H25年4月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

ゴールデンウィーク前半は、隣町、笠間市の陶炎祭(ひまつり)に行ってきました!去年も参加したので紹介は以前のブログで⇒笠間 陶炎祭
連休中ですが重症の患者様も多く、今日は臨時で手術日になりました。
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術(茎離断) 2件(網膜中心静脈閉塞、網膜動脈細瘤破裂)
超難症例の白内障がありましたが、無事に終わって良かったです。

4月の治療数をカウントしてみました。特にいつも通りという感じですが、今月は抗VEGF薬の硝子体注射をされる患者様が多かったようです。
H25年4月の手術実績
手術合計 130件
内訳

・白内障手術 87件

・網膜硝子体手術 18件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・緑内障手術 2件
・眼瞼(まぶた)の手術 12件(眼瞼下垂・さかさまつげ・眼瞼腫瘍)
・結膜の手術 5件(翼状片)
・その他の手術 6件(斜視・NSチューブ・前房異物・瞳孔形成・硝子体注入吸引など)

レーザー手術合計 18眼
内訳
・網膜光凝固 6眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 11眼(後発白内障に対するレーザー)
・SLTレーザー 1件(緑内障に対するレーザー)

*手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。

抗VEGF薬 硝子体注射 70件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 27件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、4ヶ月半待ち、9月中旬からの予約となります。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

急性涙嚢炎?

前回、急性涙嚢炎のブログを書いたところ、記載翌日に同じような患者様が受診されました。
(前回の患者様は、入院で特殊な抗生物質を点滴し、良好に回復中です。)
急性涙嚢炎?
今回の患者様は、涙嚢の袋の中に繰り返し膿がたまってしまう患者様です。

目頭の下方に、膿がたまって膨らんでいます。炎症が起こって、少し赤くハレてしまい、痛みが強いようですが、感染症としての炎症はそれほど強くは内容です。
感染症としては、まずは飲み薬や点滴で抗生物質を使用するのですが、内部に膿が溜まっている場合(膿瘍)には、メスで切開して膿を出したり、針で膿を吸引したほうが早く良くなります。内部のバイ菌の種類を調べることも可能です。

左写真:腫れている中心部をめがけて、注射針を刺します。
右写真:注射シリンジを引くと、膿が出てきて、涙嚢炎のふくらみペッタンコに。シリンジの中(写真右下)に、あおっぱなのような膿が引き出されたのが分かりますか?

この患者様は時々同じような炎症を繰り返しており、そのたび当院で膿を抜く処置を希望されます。
本来は膿がたまるスペース(涙嚢)を手術で摘出してしまって、もう膿がたまらないようにしてあげれば、もう涙嚢炎が起こらなくていいのですが、この患者様は手術希望がないのですよね・・・。
しばらく炎症が起こらないといいのですが。

もうすぐゴールデンウィークですね。何をしようかな。楽しみです[:GO!:]

急性涙嚢炎(きゅうせいるいのうえん)

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・白内障手術 10件
・網膜硝子体手術(茎離断)1件(糖尿病網膜症による硝子体出血)
手術は無事に終わりました。
今日は外来が混み(110名)、予約外の新患の患者様が沢山いらして、お待ち頂く患者様が多くなってしまいました。申し訳ありませんでした。

最近は外眼部疾患(眼球内のことでない病気)のブログが多くなっていますが、昨日、入院して頂いた患者様も外眼(がいがん)の病気でした。
急性涙嚢炎(きゅうせいるいのうえん)
涙は目の外側(左下の図で赤矢印の先)、涙腺という器官で産生されます。

まばたきによって、涙腺から目の表面で流れてきた涙液(るいえき)は、目の表面を潤したり、目の中に入ったホコリや花粉、バイ菌を洗浄したりしたあとに、
目頭にある涙点(るいてん)(緑矢印)から、涙嚢(るいのう)と呼ばれる袋状の管を通って、最終的には鼻の奥へと流れていきます。(右上の赤丸で囲んだあたりが涙嚢)
主に加齢を原因として、この涙の流れ道(出口)がふさがってしまう病気で、鼻涙管閉塞症(びるいかんへいしょくしょう)と呼ばれるものがあることを以前に記載しました。

