石岡ホルモン

最近、重症のかたの紹介が多かったせいか、今日は日曜日ですが、まだ5名の入院患者様が残っていました。大きな問題はなく、ちょっとした診察だけですみましたが、なかなか忙しい毎日です。でも、明日頑張れば、明後日は祝日ですね!

久しぶりに石岡市の飲食店について。
石岡ホルモン

ホルモンって、好きな人、嫌いな人がいると思いますが、肉食の僕は大好きです。「脂が乗ってるほどよい。」みたいな感じなので、メタボが心配ですが・・・。

この白ホルモンは、そんな僕の好みにぴったりで、脂がのりにのっています[:ときめき:]臭みもなく、とってもおいしいですよ!

このホルモン鍋も大好きです。

クリニックから国道6号にでてすぐ、車で1?2分くらいです。
できて1?2年くらいかな?(間違っていたらすみません。もっと新しいかも。)
店内もキレイで、子供にも優しい、とってもいいお店。お勧めです。

メガネ・眼鏡処方箋

午前中は小美玉で外来でした。外来にきた女性の相談で、愛犬のパグが獣医さんにかかっていて、失明しそうだと言われていると。僕に診察をしてほしそうな雰囲気でしたが、病院に犬を入れることは僕の判断では・・・。気になりますが・・・。やり過ぎな気もするし・・・迷う。
昨日のブロブに書いた網膜剥離で紹介の患者様には、面識もないまま夜のうちに電話で説明をして、小美玉から帰り次第、挨拶も後回しで、お昼休みに手術をする事が出来ました。少しでも早く網膜をくっつけてあげることができて、こちらは良かったかなと。

メガネ・眼鏡処方箋
今日はメガネに関する微妙な話です。一部の眼科の先生には怒られるかもしれませんが・・・。
昨日も書きましたが、特殊な例を除いて、メガネには病気を治したり予防する効果はありません。メガネをかけることで、かけている間の視力や見え方を、一時的に改善する補助具の役割があるだけです。
このメガネを作るときに、必要だと言われているのが、眼科で発行される眼鏡処方箋です。

この問題は、政治や選挙にまで多少影響するのですが、
少なからず、眼科医vs眼鏡店という対立があるようです。

?眼科医側に多い意見
・メガネ・眼鏡の作成に関しては、すべて眼科医が関わるべきで、眼鏡店で勝手に作ることは違法である。
・眼鏡店で作成するメガネは、どちらかと言うと、過矯正と言われるメガネになる比率が高いと言われ、眼精疲労の元となるリスクが高い。
・眼鏡店でメガネを作成する場合に、メガネをかけても視力の改善が乏しい場合に、眼科への受診を勧めることなく、眼鏡のみ作成し、病気の早期発見・早期治療の機会を奪っている場合がある。
・眼鏡店の眼鏡作成能力は、一定化しておらず、上手く作れていない可能性がある。

?眼眼鏡側に多い意見
・既成事実として、現在も処方箋なしで多数の眼鏡作成が行われている。
・法律上、規制があるのは医業としてのみであり、眼鏡の処方くらいは、たいして医業とはいえず、特に資格は不要である。
・痩せるために、エステにきた人に、肥満だからと病院への通院を促す必要があるのか?目が悪い人がきたら、眼鏡店は眼科への受診を勧めないと罪なのか?

注)上記は、そういった意見があるというだけで、全ての眼科医や眼鏡店に当てはまるわけではありません。あくまで、よく耳にする例としてです。

これを踏まえて、僕個人としての意見を書いてみたいと思います。(あくまで個人の意見です。)
・7?8歳までの小児は、視力・視機能の形成に非常に重要な時期であり、間違った(その子にあわない)メガネをかけることで、弱視という病態に陥ることがあります。弱視とは、将来メガネをかけても視力が悪い。運転免許証などが取れなくなる可能性がある事態で、非常に大きな問題です。また、小児は調節といって、目に変に力が入ったりして、上手く検査ができないことがあり、目薬を使った特殊な検査が必要なることが多々あります。なので、10歳未満の子供に関しては、必ず眼科で検査をして、処方箋に基づいて処方するべきだと思います。
・成人に関してですが、先日も記載しましたが、実はメガネがあわないからといって、病気になったり、近視の度数が進むなどという事態に落ちいるということはありません。(仮性近視や一過性の屈折性近視を除く)
もちろん、過書矯正などの合っていないメガネを書ければ、眼痛・頭痛などの眼精疲労は起こりえます。なので、好ましいことではありませんが、成人の場合には眼精疲労が起こってツライから。と、それから眼科へ受診しても手遅れになることはありません。

