ドライアイ? 涙点閉鎖術・涙点焼灼術

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・涙点-涙小管閉鎖術(焼灼術) 3涙点
・白内障手術 6件
・緑内障手術(流出路再建) 2件
無事に終わりました。

今日の手術から一つ。
涙点閉鎖術(るいてんへいさじゅつ)

涙は正常な状態では、その10%が目の表面から蒸発し、90%は涙点から鼻の奥へと流れていきます。(⇒以前のブログ:涙の役割
ドライアイの治療については以前に書きましたが
?環境を整えて、乾きにくくしたり、
?点眼薬を付けて潤いを与えたり、
?涙の出口(涙点)をせき止めて、涙をとどめたりする

などがあり、ある程度以上のドライアイでは、?の治療法として、
涙点プラグと呼ばれる治療法が必要になります。(⇒涙点プラグのブログ

涙点プラグはとてもよい治療法で、多くのドライアイの患者様の役に立っていますが、稀にプラグに対して炎症が起こってしまったり、プラグが勝手に取れてなくなってしまうこともあります。プラグが取れてしまう場合には、プラグを大きくして、きつく入れ替えたりもするのですが、涙点の大きさや形状によってどうしても入れられない場合もあります。
こんな時に、手術で涙点を閉じてしまおう。というのが涙点閉鎖術になります。
涙点を手術的に閉塞させた場合、上手くいけば涙をせき止めに関しては、永久的な治療効果が期待できます。
一方、副作用としては、手術的に涙点を閉じてしまうと、涙点プラグのように嫌なら取ってしまおう。というわけにはいきません。誤って軽症のドライアイの方に手術をしてしまい、逆に涙目になってしまった。なんていうことがないように、手術の適応に関しては、ドライアイの重症度や、涙点プラグ治療後の反応などをしっかりと検討する必要があります。

*涙点プラグが上手く入らない場合に、キープティアといって、涙小管の中にゲル状の薬を入れる場合もありますが、数ヶ月でゲルがなくなってしまい、繰り返しの再治療が必要になります。重度のドライアイでは、一生涯の治療と考えると、コスト的に手術が有利になります。(1回のキープティアと、手術1回の費用が一緒)

涙点を閉じる方法としては、糸で涙点を縫いつけてしまう方法や、焼いて癒着をさせてしまう方法などがありますが、「100%完全に閉じられる」という方法や、「絶対に再発しない」という方法は、まだないようです。
当院では出来るだけ良好な成績などを期待して、主に涙点-涙小管焼灼術を行っていますが、僕の個人的な成績では、いちおうこれまでは全症例で閉鎖に成功しています。

今日の患者様は、シェ―グレン症候群という重症のドライアイの患者様で、大学病院の膠原病内科様でも治療中です。他院の眼科様でも治療に難渋し、当院転院後も涙点プラグや各種点眼薬の治療を頑張ってきましたが、糸状角膜炎や角膜ヘルペスを繰り返してしまう重症例です。

もうキズだらけ・・・。どうにも落ち着いた状態とならずに、今回、左右上下、4つあるうちの3つの涙点を手術で閉塞することになりました(もう一つは涙点プラグが入っています)。

まず、仰向けに寝て、局所麻酔の注射を行います。
滑車下神経といって、目頭付近の皮膚に垂直に針をいれます。
この麻酔はまぶたに注射をする麻酔よりも痛みが少なく、効果も高いのですが、2時間程度、麻酔が切れるまで、まぶたが開かなくなったり、物が2重に見えるなどするので、治療後、帰宅までゆっくり休んで痛く必要があります。
(麻酔の写真は取っていないのですが、すみません。)

患者様の頭側からみている状態で、左目の上まぶた、目頭側の写真です。

水色の先が涙点で、涙の排出路になります。
ここに高圧電流を流すための細い針金状の器械(緑矢印)を挿入します。
だいたい1cm強、奥まで入ったところで鼻の内側の骨に当たります。

