瞳孔? 瞳孔の異常 その1

お昼に網膜硝子体や緑内障の緊急手術がありました。
午後の診療も遅れずに開始ができ、スタッフの協力・優秀さに感謝です。
夜は近隣の先生方に糖尿病網膜症について、1時間の講演をさせて頂いたのですが、数日前から、のどがイガイガして、声が枯れていて大変でした[:悲しい:]

瞳孔? 瞳孔の異常
瞳孔は目の中に入る光の量を調節したり、ピントの調節などにも役立ち、状況によって、大きくなったり小さくなったりと、変動を繰り返しています。(明るいところ⇒散瞳、暗いところ⇒縮瞳)

瞳孔の異常は大きく2つに分けられます。
?虹彩の構造上の異常
?神経学的な機能上の異常

?虹彩の構造上の異常
・瞳孔が大きすぎる場合
外傷などによって虹彩が断裂したり、瞳孔を小さくするための筋肉が麻痺してしまう場合があったり(麻痺性散瞳)、手術手技の問題で虹彩が切除されていたり、稀ですが生まれつき虹彩が全くない。または一部がない。なんていう人もいます。
⇒虹彩がない・瞳孔が大きすぎると、光が入り過ぎてしまうので、眩しくなってしまいます。手術で虹彩を縫合したり、人工の虹彩を縫いつけたり、虹彩の模様の入ったコンタクトレンズを使って頂く場合などもあります。

眼球破裂後の虹彩損失

・瞳孔が小さすぎる・偏位している場合
ぶどう膜炎などの目に炎症が起こる病気や、手術後、外傷後などでは、目の中に炎症が起こり、虹彩が小さくなったまま癒着をしてしまう場合があります。瞳孔が中心部から外れて、端っこにズレた状態で癒着をしたりしてしまう場合も。サンピロという目薬の副作用で瞳孔が小さいまま癒着をしてしまうことも。
⇒瞳孔が開かないと、目の中に入る光が少ないために、視界が暗く感じます。
瞳孔が偏位してズレていたりすると、光の通り道が遮られ、視力が下がってしまう場合もあります。また、目の中を循環する房水の流れに影響して、緑内障という病態を起こすこともあります。
炎症による癒着が軽度・早期の場合には、瞳孔を広げる目薬(散瞳薬)のみで解決してしまう場合もありますが、ある程度、癒着のひどくなったものや、偏位しているものでは、瞳孔を切ったり縫ったりする手術を行う事もあります。

瞳孔偏位による視力低下⇒手術で中心部を切開

?神経学的な機能上の異常

こちらの?をメインで書こうと思ったのですが、
ちょっと眠くなってしまったので、今日はこれでお終いに。

実は、視神経炎という病気の患者様がいらっしゃり、それに関連して瞳孔について書き始めたのですが、前置きばかり長くなってきています・・・。

“瞳孔? 瞳孔の異常 その1” への13件の返信

  1. 野球で硬式ボールが眼球に当たり外傷性散瞳になりました。かなり瞳孔が開いており、まぶしさとかすみ、ぼやけを感じます。視力は1.2くらいはあります。サンピロをさすと瞳孔は普通に小さくなります。サンピロをさしても小さくならない人が多いと言われていたので治る可能性は高いと言われましたが、なかなか治りません。治すためにすべきことはありますか?また、少しでも瞳孔は小さくなるのでしょうか?教えて下さい!

    1. 遅くなってすみません。受傷後、短期間の投稿と思います。
      外傷性散瞳では、半年後、1年後、徐々に回復に向かうことが多いですが、
      重症例では全く回復しないケースもあります。
      治療は通常経過観察のみですが、絶対的な根拠はありませんが、僕もサンピロを処方しています。
      担当の先生の説明通り、サンピロが効く時点で回復していく症例の可能性が高いと思います。
      (重症例では、一見、虹彩がどこにあるのか分からないほど開いてしまい、サンピロに無反応です。)
      年単位で回復が得られないケースでは、手術治療もあります。
      近年、保険適応外ですが、見た目的にもまずまずの治療法が出てきています。