もちろん、眼鏡を作る全ての場合で、眼科ですみずみ検査して、処方箋を書くことが、目のためには一番いいに決まっています。ただ、国の財政が厳しかったり、眼科医や医師不足が嘆かわれている現代で、これまで眼鏡店で行ってきたすべての眼鏡処方を眼科医のみが行う事になったら、大変な時間とお金の負担がかかることは間違いありません。眼鏡処方の全てに眼科での検査を義務付けるよりは、少子化対策に税金を割くほうが重要ではないかと、僕は思います。
例えば、1年に一回、強制的に、全ての国民の精密人間ドックを行えば、日本人の平均寿命は延びるかも知れません。でも、それには医師の数も不足していますし、かかる費用も莫大になるので、現実的ではないですよね?
どこまでこだわるかは考え方次第ですが、成人に関しては、自分の考えで、自分が必要と思えば眼科にかかって下さい。というのでも問題ないかと思います。
お金や時間をかければ、一般的にはいいものにめぐりあります。ただ、どこまでお金や時間をかけるのかは、個人の自由ですよ。といった具合です。

ここまで書くと、眼鏡店の意見側に近いのかなとも思いますが、眼鏡店側の意見をお持ちの方に、お願いもあります。
眼科での検査なしで、眼鏡店のみでメガネの処方をする場合に、患者様が歪みを訴えたり、メガネをかけても1.0見えないなど、もしかしたら目の病気の可能性がある場合には、必ず眼科への受診をすすめて頂きたいのです。
当院の近隣を含めて、良心的な眼鏡店は、すでにそうしているかと思いますが、残念がら、稀にはあまりに腹立たしいケースに出会う事もあります。
例えば、メガネをかけない裸眼視力が0.1で、眼鏡店でメガネを購入して矯正視力が0.3まで上昇したが、結局見えにくいから眼科を受診。そして病気が見つかったが、既に手遅れ。といったケースです。
メガネをかけても0.3なんて、重症か軽症化は別として、何らかの病気があるに決まっています。病気が予想できるのに、メガネを売ることが優先されて、眼科への受診を勧めないというのは、罪なるのかはどうかとして、倫理上、人としてどうかと思います。

このような眼科医vs眼鏡店という図式は、あまり良いものではありません。
本来、眼科医と眼鏡店は助け合って協力関係でいるのが望ましいかと思います。

まとめ(僕が個人的に思う眼鏡処方に関しての考えです)
?10歳未満の小児のメガネは眼科で検査をするべき。
?成人のメガネ作成は、眼鏡店を選ぶか、眼科での処方箋を選ぶかは、本人の自由。ただし、作成前の検査で矯正1.0の視力が出ないなど、目の病気や、何らかの異常の可能性があれば、眼科での検査を受けるべき。あきらかに異常が疑われるのに、眼科受診を勧めない眼鏡店が、もしも存在した場合には、罰則を与えるなどの法整備を行うべき。

以上が、眼科医、栗原としての個人的な意見です。

一般的には、無資格者よりも、眼科医や眼鏡士のほうが眼鏡の知識は詳しいと思います。そうはいっても役職に限らず、個人の能力は様々です。
ものすごい勉強をして、眼科医よりもメガネに詳しい無資格者だっているかもしれません。なので、眼科で処方したメガネよりも、無資格者の処方したメガネのほうが相性がいい。なんてことも絶対にないとは言えません(少ないと思いたいですが)。
僕も眼科医としては、自分はメガネの事を勉強している方だと思っているのですが、それよりなにより、当院には優秀なORT(視能訓練士)と、優秀な認定眼鏡士が在籍しています。通常のメガネだけでなく、遮光眼鏡、プリズムメガネ、拡大鏡、ローヴィジョンエイドなど、僕よりも詳しいスタッフが頑張っていくれています。僕は彼らを信頼、尊敬しています。眼鏡処方は特殊枠で月曜日や金曜日に行っているので、ご興味があればお電話にはお問い合わせください。

