使って網膜を押しつけるようにするために、手術後しばらく、ずっとうつ伏せの体勢をとって頂きます。手術ももちろん大変ですが、患者様が一番つらいのは、術後のうつ伏せだと思います。

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予定を変更し、通常の診療をさせていただきます。

海岸部の被害はもちろん、原発問題など、まだまだ東日本大地震は落ち着きそうもありません。
本日よりお休みをいただく予定でしたが、そんなことを言っている場合ではなく、いつもどおりの外来を行わせていただくこととになりました。
予定では代診の先生にお願いしており、予約の数をかなり減らしていたのですが、結局今日も午前中で50名ほどの患者様がいらっしゃいました。
なかでも、急性緑内障発作、網膜剥離という緊急性の高い患者様もおり、今日は本当に休まなくてよかったなと。

急性緑内障発作は、眼球内を流れる水の流れが急激に悪くなり、目の中に水があふれ眼圧が上昇する病気です。高齢の女性や、遠視の方がなりやすく、暗いところでの作業などのあとに起こりやすくなります。眼痛・頭痛・視力低下が起こり、治療が遅れると失明にいたります。治療は極軽症の場合は薬による治療で落ち着かせることができますが、一般的にはそのような例は少なく、レーザー治療や重症例では手術が行われます。本日はレーザー治療で簡単に治すことができました。よかったです。

もう一例は、他の疾患でかかりつけの患者様でしたが、今回は裂孔原性網膜剥離を合併・発症してしまいました。網膜剥離というとボクシングが有名ですが、怪我などが原因となる症例はごく一部で、実はほとんどが加齢による変化で起こります。強度近視の方や、アトピーの方、家族が網膜剥離を起こした方(遺伝)などがなりやすい病気です。病気の詳しい説明はまた後日に行います。
網膜剥離も緊急性の高い疾患で、裂孔が大きい場合などには、たった数日で
失明に近い状態になってしまいます。今回も、余震などのリスクはありましたが、緊急入院していただき、そのまま手術を行いました。

思えば、11日にも網膜剥離の患者様が紹介でこられ、お昼休みに緊急手術を行いました。手術が終わってすぐに地震が始まり、間一髪であったとヒヤヒヤしました。
震災とは関係なく病気はいつでもやってきます。もちろん命が一番大事ですが、眼科医としては目の病気で困っている人がいないか気になります。東北地方・臨海部の方々に十分な医療がとどくとよいなとせつに願います。

茨城県が輪番停電から除外されました。

被災地だからでしょうか?
本日より茨城県は輪番停電から除外されました。
(こんな状況ですので、また変更になるかもしれませんが)
このままいくと、通常通りの診療に戻るのにそう時間はかからなそうです。
インフレ、ライフライン、流通を支える人々、また多くの方々のおかげと感謝したいと思います。

輪番停電に関して、僕も診療・手術が思うようにできないと内心で憤りを感じることもありました。
こういった状況では何かのせいにしたり、不満をもってしまうことが多くなりがちですが、津波の被害などにくらべれば、比べるまでもまく贅沢な悩みであり、少し不謹慎であったと反省します。
電力会社・交通機関の方々も、きっと精一杯の努力をしているのでしょう。それでもどうにもならないことがあるのでしょう。

個人で出来ることは少ないですが、節電・ガソリンや食料の買いだめ買占めをしない・自転車通勤など、すこしでも行っていきたいと思います。

当院の現状です。

石岡市東石岡にある当院は、現在は電気も回復しており、通常の状態に近い診療が出来ています。

ただし、しばらくは輪番停電に合わせて、停電予定の時間にご予約の患者様には、お時間や日程の変更をお電話にて変更させて頂いております。
しかしながら、電話回線がつながりにくい現状で、全ての患者様と連絡をとることが難しくなっております。
直接ご来院頂いた患者様には、大変申し訳ありませんが可能な範囲での診療を行わせて頂きたいと思います。(非常電源にて可能な検査をさせて頂いております。)

また、ゴールドマン視野検査計という器械が地震にて故障しており、この検査をご予約の患者様にもご連絡をさせて頂いております。

手術に関しては、まだまだ電力の状況など情報不足の部分もあり、お約束はできませんが、当日に可能であればご希望者にて行っていきたいと思います。
本日は、当院は15時20分からの輪番停電のため、予定手術の時間を早めて、昼休みに対応させて頂きました。(さきほど5名6眼の手術を無事に終えました)
ご予約の患者様で、ご家庭の状況などから手術が難しい患者様は、ご無理をなさらずに、後日あらてめて日程を調整していきたいと思いますので、遠慮なくお伝えください。

私たちがどのようにすることが、日本が震災から立ち上がるために最良なのでしょうか?まだ、答えは見つかっていませんが、病院として医師として、まずは目の前の患者様の対応を行っていきたいと思います。

東北地方太平洋沖地震

まずはじめに、東北地方太平洋沖地震で亡くなられた方に心から哀悼の意と、ご冥福をお祈り申し上げます。そして、多くの行方不明の方のご無事をお祈り申し上げます。

当院の近隣では、一昨日夜までの停電があり、また水道は現在も復旧の途中といった具合です。
電気の回復とともに、テレビなどの情報が得られ、震災の状況、とくに東北地方の大打撃をしりました。信じがたいものです。津波の恐ろしさがこれほどとは、考えてもおりませんでした。どれだけの人が命を落とされたのか、瀕死の状況なのか、ご家族と話されているのか、本当に言葉もありません。
日本人として、医師として、最善を尽くしたいと思います。僕たちに何ができるのか、病院のスタッフたちとよく相談をして積極的に行動していきたいと思います。