涙には目の表面のホコリやバイ菌を洗い流す役割がありますが、鼻涙管閉塞症が起こると、涙の流れがせき止められてしまい、涙嚢のあたりにホコリが溜まったり、バイ菌が繁殖しやすくなるため、メヤニが出やすくなったり、炎症が起こりやすくなったりします。軽度の炎症は絶えず起こっており、慢性涙嚢炎と呼ばれ、繰り返すメヤニなどに対して適宜点眼薬を使用したりするのですが、
稀ですが、バイ菌による感染症が急激に悪化した場合などに、目頭のあたりから、ヒドイ場合には顔の半分近くまで腫れあがってしまう場合があり、これを急性涙嚢炎と呼びます。


目頭を中心にバイ菌感染による炎症が起こり、赤く腫れあがります。痛みが強く、炎症が強い場合には発熱することも。もちろん感染症なのでメヤニもでます。

治療は抗生物質による治療が基本となります。結膜や角膜の病気では目薬や塗り薬だけで治療が可能ですが、涙嚢炎では内服薬や点滴など全身的な投薬が必要になります。
左は内服薬(飲み薬)だけで外来で治ってしまった症例です。
今回の患者様は右の写真ですが、先週に目頭付近の痛みとメヤニ、腫れを訴えて受診となりました。
まず、メヤニを培養検査に回して、どのようなバイ菌がいるのか、どんな薬が良く効いて、どんな薬が効きにくいのか?などを調べるのですが、培養検査はすぐに結果がでるものではなく、数日?1週間程度の時間がかかります。その間、何もしないで待っているわけにはいかないので、一般的に使用される抗生物質の目薬、塗り薬、飲み薬を処方してお帰り頂きました。
薬との相性が良ければ(菌が弱くて薬が良く効けば)、外来で数日程度で治っていく病気ですが、今回は3日後の検査ではあまり改善がなく、金曜日に別の種類の抗生物質を処方して、週明けに再診して頂くことになっていました。
どうにも心配な症例だったので、一応、日曜日の朝に電話をしてみると、残念ながら腫れはひどくなって、痛みもツライようです。
培養の結果もちょうど判明してきて、やはり薬が効きにくい変わったバイ菌が原因のようです。すぐに受診して頂きそのまま緊急入院して頂きました。強力な抗生物質を昨日から朝晩の1日2回点滴していますが、先ほど診察してみると、だいぶ腫れが引いて、痛みは全くなくなったとのことです。よかった[:グッド:]
もう数日、入院での点滴を頑張ってから退院して頂く予定です。

全身的に抗生物質を使用したい時に、飲み薬で治療がうまくいかない時には、点滴での治療が必要になることがあります(飲み薬よりも点滴の方が早く協力に効きます)。薬の種類にもよりますが、入院が必要になる場合もあるので、ご協力を頂きたいと思います。

他の治療としては、
・袋に包まれるように膿がたまってしまう場合には(膿瘍形成)、皮膚を切開したり、針を刺したりして、膿を出した方が、治りが早くなります。
・再発のリスクを消失させたい場合には、急性期の感染症が落ち着いた後に、涙嚢を摘出してしまったり、涙の流れ路を作りなおす手術を行います。

今日もお読み頂きありがとうございました。

マイボーム腺機能不全

昨日今日と、多くの外来患者様の受診がありました。出来るだけ待ち時間がないように。と思いますが、頑張りたいと思います。
夜は県南の医院様で網膜剥離などの硝子体手術に呼んで頂きました。クリニック様ですが、20時とか21時とか結構遅くまで頑張っている眼科は沢山あるようです。明日も土曜日ですが別の県南の医院様で硝子体手術が数件あり、今週は網膜の手術が14件。家族の顔を見ている時間より網膜を見ている時間のほうが長いよう。網膜、網膜、網膜。網膜ばかり見ている気分です。でも体調がいいのか?眼精疲労はないようです。

