マリオット盲点  栗棒?

かなり寒くなってきましたね!

久しぶりに娘と朝の散歩に行ったら、健康のためどころか、風邪を引くんじゃないかと・・・。次回はちゃんと厚手の服装をさせなくちゃ。

今日は病気とは別に、目の面白い機能について。
マリオット盲点(まりおっともうてん)
マ盲点や、生理的暗点などとも呼ばれます。人間はもちろん、脊椎動物全てに存在する、視野の欠損する部位の事です。

黒目(角膜)から入ってきた光は、目の奥の方のフィルム(網膜)に当たります。網膜は一つの束(視神経)になって、最終的には脳ミソにつながり、「物が見える」という事になります。

図の赤矢印の部分は視神経乳頭と言って、網膜が集まって束になる部分なのですが、実はこの部位のみ光を感じ取ることはできないのです。

写真だと水色の部分が視神経乳頭(マ盲点)になります。ちなみに、物を見る中心部の網膜は黄斑と呼ばれ、オレンジの矢印に当たります。

自覚的には、マリオット盲点(視野が欠けて見えない部分)は、視界の中央から少し外側に存在します。(正確には、中心部から外側に15度位の部位)

そうは言われても、「視野が欠けている??私はそんな場所ない!!」って思いますよね??
人間の脳は非常によく出来ていて、眼球としては光を感じない部位が存在しても、脳ミソ的には、その部位を「黒」とはしないで、その周りの色をクシャっと引き寄せて、あたかも何かが存在しているように画像を変換してしまうのです(filling inと呼ばれます)。

では、信じられない!と言う人のために。
まず、右手を顔の高さで、前方にしっかりと伸ばします。
次に、写真のように、親指と小指のみを軽く伸ばします。

左目を閉じて、右目で、親指の爪(赤丸)をじっと見つめます。
小指が上の方を向いている時には、親指の爪を見ていても、小指の先(青丸)も視野の中で認識が出来ると思います。
そこから、親指の爪を見たままの状態で、腕を時計回りにゆっくりと回していき、小指が親指と水平の部位に来るようにします。

こんな感じ。すると、親指の爪を見ていると、小指が見えなくなっていると思います。この見えない範囲がマリオット盲点です。

どうでしょう?出来ました??
他には、紙に☆を横に5cmくらい離して書いて、紙を顔に近づけて、右目のみで、左側の☆を見続けます。そこから紙を離していくと、右側の☆がなくなる部位が見つかる。なんて方法もあります。

マリオット盲点というのは、全人類に存在するもので、見えないことは病気ではありません。
マリオット盲点以外の部位が欠ける場合は病気となるのですが、視野が欠ける代表的な疾患として、緑内障があります(日本人の失明の原因の第一位)。
マリオット盲点を認識しづらいのと同様に、実は、緑内障で視野が欠けた場合も初期の段階では気が付きにくいのです。(初めて病院に来る時には、末期だったんてことがよくあります。)
人間ドックで指摘されたり、メヤニなど他の理由で眼科を受診したときに、幸運なことに初期の緑内障が見つかった場合には、早期から治療ができるのですが、自覚症状がないと、通院や治療が途切れてしまう事が多いことも問題です。

僕は治療をサボってしまう人に、視野が欠けることを認識してもらったり、そして普段は、そのことに気がつかない。と言う事を伝えるために、マリオット盲点が見えないという事を実践してもらう事があります。
(マリオット盲点は病気ではありませんが、みなさん、まさか視野が欠けている。なんて思っていないので、ビックリするようです。すると、急に緑内障の治療に積極的になってくれます。脅しているようで申し訳ないですが、結局は患者さんのため。)

いつも、上記のような指を使った説明や、紙に書いたり、ペンを使ったり。どうにかマリオット盲点を分かってもらおうとするのですが、なかなか上手くいかない時もあります。(高齢の方などでは、親指を見て!と言っても、ついつい、小指の方を探して見てしまうんですよね・・・。)

そこで、以前から作りたいと思っていた物を昨日作ってみました!

カインズホームで、S字フック98円、ビニールテープ28円X2色で、計154円。
S字フックを切断して、曲げて、ビニールテープを張り付けると、

こんな感じ。

実際には、長いほうの先を目の下に当てて、

赤のテープを見ていて頂いても、黄色も認識できますが、
指の時と同じように、ゆっくりと回すと、

赤を見ていると、黄色が見えなくなります。

今日、さっそく患者さん10名くらい、スタッフにも実験してたのですが、
みんな、視野が欠けている事を実感したようで、「ワァー!」と[:びっくり:]
大成功です。指でやるときよりも、赤とか黄色とかの指標をしっかりと作る方が、目がきょろきょろしないようです。

150円で作った、この棒。
名前は「栗棒:クリボー」と名付けよう。
大量生産して、眼科医のみなさんに1000円で買ってもらえたら[:ひらめき:]

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