緑内障? 視神経乳頭陥凹:眼底写真

クリニックでもクリスマスの飾りつけが始まりました[:ツリー:]

今日は緑内障の患者さんに起こる、目の中の変化についてです。
緑内障? 視神経乳頭陥凹 


目の中に光が入ってくると、目の奥の網膜と言うフィルムが光を感知します。網膜は一つの束になって脳へと続いて行きますが、この脳へと続く束を「視神経:ししんけい」、網膜が束になった視神経の最初の部分を「視神経乳頭」と呼びます。(イメージ図の赤矢印)


これは、上は正常な人、下は緑内障の人のイメージです。
眼圧(赤)で視神経乳頭が圧迫されると、網膜が薄くなっていきます。図ではオレンジで網膜の厚みを表現してみました。
これの二つの状態を、実際の写真で見てみると、

左が正常、右が緑内障です。
視神経乳頭は正面からみると、ドーナツのような輪として見えますが、輪の外側のオレンジの部分が網膜にあたります。視神経乳頭の網膜の厚みが多きいほうが、ドーナツのリング(食べるところ)が大きくなり、緑内障で網膜が薄い人は、ドーナツの食べるところが薄くなります。
オレンジのリングに比べて、中央の白い部分は凹んだ形をしているのですが、この凹みの事を視神経乳頭陥凹(ししんけいにゅうとうかんおう)と呼びます。
緑内障では、網膜を表すオレンジの部分が少なくなり、凹んでいる(陥凹)白い部分が増えます。人間ドックなどでは、この凹みが大きい人たちを緑内障の疑いとして、「視神経乳頭陥凹拡大」という表現で伝えます。
(最近は、一般の人に分かりにくいとの評判から、緑内障性視神経乳頭と記載する検診が増えてきています。)


これは、緑内障中期の人です。正常に比べると、ドーナツのリングの下の方が薄くなっています。矢印で囲んだのですが、視神経乳頭から左下に、少し網膜の色が暗く映る場所があるのが分かりますか?ここは押しつぶされて、薄くなってしまった網膜で、専門的にはNFLD(視神経線維層欠損)と呼ばれる所見です。


これは、視野の8割方が欠けてしまった、進行期の患者様です。オレンジのリングがごくわずかしか残っていません。


これは、明るさが分かる場所が少しは残っている。という、社会的失明に当たる末期の患者様です。オレンジのリングは見当たらず、視神経乳頭が真っ白になっています。両目とも進行期で、数ヶ月前に当院に転院となり、緑内障手術を行い、どうにか失明を防いでいます。

当院では、緑内障の患者様は1年に1?2回、眼底写真を撮影し、保存するようにしています。
写真を撮らない場合には、医師のスケッチなどで評価をするのですが、どんなに頑張ってスケッチしても、正確さや精密さでは写真には全くかないません。


これは、比較的初期の患者様で1年前に撮影した写真です。矢印で囲んだ部分はNFLDで網膜の薄い部分です。緑の矢印の先には、視神経乳頭出血と言って緑内障が進行するときによくみられる出血があります。

これは、同じ患者様で今回1年ぶりに撮影した写真です。よーく見ると、NFLDがごくごくわずかですが、幅が広がっています。視野検査でもごくわずかですが進行があり、今回より点眼薬を強化しています。
このような微細な変化を見逃していくと、きちんと通院・治療していたのに、数年後には末期になっていた。なんていうことが起こりえます。
きちんと正確に視神経の状態を把握、保存し、以前の写真と比べるという目的で、眼底写真の撮影は、緑内障の患者様には必須の検査です。

緑内障? 症状:視野が欠ける

今日の午後は手術日です。
・白内障手術 14件
・網膜硝子体手術(茎離断) 3件
(黄斑前膜1件、増殖糖尿病網膜症2件)
無事に終わりました[:グッド:]

さて、今日も緑内障のお話です。
緑内障?
症状:視野が欠ける

緑内障は、眼圧に関連して視神経が障害され、視野が狭くなる・欠ける病気です。
「目がいい」というと、視力が1.5だとか、
「目が悪い」というと、視力が0.1だとか、
多くの方が、目の良い悪いの指標として、視力検査の数値を想像します。
ある人の、物の見え方を表現するのに、視力というは重要な指標ですが、同じように視野というのもとても重要な指標です。
視野とは、ものの見えている範囲のことを言います。

緑内障では眼圧によって、視神経・網膜が押しつぶされて薄くなっていきますが、薄くなった部分の視野は見えなくなっていきます。
視神経や網膜は場所によって厚みや丈夫さが異なりますが、物を見る中心部の神経は、他の部位に比べて丈夫であることが多く、緑内障で神経が押しつぶされる場合に、多くの場合は視力検査に重要な中心部の神経は最終段階まで生き残り、他の周辺部の視野から障害されていきます
周辺部の視野が欠けていき、治療を受けずに、病気がどんどん進んでいくと、最終的には物を見る中心部も侵され、失明。となっていきます。