ブログでは網膜を忘れて、まぶたについて書いてみます。
マイボーム腺機能不全
先日、マイボーム腺梗塞について記載しました。マイボーム腺の出口が詰まって、米粒のような硬い芯ができてしまう病気です。ただし、実際の症例ではそのような米粒状の芯が出来てしまう症例は少なく、ドロドロとした分泌物が溜まることの方が圧倒的に多いようです。マイボーム腺からの分泌の低下はドライアイ(乾燥性角結膜炎)と大きな関係があり、記載してみます。

マイボーム腺は、まぶたに存在する油を分泌する組織です。この油によってまばたきが滑らかになったり、涙の表層を油がコーティングすることで、目の表面からの涙の蒸発をゆっくりにさせたりと、目にとってはとっても重要な油です。
体質や体調、加齢、清潔さ、コンタクトレンズなどによって、
このマイボーム腺の機能が低下し、出口が詰まったり、油が固形状になったり(液体の油でないと上手に目の表面に広がりません)、汚い油にバイ菌がついて感染症を起こしたり、
このような状態をマイボーム腺機能不全と呼びます。

マイボーム腺からキレイな液体の油が分泌されないと、涙の表面を油で覆う機能が落ちてしまうために、涙の蒸発が早くなりドライアイを招きます(涙液蒸発亢進型ドライアイ)。また、古い油がベタベタすると感じたり、メヤニが出やすくなったり、ドライアイが原因でゴロゴロ痛んだり。目の不快感の原因として、マイボーム腺のトラブルは非常に大きなウエイトを占めます。
特に高齢の患者さんでは、油の分泌が悪くなったり、洗顔が上手に出来なくなったりするようで、診察をすると多くの患者さんでマイボーム腺の詰まりを発見するようになります。(というか、マイボーム腺が詰まっている人のほうが圧倒的に多くなります。)


今日来た患者さんの写真です。左が受診時。赤矢印の先、マイボーム腺の出口に固形状の油が並んでいます。ピンセットでまぶたをつまんで、油をしぼりだす処置をしてみると、右の写真のように黄色い(汚い)油が一気に出てきます。人によっては練り歯磨きのような油がニュルニュル出てくる時も。
この処置(マイボーム腺マッサージ)をすると、しばらくの間、ショボショボ・ベタベタが改善するようで、処置が好きな患者さんは「またあれやってくれ。」となるのですが、
目薬の麻酔をしてはいるものの、少し痛みがあるようで「もうやりたくない。」という患者様も少なくありません。

自宅で自分でできる治療法としては、お風呂や蒸しタオルで、まぶたを温めたり(温めると油は柔らかく溶けやすくなる)、やはりよく洗顔をすることが重要です。通常の石鹸がしみる場合には、ジョンソン&ジョンソンのベビー石鹸が良いようです。
重症の人は、めん棒でまぶたの縁を擦ってキレイにしてもらうのですが、高齢の方では老眼だったり、手足が不自由だったり、普通に顔を洗うのさえ面倒でしてくれない方がいたり、実際にはなかなか難しいようです。
(元気だけど面倒だから洗顔しない。という方に、マイボーム腺マッサージを行うと、処置の痛みが嫌なので、次の診察の時にはしっかり洗顔してきてくれる方がいます。それをみて、僕は「痛かったんだろうな。でもキレイにしてくれるようになってよかった。」と頭の中で思って、1人でニヤニヤしたりしています。)

今日もお読み頂きありがとうございました。

野鳥観察

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 11件
・眼内レンズ2次挿入 1件
・網膜硝子体手術(茎離断)4件
 (網膜剥離1件、黄斑円孔1件、糖尿病網膜症1件、増殖網膜症シリコンオイル抜去1件)
無事に執刀できました。件数も多かったですが難しい症例が多くて、さすがに今日は定時には終わりませんでした。
スタッフの皆様お疲れ様でした。いつもスムーズで助かります。ありがとう。

今日はちょっと疲れたので、少しのんびりとした報告を。
野鳥観察
以前にちょっと記載したのですが、冬場に庭に野鳥のエサ場を作ってみました。
しばらく何の鳥もこなかったので、失敗作として処分を考えていたのですが、最近、ハトがエサを食べに来るようになりました。