      1. 症状と質問です。2ヶ月前の9月中旬に野球で自打球を目にあててしまい、目の打撲、網膜振とう、外傷性散瞳と診断されましたが、打撲、網膜しんとうは2週間ほどで概ね治癒しました。
        残りは瞳孔が大きく開いた状態で外傷性散瞳との診断で瞳孔が小さく戻るように目薬サンピロで治療しました。
        眼科でサンピロ2%という目薬を処方され、1日1回点眼して縮小をさせようとしましたが、サンピロを入れるとボヤけて見えにくくなるので、生活に支障が出る為、すぐにはサンピロをやめました。副作用もあると思われ、一時的に小さくなるだけの対症療法かと思われ、やめてます。
        そこで質問ですが、先生のご経験上、外傷性散瞳の症例はどの程度ありますか?
        なった方の予後は?何か別の問題が出てきますか?
        サンピロをやれば瞳孔は小さくなるのでしょうか?サンピロをやった方が効果が良いのでしょうか?
        一般的に外傷性散瞳の治療にサンピロを使うものなのでしょうか。
        2ヶ月経ち瞳孔は初期よりは少しだけ小さくなった気がします。縮小する動きはありますが、まだ縮小しても元の倍以上の大きさです。
        外など明るい所に出るとある程度縮小し、縮小する動きはあります。
        リハビリとして明るい昼間に外に出て瞳孔を動かす、縮小させる事は、小さくする事や括約筋に効果はありますか?
        散瞳の場合、外に出て紫外線を受けるとまずいですか?
        季節によるかもですが11月の最近は日中外に出ても眩しさは感じません。
        現在は眩しさは、日中外に出ても眩しさは少し落ち着きましたが、左右で電球などの照度の強さが違い、車のヘッドライト等はハイビームにしてるんじゃないかと言う位眩しく感じます。又太陽の反射した白色などは色が違います。ピントも少し合わない時もあります。
        あと仕事も復帰してるのですが、以前より目と頭が疲れやすいです。
        これは時間が経てば気にならなくなるのでしようか。
        同じ病気で悩んでる方がいたら相談したい位です。

        1. サンピロを使用した方が回復は早いと思います。月単位で改善に向かいますが、最終的に同じ大きさには戻らないことも少なくありません。
          サンピロをさしても全く反応しない人や、極大散瞳のまま固定されている方も外来にはチョコチョコおられます。
          2ヶ月で多少なりとも戻っているのであれば、半年、1年とそれなりには戻る可能性が高いと思います。
          眩しさがつらいと、瞳孔付きのコンタクトレンズを使用している方もいますし、
          極大散瞳のままでも「なれたし、仕方ない。こんなものでしょ。」と割り切っている方も沢山います。
          (どちらかというと、こちらのタイプが多く、コンタクトを勧めても面倒だからと断られてしまうことが多いです。)
          瞳孔の大きさはピントの合い具合に影響しますので、デスクワークメインであれば、老眼の年齢でなくても、デスクワーク用の眼鏡で多少なりとも疲労感が減ると思います。
          また、将来、白内障手術を受ける時に虹彩リングを入れることはできますが、保険は効きません。

          1. 上記の外傷性散瞳の質問をしましたeveryoneです。ご回答頂きありがとうございます。 
            現状は2019年9月中旬に外傷してから3ヶ月以上経ってまして、経過観察してます。視力は元に戻りましたが瞳孔はやはりまだ大きく5mm程あり、光を当てれば僅かですが縮瞳します。昼間は晴天の日など日差しが強い時は眩しい時もありますが、夜のヘッドライトが気になり夜でもサングラスしたりしてます。

            担当医からはまだサンピロを1日1回程度の点眼で処方されてますが、私がサンピロの副作用を気にしてしまい、サンピロ1%を3日に1回程度で夜に点眼しています。
            サンピロを1〜2滴指すと元の目(左目)と同じ位まで縮瞳してます。
            散瞳を治すためにやはり継続的にサンピロ点眼をした方が良いのでしょうか?
            1日1回程度なら副作用は気にしなくて良いでしょうか?
            他の先生からはサンピロは一時的な対症療法で時間が経てば元の大きさに戻ってしまい意味が無いようにも言われてしまいました。

            先生の実績等で外傷性散瞳の患者さんでサンピロを打って効果のあった患者さんがいたら、事例を教えた頂きたいです。
            本当は先生に一度診て頂きご相談したく茨城まで行きたい所ですが、私が愛知県の為、行けないのが実情です。
            もう一つ質問で、ネット情報ですが外傷性散瞳になった方で後に飛蚊症になった方がいました。私は、外傷時もその後も特に飛蚊症は出て無いですが、これから出てくる物なのでしょうか?