これは一つの例ですが、上の段が視野検査の結果、下の段が日常生活での見え方のイメージ図になります。黒い部分が視野が欠けていることを表しています。
一番左側は初期の緑内障、中央が中期、右側が末期の緑内障になります。

実は近年の緑内障の治療は、以前よりも格段に進歩しており、きちんとした治療を受けることができれば、多くの場合で失明を防ぐことができます。
なのに、緑内障が失明の原因の1位なのはなぜでしょう??
それには、次のような自覚症状がない。という事が大きな要因です。

①自覚症状を感じて病院に行く時にはすでに末期。
よほど詳しく調べないと、ほとんどの人は、上の図で左側や中央、つまり初期や中期では自覚症状がありません。なので、「見えにくいなぁ。」と思って、初めて病院に行く時には、末期の末期なんてこともよくあります。

②自覚症状がないので、治療・通院を中断してしまう人が多い。
毎年毎年、数千人が失明する重大な病気ですが、最近は人間ドックのおかげで、初期の段階で病気が見つかり、早期治療を始められるが増えてきました。初期から治療をすることで普通は失明を防げるのですが、基本的に治るといった病気ではなく、毎日目薬をつける事に納得がいかなくなったり、通院の時間や、金銭面などで、治療が面倒になってしまう人がたくさんいるようです。
見えない。という自覚症状が出る時には末期なのですが、初期には自覚症状がないため、通院が嫌になってしまうのですよね・・・。

自覚症状が出にくい理由には、まず両目を使う事で、左右の目に見えにくい場所があっても、カバーしあうということがあります。
そして、それ以上にfilling-inという脳ミソの働きも重要です。

分かりやすくするために、上の見え方のイメージ図では、見えない部分を黒く塗ってありましたね?しかし、実はゆっくりと進行する緑内障では、見えない部分が黒く見えるわけではないようです。
例えば、緑内障で、一部分が虫食い状に見えない場所がある患者さんがいるとします。
その人が白い壁を見ている場合には、その見えない場所は白色で埋められます。
その人が青い空を見ている場合には、その見えない場所は青色で埋められます。
多くの緑内障では、見えない場所があったら、そこは黒になるのではなく、その周りの色が入り込んで、あたかも色があるように見えるのです。(filling-in現象)

人間の脳ミソは生きていくにあたって、出来るだけ都合がよい状態になるように、様々な情報を調節していきます。(若い時ほどその傾向が強いようです。)
片足を急に失った人は、最初は体のバランスを取ることが困難ですが、だんだんと重心の位置がズレて、義足などで歩けるようになります。
斜視といって、目線がズレテしまう病気がいきなりでると、物が2重に見えてしまいますが、若い時からあったり、病気が長引いたりすると、2重に見えるよりも楽だからと、脳ミソは片方の目からの映像を消してしまう方法をとります。
片目づつだと、右目と左目の見え方が違っても、脳に入る時点で映像を作り変え、合成・融像するために、両目でみると全く気にならなくなります。

緑内障の重症型で急激に見えなくなったばあには、症状に気が付きやすいのですが、多くの緑内障は数年とか、数十年とかをかけて、非常にゆっくりと進む病気なので、脳ミソはそれに適応するように、見えない部分(視野)を、自分にとって都合がいいように作り変えて、生活しやすい映像を作り出すようになってしまうのです。

上で紹介したイメージ図ですが、慢性の緑内障では、多くの場合に下のような見え方に、脳ミソが映像を作り変えてしまうのです。

左や中央のイメージ図では、普通の人には自覚症状がでません。
右側になると、色を埋めるといっても、どの部位の色を持ってきて、欠けた部分を埋めたらいいのか?脳ミソも判断できなくなります。こういう状態になって初めて、「見えにくい」と感じるのです。それでも右の末期の図のように黒く抜けて感じるひとは殆どおらず、全体として「白くかすむ」という映像が頭に思い浮かぶことがほとんどです。緑内障の末期の患者さんでも、「俺は視野も狭くないし、黒くない。白くボヤケルから白内障だ」とか、別の病気が原因だと自己判断している人が多数いるのです。

病気ではない、皆さんにも、見えない部分(視野が欠けている部分)があるのですが、分かりますか??
これがマリオット盲点と言呼ぶものです。(詳しくは以前のブログへ。)

信じられない方へ。
左目をつぶって、右目のみで、下の☆を見てみましょう。
顔をパソコンのモニターに10cmくらいまで近づけます。
その後、☆を見続けながら、ゆっくりと顔をモニターから離していきましょう。
☆の右の方にある◎が見えなくなる位置があるのが分かりますか??

