さかさまつげ (加齢性)? 手術 ひどい人

今日は以下の手術を行いました。
・霰粒腫切除 1件(まぶたのできもの)
・白内障手術 2件
・眼内レンズ交換 1件(以前に他院で手術後のレンズがズレてしまったもの)
みなさん問題なく終わりました。

以前の続きです。
「さかさまつ毛」
退行性眼瞼内反症(たいこうせいがんけんないはんしょう)
今日は手術についてです。

これは先週の月曜日に手術を行った、88歳女性の右目です。
前回「さかさまつげ?」で書いたとおり、まぶたの皮膚や筋肉が矢印のように上下方向・左右方向に緩んで、まぶたがたわみ、まつ毛が上向きになってしまっています。

手術は局所麻酔で行います。
手術の写真は上下反対になります。

まず、余っている皮膚にペンでしるしをつけ、麻酔の注射をします。(麻酔の前に注射の痛みを和らげるシールを1時間張ります。)

次に、ペンでしるしをつけた部分の皮膚(余った皮膚)をメスで切り取ります。出血を少なくするために、クリップのようなもので、まぶたを挟んで行います。

横方向に伸びる矢印の部分は、眼輪筋といって目を閉じるために使う筋肉です。加齢によって、この筋肉や靭帯が伸びてしまう事が、さかさまつ毛の一因となります。

矢印のように、筋肉を折り返して糸で縫うことで、筋肉の張りを良くして、まぶたをピンと伸ばすようにします。

筋肉の処置が終わったら、皮膚を縫い合わせます。

最終的にはこんな感じ。こちらの患者様は88歳と高齢でキズをしっかり止めたいのと、血液がサラサラになる飲み薬を使用していますので、止血のため
もあって、6-0という少し太めの糸で縫ってあります。


これが手術翌日。矢印の部分が黒く目立つのは、縫った糸です。ワーファリンといって血液が止まりにくい薬を使っているため、内出血が大きくなってしまいました・・・。(普通の方は翌日でももっとキレイです。)

これが本日です。ちょうど術後1週間で、抜糸を行いました。
まだちょっとだけ、赤みがありますが、もう1週間位でキレイになります。
さかさまつ毛は治っています。少しアッカンベー(外反)をしているようにみえますが、少し糸が緩むなどして1ヶ月後くらにピッタリになります。


これは6月末に同様の手術をした84歳男性です。
(7月に写真撮影のシステムを変えたので、画質などが異なります。)

これは、先週いらしたとき、手術から1ヶ月半くらいです。
これくらい立つと、キズ口もほとんど分からなくなります。

この手術の方式は「眼輪筋縫縮術:がんりんきんほうしゅくじゅつ」と言います。
余った皮膚はまるまる取ってしまいますし、筋肉を直接縫い縮めますので、非常に治療の効果が高いです。基本的には、ほとんど100%の患者様のさかさまつ毛(眼瞼内反症)を治せます。
欠点は、皮膚を切るので、?手術がちょっとは痛い、?出血するので、少しの間は見栄えが悪い、?抜糸が必要、?少し時間がかかる。といった事になります。
日帰り、注射による局所麻酔で、だいたい15分くらいの手術です。
1割負担だと、自己負担が2000円くらいになります。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

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