緑内障? 分類

今日は以下の手術を行いました。
・眼瞼下垂+眼瞼内反症手術 1例
・白内障手術 5件
・緑内障手術(トラベクレクトミー) 1件
無事に終わっています。
眼瞼下垂+眼瞼内反症は若い患者様なのですが、他院で既に2回の手術歴があり、癒着が多いと大変だなぁと心配していましたが、まずまずキレイに出来ました。

今日も緑内障の話題で。
緑内障? 分類

緑内障とは、眼圧に関連して視神経が障害され、視野が狭くなる病気。と11月12日に記載しました。自分の持っている眼圧に、自分の視神経・網膜が耐えられない場合に進行していく病気です。
ただ、一口に「緑内障」といっても様々な種類があるのです。細かく分けたら数十種類も。例えば、日本で一番多いとされている緑内障は「正常眼圧緑内障」という緑内障です。

まず、大きな分類として、以下の3つに分けられます。
?原発性(げんぱつせい)
?続発性(ぞくはつせい)
?先天性(せんてんせい

?原発性緑内障
他に緑内障を発症するような病気のない、純粋な緑内障になります。最も多い病形で、医師に「緑内障ですよ。」と言われた場合は、ほとんどがこちらになります。

?続発性緑内障
他の病気がもとにあって、それが影響して緑内障を発症するものです。目に炎症が出てしまうぶどう膜炎という病気や、外傷性の緑内障、ステロイドの薬を飲んでいる人がなるステロイド緑内障、糖尿病などが原因となる血管新生緑内障、甲状腺の病気や、白内障など水晶体に関連するもの、手術が原因となって発症する緑内障などもあります。続発性緑内障は上記の様々な原因が影響して、原発性に近い形をとる緑内障ですが、治療をするうえで、緑内障の治療以外に、もとの原因となる病気の治療を行うことも必要になります。

?先天性緑内障
近年は正式には発達緑内障と呼ばれます。生まれつき、眼球構造の発達不良であったり、異常があるために起こる緑内障で、小児期?若年期に発症します。目の異常のみでなく、染色体異常やホルモン異常など、全身的に重大な疾患と合併することがあります。

では、次の分類です。
A:閉塞隅角(へいそくぐうかく)
B:開放隅角(かいほうぐうかく)

以前のブログ(2011.11.07 Monday)で、目の中には房水と呼ばれる水が循環していることを書きました。

房水は毛様体(もうようたい)と呼ばれる組織で産生され、青矢印のように目の内部に流れていきます。そして、最終的に、赤矢印のように角膜と、水晶体の前方に位置する虹彩の付け根の部分から出ていきます。この房水の出口の部分を隅角(ぐうかく)と呼びます。
この隅角(房水の出口)が明らかに狭く、水の排出が悪くなっているのが「閉塞隅角緑内障」。一見、隅角(房水の出口)は狭くない、または広いのに排出が悪いものを「開放隅角緑内障」と呼びます。

赤矢印が隅角を指していますが、左側が閉塞隅角、右側が開放隅角になります。

開放隅角は出口が広いのに、房水の排出が悪く、眼圧が上がってしまうことがあるのですが、出口よりも先の房水の排出路の構造に問題があったり、細胞レベルなど、人間の目で認識できるレベルを超えて、流れを妨げる何かがある場合に起こります。
逆に言うと、閉塞隅角緑内障は、少し拡大して診察するだけで、医師(人間)の目で、明らかに出口の構造が狭いということが認識できる病態です。

開放隅角の、目に見えないレベルの異常がある場合には、治療法は、まずは点眼薬による治療を行うのが一般的です(人間の手を使った手技で、どうにか出来る大きさのレベルではない)。
ところが、閉塞隅角の場合には、人間が認識できる大きさのレベルで、出口が狭いので、手術やレーザー光線を使用して、出口を広くすることで、房水の流れを改善することが可能であり、治療の第一選択は外科的な手技になります。(以前は、サンピロという点眼薬で、出口を広げる方法がとられることが多くありましたが、副作用の問題などで、今はあまり行われません。)

*閉塞隅角緑内障で、手術等などで外科的に隅角を広げても、緑内障が残存する場合には、開放隅角緑内障も合併しており、混合緑内障と呼ばれます。この場合は、隅角を広げた後も、開放隅角として点眼薬などの治療が必要になります。