子供たちが「エサがなくなった!」と、ちょこちょこエサを補充しているようなので、毎日きているのかもしれません。
エサの種類を変えたら、うぐいすとか、可愛い声で鳴く鳥も来るようになるのでしょうか?ちょっと、楽しみな今後です。

それにしても、子供って、生きものにエサをあげるのが大好きです。
数日前から家にオタマジャクシとアマガエルがいるのですが、アマガエルって、生きて動いているエサしか食べないんですって。
(オタマジャクシはなんでも食べるようです。僕は調べていなくて、子供から聞いただけなので正確な話かは不明ですが。)
最近は朝に子供たちと虫を捕獲するのが日課です。ハエとかクモとか。
出勤や通学の時間帯なので、いろいろな人にすれ違うのですが、毎朝、虫アミをもって駆けっている親子って、変な人と思われていないか心配です。
(暖かくなったから、変な人が出てきたな。なんて・・・。)

マイボーム腺梗塞

今日の午後はクリニックで臨時で、少し急がなくてはいけない方々の手術をしました。
・眼瞼腫瘍(悪性疑い)1件
・眼瞼内反症(さかさまつげ) 2件
・白内障手術 5件
・網膜硝子体手術(茎離断) 4件
(裂孔原性網膜剥離1件、糖尿病網膜症による硝子体出血3件)
みなさん予定通りの手術が出来ました。
網膜剥離はつくば市の患者様ですが、紹介先の先生がすぐに紹介して頂けたおかげで、ぎりぎり黄斑が剥がれる前に手術が可能でした。きっと視力1.0が保てると思います。

今日は眼瞼腫瘍の患者様の例を書こうと思っていたのですが、全身状態が悪く寝たきりに近い方で、これまで一回も写真を撮っていないことに気がつきました・・・手術のビデオも撮影不可能。
別のネタを考えなくては。と思っていたら、夜にいらした患者様の目に出来物発見!今日はこれを書こう。
マイボーム腺梗塞
以前にドライアイのブログ(?涙の役割)で記載したことがありますが、涙は水分だけで出来ているわけではなく、まぶたから分泌される油に覆われることで、乾燥を和らげることに役だっています。
まぶたの中に存在する、油を作る器官を、マイボーム腺と呼びますが、正常なマイボーム腺の写真については、以前の霰粒腫のブログをご参照ください。

このマイボーム腺からの油の分泌が悪くなり、出口が詰まって時間がたつと、米粒のような少し硬い芯のようなものが出来る場合があります。
今日の患者様ですが、ゴロゴロ痛みがあると来院されました。

青矢印の先に、米粒のようなしこりが飛び出しています。
霰粒腫など、同じような病態でも、手術室での処置が必要になるものもありますが、小さなマイボーム腺梗塞は簡単な処置で治療可能です。


点眼薬による麻酔をして、通常の診察台(スリットランプ)ピンセットでまぶたをギュッと搾るようにすると、ニュルッと簡単にしこりが出てきでて、治療は終了です。右は治療後。


少し前にいらした患者様も同じような感じ。
簡単に治ってすっきりと気持ち良いので、僕はこの処置が結構好きなのですが、当院では一ヶ月間に1名もいないくらいです。同じようなのが出来たら、是非当院でとらせて下さい(笑)

マイボーム腺が詰まってしまうとドライアイにもなりやすくなります。
マイボーム腺梗塞を繰り返す人は、お風呂や蒸しタオルで、まぶたを温めて、よく洗顔をすると良いかもしれません。(油はあたたかい方が柔らかくなります。食器を洗うのもお水よりもお湯のほうがよく落ちますよね?また、洗顔をするときに、まぶたの縁はよく洗えていないことが多いようです。洗顔をする時には、指を横に動かして、まつ毛をやさしくシャンプーする気持ちで洗ってみましょう。)
それでも繰り返す人もいて、体質もあるのでしょうね。中学生の男の子はどんなに顔を洗ってもニキビが出来たりするのと一緒かな?