そこから、徐々に器械を引き抜きながら、内部に高圧電流を流して、1cm強の長さの涙小管の内腔にヤケドを起こして、癒着をさせて閉塞を起こします


最後に、出口の涙点をセッシで挟むように、ジュッと焼いて終了です。

この治療法の良いところは、縫って閉じる方法と違い、針や糸を通したりがないので、まぶたの内出血(皮下出血)などがほとんど起こらず、翌日から見た目がキレイなことです。

両眼に麻酔をして、3つの涙点を閉塞させて、だいたい10分ちょっとの手術です。費用は片眼で6300円、両眼で12600円。1割負担では片眼630円。3割負担では片眼1890円になります。

患者さんが眩しくないように、光を最小限で手術をしているので、暗くなってしまって、今日はあまりいい写真が撮れませんでした・・・。

後部硝子体剥離? 合併症のリスク

後部硝子体剥離は加齢に伴う硝子体の収縮が原因で、飛蚊症を自覚するものの、多くの場合は時間の経過ともに気にならなくなっていくことを書いてきました。

ですので、外来では「あまり心配せずに様子をみましょう。」という形になるのですが、全員が問題なく経過するわけではなくて、稀にですが後部硝子体剥離に伴って、合併症が起こることがあり注意が必要です。
通常は網膜と硝子体がキレイに分離していくのですが、網膜と硝子体の癒着が変に強かったりすると、硝子体の収縮によって網膜が引っ張られるような形になります。網膜は光を感じ取ったら、その信号を脳へと伝える役割があるのですが、
硝子体との癒着部で引っ張られた場合には誤作動を起こして、光がピカピカ見えることがあり、光視症(こうししょう)と呼ばれます。(暗いところで目をつぶって、指で目がしらを押すと、視野の外側に光が見えるのが分かりますか?これは、網膜が外側から押されて、誤作動を起こしている状態です。中から硝子体に引っ張られても同じような事が起こるのです。注:眼球が凹むほど強く押してはいけませんよ。危ないので。)
このような、網膜と硝子体の癒着部位で、網膜が硝子体に引っ張られてた時に、その部位の網膜がビリっと破けてしまうと、網膜剥離や黄斑円孔という重大な合併症が起こることがあるのです。

なので、後部硝子体剥離と思われる飛蚊症の症状を自覚した場合には、一度は眼科で精密検査を受けるようにしましょう。
後部硝子体剥離が起こった直後は問題がなくても、網膜と硝子体の剥離・分離が周辺部に進むに時期に、あとから遅れて網膜剥離が起こる場合もあり得ます。一度、眼科で問題ない。と言われても、飛蚊症がさらに増えたり、視野がかけたり。症状が悪化する場合には早急に再受診をしてください。

当院では、後部硝子体剥離の発症後に受診した患者様は、初回の診察で問題がなくても、念のため一ヶ月後に再診をお願いして、問題がないことを確認してから終了としています。(もちろん、途中で自覚症状の悪化があれば受診をしてください。また、飛蚊症を自覚して、すでに一ヶ月以上経っている場合は再診の予約は取りません。)

最後に、実際に外来で使用している説明プリントを添付して、後部硝子体剥離のブログは終了とさせていただきます。

後部硝子体剥離? 治療法と経過

今日は以下の手術を行いました。
・眼瞼下垂症(CO2レーザー:ミュラー筋タッキング)3件
・白内障手術 7件
・網膜硝子体手術(茎離断) 3件
 (黄斑前膜2件、増殖糖尿病網膜症・網膜剥離1件)
無事におわりました。

後部硝子体剥離?
先日は後部硝子体剥離の症状、飛蚊症について書いてみました。
黒い点やモヤが動いて見えるので、ビックリして来院したり、結構困った顔で来院されるかたが沢山います。
では、治療法は?というと。