眼鏡店で処方を受けることは全く問題ありませんが、メガネをかけても見にくい。と言う場合には、一度眼科を受診してみることをお勧めします。

メガネは必要ですか?メガネはあっていますか?

今日は午前の外来が72名、午後は以下の手術を行いました。
・翼状片手術 1件
・白内障手術 12件
・網膜硝子体手術(茎離断)3件
(黄斑円孔1件、黄斑牽引症候群1件、糖尿病硝子体出血+血管新生緑内障1件)
みなさん無事に終わりました。

昨日もお昼休みに網膜剥離の手術をしたばかりですが、先ほど連絡があり、明日も網膜剥離の紹介があるようです。

残念ながら中心部(黄斑)まで剥がれてしまっているようです。できるだけ早い手術が望ましいので、明日、外来の混み具合によりますが、お昼休みに手術が出来るといいな。
かかりつけの先生からインターネットで、上の写真を含めて、様々なデータを頂けました。まだ患者様にはお会いしていませんが、来院前から治療や手術方法のプランをたてることができ、とても役立ちます。ネットの発達により、専門医に相談するなど、遠隔地医療も増えてくるでしょうし、医療の形態はどんどん変わっていくのでしょうね。楽しみです。

先日、メガネについてブログを書いてみたのですが、今日はメガネに関してよく受ける質問の説明を。
私はメガネは必要ですか?
私のメガネはあっていますか?

外来をやっていると、一週間に数回は質問されます。
答えはどうかというと「知らない。自分で決めて。」です。
もちろん、このままの言葉では患者様に怒こられてしまうので、一通り説明して、別の言い回しをしますが、
基本的には、メガネが必要かどうかは、本人がよりよく見えたいかどうかによります。
注)7?8才以下の小児の場合は、必要な時期に必要なメガネをかけないと、弱視などになってしまうリスクがあります。本日の記載は成人に関してです。

子供の弱視や、斜視などで使う、特殊な治療用メガネを除いて、
メガネは、ピント(光の焦点)を網膜に合わせるために使用する、物を見やすくするための補助具に過ぎません。
誰でもメガネをかけることで、かけない時よりも物が見やすくなりますが、メガネをかけても、病気を治したり、病気を予防する効果はありません
ですので、成人の方が、メガネをかける必要があるかどうかは、その方が裸眼の見え方に不自由があり、それをメガネで改善したいと思えば、かければいいですよ。という具合です。

たとえば、「ボヤけても、なんとなく見えればいい。」なんて思っている、おおらか・大雑把な性格の人は、裸眼の視力が0.1しかなくても、メガネなんか要らない。と考える場合があります。
逆に、「遠くの信号機の光が少しにじむだけでも許せない。」なんて思っている、繊細・ナイーブ・神経質な人は、裸眼の視力が1.0あっても、それを1.5にするためのメガネを欲しがる場合もあります。
医学的、眼科的な立場からすると、どちらも間違いではありません。その人にとって必要ならメガネをかければいいのです。
裸眼の視力が0.2しかないのに、メガネなしで運転している。なんていう人もいますが、これも、倫理上は好ましくないですが、それによって目が悪くなるということはありません。(個人的には、人を傷つけるリスクがありますし、法律は守るべきだと思いますが)