この2つの分類の組み合わせで、多くの緑内障を表現することができます。
例えば、
・原発性開放隅角緑内障
・続発性開放隅角緑内障
・続発性閉塞隅角緑内障 などになります。

正常眼圧緑内障
初めに、緑内障のなかで、もっとも多い病形だと書いたのが、この正常眼圧緑内障です。
実は、正常眼圧緑内障は、厳密には原発性開放隅角緑内障に分類されます。
緑内障は眼圧がいくつだから発症するとかではなく、自分の眼圧に、自分の視神経が押し負けてしまう場合に発生する病気です。みんなに比べて、視神経が弱い人がいたとして、その人の眼圧が10?20mmHgと、正常値と言われている状態でも、神経が押しつぶされていく場合には緑内障となるのです。

緑内障という病気のことが、まだよく分かっていなかった時代に、「眼圧が高い=緑内障」という観念が先行してしまったようで、緑内障とは眼圧が20以上でなるものだ。と考えている人が多いようです。
本来は、眼圧が10だからとか、20だから、30だから病気だとか病気でない。と言うことではないのですが、現在の日本では一応、眼圧は10?20mmHgを正常としています。

このような理由で、一応は、「眼圧が20未満で発症した緑内障を正常眼圧緑内障」と、定義されています。
実際には、緑内障とされる患者様の70%以上は、正常眼圧緑内障と圧倒的に多い病態です。緑内障の、ほとんどの患者様の眼圧が正常。というのも変な話なので、そろそろ、眼圧の正常値という呼び方とか、病名とか、大きく変える時代が来てもいいのでは??と思いますが、どうなのでしょう?

なるべく、簡単に、一般の患者様に分かりやすい解説を。と日々考えているのですが、特に今日はちょっと難しいですよね・・・。
分類という言葉自体、ちょっと表現が硬い。なかなか難しいです。
お付き合い頂きありがとうございます。

茨城グルメまつり

今日は緊急の患者さんもなく、ゆったりです。

入院の方のみ診察して、車で40分。水戸の偕楽園・千波湖に行ってきました。

30分700円で手漕ぎボートを借り、白鳥にエサを(・e・)
エサをあげたがる割に、実際に近づいてくると、怖がったり。わがままな子供です・・・。

駐車場からして、妙に混んでいるな。と思っていたら、
今日は、
2011 茨城グルメまつり
が開催されていました!
最近流行りの、B級グルメグランプリとか、そういう趣向の物らしいです。(間違っていたらすみません。)
県内からの参加を中心に60店舗近い出店があるようです。

「ネバネバ丼」??、看板が見えますが、茨城ですから、きっと納豆に違いない!

B級グルメグランプリ。テレビでみてすごく興味があったのですが、

お昼がメインだと思いますが、僕が会場についた時には16時。結構遅い時間になってしまったのですが、まだまだすごい人だかり。


この矢印から矢印まで、ずっと並ばないと食べられないようです。
今日あるなんて知らなかったので、お昼にラーメン大盛りを食べてしまい・・・。ここに並ぶか、並ばないか・・・。
迷いましたが、本日は撤退[:悲しい:]
来年はリベンジするぞ[:ラーメン:]

緑内障③ 病態

緑内障③ 病態

目の中には血液の代わりに、栄養分に富んだ透明な液体(房水)が流れており、房水が入っているからこそ、眼球と言うボール(風船)は、丸く膨らんでいることができます。指で触ってみても、少し弾力・硬さがありますよね?
目の中に房水がたくさん入っていると眼球は硬くなり、少ないとやわらかくなります。この硬さ・弾力のことを眼圧として測定することを緑内障①②で記載しました。

緑内障とは、眼圧に関連して視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。
(難しいことまで書くと、目の奥の血流や視神経の構造など、眼圧以外の原因もいくつか推測され、偉い先生たちが日夜研究中ですが、現在の医学で原因・治療法としては確実に証明されているのは眼圧・眼圧下降のみとされています。)

眼球にとって、房水はなくてはならないものです。栄養分をいきわたらせる役割もありますし、何より房水がなければ、眼球というボールは丸く膨らんではいられません。ケガなどで眼球に穴があき、房水が流れ出てしまったら、目は文字通り小さくつぶれてしまいます。
房水が存在するおかげで、眼球の風船には内側から圧力がかかり(眼圧)、丸く膨らんでいる眼球ですが、光を感じ取る網膜や、網膜の束である視神経が、眼圧によって押しつぶされて、薄くなってしまう事があります。網膜・神経が薄くなった部分は徐々に見えにくくなっていくのですが、この状態を緑内障と呼びます。