☆       ◎

ビックリしました??
ここで、お願いです。
①40歳を過ぎたら、数年に一度でいいので眼科で検診をしましょう。
②人間ドックなどで、せっかく初期で見つかって、早期治療を始めることができた方は、とにかく通院・治療を続けましょう。

緑内障は自覚症状が出る時には末期です。もとに戻らない病気です。
「運転免許が通らなかった。」「歩きにくくなった。」など、見えなくなってから、病院にいっても、絶対にもとには戻りません。見えているうちから、治療を行って、将来不自由が起こらないようにする病気です。

うーん。ちょっと視野の事を書くだけでも、長い文章になってしまいますね・・・。文才がないのは自覚していますが、ご了承ください。

緑内障? 分類

今日は以下の手術を行いました。
・眼瞼下垂+眼瞼内反症手術 1例
・白内障手術 5件
・緑内障手術(トラベクレクトミー) 1件
無事に終わっています。
眼瞼下垂+眼瞼内反症は若い患者様なのですが、他院で既に2回の手術歴があり、癒着が多いと大変だなぁと心配していましたが、まずまずキレイに出来ました。

今日も緑内障の話題で。
緑内障? 分類

緑内障とは、眼圧に関連して視神経が障害され、視野が狭くなる病気。と11月12日に記載しました。自分の持っている眼圧に、自分の視神経・網膜が耐えられない場合に進行していく病気です。
ただ、一口に「緑内障」といっても様々な種類があるのです。細かく分けたら数十種類も。例えば、日本で一番多いとされている緑内障は「正常眼圧緑内障」という緑内障です。

まず、大きな分類として、以下の3つに分けられます。
?原発性(げんぱつせい)
?続発性(ぞくはつせい)
?先天性(せんてんせい

?原発性緑内障
他に緑内障を発症するような病気のない、純粋な緑内障になります。最も多い病形で、医師に「緑内障ですよ。」と言われた場合は、ほとんどがこちらになります。

?続発性緑内障
他の病気がもとにあって、それが影響して緑内障を発症するものです。目に炎症が出てしまうぶどう膜炎という病気や、外傷性の緑内障、ステロイドの薬を飲んでいる人がなるステロイド緑内障、糖尿病などが原因となる血管新生緑内障、甲状腺の病気や、白内障など水晶体に関連するもの、手術が原因となって発症する緑内障などもあります。続発性緑内障は上記の様々な原因が影響して、原発性に近い形をとる緑内障ですが、治療をするうえで、緑内障の治療以外に、もとの原因となる病気の治療を行うことも必要になります。

?先天性緑内障
近年は正式には発達緑内障と呼ばれます。生まれつき、眼球構造の発達不良であったり、異常があるために起こる緑内障で、小児期?若年期に発症します。目の異常のみでなく、染色体異常やホルモン異常など、全身的に重大な疾患と合併することがあります。

では、次の分類です。
A:閉塞隅角(へいそくぐうかく)
B:開放隅角(かいほうぐうかく)

以前のブログ(2011.11.07 Monday)で、目の中には房水と呼ばれる水が循環していることを書きました。

房水は毛様体(もうようたい)と呼ばれる組織で産生され、青矢印のように目の内部に流れていきます。そして、最終的に、赤矢印のように角膜と、水晶体の前方に位置する虹彩の付け根の部分から出ていきます。この房水の出口の部分を隅角(ぐうかく)と呼びます。
この隅角(房水の出口)が明らかに狭く、水の排出が悪くなっているのが「閉塞隅角緑内障」。一見、隅角(房水の出口)は狭くない、または広いのに排出が悪いものを「開放隅角緑内障」と呼びます。

赤矢印が隅角を指していますが、左側が閉塞隅角、右側が開放隅角になります。

開放隅角は出口が広いのに、房水の排出が悪く、眼圧が上がってしまうことがあるのですが、出口よりも先の房水の排出路の構造に問題があったり、細胞レベルなど、人間の目で認識できるレベルを超えて、流れを妨げる何かがある場合に起こります。
逆に言うと、閉塞隅角緑内障は、少し拡大して診察するだけで、医師(人間)の目で、明らかに出口の構造が狭いということが認識できる病態です。

開放隅角の、目に見えないレベルの異常がある場合には、治療法は、まずは点眼薬による治療を行うのが一般的です(人間の手を使った手技で、どうにか出来る大きさのレベルではない)。
ところが、閉塞隅角の場合には、人間が認識できる大きさのレベルで、出口が狭いので、手術やレーザー光線を使用して、出口を広くすることで、房水の流れを改善することが可能であり、治療の第一選択は外科的な手技になります。(以前は、サンピロという点眼薬で、出口を広げる方法がとられることが多くありましたが、副作用の問題などで、今はあまり行われません。)

*閉塞隅角緑内障で、手術等などで外科的に隅角を広げても、緑内障が残存する場合には、開放隅角緑内障も合併しており、混合緑内障と呼ばれます。この場合は、隅角を広げた後も、開放隅角として点眼薬などの治療が必要になります。