治療法と経過
残念ながら、目薬や、飲み薬で有用なものはありません。もちろん、ブルーベリーもサプリメントも効きません。
どうしても治したいという場合には、手術で治せます。硝子体手術で硝子体ごと濁りを撮ってしまうのです。
後部硝子体剥離を起こした中で、どのくらいの人が手術を受けるかというと、手術ばかりの僕でも年に2名とかそれくらいです。後部硝子体剥離は加齢が原因で、ある程度の年齢になれば必ず起こります。白内障も加齢によって必ず起こる病気ですが、僕はだいたい年に1000件くらいこなします。どちらも必ず起こる現象なのに、白内障と比べると飛蚊症の手術を受ける人は500分の1という計算になります。
では、手術を受けない、あとの499名はずっと飛蚊症に苦しむのでしょうか?答えはNOです。
硝子体の濁りはなくなりませんが、だんだんと気にならなくなっていくのですマリオット盲点に気がつかなかったり、緑内障での視野欠損に気がつかなかったり、人間って都合の悪いことは認識しなくなっていく傾向があるようで、飛蚊症の濁りも出来た始めのうちは気になるものの、徐々に認識しなくなっていくようです。また、長期的には、硝子体がかなり小さくなって、後部硝子体剥離の濁りが眼球の端っこの方に移動してしまって、構造上として見えなくなってしまう場合もあります。
僕たちが数ヶ月とか1年とか経って定期検査をすると、しっかりと濁りが存在するのですが、「治ったよ!」なんていう患者さんばかりになってきます。
みなさん、いろいろな言い分があるようで、「よく寝たら治った。」「ブルーベリーを食べたら治った。」「数万円の真珠の粉を飲んだら治った。」などとおっしゃる方が沢山いるのですが、実際に眼底検査をすると必ず濁りが残っているので、お返事に困ってしまいます・・・。(本人が満足ならいいのかな?)

しばらく我慢すれば、濁りは消えなくても、ほとんどの場合で、本人が気にならなくなってしまう飛蚊症です。濁りを取るための硝子体手術は、手術自体が20分くらいかかりますし、数万円も支払って、数日入院して(希望者は日帰りでもやりますが)、100分の1位では再手術などのリスクがあって。そんな手術はあまり受けたくないですよね?
ですので、後部硝子体剥離に伴う飛蚊症では、濁りの程度が強かったり、大きかったり、濁りが視野の中心部に近くて、生活に不自由がでるほど困っていたり。そんな重症な患者様の一部が希望をされるのですが、ほとんどの人は様子をみて、気ならなくなる時期を待つことになります。

後部硝子体剥離は全員に起こるのですが、僕たち診察の所見と照らし合わせると、
・硝子体にかなり大きな濁りがあっても、「全く気にならない。」という、おおらかというか、大ざっぱな人もいます。
・逆に、とても小さな濁りしかないのに、救急車を呼んだり、心配で何度も外来を受診してしまうような、繊細というか、神経質な人もいます。
感じ方って、個人差というか、性格なんかも大きく作用するのかもしれませんね。

ガレキ

今日の午後は遠方の医院様で硝子体手術のお手伝いをしてきました。どこも重症の患者様が多いようです。

最近、医学的なブログをさぼりがちですが、今日もおそくなってしまったので休憩で。明日からまた頑張ろう。

ちょっと別件で2件。

�眼科の知識が広まって、病気の早期発見・早期治療などに役立っているといいなと思い、ブログを書いたり、質問にお答えしたりしていますが、ブログへアクセスして頂いて、トップページ以外をクリックして頂いた方のアクセス数というのが分かるのですが、最近はだいたい1日400名程度の方にお読み頂いているようです。ところが、昨日のアクセス数はなんと1200件近くに。日食網膜症のせいでしょうか?日食効果すごい。
1200人に読まれたかと思うと、毎日ビールを飲みながら書いて、誤字脱字も気にしない。というのはちょっと気が引けます・・・・。

�インターネットのニュースで見ただけなので、正確な詳細は不明ですが、震災のガレキの受け入れを拒否して問題になっている地域があるようです。個人的にはとても悲しい気持ちと強い憤りを感じます。日本全体の問題です。日本人みんなで助けあう必要があります。
自分の地域がキレイならいい。俺の世代だけよければいい。うちの子だけ助かればいい。そうではないですよね?
原発もガレキも、日本の将来、ずっとずっと先まで考えて検討しないと。

金環日食

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・眼瞼内反症手術(眼輪筋縫縮)1件
・白内障手術 7件
無事に終わりました。

僕は患者さんの緊張をほぐすために、手術中に結構話しかけるようにしています。多くの場合は「ちょっと薬がしみますよ。」とか、「濁りが取れたので、新しいレンズを入れますよ」とかの、手術の内容の説明ですが、緊張が強い人には、「お昼ご飯はなんでした?美味しかったですか?」「出身は?お孫さんは?」なんていう話題の事も。
今日は、「今朝は金環日食見ました?」という質問を3名にしてみたのですが、なんと全員見たとのこと!日本中で沢山の人が見たのでしょうね!