房水によって内側から膨らむ力(眼圧)が働くと、


視神経が圧迫されて、光を感じ取る網膜(緑)が薄くなってしまいます。

血圧は収縮期で140未満が正常、140を超えるとが異常、高血圧と呼ばれますが、
実は、厳密な意味では眼圧に正常値はありません。
ただし、ある程度の目安として、一応は眼圧の正常値は10~20mmHgとされています。

どちらかというと、眼圧は低い方が良いと考えてください。(0とか1とか、極端な低値は別ですが。)
例えば、
・眼圧が100とかあると、地球上の人間のほとんど全員が1日で失明に至ります。
・眼圧が50だと、視神経・網膜が弱い人は数日、丈夫な人は数ヶ月~1年程度かけて失明します。
・眼圧が30だと、目の弱い人は数ヶ月で失明に至りますが、丈夫な人は一生涯まったく問題が起こらない人もいます。
・眼圧が20だと、多くの人では特に問題が起こりませんが、視神経や網膜が弱い人は、ゆっくりとですが失明していくこともあります。
・眼圧が6でも、非常にまれですが、視神経や網膜が押しつぶされていくこともあります。

つまり、眼圧が数字でいくつだから大丈夫、いくつだから駄目。というのではなくて、自分の持っている眼圧に、その人自身の視神経・網膜が耐えられるかどうかが問題なのです。

ある人の視神経が16mmHgまで耐えられる神経であった場合に、その人の眼圧が12mmHgであれば、全く問題が起こりませんが、眼圧が19であれば少しづつ弱っていきます。眼圧が30であれば、より早く弱ってくという具合です。

ですので、眼圧の正常値である10~20mmHgというのは、それくらいの人が多いという目安であって、その中に入っているから大丈夫ということもないですし、その中に入っていないから絶対に病気になるというわけでもありません。
(そうはいっても、眼圧が30も40もあれば緑内障になる確率は高いので、人間ドックで眼圧を測って、20以上の人をピックアップすることは、効率よく病的な人を見つけるのには役立っています。問題なのは、20以下だったから、緑内障にはならないと、安心してはいけないという事です。)

裂孔原性網膜剥離? 治療その2 強膜内陥術

今日の夕方は、少し外来を早めに終わりにさせて頂き、網膜剥離の手術を行いました。
県南の医院様からの紹介で20代の男性、少し前に白内障の手術をして頂いたようです。手術は無事終わり、視力も回復したようなのですが、最近になって網膜剥離が見つかったようで。
もともとアトピーがある方です。実はアトピーの方は、若くから白内障になったり、網膜剥離になりやすいことが知られていて、眼科医の中では、白内障手術⇒網膜剥離。というのは、非常に怖いのですが、とてもよくある話です。アトピーがあると、とにかく目が弱いようで、網膜剥離になったり、なったあとも手術が難しかったり、なかなか大変です。

網膜剥離に関しては、以前にたくさん書いたつもりでしたが、本日の手術の方式はまだでしたので、今日はその話題で。

裂孔原性網膜剥離? 治療その2
強膜内陥術(きょうまくないかんじゅつ)

以前に記載した(ブログ:2011.10.24 Monday)、硝子体手術と呼ばれる術式は、剥がれた網膜をくっつけるために、眼球の内部に器械を直接挿入し、硝子体(ゼリー)を除去して、空気の力などで網膜を眼球の壁に押し付ける方法でした。(網膜⇒眼球壁)

強膜内陥術は、眼球内に器械を入れたり、網膜に直接触ることなく、網膜と眼球壁をくっつける方法で、剥がれた網膜はそのままに近い状態で、眼球の壁を内側に押し込んで、網膜にくっつけるような方法です。(眼球壁⇒網膜)


こんな感じで、緑の網膜が内側に剥がれているとすると、


上方から、シリコンスポンジという物資を、押し込んで縫いつけ、眼球自体をゆがませて、眼球の壁と網膜をくっつけます。

実際の手術です。

まず、強膜(白目)を覆っている結膜という粘膜を切開し、強膜を露出させます。


強膜に紫のペンで印をつけてあるのが分かりますか(黄緑矢印)??
この印の内側の部分の網膜が、断裂して、網膜剥離の原因になっている穴の部分です。この周囲に、針と糸を通しています。