次に、このメガネはあっていますか?の質問ですが、
これも、極論ですが、その人次第です。
遠くを見るとき、近くを見るとき、できるだけ細かいものまで、しっかりと見えるようなメガネを合わせることを、完全矯正と呼びますが、強いメガネなんて表現のほうが聞いたことがあるでしょうか?
完全矯正・強いメガネをかけることで、その目的の距離のものは、最もはっきりと見えるようになりますが、それ以外の距離ではピントがあいにくくなったり、疲れやすくなったり、眼痛や頭痛の原因になることもあります。(いわゆる眼精疲労)
ただし、疲れたからといって、目が悪くなるわけでも、正式な意味で近視などの度数が進行するわけでも(仮性近視・屈折性近視除く)、目の病気になるわけでもありません。
「少し疲れやすくても、よく見えるほうがいい。」と思う人もいれば、
「私は疲れやすいから、弱いメガネがいい。」と思う人もいます。

これも、どちらが間違い、どちらがあっているというものではなく、好きなほうを選べばいいのです。

メガネが必要か?メガネがあっているか?
それは患者様自身で考えることですが、一般の方が、
ピント・焦点・強いメガネ・弱いメガネ・完全矯正・眼精疲労などなど、
聞きなれない言葉で言われたら、混乱してしまう人もいるかもしれません。
なので、短くまとめると「知らない。自分で決めて。」という答えになりますが、実際には、年齢や視力、屈折異常の度数の他に、仕事の内容、どの距離を優先的に見たいのか、今のメガネで眼精疲労があるのかないのか、問診でいろいろ教えていただいて、メガネを作る希望があれば、そのお手伝い、アドバイスをさせていただくのが僕たちの仕事です。

まとめ
特殊な治療用メガネを除き、通常の場合では、メガネは病気を予防したり、近視の進行を止めたり、病気を治したりする効果はなく、
かけることで、かけている間の視力や見え方を、一時的に改善する補助具の働きをするだけです。メガネをかけないから目が悪くなることはありません。メガネが必要か、どのようなメガネがいいのか?は、基本的にはその人の好みです。

介護老人保健施設 あいあい 熱帯魚

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 5件
・眼瞼下垂手術 3件(炭酸ガスレーザー:ミュラー筋タッキング)
・緑内障手術 2件(流出路再建)
・網膜硝子体手術(茎離断) 1件(増殖糖尿病網膜症)

みなさん無事に終わりました。
糖尿病の方は他院様の紹介でいらした、30代の患者様です。重症例でしたがキレイにカサブタが除去できました!
月曜は夕方から外来ですが、件数が多いので、スタッフがお昼休みを削って手術をさせてくれました。それでも、さすがに無理があったようで、夕方の外来開始が15分くらい遅れてしまいました。お待たせした患者様には申し訳ありませんでした。
夕方に網膜剥離の紹介がいらっしゃいました。まだ初期の段階なので明日の昼に手術の予定となりました。最近は発見後すぐに連絡・紹介をしてくれる先生が増えたので、手術後の成績がよくなって、視力1.0を保てることが多いようです。ありがたいです。

今日は、グループ施設の紹介です。
介護老人保健施設 あいあい
まだまだ足りないと言われていますが、主に、ご高齢の方が入所するための施設が日本中にはいろいろあります。
施設の特徴によって、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、ショートステイ、療養型病床(これは違うかも)、グループホームなど法で呼び方が決まっているようですね。
常勤の医師や看護士がいるとか、いないとか、医療行為に関してなど、いろいろな取り決めがあるようですが、恥ずかしながら、眼科医の僕はあまり詳しくありません・・・。すみません。

僕が知っているのは、「あいあい」には、約100名の高齢者が入所しており、一緒に食事をしたり、お話やカラオケをしたり、結構楽しそうにやっているな。という雰囲気だけです。体が不自由な方も多いので、介助を受けながら入浴をしたり。
そんなわけで、毎日楽しそうに見える「あいあい」ですが、年中行事・イベントが多いのも、個人的にはいい施設だな。と、好きなところです。
http://www.sannoudai.or.jp/aiai/event01.html
毎月、何らかのイベントがあり、僕もたまに誘われて参加します。
(僕はお酒を飲むだけで、あまり活躍しないせいか、最近、誘われなくなってきたような気もします・・・。赴任当時はもっと呼ばれていたような?)