明日も網膜剥離の手術があります。最強度近視の下方の網膜剥離で、黄斑も剥がれてしばらく経過した難症例です。頑張らなくちゃ。

眼瞼下垂症 手術? 上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)

今日のお昼は以下の手術でした。
・翼状片切除 1件
・白内障手術 7件
・緑内障手術 1件 みなさん無事に終わっています。

久しぶりに、まぶたの話でも。
眼瞼下垂症 手術?
上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)

眼瞼下垂症は、主に加齢を原因として、まぶたが下がって目が開きにくくなってしまう病態です。(ハードコンタクトレンズや、外傷、脳神経の異常など様々なことが原因となりえます。)
まぶたの筋肉だけでは、目を開けることができずに、おでこの筋肉を使って、眉毛を含めてまぶたを引き上げようとするため、

こんなふうに、まぶたの縁と眉毛までの距離が長くなったり、おでこにシワがよったりするようになります。
治療法は手術になるのですが、病状や患者さんの希望で様々な術式があり、今日はそのうちの一つを書いてみます。

当院でもっとも多く行っている手術は、炭酸ガスレーザーを使用したミュラー筋タッキングという術式ですが、

まぶたの直上の余った皮膚を切開し、縫い縮めます。皮膚の中に埋まっている筋肉も縫い縮めることができるので、まぶたの開き具合は比較的良好です。傷口が二重のラインに隠れたりするのも、この術式のいいところです。
デメリットは、まぶたが少し厚ぼったくなることです。緑矢印の部位の皮膚に比べて、黄色矢印の皮膚の方が厚みがあるのですが、まぶたの直上で皮膚を切除すると、二重のライン近くに黄色の厚みのある皮膚が下りてくるためです。
ミュラー筋タッキングは皮膚が下りてくるイメージ

上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)は、逆に皮膚が持ち上がるイメージになります。(リフト:持ち上げる)

このように、伸びてしまったまぶたの皮膚を、眉毛のすぐ下で切除する方法です。利点は二重のラインが、生来生まれ持った皮膚で再現されるので、二重という意味では自然な状態に仕上がります。
欠点は、まぶたを開ける筋肉まで伸びてしまっている場合には、少し効果が弱くなったり、筋肉の手術を別に追加する必要があります。また、切開位置を眉毛に近づけて、出来る限り傷口が目立たないようにしますが、傷口を二重に隠せるミュラー筋タッキングに比べて、傷が剥き出しになる感じは否めません。
上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)では、術後に眉を書きたすなどして傷を隠す必要があります(アイブロウ)
上眼瞼リフト(眉毛下皮膚切除術)は、比較的若い女性で、自然な二重が希望で、眉毛を書くことが苦でない人、まぶたの皮膚が厚ぼったい人にお勧めする場合があります。
(当院では、美容目的の手術は引き受けていません。あくまで、医学的に手術が必要なレベルの方のみ対応します。)

実際の手術ですが、

手術の写真は上下逆さまです。赤矢印の先が眼球、下の端っこに眉毛が見えます。切除するべき余った皮膚にペンで印をつけます。その後、麻酔の注射をします。

ペンでつけた目印通りに、メスで皮膚を切除していきます。通常のメスではここで出血がひどいのですが、炭酸ガスレーザーメスなら、出血はごく少量で済みます。

皮膚を切除した後。殆ど出血がありません。あとはこれを上下に縫い縮めます。

ただ切ったり縫ったりするだけの手術で、だいたい片目15分くらいです。
皮膚にパツパツに緊張がかかり、傷が開くと嫌なので、だいたい2週間程度待って抜糸を予定します。

眼瞼下垂の術式は他にもいろいろありますが、担当の先生とよく話し合って決めていきましょう。

さて、明日も網膜剥離の紹介があるようです。頑張らねば!

