メガネは必要ですか?メガネはあっていますか?

今日は午前の外来が72名、午後は以下の手術を行いました。
・翼状片手術 1件
・白内障手術 12件
・網膜硝子体手術(茎離断)3件
(黄斑円孔1件、黄斑牽引症候群1件、糖尿病硝子体出血+血管新生緑内障1件)
みなさん無事に終わりました。

昨日もお昼休みに網膜剥離の手術をしたばかりですが、先ほど連絡があり、明日も網膜剥離の紹介があるようです。

残念ながら中心部(黄斑)まで剥がれてしまっているようです。できるだけ早い手術が望ましいので、明日、外来の混み具合によりますが、お昼休みに手術が出来るといいな。
かかりつけの先生からインターネットで、上の写真を含めて、様々なデータを頂けました。まだ患者様にはお会いしていませんが、来院前から治療や手術方法のプランをたてることができ、とても役立ちます。ネットの発達により、専門医に相談するなど、遠隔地医療も増えてくるでしょうし、医療の形態はどんどん変わっていくのでしょうね。楽しみです。

先日、メガネについてブログを書いてみたのですが、今日はメガネに関してよく受ける質問の説明を。
私はメガネは必要ですか?
私のメガネはあっていますか?

外来をやっていると、一週間に数回は質問されます。
答えはどうかというと「知らない。自分で決めて。」です。
もちろん、このままの言葉では患者様に怒こられてしまうので、一通り説明して、別の言い回しをしますが、
基本的には、メガネが必要かどうかは、本人がよりよく見えたいかどうかによります。
注)7?8才以下の小児の場合は、必要な時期に必要なメガネをかけないと、弱視などになってしまうリスクがあります。本日の記載は成人に関してです。

子供の弱視や、斜視などで使う、特殊な治療用メガネを除いて、
メガネは、ピント(光の焦点)を網膜に合わせるために使用する、物を見やすくするための補助具に過ぎません。
誰でもメガネをかけることで、かけない時よりも物が見やすくなりますが、メガネをかけても、病気を治したり、病気を予防する効果はありません
ですので、成人の方が、メガネをかける必要があるかどうかは、その方が裸眼の見え方に不自由があり、それをメガネで改善したいと思えば、かければいいですよ。という具合です。

たとえば、「ボヤけても、なんとなく見えればいい。」なんて思っている、おおらか・大雑把な性格の人は、裸眼の視力が0.1しかなくても、メガネなんか要らない。と考える場合があります。
逆に、「遠くの信号機の光が少しにじむだけでも許せない。」なんて思っている、繊細・ナイーブ・神経質な人は、裸眼の視力が1.0あっても、それを1.5にするためのメガネを欲しがる場合もあります。
医学的、眼科的な立場からすると、どちらも間違いではありません。その人にとって必要ならメガネをかければいいのです。
裸眼の視力が0.2しかないのに、メガネなしで運転している。なんていう人もいますが、これも、倫理上は好ましくないですが、それによって目が悪くなるということはありません。(個人的には、人を傷つけるリスクがありますし、法律は守るべきだと思いますが)

次に、このメガネはあっていますか?の質問ですが、
これも、極論ですが、その人次第です。
遠くを見るとき、近くを見るとき、できるだけ細かいものまで、しっかりと見えるようなメガネを合わせることを、完全矯正と呼びますが、強いメガネなんて表現のほうが聞いたことがあるでしょうか?
完全矯正・強いメガネをかけることで、その目的の距離のものは、最もはっきりと見えるようになりますが、それ以外の距離ではピントがあいにくくなったり、疲れやすくなったり、眼痛や頭痛の原因になることもあります。(いわゆる眼精疲労)
ただし、疲れたからといって、目が悪くなるわけでも、正式な意味で近視などの度数が進行するわけでも(仮性近視・屈折性近視除く)、目の病気になるわけでもありません。
「少し疲れやすくても、よく見えるほうがいい。」と思う人もいれば、
「私は疲れやすいから、弱いメガネがいい。」と思う人もいます。

これも、どちらが間違い、どちらがあっているというものではなく、好きなほうを選べばいいのです。

メガネが必要か?メガネがあっているか?
それは患者様自身で考えることですが、一般の方が、
ピント・焦点・強いメガネ・弱いメガネ・完全矯正・眼精疲労などなど、
聞きなれない言葉で言われたら、混乱してしまう人もいるかもしれません。
なので、短くまとめると「知らない。自分で決めて。」という答えになりますが、実際には、年齢や視力、屈折異常の度数の他に、仕事の内容、どの距離を優先的に見たいのか、今のメガネで眼精疲労があるのかないのか、問診でいろいろ教えていただいて、メガネを作る希望があれば、そのお手伝い、アドバイスをさせていただくのが僕たちの仕事です。

まとめ
特殊な治療用メガネを除き、通常の場合では、メガネは病気を予防したり、近視の進行を止めたり、病気を治したりする効果はなく、
かけることで、かけている間の視力や見え方を、一時的に改善する補助具の働きをするだけです。メガネをかけないから目が悪くなることはありません。メガネが必要か、どのようなメガネがいいのか?は、基本的にはその人の好みです。

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