朝礼の報告で、長く入所していて外出ができていない入居者様と、一泊で温泉に行ってきたという報告なども耳にします。眼科以外のスタッフとは、あまり触れ合う機会がありませんが、あいあいのスタッフから、そういう報告を聞くと、微笑ましいというか、なんだか気持ちがいいです。
あいあいの横に、もうすぐ桜が咲きますが、なにかイベントがあるのかな?楽しみですね。(あいあいのスタッフには無茶振りでしょうか?)

病院と同じく?(自己満足かな?)とてもキレイな施設で、雛祭りや節句など、季節に応じて飾り付けもありますが、最近、熱帯魚の大きな水槽ができました。

とってもキレイで、熱帯魚、エビ、ヤドカリなど、沢山います。

すぐ近くの別の水槽には、年始からいるタツノオトシゴも。だいぶ大きくなりました。

熱帯魚は「あいあい」1階、メインロビーにいます。山王台病院本院と、眼科クリニックの間の施設です。お暇な時間があればぜひ見てみてください。

「あいあい」は入所だけでなく、通所といって、通いで行事などに参加することでの利用者もたくさんいます。僕は、システムが良く分からないのですが、近隣の患者様でご興味があるかたは、是非お問い合わせください。

僕は、介護老人保健施設がなんなのか、特別養護老人ホームがなんなのか?実はよく分かっていませんが、幕内会では、この春から特別養護老人ホーム「ようよう」も開設予定です。
http://www.sannoudai.or.jp/index.html
だいぶ出来上がっており、やはり素敵な建物になりそうです。
こちらも、ご興味があればお問い合わせください。

メガネ

第2・4の土曜日の午前中は、外来をしています。
普段の患者様は、近隣の、どちらかというと中高年?ご高齢の方が多いのですが、土曜日は平日に仕事をしている人や、学生の患者様、都内など遠方からいらっしゃる患者様など、いつもとちょっと違う患者様が多くなります。
初診の方も多く、いつもは1時間に平均12名くらいの方を診察するのですが、重症の方が数名いると、どうしても外来が滞ってしまい・・・。予約制とはいいつつ、お待たせすることが多くなってしまいます。すみません。

今日はメガネのことでも書こうかな。
メガネ・眼鏡(がんきょう)
「僕は目がいいんだ。」「私は目が悪いの。」
多くの方は、「目がいいとか、目が悪い。」とか言う場合に、メガネが必要か、そうでないか。というように思っているようです。眼科医の視点では「メガネをかけても見えない人を目が悪い。」という概念ですので、どんなに分厚いメガネをかけても、視力表で1.0見えるのであれば、視力は正常範囲内ですね。と思ってしまうので、「メガネがないと見えにくい。」と言われると、「メガネかければいいのでは?」と返答したり。
こんなふうに、メガネに対する思いは人それぞれで、メガネを嫌うお母さんに、「お子さんは近視ですね。」と説明したら、絶望で泣き崩れてしまったお母さんにもお会いしたことがあります。
また、緑内障や糖尿病の患者様では「もう末期だから、手術をしても0.1くらいしか保てませんよ。」と繰り返し説明しても、「でも、メガネかければ見えるんでしょ?」となかなか理解してもらえないこともよくあります。
「失明した人がメガネをかけても意味がない。」僕はあたり前のようにおもうのですが、患者様によっては、「メガネかけたら明かりは分かる?」なんて質問を受けることもあります。

メガネは近視や、遠視、乱視などの屈折異常が原因で、ピント(焦点)が合わない場合に、光の進行方向に作用して、ピントを合わせることができるものです。
子供の弱視治療、斜視のプリズムメガネ、紫外線や青色光を防ぐメガネ、眩しさ(羞明:しゅうめい)を和らげるための遮光メガネなど、一部の治療用メガネは別ですが、世の中のほとんどのメガネは、眼底・網膜にピントを合わせて、見やすくする補助をすることが目的です。

以前に書いたのですが、基本的に目が小さい・短い人が遠視で、目が大きい・長い人が近視になります。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=126478


