老人環(ろうじんかん)

今日は他院の先生に手術見学にきて頂き、以下の手術を行いました。
・翼状片手術 1件
・内斜視手術 1件(脳出血後麻痺性斜視)
・白内障手術 11件
・眼内レンズ縫着術 1件(他院術後の無水晶体眼)
・網膜硝子体手術 3件(茎離断2件、切除1件)
 (糖尿病黄斑浮腫1件、黄斑前膜1件、硝子体混濁1件)
無事に終わりました。

今日、外来で受けた質問の話題で。
老人環(ろうじんかん)
月に1回くらい、中高年?比較的高齢の女性が、「黒目の部分が白く濁ってきた。」と心配になって受診することがあります。
今日いらっしゃった患者様も、「久しぶりに鏡をみたら、黒目の内側が丸く、白く濁っていてビックリしてきた。」という訴えで受診となりました。68歳の女性です。
写真はこんな感じ。

黒目(角膜)の輪郭のあたり、赤矢印のあたりに、白から少し黄色っぽく濁りを認めます。
本来、黒目(角膜)は透明な臓器なのですが、加齢によって血管や血流に変化が起こり、血管から漏れ出した脂質(リポ蛋白など)が、透明なはずの角膜内に貯留してしまい濁って見えるようになります。
通常は、角膜の上方や下方の周辺部から濁りが出現し、次第に広がり、1周ぐるっと濁りがつながってしまいます。濁りは角膜の周辺部のみに出現し、視界にかかる中心部にまで広がることはないため、視力や見え方には影響はしません。
角膜の一番端っこから濁りが出来るのではなく、青矢印の先のように、ちょっとだけ透明な部分(透明帯)が残って、その内側がリング状に濁っていきます。

見た目を気にして受診される女性が多いのですが、残念ながら治療法はありません。今の医学ではキレイにしてあげることは出来ないようです。

しかも、この濁りのことを質問された場合、説明をするのがとっても嫌なのです。最初に書いたのですが、病名は「老人環:ろうじんかん」。見た目を気にして病院に来るので、年齢とか、加齢とかという言葉が嫌いそうな人が多いのですが、老人環って、ヒドイ名前ですよね・・・。加齢環のほうがまだいいかと。脂質環とかでもいいかも。
基本的にちょっと見栄えが悪いですが、悪い病気ではなく、ちょっと見栄えに影響する。といった状態です。

そういうわけで、残念ながら年齢による変化という説明となってしまうのですが、稀に30歳とか40歳で濁りが出てしまう事があります。この場合の名前もちょっと変なのですが、「若年環:じゃくねんかん」なんて呼びます。あまりに若い年齢で若年環が出来る時には、高脂血症、高コレステロール血症などが隠れていることがあり、内科への受診を勧める事があります。

今日もお読み頂き、ありがとうございました。

“老人環(ろうじんかん)” への5件の返信

  1. 今日、同窓会で気になって眼科に勤める看護師に聞いた症状です。言いにくそうに答えてくれました。でも50代の同窓会なのでお互い様・・・悪い病気ではないとのことで安心しました。

    1. 本当に老人環なのでしょうか??眼科で言われました?
      家族性の高脂血症で若く生じることはありますが、コレステロールは測ったことがありますか?
      コンタクトレンズによる障害、角膜炎等も考えられるので、一度は眼科の正確な診断を受けてください。

  2. コメント失礼いたします。
    鏡をみて、黒目(角膜?)の上の部分が灰色になっていて、近所の眼科にいきました。コンタクトをしているため、酸素を取り込もうと白目が黒目に侵入してきているとのことでした。自分はドライアイなので、涙不足も原因かなと先生がおっしゃっていて、白目の侵入が真ん中までいくことはないため、視力に関係ないとのことですが、本当でしょうか?

    また老人環に似ていますが、どういった症状で、もし真ん中まで白目が侵入してしまうと、手術などできるんでしょうか?

    心配性のため、よろしくお願いいたします。

    1. 遅くなってすみません。
      診察をしないと何をさしているのかは不明です。
      老人環は無症状で、生涯を通して中心部にかかったり、視力に影響するということはありえません。

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