この2つの分類の組み合わせで、多くの緑内障を表現することができます。
例えば、
・原発性開放隅角緑内障
・続発性開放隅角緑内障
・続発性閉塞隅角緑内障 などになります。

正常眼圧緑内障
初めに、緑内障のなかで、もっとも多い病形だと書いたのが、この正常眼圧緑内障です。
実は、正常眼圧緑内障は、厳密には原発性開放隅角緑内障に分類されます。
緑内障は眼圧がいくつだから発症するとかではなく、自分の眼圧に、自分の視神経が押し負けてしまう場合に発生する病気です。みんなに比べて、視神経が弱い人がいたとして、その人の眼圧が10?20mmHgと、正常値と言われている状態でも、神経が押しつぶされていく場合には緑内障となるのです。

緑内障という病気のことが、まだよく分かっていなかった時代に、「眼圧が高い=緑内障」という観念が先行してしまったようで、緑内障とは眼圧が20以上でなるものだ。と考えている人が多いようです。
本来は、眼圧が10だからとか、20だから、30だから病気だとか病気でない。と言うことではないのですが、現在の日本では一応、眼圧は10?20mmHgを正常としています。

このような理由で、一応は、「眼圧が20未満で発症した緑内障を正常眼圧緑内障」と、定義されています。
実際には、緑内障とされる患者様の70%以上は、正常眼圧緑内障と圧倒的に多い病態です。緑内障の、ほとんどの患者様の眼圧が正常。というのも変な話なので、そろそろ、眼圧の正常値という呼び方とか、病名とか、大きく変える時代が来てもいいのでは??と思いますが、どうなのでしょう?

なるべく、簡単に、一般の患者様に分かりやすい解説を。と日々考えているのですが、特に今日はちょっと難しいですよね・・・。
分類という言葉自体、ちょっと表現が硬い。なかなか難しいです。
お付き合い頂きありがとうございます。

緑内障③ 病態

緑内障③ 病態

目の中には血液の代わりに、栄養分に富んだ透明な液体(房水)が流れており、房水が入っているからこそ、眼球と言うボール(風船)は、丸く膨らんでいることができます。指で触ってみても、少し弾力・硬さがありますよね?
目の中に房水がたくさん入っていると眼球は硬くなり、少ないとやわらかくなります。この硬さ・弾力のことを眼圧として測定することを緑内障①②で記載しました。

緑内障とは、眼圧に関連して視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。
(難しいことまで書くと、目の奥の血流や視神経の構造など、眼圧以外の原因もいくつか推測され、偉い先生たちが日夜研究中ですが、現在の医学で原因・治療法としては確実に証明されているのは眼圧・眼圧下降のみとされています。)

眼球にとって、房水はなくてはならないものです。栄養分をいきわたらせる役割もありますし、何より房水がなければ、眼球というボールは丸く膨らんではいられません。ケガなどで眼球に穴があき、房水が流れ出てしまったら、目は文字通り小さくつぶれてしまいます。
房水が存在するおかげで、眼球の風船には内側から圧力がかかり(眼圧)、丸く膨らんでいる眼球ですが、光を感じ取る網膜や、網膜の束である視神経が、眼圧によって押しつぶされて、薄くなってしまう事があります。網膜・神経が薄くなった部分は徐々に見えにくくなっていくのですが、この状態を緑内障と呼びます。


房水によって内側から膨らむ力(眼圧)が働くと、


視神経が圧迫されて、光を感じ取る網膜(緑)が薄くなってしまいます。

血圧は収縮期で140未満が正常、140を超えるとが異常、高血圧と呼ばれますが、
実は、厳密な意味では眼圧に正常値はありません。
ただし、ある程度の目安として、一応は眼圧の正常値は10~20mmHgとされています。

どちらかというと、眼圧は低い方が良いと考えてください。(0とか1とか、極端な低値は別ですが。)
例えば、
・眼圧が100とかあると、地球上の人間のほとんど全員が1日で失明に至ります。
・眼圧が50だと、視神経・網膜が弱い人は数日、丈夫な人は数ヶ月~1年程度かけて失明します。
・眼圧が30だと、目の弱い人は数ヶ月で失明に至りますが、丈夫な人は一生涯まったく問題が起こらない人もいます。
・眼圧が20だと、多くの人では特に問題が起こりませんが、視神経や網膜が弱い人は、ゆっくりとですが失明していくこともあります。
・眼圧が6でも、非常にまれですが、視神経や網膜が押しつぶされていくこともあります。

つまり、眼圧が数字でいくつだから大丈夫、いくつだから駄目。というのではなくて、自分の持っている眼圧に、その人自身の視神経・網膜が耐えられるかどうかが問題なのです。

ある人の視神経が16mmHgまで耐えられる神経であった場合に、その人の眼圧が12mmHgであれば、全く問題が起こりませんが、眼圧が19であれば少しづつ弱っていきます。眼圧が30であれば、より早く弱ってくという具合です。