強膜に通した糸で、眼球を押し込むように、シリコンでできたスポンジをキツク縛り付けます。
白いうどんのような物が、シリコンスポンジです。シリコンというと、女性が胸に入れたりもしますが、体中に安全に留置することができる物質です。


こんな感じで、シリコンのスポンジを数か所縫いつけたり、目を動かす筋肉の下を通したりして、眼球を凹まして穴をふさいだり、網膜をくっつけていきます。


網膜剥離の程度が強い場合には、網膜と眼球壁の間に溜まったお水を除去した方が、早くくっつきます。写真の水色の矢印は、白目に穴を開けて、溜まったお水を抜きだしているところです。(治療のイメージ図では赤矢印の作業です。)

網膜剥離といっても、年齢も程度も原因も様々なので、患者様にあった治療法を選択していかなければなりませんが、この治療法は、一般的には年齢が若く、硝子体(ぜりー)が眼の中にたくさん残っている方に、よく行われます。

硝子体手術に比べて、この手術(強膜内陥術)の良い点は、
・眼球に穴を開けたり、器械を入れたりしないので、バイキンが入って感染症を起こしたり、大出血を起こしたりといった、重大な合併症が起きにくいことです。

悪い点は、
・目を押し混んだり、ぎょろぎょろさせて引っ張ったり、硝子体手術よりは痛みが強いこと。(以前は全身麻酔で行うことの方が多かったようです。)
・直接、眼内をいじって治すわけではないので、重度の網膜剥離などでは、治せない症例が多いこと。⇒治せなかった場合には、硝子体手術を行います。
・眼球の形が変わって、乱視や近視が大きくなること。
などがあります。

注)どの術式がよいかは、その患者様の年齢や、症状、網膜の穴の数や、穴の大きさ、穴の位置、発症後の期間。様々な条件により異なりますので、担当の先生とよく話し合うようにしましょう。

疲れた・・・。

水曜の午後はまるまる手術です。
今日は、
・翼状片手術 3件
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術 3件
(糖尿病網膜症2件、網膜中心静脈分枝閉塞症による硝子体出血1件)
17時半には終わったので、そう長い手術ではないのですが、


翼状片がこんな感じで。
病気の詳細は以前のブログを(2011.06.08 Wednesday)
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4939

できれば、最低でも瞳孔と呼ばれる中心の黒目に届く前に受けて頂きたいのですが・・・。でも、このかたは時々は眼科にかかっていたようなのですが・・・。
大きな切除が必要ですが、血液をサラサラにする薬を飲んでいるため、どうにも血が止まらずに苦労しました。頑張ったかいもあり、結局はキレイに終わりました。あとで、術後の写真も載せたいなと思います。

緑内障のブログはまた明日に。
外来でも、「読んでますよ!」なんて言って頂ける事が増えてきて、頑張りたいのですが。ちょっとお休みで[:しょんぼり:]

それと困っていることが一つ。
ブログの左の欄に「Q&A」というのを作って頂き、数名の患者様たちと、やり取りをさせて頂いたのですが、最近、毎日のように迷惑メールのような書き込みが・・・。削除しても、次の日には別の書き込み。どうしたらよいのやら。はぁ。

緑内障② 眼圧の測り方

緑内障② 眼圧の測り方

前回、眼圧について記載しました。
・目の中の水(房水)が多いと、眼球・ボールを内側から膨らまそうとするチカラが大きくなり、眼球が硬くなります⇒眼圧が高い。
・逆に、房水が少ないと、ボールはペコペコで、やわらかい状態に⇒眼圧が低い。

血圧の測定方法は、腕に血圧計を巻いて、空気で腕の血管を圧迫して、拍動する状態から測定します。

では、この眼圧はどうやって測るのかというと、
近代の眼科では、大きく2種類の方法で測定しています。

①non contact tonometer(ノンコンタクト トノメーター)
略して「ノンコン」と呼ばれています。日本語では非接触式眼圧計。
空気を眼球に吹き付けて、眼球(角膜・黒目)の変形する様子から眼圧を測定します。