金環日食
以前にも書いたり、もうテレビも新聞も、日食の話題だらけなので、皆さんご存じと思います。
我が家も、コンビニで日食観察グラスを購入して、7時半から観察しました。予想通り、ご近所さんの皆さんが庭に出ていて、ちょっぴり恥ずかしい。

以前に書いた、ピンホールカメラの原理でも日食を観察してみました。
紙皿1枚に針で穴をあけて、もう一枚の紙皿に日食をうつします。

赤矢印の先に針穴(ピンホール)、青矢印に日食がうつっていますが、小さいので拡大してみると以下のように。

通常の一眼レフカメラでも撮影してみました。ピントをマニュアルで遠方に合わせて、カメラのレンズに日食観測グラスをくっつけて撮影してみると、

とてもキレイな写真が撮れました。やったね!!

外来では、
・「日食を裸眼で見た後、しばらく中心部が暗くなってしまったが、病院に付く前に治ってしまった。」という、軽症の日食網膜症と思われる女性や、
・学校健診で指摘されて受診した中学生は、「ずっと裸眼で日食・太陽を見続けたが症状はない。」なんていうツワモノもいました・・・が、
当院では大きな問題となる網膜症の患者様は発生しませんでした。

「太陽は一瞬たりとも見てはいけない。」「太陽を探すときも必ず観察用グラスを使う。」「曇りでも危ない。」という説明が多くの場面で飛び交いましたが、実際には光量が少ないとは言っても、初日の出や夕日の観察はどうなのだろう?
日時計や方角を見るときや、子供に「あれが太陽だよ」と教えるときにもグラスは必要なのでしょうか?
日光網膜症に関しては、発症率も低く、詳しいことが解明されていないようですが、どのくらいの光量で、どの程度のリスクがある。というのがよく分からないのですが、患者様に質問を受けるかもしれないので、どうにか勉強してみたいと思います。

霞ヶ浦

今日は子供の同級生のお父さんにお世話になって、霞ヶ浦に釣りに行ってみました!

霞ヶ浦(かすみがうら)
霞ヶ浦は220km²と、琵琶湖についで日本で第2位の大きさを誇る湖です。
流水域がとても広く、県内の多くの市町村に面しているのですが、西浦と呼ばれる湖の北西端が石岡に面しており、クリニックから近い場所では車で10分程度でいけちゃいます。調べてみると最も深いところが7mってありましたけど、本当かな?広い割に、かない浅いのですね[:見る:]

利水以外にも、周囲ではレンコンが沢山とれたり、魚や貝類の漁業、観光船やヨット、ジェットボート、帆曳船(ほびきぶね)など、観光やレジャーにも使用されているようですが、趣味で魚釣りに来る人も沢山いるようです。

僕は、魚釣りというと、小学生や中学生の時に、父親と数回やったことがあるくらいで、ほとんど経験がありません。(観光地での釣り堀はちょっとありますが・・・。)
今回、子供の同級生のお父さんの趣味が「魚釣り」ということを聞きつけて、あつかましくもお願いしてみると、OKを頂けたのでお世話になってみました!