          2. 度々すみません。質問させてください。
            外傷性散瞳の場合、サンピロは発症から何ヶ月程続けた方が良いでしょうか?
            現在サンピロは副作用があるかと思い、控えたりしています。
            先生の回答では少しでも反応があれば、サンピロをした方が少しずつ小さくなってゆくという事でしょうか?

      2. 2年前に外傷性散瞳で質問させていただいたりくと申します。
        あれから2年経ちマックスに開いていた瞳孔も時間の経過と共に回復し、視力も0.2から0.7から0.8ほどまで回復いたしました。担当医からはここまで回復した患者は初めてということで良かったと思っています。
        ただ、最近になってケガした目の視界に浮遊物(アメーバ、微生物のような物体、ミミズ、黒点)が急になり見えるようになり病院に行ったところ飛蚊症と言われました。網膜剥離等の心配は無いようでが、浮遊物が鬱陶しいので東京の某クリニックでレーザービトレオライシス を2回ほど受けました。しかし、残念ながら期待できるような効果はありませんでした。
        一難去ってまた一難というのが今の心境です笑時間の経過と共に気にならなくなるという情報も知っているのですが、気になってまた精神的に悪い状態になるのが嫌なので、解決できる治療がもしあるのであれば教えていただきたいです!
        お手数ですが、よろしくお願いいたします。

  2. 片目の瞳孔が暗いところでも開きません。大学病院で検査を受けましたが、原因不明とのことで治療等は何も行わず、今に至ってます。
    日中は特に支障は無いですが、夜間や、トンネルなどの運転はとても疲れますし、肩こりがひどいです。本当に何も治療法がないのでしょうか?このままほっといても悪くなることはないのでしょうか?教えて下さい。

    1. 対光反応や近見反応、他の神経眼科所見、薬剤投与時の反応があるかなど、
      情報や検査内容も不明で何ともいえません。すみません。

  3. 裂孔原生網膜剥離及び増殖性硝子体網膜症で4回の硝子体手術を受けました。俯向き期間が長かったため、散瞳した状態で癒着しています。(虹彩が白内障レンズに癒着している状態)。そのために房水の循環が悪く、眼圧が3以上上がりません。眼球が小さくなり、瞼が下がり不自由を感じています。サンピロの点眼は効果的でしょうか?

    1. 一般的に、うつぶせが原因で散瞳が固定されることはありません。炎症が強く癒着したか、瞳孔が丸くなければ眼内レンズが虹彩の前に偏位しているものと思います。
      また、瞳孔が散瞳しているからといって、房水の循環が悪くなることもありません。逆に癒着で房水の循環が悪い場合は続発性緑内障(眼圧が高くなる)になります。
      診察をしていないので確実ではありませんが、おそらく網膜剥離は復位を得られておらず、眼球勞(がんきゅうろう)という状態に陥っているものかと思います。
      説明を正確に理解できていない可能性が高いです。もう一度よく主治医の先生の説明を聞いてみてください。

  4. 初めまして、コメント失礼します。
    私は外傷により目を強打し、現在、新しい出血はありませんが、出血の残りがまだ残っており霧視と、飛蚊症の症状があります。
    また、水晶体も亜脱臼しており、虹彩も陥没しております。
    担当の先生いわく、外傷性のものだから、手術中、大出血するリスクが高く、少しずつ消えるのを待つことを勧められ、無理して手術し、後遺症が残るくらいなら待ってみたいと思い、月2回通院しております。
    先生の意見もお聞きしたいのですが、よろしければご意見おねがいたします。

    1. 眼圧上昇や網膜剥離の併発がなければ、ゆっくりと出血が晴れるのを待っても問題ありません。
      が、もし特に網膜剥離を併発していた場合は、早急な手術が必要で時間の経過とともに回復できなくなっていきます。
      出血で網膜の状態が全く確認できない場合は、どこかで踏ん切りをつけて手術を検討する必要があります。
      結果として、網膜剥離ではなく、取り越し苦労ということもありますし、網膜剥離が見つかって「早くやってよかった」となることもあります。
      その時期をいつに決めるかは、できる限り正確な診察所見と、病院の手術技能などによって異なります。

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