遠視のメガネのイメージです。何もしていない上の状態では、網膜よりも遠くにピントが合ってしまうのですが、虫眼鏡のような凸レンズのメガネをかけることで焦点の距離を短くして、網膜にピントを合わせることが可能になります。


近視のメガネのイメージです。通常の上の状態では、遠くから入ってくる光は、網膜よりも近くにピントが合ってしまいます。遠視とは逆の凹レンズのメガネをかけることで焦点の距離を短くして、網膜にピントを合わせることが可能になります。

乱視のメガネはまたあとで。

3T MRI勉強会

一般の人にはちょっと専門的な日記です。目の事はお休みさせて下さい。

今日は外来も混んで、お待たせした患者様も多くなってしまいました。すみません。夜は医師会の糖尿病の講習会に行く予定でしたが、院内のMRIの勉強会が長引いてしまい、参加できず・・・。

先日、記載しましたが、超最新式のMRIが稼働しています。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=139113
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=139191
でも、新しすぎて、特殊な機能を使いこなせていないのが現状・・・。
18時から始まった勉強会ですが、白熱して22時くらいまでかかり、その後、入院患者様の診察をして、ブログの質問にお返事をして。いいわけですが、夕食もまだなので目のブログはサボります。
MRIの撮影法で、T1やT2、フレア、脂肪抑制、diffuionなど、眼科でもおなじみの撮影方法は、眼科医の中では詳しい方だと、勝手に自負していたのですが、今日はわけのわからない、単語がたくさん・・・。

・出血が急性期・亜急性期などの時期に関係なく安定して検出できる、T2star撮影
・T2/T1コントラストで、MRAなどよりも、素早く血液や液体を鮮明にさつえいする、Balanced sequence撮影
・造影剤や、非造影でも磁場をかけた血球の差分撮影によって、血流障害が分かる(脳梗塞でもdiffusionより、よほど早く分かるようです。)perfusion撮影
・spectroscopy撮影は、乳酸、クレアチン、NAA、コリンなどの組成の違いによって起こる磁場の違いから、病変部が、どのような状態になっているのか(眼なのか、壊死なのか、水なのか)を、組成データを検出することができる撮影です。
まだまだいっぱいでてきましたが、個人的に興味があったのだけ書いてみました。
通常の、今までのMRIとは、全く違うことが出来るようになってきているようです。医学の進歩はすごいなぁ。

勉強会の資料は後日配られるそうで、耳で聞いて、頭で覚えられた範疇で、忘れないうちに。と、メモ代わりに記載してみましたが、スペルなど、間違っているかもしれません。

今日はフィリップス社の方に、いろいろ話を聞くことができましたが、眼科の撮影方法に関しては、資料が全くないとのことでした。
T2starで硝子体出血を撮ったらどう映るのか(あまり診断にゆうようではありません。眼窩や頭部には使えますよね。)、spectroscopy撮影で、眼球の組成をみてみたらどうなるのか。世界中で、一回も調べられてない可能性もあるかも?
うーん。早く僕の目を撮影してほしい。たのしみ。

ブログ、1年続きました。

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 11件
・結膜弛緩症 2件(白内障のついで。無料)
・緑内障手術(トラベクレクトミー)1件
・網膜硝子体手術 3件(離断2件、増殖1件)
 (黄斑円孔1件、ぶどう膜炎混濁1件、増殖糖尿病網膜症1件)
みなさん無事に終わって良かったです。
重症のかたばかりですが、手術目的の紹介が増えてきて、ありがたいことです。頑張ります!

ブログ
少しでも社会の、眼科医療のためになればと、ブログを書き初めて、ちょうど1年がたちました。
一年前の初回ブログ
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=118711

たまには疲れてしまって、「もうやめようかな。」なんて思う事もありましたが、「自分で始めたことだから、とりあえず1年間は頑張ろう。」と、どうにか続けてこれました。
数えてみると、1年間で、275回の記載を行ったようです。関係のない話題も多くありましたが、半分くらいは目の病気に関して記載したのでは?我ながら頑張ったのではないかと、今日は自分を褒めてあげようかと。