魚は朝早い方が釣れるとのことで、今日は朝の診察は後回しにして、6時半に出発です!つり竿の針に、糸ミミズを取りつけて、湖に40?50cmに入れると、わずか10分程度で!!
「とったどー!!」
子供も数分で、「釣れた[:魚:]!」


残念ながら、美味しく食べられる魚はいなくて、ナマズやブルーギルと呼ばれる外来種の魚が大量に釣れました。僕と我が子だけでも2時間で8匹くらい。
昔は「ワカサギ」や「タナゴ」という魚が多かったようですが、残念ながら繁殖力の強い外来種、ブラックバスやブルーギルなどの違法な放流が行われ、漁業として有用な魚が激減してしまっているようです。生態系の維持って難しいようですね[:撃沈:]

本日のお魚パパが言うには、「ブルーギル」は、餌さえあれば簡単に釣れてしまう魚のようです。技術を駆使して、ブラックバスやその他の魚を釣るのが本来の楽しみのようですが、初心者の僕は、何の魚でも釣れればいいので、とても楽しい一日でした!
お世辞にもキレイと言えない霞ヶ浦ですが、どうにか浄化がうまくいって、海水浴場のような目的で観光客を呼べるような状態になったら素敵でしょうね。

夕方は、お世話になったパパたちと、4家族のお子さんたちで今年初のバーベキューをしました。例によって、僕は酔っ払っただけですが、明日からまた頑張る元気を回復しました!

後部硝子体剥離? 症状・診断

今日はお休みでしたが、急患がちらほらあり。コンタクトレンズに関連した角膜潰瘍で重症の方がいて、緊急入院になりました。

後部硝子体剥離?
前回、加齢による変化として、目の中の硝子体(ゼリー)が収縮し、網膜(フィルム)と分離・剥離していくことや、目の中で、硝子体と網膜の癒着の強い場所として、?視神経乳頭、?黄斑、?周辺部網膜があることを記載しました。
このうち、飛蚊症の原因として重要なのが?視神経乳頭部の剥離です。

矢印の部分が視神経乳頭になりますが、光を感じ取った網膜が束になって、脳への橋渡しとなる入口です。この部位の網膜と硝子体が剥離することを、眼球の奥の方(後方)の硝子体が剥がれる。という意味で、後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)と呼びます。
加齢による硝子体の収縮は避けられない現象で、後部硝子体剥離ある程度の年齢になれば必ず起こります40代?70才くらいまで程に起こることが多いのですが、個人差が大きく、強度近視の方ではかなり早くに起こることもあります。

症状:飛蚊症
後部硝子体剥離が起こると、視神経乳頭で強く癒着をしていた部分の硝子体に、濁り(混濁)が出現します。

光の進路である目の中に混濁があると、網膜に影がうつります。混濁の濃さや、程度、網膜からの距離によって、灰色?黒っぽい濁りが見えたり、光の加減によっては紫などに見える人もいるようです。
濁りの形は、典型的には視神経乳頭の形に似て、丸いリング状の濁りが出現することが多いのですが、濁りの程度や、位置、向きなどによって、もやのように見えたり、糸や線状に見えることもあります。

硝子体が目の中いっぱい、パンパンに入って、癒着をしている時には、目の中で硝子体があまり動かないため、少しくらい混濁があっても気が付きにくいのですが、硝子体が加齢によって収縮して小さくなると、目の中の隙間ができるために、目の動きにつられて内部の硝子体がよく動くようになります。硝子体が動けば、混濁も動いて、網膜の影も動いて、濁りがゆらゆらと飛んでいるように自覚されます。人間は動くものには敏感に反応するように出来ているため、突然、後部硝子体剥離が起こると、ビックリして眼科を受診するかたが沢山おられます。
あたかも「虫が飛んでいるように見える。」ということから、「飛蚊症(ひぶんしょう)」と呼ばれます。
視神経乳頭は、自覚的な見え方としては、視界の中心から外側に15度の場所に相当します。後部硝子体剥離が起こってしばらくの間は、硝子体の混濁もそれほど移動しないために、後部硝子体剥離の飛蚊症は、視界の外側(右目なら視野の右の方、左目なら視野の左の方)に自覚されます。

診断:眼底検査
上記のように、後部硝子体剥離の症状は特徴があるので、僕たちは、濁りの場所や見え方を問診で聞くだけで、その飛蚊症の原因が後部硝子体剥離らしいのか、悪い病気が疑われるのか、大まかには判別可能ですが、正式には点眼薬を用いて瞳孔を開いて(散瞳)、眼底検査を行う事で、濁りの原因を診断します。