ですので、眼圧の正常値である10~20mmHgというのは、それくらいの人が多いという目安であって、その中に入っているから大丈夫ということもないですし、その中に入っていないから絶対に病気になるというわけでもありません。
(そうはいっても、眼圧が30も40もあれば緑内障になる確率は高いので、人間ドックで眼圧を測って、20以上の人をピックアップすることは、効率よく病的な人を見つけるのには役立っています。問題なのは、20以下だったから、緑内障にはならないと、安心してはいけないという事です。)

緑内障② 眼圧の測り方

緑内障② 眼圧の測り方

前回、眼圧について記載しました。
・目の中の水(房水)が多いと、眼球・ボールを内側から膨らまそうとするチカラが大きくなり、眼球が硬くなります⇒眼圧が高い。
・逆に、房水が少ないと、ボールはペコペコで、やわらかい状態に⇒眼圧が低い。

血圧の測定方法は、腕に血圧計を巻いて、空気で腕の血管を圧迫して、拍動する状態から測定します。

では、この眼圧はどうやって測るのかというと、
近代の眼科では、大きく2種類の方法で測定しています。

①non contact tonometer(ノンコンタクト トノメーター)
略して「ノンコン」と呼ばれています。日本語では非接触式眼圧計。
空気を眼球に吹き付けて、眼球(角膜・黒目)の変形する様子から眼圧を測定します。

上のような器械に、顔を載せて、目を大きく開けて測定します。

器械が同じ量・風速の空気を目に吹き付けるのですが、
もしも、中に水がいっぱいで、眼圧が高く、眼球が硬い場合には、眼球(角膜)の形は、あまり変化しません。

逆に水が少なくて、目が柔らかい場合には、眼球が大きく変形します(凹む)。

ノンコンのメリットは、
・空気を吹き付けて測定し、眼球に直接触れないため、感染症などが起こりにくいこと。
・基本的に測定の精度には器械の力量が大きく、検査をする検査員の力量によっては、測定の誤差が出にくいこと。
等があります。

デメリットは、
・角膜の厚みや様々な条件に対応できず、基本的には誤差の大きい検査です。
・特に空気を吹き付けられる時の恐怖感などで、目が動いたり、強くつぶろうと力が入ったりすると誤差が大きくなります。(最近の器械は、空気の量が非常に少なく、当院の最新型などでは、数年前のものよりも患者様の負担はとても少なくなっていますが。)

②applanation tonometer(アプラネーション トノメーター)
略して「アプラ」とか、発案者の名で「ゴールドマン」とも呼ばれます。日本語では圧平式眼圧計。

こちらは、空気ではなく測定器を直接眼球(黒目・角膜)に押しつけて測定します。
麻酔の目薬をつけて、下のようなスリットランプと呼ばれる目の表面の観察装置を使います。

この青く光る部分を目に押しつけます。

医師の側からは、こんな感じで見えます。

測定原理はノンコンと同じような感じで、器械を押しつけて、目の凹みぐらいから眼圧を推測します。(眼圧が高ければ、あまり凹まない。)

アプラのメリットは、
・誤差が少なく正確(技術があれば)

デメリットは、
・直接、目に触れるので、感染症の原因になったり、測定時に黒目にキズが付くリスクがあります。
・青い光がまぶしい。
・医師が測定しますが、担当医の力量や、クセなど、測定する人によって誤差が生まれる可能性があります。

どちらの方法にしても、患者さんにとっては、空気が不快だったり、まぶしかったり、あまり気分のいい検査ではないようです。ただ、眼科ではとても重要な検査ですので、ご協力を頂ければと思います。

*緑内障の患者さんの管理には、基本的にアプラネーションも用いた眼圧測定が必須です。緑内障専門医を名乗りながらノンコンのみで診療している医師もいることはいるのですが・・・。

注)
上記の測定は、目の硬さから、目の内部の圧力を推測する方法です。
実際に眼球に針などを入れて、内部の圧力を測定するわけではないので、あくまで推測値になってしまうのですが、診察のたびに手術のように眼球内に器械を入れるわけにはいきませんので。
これらの方法では、眼内の房水による圧力以外にも、眼球のボール自体の厚さや、硬さ(剛性)も、測定値に影響します。例えば、同じ大きさの、やわらかいゴムボールと、硬いプラスチックのボールに、同じ量の水の入れても、触った時の硬さは異なりますよね?
例えば、高齢になると角膜組織が硬くなります。このため同じ水の量であれば少し眼圧が高めに測定されます。他には、レーシックなどの近視矯正手術を行って、角膜が薄くなっていると、同じ眼圧でも、眼球がやわらかくなるため、眼圧の測定値は小さい値が表示されます。(最近は、手術をする施設も増えてきましたが、以前は緑内障の人はレーシックはできない。と言われていたのは、こんな理由もあるのです。)