上のような器械に、顔を載せて、目を大きく開けて測定します。

器械が同じ量・風速の空気を目に吹き付けるのですが、
もしも、中に水がいっぱいで、眼圧が高く、眼球が硬い場合には、眼球(角膜)の形は、あまり変化しません。

逆に水が少なくて、目が柔らかい場合には、眼球が大きく変形します(凹む)。

ノンコンのメリットは、
・空気を吹き付けて測定し、眼球に直接触れないため、感染症などが起こりにくいこと。
・基本的に測定の精度には器械の力量が大きく、検査をする検査員の力量によっては、測定の誤差が出にくいこと。
等があります。

デメリットは、
・角膜の厚みや様々な条件に対応できず、基本的には誤差の大きい検査です。
・特に空気を吹き付けられる時の恐怖感などで、目が動いたり、強くつぶろうと力が入ったりすると誤差が大きくなります。(最近の器械は、空気の量が非常に少なく、当院の最新型などでは、数年前のものよりも患者様の負担はとても少なくなっていますが。)

②applanation tonometer(アプラネーション トノメーター)
略して「アプラ」とか、発案者の名で「ゴールドマン」とも呼ばれます。日本語では圧平式眼圧計。

こちらは、空気ではなく測定器を直接眼球(黒目・角膜)に押しつけて測定します。
麻酔の目薬をつけて、下のようなスリットランプと呼ばれる目の表面の観察装置を使います。

この青く光る部分を目に押しつけます。

医師の側からは、こんな感じで見えます。

測定原理はノンコンと同じような感じで、器械を押しつけて、目の凹みぐらいから眼圧を推測します。(眼圧が高ければ、あまり凹まない。)

アプラのメリットは、
・誤差が少なく正確(技術があれば)

デメリットは、
・直接、目に触れるので、感染症の原因になったり、測定時に黒目にキズが付くリスクがあります。
・青い光がまぶしい。
・医師が測定しますが、担当医の力量や、クセなど、測定する人によって誤差が生まれる可能性があります。

どちらの方法にしても、患者さんにとっては、空気が不快だったり、まぶしかったり、あまり気分のいい検査ではないようです。ただ、眼科ではとても重要な検査ですので、ご協力を頂ければと思います。

*緑内障の患者さんの管理には、基本的にアプラネーションも用いた眼圧測定が必須です。緑内障専門医を名乗りながらノンコンのみで診療している医師もいることはいるのですが・・・。

注)
上記の測定は、目の硬さから、目の内部の圧力を推測する方法です。
実際に眼球に針などを入れて、内部の圧力を測定するわけではないので、あくまで推測値になってしまうのですが、診察のたびに手術のように眼球内に器械を入れるわけにはいきませんので。
これらの方法では、眼内の房水による圧力以外にも、眼球のボール自体の厚さや、硬さ(剛性)も、測定値に影響します。例えば、同じ大きさの、やわらかいゴムボールと、硬いプラスチックのボールに、同じ量の水の入れても、触った時の硬さは異なりますよね?
例えば、高齢になると角膜組織が硬くなります。このため同じ水の量であれば少し眼圧が高めに測定されます。他には、レーシックなどの近視矯正手術を行って、角膜が薄くなっていると、同じ眼圧でも、眼球がやわらかくなるため、眼圧の測定値は小さい値が表示されます。(最近は、手術をする施設も増えてきましたが、以前は緑内障の人はレーシックはできない。と言われていたのは、こんな理由もあるのです。)

*レーシックによる感染症や、長期成績が問題となり、レーシックを受ける人が激減しているのは緑内障管理の面からは喜ばしいことでしょうか?日本人は高齢になるにつれ高率に緑内障を発症する民族です。強度近視の人はさらに緑内障のリスクが高まりますので、本来は緑内障患者さんや、強度近視など将来緑内障のリスクが高う患者さんに対しては、僕はレーシックは禁忌だと思います。商売としての治療を行っている医院が多い分野ですが、その人が20年後、40年後、どういうリスクがあるのか?レーシックを施行している先生はよく考えて、きちんとリスクの説明をしてほしいものです・・・。

緑内障① 眼圧

失明の原因第一位、眼科の重大な病期について記載を始めます。

緑内障① 眼圧

手の先、つま先、体のほとんどの部位では、血液が栄養分を運ぶ役割を果たしています。では、眼球の中はどうでしょう?
もしも目の中に赤い血液が流れていたら、光が通らないので、物を見ることができません。