後部硝子体剥離? 硝子体の収縮

午後から以下の手術を行いました。
・白内障手術 12件
・網膜硝子体手術(茎離断4件)
(内訳:黄斑円孔1件、黄斑前膜1件、糖尿病網膜症1件、網膜剥離1件)
今日は結構早く進み、17時ちょっとには無事に終えることができました。

外来をやっていると、1日に1人くらいは、飛蚊症(ひぶんしょう)といって、「何が黒いものが飛んで見える」という訴えの人がいらっしゃいます。目の中の硝子体(しょうしたい)というものが濁ってしまう事で起こる症状ですが、濁りが発生する原因は、多くの場合では病気によるものではなく、加齢によるものです。今日は飛蚊症の原因で最も頻度が多いものについて書いてみます。

後部硝子体剥離?(こうぶしょうしたいはくり)
硝子体の収縮
眼球は、光を屈折するレンズ(水晶体)と、光を感じ取るフィルム(網膜)からなり、よくカメラに例えられます。

このレンズと、網膜の間の、眼球内の最も広いスペース(緑矢印)を硝子体腔(しょうしたいくう)と呼び、中には、透明なゼリー状物質である、硝子体(しょうしたい)が入っています。
硝子体には、子供の時には眼球の形成・発達に役立ったり、ぶつけたときにクッションの役割をしたり、紫外線を吸収するなどの役割があります。

この硝子体ですが、30代の頃までは殆どの人が、上のイメージ図のように目の中いっぱい、ぎゅうぎゅうに沢山入っていますが、加齢によって硝子体は縮こまる性質があり、80代とかになると、全員が下の図の様に、眼球の前の方に向かって小さくなってしまいます。

多くの場所では網膜(フィルム)と、硝子体(ゼリー)は、軽く接着しているだけで、キレイに分離・剥離していくのですが、場所によって、フィルムとゼリーの癒着が強い場所があることが分かっています。

?赤:視神経乳頭 (⇒マリオット盲点)
?青黄斑
?黄:赤道部・周辺部の網膜

加齢によって硝子体(ぜりー)が縮こまる時に、全ての網膜と硝子体が、キレイに分離されていけば問題は起こらないのですが、上記???のような、癒着が強い場所が分離する場合には、それぞれ特徴的な現象が起こります。

とくに、?赤矢印視神経乳頭の箇所で、網膜と硝子体の分離(後部硝子体剥離)が起こると、硝子体に濁りが出現し、飛蚊症の原因として最も頻度の多いものとなります。

?や?の部分では、網膜と硝子体の癒着は、その他の部位に比べて、やや強めではありますが、通常は問題なくキレイに分離が進んでいきます。生まれつきなど、何らかの原因で網膜と硝子体の癒着が強く、硝子体が収縮するときに、網膜を引っ張ってビリっと破けてしまうようなことがあると、
?青矢印⇒黄斑円孔
?黄矢印裂孔原生網膜剥離
などの病気が起こってしまう事があります。

黄斑(おうはん)

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術(茎離断)1件(黄斑円孔)
無事に終わりました。

黄斑円孔は物を見る中心部の網膜(黄斑)に穴が開いてしまう病気です。数えてみると、開院後2年間では28件の手術があったようで、月に1件ちょっとのはず。ところが、本日も初診の患者様に黄斑円孔が・・・。黄斑円孔も早目の手術が望ましいので、さっそく明後日手術の予定に。
網膜剥離とか、急性緑内障とか、黄斑円孔とか。手術を急がなくちゃいけない病気って、なんだか妙に続く印象があるのですが、気のせいかな??
せっかくなので、黄斑円孔のことを書いて行こうかなと。
でも、その前に、まずは黄斑について。

黄斑(おうはん)

図のように、目の中に黒目(角膜)側から光が入ってきて、水晶体(青矢印)などで光が屈折して、眼球の奥、眼底・網膜(赤矢印)で焦点があうと物がよく見えます。水晶体がレンズ、網膜がフィルムにそれぞれ該当し、よく眼球はカメラに例えられます。(最近はデジカメが主流で今後変わっていきそうですが・・・。)
このフィルムに該当する、「網膜の中央部」、物をみる真ん中の部分を黄斑(おうはん)と呼びます。