*レーシックによる感染症や、長期成績が問題となり、レーシックを受ける人が激減しているのは緑内障管理の面からは喜ばしいことでしょうか?日本人は高齢になるにつれ高率に緑内障を発症する民族です。強度近視の人はさらに緑内障のリスクが高まりますので、本来は緑内障患者さんや、強度近視など将来緑内障のリスクが高う患者さんに対しては、僕はレーシックは禁忌だと思います。商売としての治療を行っている医院が多い分野ですが、その人が20年後、40年後、どういうリスクがあるのか?レーシックを施行している先生はよく考えて、きちんとリスクの説明をしてほしいものです・・・。

緑内障① 眼圧

失明の原因第一位、眼科の重大な病期について記載を始めます。

緑内障① 眼圧

手の先、つま先、体のほとんどの部位では、血液が栄養分を運ぶ役割を果たしています。では、眼球の中はどうでしょう?
もしも目の中に赤い血液が流れていたら、光が通らないので、物を見ることができません。

目の中では透明な水が循環することで、栄養分をいきわたらせることを行っています。

具体的には、図の茶色の組織(毛様帯)と呼ばれる組織から、

血液の中から必要な、栄養分の高い水だけをろ過して、水色の矢印のように水が出てきます。実際には水は目の中全てを埋め尽くすわけではなく(一番広い部分には硝子体がありますので)、図のようなルートで、特に水晶体(レンズ)の周りをまわって栄養分を届け、赤矢印、黒目(左側)の方に回って、瞳孔(虹彩)の付け根のあたりの出口(隅角)から出ていく。という循環を繰り返しています。

この目の中を流れるお水の事を「房水:ぼうすい」と呼びます。
目の中に、房水が入っているからこそ、眼球(ボール)は、丸く膨らみ、触ったり押したりすると、一定の硬さ・弾力があります。この弾力・硬さが
眼圧(がんあつ)なのです。

目の中に房水が多いと、眼球のボールを内側から膨らませる力が大きくなり、外から触ると、パンパンで、硬く感じます。このような状態を、「眼圧が高い」。

逆に、目の中の房水が少ないと、眼球のボールはペコペコ、やわらかい状態となり、このような状態を「眼圧が低い」と表現します。

緑内障手術?

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 4件
・眼瞼内反症手術 2件
キレイに終わっています。

先週末に緊急で緑内障手術をした患者様は、翌日より眼圧が15?20程度で落ち着いており、今のところ、経過良好です。
ただし、まだまだ安心はできません。
実は、緑内障手術の成否は手術のみで決まるのではなく、術後の処置に大きな役割があります。手術半分、術後の処置が半分です。

緑内障手術?(りょくないしょうしゅじゅつ)

緑内障の手術は、目の中に溢れた水(房水:ぼうすい)を、目に穴を開けて水を外に流す手術です。水が外に逃げる分、目の中の水が少なくなり、目の中の圧力が下がります。
穴をあける、あけ方は、術者の好みや症例によって異なりますが、だいたいは3?4mm程度の四角や三角のキズを作ります。

ここで、ちょっと別の話ですが、
もしも、間違えて手の平に釘を刺してしまうとします。貫通した釘を抜いて、多少出血したり、キズが膿んだりはしても、結局はキズは閉じて治ってしまいますよね?女性が耳にピアスを開けても、きちんと管理しないと穴がふさがってしまうと思います。

緑内障の傷口も、同じようなもので、キズを作ってほっておくと、キズが閉じてしまい、手術をした意味がなくなってしまうのです。
では、キズを大きく作って、水をじゃじゃ漏れにしたらどうでしょう??実は、それも駄目なんです。水が少なすぎてしまうと、目はしぼんでしまって、眼球の形状(球)が保てなくなってしまいます。(医学的な表現ではありません。専門的にはそれ以前に、様々な問題が起こります。)

ボールがしぼまない程度に、ゆっくりと、少しだけ水が流れて、かつ、目の中に水が多くなりすぎないように。といった、なかなか難しい感じなんです。

具体的に、良いキズを作って、良い眼圧にするには、
?傷口に癒着防止剤を使います。近年は緑内障手術を行うときに、使わない先生はいない。とったほどあたり前の事です。抗がん剤の一種で、一定の濃度に薄めたものを、手術の時に3分程度塗りこみます。
?術後に眼圧が高い場合⇒傷口を押して、開く(マッサージ)をしたり、わざと多めに傷口を縫っておくのですが、眼圧に応じて、縫った糸をレーザー光線で溶かして切ってしまう。なんてことをします。
?術後に眼圧が低い場合⇒傷口を安静に保つために眼帯をしたり、あまりに水の漏れが多い場合には、傷口を縫いなおしたりします。