少しでも質問にこたえることができましたし、
実際にブログをみて来院して頂く事も増えました。都内からの患者様もちょこちょこ手術を受けに来られますが、茨城県の石岡市に都内から来て頂けるのは、ブログを書いてなかったら、ありえないことだと思います。
このブログがなかったら、出会う事のなかった患者様の診療や手術を行い、少しでもお力になれていたなら、こんなに嬉しい事はありません。

僕はあまりインターネットには詳しくないのですが、トップページへのアクセスを除いた、つまり、トップページへのブログを参照後、別のページをクリックしていただいた方の集計が分かるのですが、今現在で、毎日400人から500人もいるようです。初めのページのみのかたはもっと多数いらっしゃると思うのですが、僕が書いた眼科のことを、たくさんの方に呼んで頂いていると思うと、個人的には素敵なことだなぁと思います。

1年も書くとネタ切れしない?なんて、知り合いの先生に言われることがありますが、まだまだ緑内障も途中だし、黄斑浮腫、黄斑変性、黄斑円孔、ものもらい、円錐角膜、コンタクト、メガネ、斜視、弱視、老眼治療、ローヴィジョン。
ちょっと考えるだけでも。あと2年くらいはネタが持ちそうです。
体力が続くようなら、もう少し頑張って続けていきたいと思います。

だいたい、夜にお酒を飲みながらの記載です。誤字や脱字はご勘弁を!

白内障手術 乱視矯正?

今日の午後は小美玉で井上先生と手術です。
・白内障手術 5件
・さかさまつ毛(眼輪筋縫縮)1件
・眼瞼下垂症(炭酸ガスレーザー:ミュラー筋タッキング) 1件
夕方は開業医様の手術のお手伝いに。

先日、病院のホームページの内容を更新したのですが、ホームページで記載している、白内障手術についてちょっと書いてみたいと。
http://www.sannoudai.or.jp/clinic/ope03.html
白内障手術 乱視矯正?
強主経線切開

水晶体が濁ってしまい、光の通過が邪魔をされるために、視力が低下してしまうのが白内障。白内障手術は濁った水晶体を人工のキレイなレンズと交換することが第一の目標です。ただし、近年は医学も進歩し、「濁りをキレイにする。」という目標はあたり前で、それ以外に「出来る限りメガネなしで見えるようにしたい。」と、より高度な目標をもって手術をする事が一般的になってきました。
その一つが、「乱視を減らそう」というものです。
乱視とは、眼球の歪みに由来して、縦方向や横方向のピントにズレが生じることです。(縦は近視なのに、横は遠視など。)

イメージ図を作ってみましたが、分かりにくいですかね??眼球がまん丸に近いと乱視が少ない目。楕円というか、ラグビーボールのような形だと乱視の強い目。という感じです。

こっちの図の方が分かりやすいですかね?

乱視の治療としては、メガネをかけたり、コンタクトレンズを使用ことが最も一般的で、より積極的な治療としては、レーシックなどの屈折矯正手術があります。
今回は、白内障手術を行う場合に、ついでに乱視を減らしてしまおう。という方法のうち、もっとも手軽にできる方法を紹介します。

左が手術前、右が手術後のイメージ図です。白内障手術では黒目(角膜)と、白目(強膜)の境目あたりにキズをつけて手術を行います。切り口が出来た部分の角膜は薄くなって変形し、切り口の方向では、角膜が平坦化し、ピントが後ろ側にズレるようになります。このような手術のキズ口のせいで、乱視のピントに変化がおこることを惹起乱視(じゃっきらんし)と言います。
手術技術や、器械の進歩によって、手術のキズ口はどんどん小さくなっているため、惹起乱視も小さくなっていますが、白内障手術をすれば、多かれ少なかれ、良かれ悪かれ、乱視に変化が起こるのです。
この惹起乱視と上手に付き合うことで、白内障手術を行うついでに、乱視を和らげてしまうことが可能になります。逆にいえば、黒目の横にキズを作るべき場合に、上から切開を行えば、乱視は悪化してしまうのです。
当院で白内障手術を行う場合には、全症例で必ず乱視を減らすように努力をしています。