眼底写真では、黄斑は青矢印の部分で、正常な人では少し黄色というかオレンジが濃くうつります。黄色は、キサントフィルと呼ばれる紫外線を吸収し、細胞を守る成分から来ています。
黄斑の病気はOCTで観察するとも多いのですが、

正常な黄斑は他の網膜よりも少し薄い構造で、なだらかなカーブを描いて、少し凹んだ形をとります。(陥凹:かんおう)

黄斑は、光を感じ取る細胞である視細胞が極端に多い組織で、細かいものを識別したり、色を把握することなどに長けています。
黄斑部から離れるほど、視細胞は少なくなっていくので、視力として細かいものを判別する能力が落ちていきます。
例えば、「あかさたな」と、書いてあるのは通常に読めると思います。

では、このを見て、目をそらさない状態のままで下の文章を読むことはできますか?

直接文字を見れば、もちろん読めますが、上の星印を見たままでは難しいですよね?何か書いてあるのは分かっても、識別して読み進めることは困難です。
なので、もしも黄斑部に病気が起こって、中心部の見え方が奪われた場合には、見たい部分が見えなくなり、視力の数値が極端に悪くなり、文字を読んだり、細かいものを識別することができなくなってしまうのです

他に黄斑は、物を見るということのみに長けている一方、血管や血流が乏しかったり、組織を支えるための骨組となる細胞の数が少ないことから、構造として脆い組織であり、「病気が起こりやすい」といった特徴もあります。紫外線が集中しやすいのも病気の一因となります。

黄斑に起こる病気としては、黄斑の文字を使用したものでは、
?黄斑前膜
?黄斑円孔
?加齢黄斑変性症
?黄斑浮腫(糖尿病、静脈閉塞症、動脈瘤、ぶどう膜炎などで黄斑がむくむ)
?黄斑ジストロフィー

などがあります。

また、網膜剥離が黄斑に広がった場合など、黄斑部以外に発症した病気が、黄斑に及んだ場合にも著しく視力が低下します。

ようよう 石岡市 特別養護老人ホーム

今日は山王台グループ初の特別養護老人ホーム「ようよう」の竣工披露パーティーがありました。

僕は眼科のこと以外、あまり詳しくないので、間違っていたら申し訳ないのですが、特別養護老人ホームは主に65歳以上の高齢者で、身体的・精神的な障害があり、介護を要する人が入所できる施設のようです。


とてもよく晴れて気持ちのいい日です。


老人ホーム??というより、ホテルのようです。

寺本先生の陶器のモニュメントも素敵です。


全室個室。すばらしい。
部屋ごとに色合いなど異なりましたが、写真を撮り忘れてしまいました。

共用スペースやキッチンなど、大きく6つのユニットに分かれて、
テーマカラーなどが、それぞれのユニット毎に異なります。

うーん。ここに住んで、ここから仕事に通いたい。


メインキッチンかっこいい!

テラスも。晴れた日は最高ですね。


お風呂も素敵でしたが、僕のカメラでは暗い写真になってしまいました・・・。本当はもっと明るくて、とても広いです。


勝手に屋上に。赤が山王台病院。青が「あいあい」。眼科内科クリニックは2階建てで見えない・・・。緑は筑波山です!

これから草花に囲まれるであろう庭や、杉林。自然の雰囲気に癒されます。

高額な有料老人ホームとかではあるのかもしれませんが、通常の特別養護老人ホームで、こんな施設は見たことがありませんでした。僕がおじいちゃんになるころにも、同じような施設があるといいな。
新しい施設ができると、一緒に働くスタッフも増えます。施設が立派でも介護の仕事で一番大事なのはやっぱり人です。みんなで楽しく働くことができたらいいなと思います。

地域の医療福祉の重要な役割を担っていくであろう、「ようよう」の竣工式でしたが、僕はというと、

音楽を聴きながら、昼間からお酒を飲んで上機嫌でした。
(朝も夕方も入院患者様の診察・処置はしましたよ!念のため。)