目の中では透明な水が循環することで、栄養分をいきわたらせることを行っています。

具体的には、図の茶色の組織(毛様帯)と呼ばれる組織から、

血液の中から必要な、栄養分の高い水だけをろ過して、水色の矢印のように水が出てきます。実際には水は目の中全てを埋め尽くすわけではなく(一番広い部分には硝子体がありますので)、図のようなルートで、特に水晶体(レンズ)の周りをまわって栄養分を届け、赤矢印、黒目(左側)の方に回って、瞳孔(虹彩)の付け根のあたりの出口(隅角)から出ていく。という循環を繰り返しています。

この目の中を流れるお水の事を「房水:ぼうすい」と呼びます。
目の中に、房水が入っているからこそ、眼球(ボール)は、丸く膨らみ、触ったり押したりすると、一定の硬さ・弾力があります。この弾力・硬さが
眼圧(がんあつ)なのです。

目の中に房水が多いと、眼球のボールを内側から膨らませる力が大きくなり、外から触ると、パンパンで、硬く感じます。このような状態を、「眼圧が高い」。

逆に、目の中の房水が少ないと、眼球のボールはペコペコ、やわらかい状態となり、このような状態を「眼圧が低い」と表現します。

放置

いろいろと忙しかったりで、芝生は9月の中旬から、ほとんど放置になってしまっています・・・[:冷や汗:]
妻がたまに水をやったり、草むしりをしてくれているそうですが。

秋になって気温も下がると、芝も伸びないので刈らなくても大丈夫で、水やりも週に1回とかでいい。と、教科書?図鑑には書いてあるのですが、確かに、放置の割にはまだ緑を保っています。

ほとんど成長せず、芝刈りも不要のようです。

肥料をいっぱいあげたら、もう少し長く楽しめるのかもしれませんが、今、肥料をあげると、芝生には手遅れで、冬に生える雑草が元気になってしまいそうな不安もあり、今年はこのままにしておこうかなと。

引っ越し後、まるまる2年、芝生とお付き合いしてみましたが、
だいたい、4月初めから緑の芽がでてきて、5月のGWくらいにひとまず緑のカーペットになるようです。
8月が一番キレイで、10月までは緑を保ちます。
11月中に徐々に茶色になって。

我が家の芝は、高麗芝(こうらいしば)、日本芝・夏芝とも言われるようですが、半年くらいの間、緑を楽しめるようですね。
頑張っている人は、夏に日本芝、途中で種をまいたりして、冬に西洋芝(冬芝)を生やして、一年を通して緑にkeepするツワモノもいらっしゃるようで。
エバーグリーン(常緑)、カッコいいですが、時間的に難しい。リタイヤしたら考えよう[:ゴルフ:]

救急車呼んで!!網膜中心動脈閉塞症

今日も網膜剥離の紹介がありましたが、それよりもっと悪い病気の患者様が・・・。

実は、もともと当院にかかって頂いている、50代女性の患者様です。
初じめてお会いした時は、糖尿病網膜症による出血で、視力が0.03とかだったのが、きちんと治療ができて、最近は0.9まで回復していました。

今回は昨日の夜に、急に真っ暗になったと、今朝来られたのですが、なんと網膜中心動脈閉塞症・・・・。
以前に書いていますが、
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4925
2011.04.23 Saturday
目を養っている中心部の血管がいきなり詰まってしまう病気です。
脳梗塞や、心筋梗塞と一緒で、いかに早く血栓を溶かすか。が重要です。


視力はなんと、0.01まで低下。
写真の青矢印で囲った部分が少し白く見えるでしょうか?
赤い血液が流れないために、白くうつってしまうのです。
緊急入院で、マッサージや点滴、ステロイド剤の注射などを行いましたが、
写真は治療後に今とったやつですが、少し改善してきているようです。

糖尿病の方は、残念ながら、見えなくなるまで、外来に来てくれない人が多いのですが、(もちろん、きちんと来てくれる人もいますよ。)
この方も、外来をサボってしまう事が多く、煙草を吸ったり、血糖が500あったり、食生活も・・・。医師の立場からは、決して優等生とは言えない患者様なのですが、とても明るく気さくな患者様で、来た時には外来の雰囲気を明るくしてくれる、素敵な患者様です。なんとか少しでも良くなってほしいなと。