このようなことを行いながら、だいたい1週間?2週間くらいすると、傷口の大きさなどが一定化して、眼圧も落ち着いて行きます。

ケガをした場合に、早く治る人、なかなかキズが治らない人、いろいろいますよね??
緑内障の傷口も、癒着が強く、すぐにキズが閉じて眼圧が上がってしまう人や、なかなか癒着が起こらず、眼圧が下がり過ぎてしまう人等がいます。
もちろん、僕たちもプロですので、手術の時にも、緑内障の種類や、目の状態、年齢、血管が多いかどうかなど、様々なことを考えてます。例えば、癒着防止剤を3分でなく、長くしたり短くしたり調節をしたり、キズを多めに縫ったり、少なめに縫ったり。
ただし、そういった手術のみの技術ではなく、術後に毎日行う処置で、出来るだけ、目標にした眼圧に近づけていくことが、緑内障の手術ではとっても重要です。術後の管理も腕の見せ所なのです[:グッド:]

先週末に手術をした患者様です。

矢印で囲んだ部分に水が溜まって、プックリしています。最終的には眼圧を10程度に落ち着かせたいので、本来なら今日はレーザー光線で傷口の糸を切って、水の出口(傷口)をもう少し開くところです。
ただし、この患者様は目の奥に水晶体が落下しており、それ取り除く手術を明日行うので、今日は様子を見ることとなりました。

実は反対目も全然見えないのですが、

こんな感じ。黒目の中央、白内障でかなり真っ白に濁っています。
瞳孔を広げる薬を使っているのに、ほとんど開かず、またレンズの支えが弱いようで、目の中でレンズ(白内障)がグラグラ動いています。
明日、両眼の手術を行うのですが、結構大変そうです。
頑張るぞ[:グー:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

緑内障手術?

昨日に引き続き、またまた水晶体脱臼後の急性緑内障です。
(昨日の方は、レンズがないので、ピントが合わず、視力はまだ不良ですが、その他の経過はとても良好です。後日新しいレンズを挿入すれば良く見えるようになりそうです。)

今回は、もともと片目が見えない、80代男性の患者様で、数日前から良かった方の目が見えなくなったと、当院には初めていらっしゃいました。
両眼ともに、光触弁(こうかくべん)と呼ばれる視力で、メガネをかけても光が分かるか分からないかという状態です。

本来、水晶体は図のように、目の中では黒目に近い方(前の方に)位置します。図では白い楕円が水晶体です。ケガでぶつけた場合や、もともとレンズを支える組織が弱いと、このレンズが図の青い楕円のように目の奥方に落ちてしまう事があります。レンズが落ちてしまうと、光を曲げる(屈折)する力がなくなり、ピントが全く合わないために、ほとんど見えなくなります。
ただし、レンズが落ちただけであれば、数日とか、そう急がなくても、レンズが眼の奥の方の組織を傷つける前に取り出して、新しいレンズを入れることで、そう難しくなく、かなり回復します。

今回は、昨日の患者様と同様で、レンズがずれたことにより、目の中を循環する水(房水:ぼうすい)の流れに変動が生じ、または、各種の炎症や癒着により、水の排出口が狭くなってしまいました。目の中で出口を失った水が溢れかえり、目の中は大量の水で圧力(眼圧)が高まっています。
正常の眼圧は10?20くらいなのですが、今日の患者様は眼圧60以上と、かなり高くなっており、このままでは早々に失明してしまいます。

朝に初診でいらして、眼圧を下げる作用をもつ目薬や、点滴を行いましたが、夕方の手術直前でも、眼圧は70です。とても週明けまでもつとは思えませんので、先ほど、とりあえずは、眼圧を下げる手術(緑内障手術)を行いました。

緑内障手術(りょくないしょうしゅじゅつ)
緑内障の手術とは、簡単にいうと、「目に穴を開けて、中の水を外に逃がしてあげる手術」です。
本来の水の流れ道が上手く働かず、水が溢れてしまう分を、別に水の抜け道を作って、目の外に逃がしてあげます。

本日の手術です。

まず、白目(強膜)の上を覆っている結膜という粘膜の一部を、ハサミできって、剥がします。

すると、白目(強膜)が露出します。この白目の組織をメスなどで切って、水の通り道を作ります。(赤矢印)

黒目(角膜)に近い部分で、白目の一部を完全に切除し、眼球に穴を開けます。

ただ穴をあけただけでは、水がどんどん漏れてしまうので、水の出ていく量をコントロールしやすくするために、せっかく作った穴ですが、髪の毛よりずっと細い糸で、数か所縫って行きます。目の中の水がゆっくり、じわっと、縫い目の隙間から出てくるようにします。