木漏れ日 形成術

今日は千葉県の先生に、午前の外来・午後の手術と見学に来て頂きました。
当院には初めての先生ですが、喜んで帰って頂けて良かったです。
手術は白内障11件、網膜硝子体手術(茎離断)2件(黄斑前膜・黄斑円孔)、緑内障手術(エクスプレスシャント)1件でした。
順調に終わって5時には終了出来ました。
昨日までかなり忙しかったのですが、今日からは少し時間が取れそうです。

木漏れ日 形成術
うちの長女は泥んこ・自然が大好きです。最近の口癖は、「お部屋を森にして。」とのことで、部屋に観葉植物を置いてみたり、日曜大工でハンモックを作成してみたり、普段遊べない分、ついついご機嫌をとってしまいます。
子供部屋の証明が電球剥き出しのタイプだったのですが、少しアレンジをしてみようと。

まず、電球に触れて火事がおきないように、簡単に針金で囲いをつくりました。

カインズホームで買ってきた、緑の針金入りの網を切って、

電球の上に巻いてみます。
そして最後に、人工の観葉植物(アイビー)を針金の網に巻き付けて。

いい感じです。
木漏れ日という雰囲気には、もう少しアイビーを買い足したほうがよさそうですが、あまり巻きつけると、照明として暗くなっちゃうかな??

さて、子供たちは喜んでくれるのでしょうか?
ワクワク。

視神経炎? 治療その4 その他 

今日は午前の外来後に急いで移動し、午後は県南の医院様で白内障手術や硝子体手術、10数件を執刀させて頂きました。
その後、久しぶりにTX(つくばエキスプレス)に乗って、夜は都内で50分程度の講演を担当。僕が特に力を入れている糖尿病黄斑浮腫という病気についてまとめてみましたが、そのうち黄斑浮腫のブログもかかなくちゃ。
渋谷で食事をして、帰りはフレッシュひたち(常磐線)で、ブログを更新してみます。少し酔っていますが、誤字脱字があってもご勘弁を。フレッシュひたち、なかなかいいシートで、快適です。

視神経炎の最後です。
視神経炎? 治療その4 その他
視神経炎の治療のメインは、ステロイドパルス療法です。他に抗AQP4抗体陽性視神経炎では血漿交換なども有効であることを記載しました。
ただし、これらの治療だけで、全ての視神経炎が治療可能なわけではなく、また、ステロイドの副作用が強くでて、ステロイドを使い得ない患者様などもいらっしゃいます。このような場合には、ステロイド以外の免疫抑制剤や、インターフェロンという薬を併用するなどして、治療効果を向上させよう。といった治療法も試されています。

以前にも記載しましたが、長期的な経過をみると、もっとも有効と思われているステロイドパルス療法でさえ、大きな改善効果はない。とする研究もありますし、治療への反応が悪い・難治性の視神経炎が存在することは確かです。
難しい病気ですので、「大学病院で治療をしたのに、それでも見えなくなった。」と、セカンドオピニオンとして当院を受診された方もいらっしゃいますし、Q&Aでも質問を受けたこともあります。
同じ視神経炎といっても、実際の症例ごとに治療への反応も異なり、簡単に治ってしまうもの、なかなか難しい経過をとるもの。様々な症例があります。
いい訳ではありませんが、現在の医学で考えられている、全ての治療を行ってもどうにもできない症例もあるのだと思います。
(幸いにも、開院以降の当院で治療をした症例では、もっとも悪い結果の方でも視力0.2?0.3程度で、失明に至った患者様はいらっしゃいませんが、超重症例が少なかったのだと思います。)
医学が進んで、よりよい治療法が開発されることを祈るばかりです。

また、視神経炎は再発しうる疾患です。
一度、視力が落ち着いたからと言って、「もう一生大丈夫。」という事はありません。当院では落ち着いていても、半年?1年に1回程度の定期健診をお勧めしていますが、予約の前でも、視力の低下を自覚したり、眼球を動かした時に痛みがある場合(視神経炎の症状の一つ)などには、早急に受診をしてください。

視神経炎は初期治療も再発時の治療も、治療をするのであれば、できるだけ早くに治療をする事が重要です。炎症・脱髄が起こっても、すぐに消炎をすることができれば、神経細胞の障害には至らずに回復が可能ですが、炎症が起こってから時間がたつほど、神経の変性・萎縮が進行してしまいます。見え方が悪いと思った時には、すぐに診察を受けるようにしましょう。
僕たちは、できるだけ早く治療に進めるように、「この検査は明日」「また別の日にこっちの検査」などということはせず、早急な診断に努めたいと思います。