でも、網膜中心動脈閉塞症は、詰まってから1?2時間以内の治療が望ましい疾患です。今回も半日弱たっており、元通りに見えるように。とは行かないでしょう。
急に見えなくなったら、救急車です!!!
脳梗塞や心筋梗塞では、みなさん救急車を呼べるのですが、目の事になると危機感が乏しく、どうしても明日でいいや。となってしまうようで・・・。

ブログをみて、覚えていてくれる人が少しでもいて、自分や家族の方が急に見えなくなった時には、すぐに病院へ行って頂ければ幸いです。

今回の患者様は、優等生とは言えませんが、「昨日は先生が休みだと思って。」とのこと。優しい気持ちで、受診が遅れてしまったのは残念。少しでも回復を。と祈ります。
でも、昨日の夜も救急外来の患者様を2名診察しています。やっぱり重大な病期の時は、昼・夜関係なく病院に連絡を。

(いつも目が赤いのだけど、昼間は忙しいから、夜みてほしい。みたいなコンビニ感覚の受診は、お断り致しますが・・・。たまに、そういう問い合わせもあるのですよね・・・。)

病気の原因

いつもなかなか一緒にいる時間がないので、日曜祝日の朝の診察は、子供を病院に連れていき、お手伝い??邪魔??をしてもらうのですが、今朝は昨日手術をしたばかりの患者さんが多かったので、お留守番に。長女が「連れてって欲しい」と泣いたりして・・・。カワイイなぁ[:ときめき:]

今日は外来の説明で、よく困ることから。
病気の原因について

外来をしていて、「残念ですけど、緑内障です。」「加齢黄斑変性症です。」「眼底出血です。」
診断をつけたら説明をするのが僕の役目なのですが、少し重い病気の診断をすると、多くの方に「原因は?」とか「何に気をつければいいですか」と質問されます。病気であることに納得が行かない場合や、健康に気を使っている人などで、そういう傾向が強いようです。

すると、僕は一般的に言われている・考えられている原因をお話するのですが、本当はなかなか難しいのですよね・・・。

例えば、「緑内障です。」と伝えると、「目をいっぱい使う仕事をしたから。」「細かいものが好きだったからかな。」とか、みなさん、いろいろな事を言われて、自分で納得しようとするのですが、現在分かっている緑内障の原因は家族性(遺伝傾向)があると言う事だけで、煙草もパソコンも、紫外線も関係がないようです。

「血管が詰まって、眼底出血です。」なんて伝えると、「最近、寝不足だったから。」とか、「煙草すってるからでしょ。」とか、自分でなにか原因を決めて納得しようとする方がたくさんいます。寝不足や煙草は、ある意味あっているのですが、実際にはそう簡単ではないのですよね。

血管が詰まる理由は、加齢や動脈硬化、他に高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病などが大きな原因ですが、さらにその原因には、運動不足、煙草、塩分など食生活などもありますし、遺伝傾向なども関係します。他にも、そういった傾向が全くなくても、生まれつき一部の血管が細かった。なんていうことだってあり得ます。

なので、なにか一つの原因を明確に指摘して、ここを気をつけましょう。なんて偉そうなことは、なかなか言えないのですよね[:悲しい:]

どんなに健康に気を使っていて、バランスのとれた食事をとって、運動もして、体系もスリムで。そんな人も、ある程度の年齢になれば脳梗塞を起こすこともありますよね。
「肺がん」というと、煙草だけが悪者にされますが、煙草をすっていなくても肺がんになる人は沢山います。(もちろん、大きな要因の一つですが)
「インフルエンザや風邪」も、ただ、ウィルスを他の人からうつされた。だけではなく、自分の寝不足やストレスなどで免疫力・抵抗力が弱かったり、もしかしたら、おなかを出して寝たとか。いろいろな要因が重なって病気が成り立ちます。

そんな感じで、外来では、「あなたの病気の原因は、これこれ、こういったものたちがリスクとしてはありますが、なにか一つだけが原因というわけではなく、いろいろな要因が重なっていて起こっており、明確な原因は不明です。」なんていう、少し曖昧な表現が多くなってしまうのです。

みなさん、ご自身の病気を納得するために、何か一つの事柄を病気の原因として説明してほしい。とういう希望があるようなのですが、なかなか難しいのです。

文才があまりないので、よく分からないブログになってしまったでしょうか?
最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございます。

そうそう、さっき電話があって、明日も網膜剥離の紹介が来るようです。
スタッフの皆さんは、これをみたらビックリかな?すみませんが、ご協力お願いします。