エビデンス?:evidence based medicine

今日は手術がいっぱいでした。
・白内障手術 15件
・眼内レンズ2次移植 1件(急性緑内障発作後)
・網膜硝子体手術 4件(茎離断3件・増殖1件)
 (増殖糖尿病網膜症1件、中心静脈閉塞症1件、黄斑円孔1件、黄斑前膜1件)
無事に終わりました!が、時間は結構かかってしまいました。
みなさん残業お疲れ様です。

エビデンスレベル
エビデンス ベースト メディスン「科学的根拠に基づく医療」の元になる、科学的根拠を得るには、出来る限り、正確な実験・研究が必要です。エビデンスは実験によって得られる証拠ですが、そのエビデンスが信じていいものなのか?ちょっと怪しいものなのか?を示すのがエビデンスレベルで、信頼のできる実験の結果得られたエビデンスはエビデンスレベルが高い。と評価されます。

「ブルーベリーによって視力は改善するのか?」
という疑問が正しいのか?を調べるためにはどうしたらいいでしょう?
最もきちんとしたエビデンス(根拠)を得ようとすると、以下のような研究が必要です。

?まず、視力に悩んでいる人を1000人とか、できる限り大人数で集めます。
?1000人を500人づつの2つのグループに分けます。この時に、2つのグループの構成が年齢や性別、元の視力の数値などがある程度同じになるようにそろえる必要があります。
?1つ目のグループには、ブルベリーの成分のサプリメントを飲んでもらいます。2つ目のグループにはブルーベリーの成分の入っていない、ただのラムネなどの偽物の薬(プラセボ)を飲んでもらいます。
?ある程度の観察期間のあとで、視力検査を行い、2つのグループの間で視力の改善度に変化があったかを検討します。

このような実験・研究の結果で、本当に効果があると証明できれば、ブルーベリーはエビデンスレベルの高い治療として、医学の世界で視力の特効薬として保険適応になります。

????について、気をつけるべきことを加えると、
?調べる人が3名とか、少人数で行った研究は正確性が欠けます。たまたま効いたり、効かなかったりしただけかもしれません。研究に参加する人数は多ければ多いほど正確性が増します。多くの場合200名以上での実験は非常に信頼性が高いとされます。
??薬を飲む人、飲まない人(プラセボ)の2つのグループに分ける場合には、コンピュターなどで、ランダム(無作為)に振り分ける必要があります。「私は薬を飲みたい!」なんていう人は、健康に関して積極的であり、「出来れば飲みたくない。」と考える人と比べて、視力測定などに差が出る可能性があるからです。また、以前にプラセボ効果について記載しましたが、人間は、「なにか薬を飲んでいる」というだけで、気分的に治療の効果を実感してしまう場合があるため、患者さんは自分の飲んでいる薬が「本物なのか?」「偽物・プラセボなのか?」を知らされません。厳密には、薬を処方する医師、視力測定をする人、全員がだれが本物の薬を飲んでいるのか?全く分からない状態で研究を進める必要があります。

以上のような実験・研究をランダム化試験といいますが、ランダム化試験によって得られた測定結果を統計学的に処理して、最終的にはブルーベリーが有効かどうかが分かるのです。

そして何より、実験・研究に参加する人間は、研究内容に利害関係があってはいけません
ブルーベリーのサプリメントを作る会社の人間が参加をしたら、良い結果しか出ませんよね?基本的には研究に参加する人は、平等で偏見のない第三者である必要があります。

ブルーベリーサプリメントの広告には、
「すごく効いた!という体験談」がよくのっていますが、体験談を書いた人がサプリメント会社の知り合いの方だったら信じられますか?
「ブルベリーで視力改善」という本が出版されたとして、その本は、公平・平等な立場で書かれているでしょうか?自費出版ではただの広告本かもしれません。
「科学的に証明された論文があります。」と記載があったとしても、残念ながら世の中には、お金さえ払えば掲載してくれるような論文もあるのです。

ブルーベリーに試験管内などで抗酸化作用があるのは、本当のようですが、
「ブルーベリーに人間の視力を改善させる効果があるか?」というと、
僕が知らべる限りでは、正確にエビデンスがあるといえる研究や論文は全くないようです。
(サプリメントを信じて飲むのが悪いと言っているわけではありません。最終的には自己判断です。)

エビデンス?:evidence based medicine

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 9件
・緑内障手術 2件
無事に終わりました!!
難しいと思われる白内障が3件あり、外来に間に合わない可能性が高かったため、昼休みを前倒しして手術をはじめましたが(スタッフの皆さんごめんなさい。)、多少の時間はかかったものの、全例予想以上の結果で終わる事ができ、気分爽快です。(今日はカロリーを気にせずプレミアムモルツ[:ビール:])
手術って、完全に予想通りには行きません。思ったより難しいとき、思ったより簡単な時があります。
「難しい可能性がある」と手術前に伝えると、患者様にとってはストレスを抱えて手術を待つことになるので、あまり好きじゃないのですが、ある程度のリスクは説明しなくてはいけません。今回は、取り越し苦労だったようですが、まぁ良い結果なら皆さん理解してくれるかな?なんて。

エビデンス ベースト メディスン?
evidence based medicine
エビデンスは「根拠・証拠」意味ですが、「科学的根拠に基づく医療」という考え方が西洋医学の基礎的な考え方として定着しています。

「キノコを食べたら眼底出血がなおった。」という人がいた。という話を聞いて、皆さんは眼底出血なった時にキノコを食べよう。と思いますか?
多くの人は、キノコを食べよう。とは思わないと思います。

では、かかりつけのお医者さんが
「キノコを食べたら、治った人がいるので食べてみてください。」
と言われたらどうでしょう?
医者に言われると、「えっ?そうなのか?」と思いつつも、
「では、食べてみよう。」と思う人も少し増えるかもしれません。

さらに、
「キノコを食べるで、治ることが多いと言われています。」
「キノコを食べたら、90%以上で改善するというデータがあります。」
「キノコは世界標準の治療で、90%以上で改善します。」
と、説明が進んだ場合、最後の説明では「よし食べよう。」と考える人が多数を占めるでしょう。

どんな治療にも副作用がありえますが、治療によって見込まれるメリット(利点)の確率と、デメリット(副作用などの欠点)確率とを、きちんと統計学的に評価して、治療を行うことが望ましいと言える、根拠があると言える場合に、「この治療にはエビデンスがある。」と表現します。

西洋医学の従事者として、医者の個人的な思い込のみで、「この間、この治療が効いた人がいるから、今回もこの治療をやってみよう。」と考える医者は近年では稀になっています。
過去の歴史や、データを科学的・統計的に評価して、リスクよりも効果・利益が上回ることが確立上で確かな場合にのみ治療を進めていくことを、エビデンス ベースド メディスンといいます。

少し難しい話かもしれませんが、すごく大事なことなので、
今後、あと2回くらい、エビデンスの話を記載したいと思います。