これは、角膜トポグラファーという器械で、黒目(角膜)の形を詳細に測定した結果です。眼球の乱視(ゆがみ)は、水晶体などの部分に由来する部分も一部ありますが、ほとんどは角膜に由来するものです。また、水晶体は手術で除去してしまうので、白内障手術では、特に黒目(角膜)に注目して、乱視をコントロールしていきます。
黄色に比べて、オレンジの部分がカーブが強いことを表した図ですが、この患者様の手術をする場合には、オレンジを切る方向、つまり横から切った方が乱視が軽減することになります。

実際に、どう手術をするかというと、
例えば、上から切った方がいい場合では、

こんなふうに上から切開をして手術をします。

横から切った方がいい場合には、

こんな感じ。僕はほとんどの場合、患者様の頭の上側に座って手術をします。写真は上下反対のようになります。これは、右目の手術を右耳側から切開しています。

同じ横からでも、左目の場合には、

こんな感じ。左手での手技になることもあります。僕は小さい時は左利きだったようですが、右利きに矯正されまして、今は右手の方が得意です。なので、左目を横から切る場合には、少し手術がゆっくりになったり、面倒に思う事も。
でも、少しでも乱視が少なくなって、裸眼視力の向上につながるなら。と思えば、頑張りがいがあります。

このような切開の方向による乱視矯正(主経線切開)は、もっとも手軽に行う事が出来る方法です。ただし、矯正効果はあまり大きくなく、主に乱視が軽い場合に行われます。より強い乱視を矯正していく方法に関しては、別に機会に記載したいと思います。
明日も手術がいっぱいなので、今日はこれでお休みなさい。お読み頂き、ありがとうございました。

H24年2月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・霰粒腫切除 1件
・白内障手術 7件
・緑内障手術 1件(血管新生緑内障)
無事に終わっています。
最近、血管新生緑内障が多いです。今日も若い患者様で、両眼の重症糖尿病網膜症、血管新生緑内障の紹介を頂きました。頑張って対応したいと思います。

2月分の手術数を集計しましたので、掲載します。

H24年2月の手術実績
手術合計 109件
内訳

・白内障手術 78件

・網膜硝子体手術 15件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・結膜の手術 5件(翼状片・結膜弛緩症)
・眼瞼(まぶた)の手術 3件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・緑内障手術 2件
・涙器の手術 3件(NSチューブ・急性涙嚢炎・涙小管形成)
・その他の手術 3件(斜視など)

レーザー手術合計 20眼
内訳
・網膜光凝固 10件(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・SLTレーザー 5件(緑内障に対するレーザー)
・YAGレーザー 5件(後発白内障に対するレーザー)

抗VEGF薬 硝子体注射 31件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)
ステロイド薬 テノン嚢注射 20件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

現在の緊急手術以外の手術(白内障や翼状片など)の順番待ちは、2ヶ月半程度になっています。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

山王台病院(本院) 改装工事?

網膜剥離の患者様も経過良好で退院です。両眼の血管新生緑内障の患者様も経過良好ですが、さすがに一週間では退院出来ず、今週は持ち越しとなってしまいました。もうちょっと頑張って頂きます。

普段は殆どの時間を「眼科・内科クリニック」で過ごすので、山王台病院の本院にはあまり足を運ばないのですが、今日はちょっと用事があって、改装中の本院に行ってみました。
以前も書きましたが、本院では改装工事を行っています。(もうすぐ終了の予定です。)
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=137305

「階段がキレイ。」と言うのを噂で聞いていたのですが、

壁面が、虹色のようなグラデーションの照明で出来ています。キレイですね。ちょっと足を止めて、見ていたくなる感じ。メインロビーと、採血室近くの1階から2階への2つの階段がこんな感じになっています。


これは、2階から3階病棟への階段の天井です。なんだかワクワクするデザインですよね。

入院のお部屋も、全てキレイになっています。患者様がいらっしゃるので、写真はupできませんが、個室なんて、その辺のホテルより余程・・・と言う感じ。外来の待合室も暖かい印象になっています。病院にいらした際は、いろいろ見てみてくださいね[:!:]