今日もお読み頂き、ありがとうございました。

視神経炎? 治療その3 血漿交換

今日のお昼は白内障や翼状片の手術を行いました。夕方の外来が終わってから、夜は県南のクリニック様で網膜剥離のお手伝いに。
実は先週の金曜日に当院で1件。土曜日にも他院様に網膜剥離の手術に。なんだか茨城県は網膜剥離だらけのようです[:冷や汗:]

明日まで少し忙しいのですが、少し時間が出来たので、ブログを進めてみます。
視神経炎? 治療その3 血漿交換

視神経炎は、免疫機能の異常を元に発症する病気で、視神経を構成する成分に対して自己抗体(免疫力の間違えで、自分自身を攻撃してしまう)が形成され、視神経に炎症や脱髄が起こってしまうものと考えられています。

視神経炎の治療の基本は、ステロイドパルス療法であることは間違いないのですが、実はステロイドパルス療法のみで良くなる症例ばかりではないようです。

視神経炎の分類については、視神経炎?で記載しましたが、現在のところ、視神経以外にも炎症が起こるかどうかで、大きく以下の4種類(?と?を同じとする場合は2種類)に分けられています。
?多発性硬化症(MS):視神経と脳を中心に炎症がおこるもの
?視神経脊髄炎(NMO):視神経と脊髄を中心に炎症がおこるもの
?抗AQP4抗体陽性視神経炎:NMOのうち明確な自己抗体が判明しているもの
?特発性視神経炎:視神経のみに炎症がおこるもの

?や?の視神経炎ではステロイドパルス療法がよく効いて、視力の回復を得られることが多いのですが、特に?の症例ではステロイドパルス療法の効果が弱く、それのみでは視力の回復を得られない場合が多いとされています。
そんな時に行うのが、血漿交換になります。

血漿交換(けっしょうこうかん)
血液の中には、酸素を運ぶ赤血球、バイキンをやっつけるなど免疫力を担当する白血球、出血を止める血小板などが流れていますが、これら3つの血球成分が浮かばせて流している液体の成分を、血漿と言います。
たんぱく質などの栄養分に富んだ水ですが、この血漿の中には、自己免疫性疾患の元になる(視神経などを攻撃してしまう)自己抗体や、炎症を起こす働きをするホルモンなども含まれています。
血漿交換は、血液の中に含まれる、これらの自己抗体や炎症を起こすホルモンを除去してしまおうという治療です。
足の付け根などの太い血管に、太めの針を刺し、患者さんの血液を取り出します。取り出した血液を遠心分離にかけ、血小板・白血球・血小板などの血球成分を分離したあとに、残ったお水(血漿)を破棄します。最後に、献血などで頂いた健常な方の血漿と、分離しておいた自身の血球成分をまぜて、体の中に戻していきます。
一気に全ての血漿を交換することは、体への負担が大きいためできません。ゆっくりと時間をかけて、数回に分けて血漿を交換していきます。

病気の主因となる物質を体から除去できるので、視神経以外の他の自己免疫性疾患を含めて非常に有効な治療法ですが、体への負担もありますし、他の方の血液を体内に入れるので、もしかしたら何かの感染症がうつってしまったりと(ほぼ心配ない確率ですが)絶対に安全とは言い切れない治療です。ですので、基本的には血漿交換療法は、ステロイドパルス療法などが無効であった時のみに検討される治療法です。

*抗AQP4抗体陽性視神経炎
視神経を構成する成分である、アクアポリンAquaporin4にする自己抗体の発生が病気の主因であると考えられている、近年発見された視神経炎の特殊型といえる疾患です。
比較的高齢の女性に多く発症し、高度の視神経が再発を繰り返すなどして、失明にまで至ることも少なくない、重症型の視神経炎です。他の視神経炎(明確な自己抗体が判明していない)に比べて、ステロイドパルス療法が効きにくく、以前は治療に難渋していましたが、血漿交換によって視力の回復を得られることが多くなってきています。(病気を抑えていくためには、ステロイド剤の併用は必要です。)

視神経炎の初期治療でステロイドが無効であった場合には、早急に血漿交換が必要になるケースがありますが、当院は眼科・内科クリニックでもともと、施設内に人工透析が備わっています。早急な人工透析・血漿交換が可能な施設です。