最後は、一度剥がした結膜を、元の位置に縫いつけます。
手術終了時の写真です。

目の内側から、白目の穴を通過して、外に出た水(房水)は、白目(強膜)と結膜の間に溜まります。写真でみると、青矢印で囲んだ部分が、プックリと膨らんでいるのが分かりますか?ここに水が溜まっています。この水はゆっくりと血流にのって吸収されていきます。結膜の外にまで漏れだすわけではないので、涙のようにポロポロと目から出ていくわけではありません。(穴の作り方や、糸の縫い方などには、様々なやり方があって、術者の好みや、個々の患者様の症例によっても変わります。当院では、上記のような手術が多いのですが、例えば、写真の緑矢印の部分には、接着剤(糊)のようなものを使うなど、いろいろ工夫をしています。)

今日、ちょうど視野検査で外来にきた別の患者様、I様の写真です。

緑矢印で囲んだ部分がプックリと膨れています。青矢印の部分に白目の四角いキズがうっすらと透けて見えます。1年以上前に手術した方ですが、現在も眼圧は7mmHg程度と良好です。

こんな感じで、手術は問題なく20分程度(助手なし)で終わりましたが、この患者様はまだまだ見えるようにはなりません・・・[:冷や汗:]
今日は、とにかく状態が悪く、ひとまず眼圧を下げる手術だけを緊急で行ったのですが、目の中には、いまだに落下した水晶体が残っていますし、新しいレンズも縫いつけなくてはいけません。
(眼圧が高いと、黒目・角膜が濁ってしまい、目の中をのぞくことが困難です。目の奥の方まで手術をするのは危険なので、今日全てを行うのはリスクが高すぎます。)
とりあえず、超緊急の状態は脱したのですが、週が明けてから、今回のキズに負担がかからないように、目の奥にあるレンズを取り出して、新しいレンズをいれる。
どこから、キズを作って、どうレンズを取り出すか。なかなか難しそうです。週末に作戦会議を開かなくては[:汗:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

SLTレーザー(緑内障)

今日は、9名の患者様の手術を行いました。
・白内障手術 8件
・翼状片手術 1件
・緑内障手術 1件(血管新生緑内障)
・網膜硝子体手術 1件(黄斑前膜)

緑内障手術の方は糖尿病の末期などにおこる緑内障で、重篤な疾患です。2年前に糖尿病網膜症で硝子体手術を行い、落ち着いた状態でしたが、今回、血管新生緑内障を発症してしまいました。
昔は手術成績が悪いことで知られた疾患ですが、最近はアバスチンというホルモンをコントロールする薬を併用することが多く、成績が良くなってきています。本日の患者様もきっと大丈夫だと信じています。信じたい。

今日は、緑内障の治療についてです。
急性緑内障発作などの稀な症例を除き、緑内障の治療には現在は一般的に4種類程度が行われています。

?点眼薬:もっともポピュラーな治療で、ほとんど全員の患者様に使用されます。房水と呼ばれる目の中を流れる水の産生を減らしたり、出口からの排出を増加させる作用があります。点眼薬の副作用や、毎日の点眼薬が面倒といったことはありますが、治療の中では効果、安全面や経済的にも、まず第一に検討させる治療です。

?白内障手術:閉塞隅角緑内障という病気では効果が大きく、また、他の緑内障や、普通の人でも白内障の手術後には眼圧が1?2程度下がることが多くあります。

?緑内障手術:本日行った手術ですが、リスクなども大きく、点眼薬や他の治療を行っても、どうにもならない患者様が適応になります。

他に、内服薬などもありますが、飲み薬ですので全身的な副作用もあり、手術後の短期間などに使用されます。特殊な状態や、他の病気で手術ができない場合などをのぞき、終了時が見えない場合には手術などを検討すべきと思います。

?SLTレーザー:比較的新しい治療で、房水と呼ばれる目の中を流れる水の出口付近にレーザーを照射する治療です。房水の排泄がよくなり眼圧を下げる効果があります。点眼薬を使用しても眼圧が下がらない場合や、副作用などで点眼薬が使用できない場合、毎日の点眼が面倒だという場合などに行います。

4月7日に初診となり、SLTレーザーを施行した、76歳男性の患者様が本日再診となりました。
この患者様は他の眼科様にかかりつけで、水晶体嚢性緑内障(PE緑内障)と呼ばれる緑内障です。点眼薬を4種類使用しても眼圧が32mmHg(正常10?20)と高値であり、手術をすすめられていると、セカンドオピニオンとして当院を受診されました。
手術は出来る限り受けたくないとのことで、4月7日にSLTレーザーを行いましたが、本日の眼圧は17mmHgと正常値まで低下しておりました。非常に喜んで頂き、よかったです。

医学の進歩は非常に早く、様々な治療法が日々開発されています。
点眼薬を使用しているのに、眼圧のコントロールがつかない患者様や、緑内障が悪化している患者様は、一度当院を受診して頂ければと思います。
当院では、緑内障の各治療のメリット・デメリットをパンフレットとして作成し、患者様と出来る限り相談して治療法を選ぶようにしています。

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